プログラミングと英語の関係
社会人の資格取得で人気があるものとして、プログラミングなどのITスキル系資格や英語能力の検定があります。ビジネスで活用できるほか、自身のスキルアップでも有効です。ここでは、プログラミングの能力アップと英語力の関係性について解説していきます。
プログラミングと自然言語の関係
コンピュータが考案された初期段階では、プログラミング言語はアセンブリ言語や機械語を用いてコード開発を行うもので、習得には高い専門知識が必要でした。その後人間が普段用いている、自然言語に基づく高水準言語が考案され状況が一変します。
高水準言語では、人間に近い言語や文法を用いてプログラム開発を行います。1950年代に登場したFORTRANは、最初に登場した高水準プログラミング言語です。高水準言語を利用することで、プログラム開発の生産性が著しく向上しました。
FORTRANの登場以降、リリースされたC言語や派生言語では、英単語に近い関数名や指示語等が命名実装され、現在のプログラミング言語のルーツとして現在も広く利用されています。
プログラミングで英語は必要か
これまで登場したプログラミング言語は、海外発祥の言語が大半を占めます。ドキュメントも英語で提供され、プログラミング言語を決める標準化団体も大半が海外に拠点を持っています。そのため、仕様の定義や発表は世界共通語である英語で行われ、新バージョンのリリースやブログへの掲載も英語が大半です。
日本発祥のプログラミング言語ではRubyが有名ですが、Rubyにおいても内部で使用している構文は英語名が基本であり、他の言語開発の流れに従っています。
以上のことを総合的に判断すると、プログラミング言語と英語は切っても切り離せない関係があると考えて差し支えないでしょう。
現在では、移動手段の整備により移動時間の短縮や高速通信網の活用により、海外との距離は急速に縮まっています。日常的な会社の業務もグローバル化しており、英語のコミュニケーションと情報活用は、相乗効果が期待できると判断できます。
プログラミングと英語はどちらから学ぶべきか
プログラミングと英語は、それぞれ単独でも有効なスキルです。それではどちらから学ぶのが有効でしょうか?
ここでプログラミング言語の構文を見てみると、プログラミング言語で求める英単語は限定されていることが分かります。数百の単語で構文が成り立っています。そこで用いられる英単語に限定して学習することで、難易度や範囲が特定でき効率的に学習できます。
その範囲の単語をベースに学習することで、英語のレベルは必要最低限のレベルから徐々に高められ、プログラミング言語の能力も同時に高まることが期待できます。どちらか一方のみを完璧にしようと考えると、相当な時間と労力が必要です。同時並行して学習していくと、相乗効果が得られるのでおすすめです。
プログラミング知識習得のメリット
ここでは、プログラミング能力が求められる理由とメリットについて考えてみます。求められる理由は、プログラミング知識があると、プログラムロジック開発が可能であり論理的な思考能力が高いと判断できるからです。コード作成の発想力や表現力が要求される場面で能力が発揮できるので、ビジネスで必要となる新規事業化等のアイデア出しや提案能力も期待できます。
今後は人工知能を始めとする高度情報化社会での活躍が可能となり、需要高まる領域での活躍が期待できます。メリットとしてはキャリアアップのほか、就職や転職にも有利です。場合によっては、事業として独立し起業することも可能です。
プログラミングの適性
前述の通り、プログラミング知識習得は多岐に渡るメリットがあるものの、一定の適性も求められますので、向き不向きがはっきりしている面もあります。以下に挙げる項目は必ずしもすべて必要ということではありませんが、少しでも多くの項目をカバーしている人材は、プログラミングやITのスキル習得が短期間で向上すると考えられます。
・論理的な思考ができる人 理数脳というわけではないですが、プログラミングの構文を理解するにあたって数式やプログラミングのロジックを理解する必要があります。コンピュータは指示通りにしか動作しませんので、あいまいな指示ではなく明確に論理的に表すことでバグの少ないコードを記述することができます。
・複雑な処理を簡略化・単純化できる人 面倒な作業の順番を見直し簡略化することは、日常生活でも重要です。この順番の整理や優先順位付けは、不要な作業を減らし効率を高めます。プログラミングにおいても単純なコードは複雑なスパゲティプログラムよりも、高速で不具合が少ないことが明らかとなっています。
・発想が豊かな人 プログラムコードは他のコードを参考にすることも多いですが、肝心な考え方は独自性が求められ、発想豊かなプログラマはコード開発に向いています。また型にはまらない柔軟性があるとさらに独創的でコード開発の能力や幅が広がります。
・協調性がある人 プログラム開発は大規模になると、数名から数百名で分担して作業することもあります。その際には、決められた規則やルールに従い、プロジェクト管理下で作業をすすめます。その点では、作業指示に従うことや作業指示を作成することも、ためらいなく行う必要があります。
・意欲が高い人 プログラム開発では、仕様確認や構文チェックなど地道な作業も必要です。その作業を根気よく集中して実施するほか、未定義のロジックや不足機能に気づいたり調査する探求心があると、能力向上が期待できます。さらに常に学習する姿勢は、自身の能力を高めるとともに成果物の品質を高めてくれます。
英語能力習得のメリット
