【マイナビITエージェント】あなたの転職活動を無料でサポートいたします
インフラエンジニアは「やめとけ」?
インフラエンジニアは、OS・ネットワーク・サーバーといったシステムの基盤となるITインフラの設計・構築・整備・保守に携わる職種です。
IT業界は人手不足が深刻化しているため、ITシステムの土台を担うインフラエンジニアの需要は高く、加えて文系出身などの未経験者でも就職や転職がしやすい職種です。しかし、インフラエンジニアは「やめとけ」「底辺」などの良くない評判もあります。
インフラエンジニアは社会貢献度も高く需要のある職種なのに、なぜそのようなことを言われてしまうのでしょうか。この記事では、インフラエンジニアが「やめとけ」と言われる理由について詳しく解説します。
仕事のメリットや将来性などインフラエンジニアの明るい部分も紹介しますので、インフラエンジニアを目指している方は必見です。
『マイナビITエージェント』が
全力であなたの転職をサポートいたします。
インフラエンジニアが「やめとけ」といわれる理由
インフラエンジニアが「やめとけ」「底辺」などと言われてしまうのは、以下のような業務の特徴があるからだと考えられます。インフラエンジニアの大変さに直面し、「ついていけない」と感じてしまう人もいるようです。
残業が多い
一般的にITエンジニアは長時間労働を強いられることが多く、インフラエンジニアも例外ではありません。人手不足やトラブル対応などが理由として挙げられます。実際に、月の残業時間が100時間や200時間を超える事例もあるようです。
労働基準法36条に基づく労使協定である「36協定」によって残業制限があるため、80時間までしか残業の申請はできません。したがって、100時間や200時間の残業をしている方はサービス残業をしていることがほとんどです。
また、いわゆるブラック企業と呼ばれる会社の場合には残業代が支払われないケースもあります。こうしたケースでは、時給換算にすると1,000円以下になってしまう可能性もあります。ブラック企業は「インフラエンジニアはやめとけ」といわれる理由の典型的な例です。
しかし、全ての会社がブラック企業というわけではありません。多くの会社では残業代が支払われますし、労働環境の改善に努めているところも多いです。長時間労働やサービス残業を行う可能性の低い、優良な会社を選ぶことが重要と言えます。
【参考】:労働基準法36条について-厚生労働省
下請けや孫請け企業になると年収が低い
IT業界は、「ITゼネコン」と称されるように多重下請構造を形成していることが多いです。ITゼネコンとは、システム開発における元請負企業もしくは多重下請構造のことを指します。IT業界の中でも、特にSIer業界においては多重下請構造が多いです。
インフラエンジニアはSIer業界で働くことが多い職種です。SIer業界ではクライアントからシステム開発の依頼を受注する大手企業と、その大手企業から仕事を貰う多数の下請けや孫請け企業が存在します。
下請けや孫請け企業に就職すると、マージンを大手企業に支払う必要があり、年収が低くなってしまう傾向があります。したがって、応募する企業の業務内容やIT業界での位置づけについて事前に把握しておくことが重要です。
夜勤や休日出勤が多い
インフラエンジニアは夜勤や休日出勤が多い職種です。システムによっては24時間365日の安定稼働が求められることがあるため、クライアントの業務に影響を与えないように深夜や休日に業務を行わなければなりません。
例えば、サーバーやネットワークの管理は、利用するユーザーが少ない時間帯の深夜に行うことが多いです。銀行会社・証券会社・保険会社などの金融企業の業務システムは、平日に稼働することが一般的であるため、土日や祝日にシステムの保守・運用業務を行うことがほとんどです。
勤務体系が不規則になることから、カレンダー通りに休みたい・夜勤をしたくないという方はインフラエンジニアには向いていないと言えるでしょう。
また、インフラエンジニアには女性が少ない傾向がありますが、出産や子育てなどと両立しにくい勤務体系であるということが大きな理由となっています。