ここでは、営業能力習得の求められる理由とメリットについて考えてみます。求められる理由としては英語能力があると、コミュニケーション能力や読解力が高いと判断されることが挙げられます。英語は、グローバル社会の共通語です。海外との交流が広がる現代では、国際的なビジネスにおいて必須のコミュニケーション能力と言えるでしょう。
メリットとしては、海外発信の多くの情報の入手が容易になり、情報量が格段に増えることが挙げられます。プログラミング言語などIT業界においても、プログラム言語のマニュアルやバージョンアップ情報、IT製品を含むロードマップの公開情報やブログなど多種多様な情報が英語圏から発信されています。
英語知識の適性
ITエンジニアの方でも、英語に苦手意識を持っている人が多いと聞いています。こちらも適性が関係していると考えられます。具体的には以下の観点で、より支障なく受け入れられる方が英語知識を早期に高めることができるでしょう。
・言語の違いのギャップを感じない人 英語は欧米を中心に使われていますが、アジア、特に日本では苦手な方が多いと言われています。理由としては、使用する言語と近い言語特性の習得では親和性が高く、すぐに吸収できる特性があります。欧州でも英語を使わない国でも言語特性によっては、英語を話す国と話さない国とに分かれます。
日本人でも、子供や若いうちに英語に触れておくとギャップを感じずに比較的短期間で吸収でき、年配になってからだとなかなか手につきにくいのは実感できるポイントです。
・言語の文法、音声認識、記憶のバランスが良い人 英語は「聞く」「読む」「話す」「書く」の要素がありますが、他の自然言語同様にインプットとアウトプットが要求されます。そのため、耳・眼・口・手と脳が連動します。そのサイクルをうまくバランスよく回す必要があります。
言語の文法、音声認識、記憶のバランスが良い人は、短期間でインプットとアウトプットを効率的に行うことができ、記憶と経験が定着し、実践力が高まっていきます。
・必要性が高い人 こちらも重要なポイントです。例えば仕事で海外赴任する場合は、海外派遣までに英語を学ぶ必要性が高く、集中して学ぶ方が多くなります。同様に、TOEICの目標スコアと達成期限が決まっている人も、ある意味締め切りに追われる形ですが目標スコアを達成しやすくなります。
プログラミングと英語の学習方法
プログラミングと英語の学習方法ですが、共にスキルアップ学習であり、基本的な学習方法に大きな違いはありません。また、達成難易度別にそれぞれ必要な教材もあります。
プログラミングの学習方法
プログラミングの学習方法ですが、自己学習方法としては、市販の書籍やウェブの情報を用いるのが良いでしょう。まずは初級者向けのコンテンツとして、入門書をベースに学習します。
プログラミングの前提知識としては、ITシステムの構成要素となるコンピュータの基礎で動作原理を理解します。プログラミング言語としては、汎用的スキルが求められるC言語やJavaを中心に、まずは”Hello World”を表示させるところから進めましょう。
paiza.IOなどのオンラインのプログラミングサイトで実行結果を確認するところから進めると、開発環境をインストールせずに始められ、効率的です。
【参考】:paiza.IO
どうしても、指導してほしい方は学習教室やセミナー参加により、スキルアップを目指します。
英語の学習方法
英語の学習方法も自己学習方法としては、プログラミング学習と同様に市販の書籍やウェブの情報を用います。英語の場合はより難易度別になっています。初級・中級・上級などの分類や、TOEICではスコア別に教材があります。
英語の場合は、最低限学ぶべき文法と英単語が分類されています。英単語の学習は反復演習が基本です。必須単語だけでも英単語アプリ等を用いて学習すると、苦手な単語が重点学習できるので効率的です。通勤時間等を活用して利用すると効率的です。
自身の能力のバランスを高め会話能力を向上させるためには、自力学習のみでは限界があります。学習教室を活用するほか、オンライン英会話スクールも低価格で受講することができますので、有効利用しましょう。
プログラミングで必要な英語スキル
プログラミング学習で必要な英語ですが、英語ができないエンジニアの方は特に関心がある議題かと思います。ここではプログラミングで必要な英語に限定した検定である、「プログラミング英語検定」について解説していきます。
【参考】:プログラミング英語検定
この検定は、プログラミングで用いる英語の表現や英単語に限定して実施される試験です。例えばシェルやDBMS(データベース管理システム)のクエリでは、ifやwhile、selectなどが頻出です。「プログラミング英語検定」では、プログラマの英語力向上と海外での活躍を目的としています。
試験区分ですが、「ジュニア」は高校生向け、「ベーシック」は大学、専門学校生向けで英検準2級相当、「アドバンスド」は、社会人向けで英検2級相当の難易度です。
教材も公式教材が販売されているほか、必須英単語リストが無償公開されています。高校生の情報必須化もあり、プログラミング学習の補助としても有効です。
【参考】:プログラミング必須英単語600+
プログラミングと英語の相互学習で効率的に知識吸収しましょう
プログラミングで直接必要な英単語は数百程度ですので、頻出単語は覚えやすいです。APIやコマンドで表現される意味合いは、最初に英単語として理解するとより適切に利用することができます。
プログラミングの頻出単語を理解したら、関連用語を覚えることで効率的にプログラミングと英語双方の理解度が高まりますので、おすすめの学習方法です。
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