緊急の障害対応
サーバーやネットワークなどのITシステムでは、トラブルが急に発生することが多いです。どれほど念入りに設計や体制を練ったとしてもトラブルの可能性をゼロにはできませんし、障害対応をマニュアル通りに行うのは難しいです。
勤務日外にクライアントの業務システムに障害が発生した場合、インフラエンジニアは急に呼び出されることもあります。その場合、深夜や休日であったとしても現場もしくはリモートで障害の解決を迅速に実施する必要があります。
そのため、インフラエンジニアは、システムトラブルがいつ起こるかわからないという緊張感を持ちながら生活しなければなりません。障害対応は不規則な生活になりやすくなる原因の1つであり、やめとけといわれる要因です。
『マイナビエージェント』で
あなたに合った求人をチェック
インフラエンジニアとして働くメリット
インターネットでインフラエンジニアについて調べると「きつい」「つらい」「やめとけ」などの声が目立ちますが、その反面、メリットも多い職種です。ここでは、インフラエンジニアとして働くメリットについて詳しくご紹介します。
未経験者や文系出身者でも挑戦しやすい
インフラエンジニアの「監視業務」では、トラブル時以外はマニュアル通りに進むことが多いため、未経験者・文系出身者OKの求人もたくさんあります。平常時の仕事は「楽すぎる」「コスパがいい」といった意見もあり、高度な技術を求められる場面は少ない傾向にあります。
未経験者の場合、ほとんどはマニュアルに沿って作業ができる監視業務から始まるので、ITの専門知識がない人にもおすすめの職種と言えます。さらにキャリアパスも豊富なので、仕事をしながらスキルを身に付け、キャリアアップやキャリアチェンジをすることも可能です。
仕事が安定している
インフラエンジニアは、IT基盤の設計・構築・保守・運用を担います。近年では、日常生活でも仕事でもITの利用は必要不可欠となっています。そのため、インフラエンジニアの仕事が急になくなることはありません。
またインフラエンジニアの業務は、高度な専門知識やスキルが要求されます。クラウド技術や仮想化技術の発展や、セキュリティ技術が注目を浴びていることもあり、インフラエンジニアの市場価値は高いです。
そのため、現場の経験やインフラに関するスキルを身に付けることで仕事は安定しやすい傾向にあります。また、スキルがあれば転職も比較的容易にできるでしょう。こうしたメリットの観点からインフラエンジニアは「最強」と言われることもあります。
やりがいや社会貢献性が大きい仕事に携わることが可能
ITインフラは現代の情報社会において、無くてはならないものです。インフラエンジニアは仕事の不規則性などから敬遠されることもありますが、社会を支える大切な職種の1つです。
そのため、「やりがい」や「社会貢献」を感じられる魅力のある仕事ともいえます。ただし、システムトラブルが発生すると医療現場と同じように人命に関わる場合もあるため、責任が重大な仕事であることを理解しておきましょう。
インフラエンジニアに向いている人
ここでは、インフラエンジニアに向いている人の特徴について詳しく解説します。
縁の下の力持ちタイプ
インフラエンジニアはシステム基盤の設計・構築・保守・運用する業務が多く、周囲から目立つような仕事ではありません。そのため、裏方作業を好むような「縁の下の力持ちタイプの方」に向いているといえます。
注目を浴びることは少ないですが、「インフラ」と名が付いているように無くてはならない仕事であるため、社会に大きな影響を与える責任・やりがいのある仕事に就くことが可能です。
事前準備を怠らないタイプ
インフラエンジニアは、システムトラブルが発生しないように「念のため」「先を見越して」という考え方をすることが多いです。そのため、事前準備を徹底的に行うような心配性な方に向いている仕事ともいえます。
優秀なインフラエンジニアは単純に障害対策を練るだけではなく、トラブルが発生したときの次の手をいくつも用意しています。したがって、事前準備を怠らない方はインフラエンジニアとして活躍できるでしょう。
機械いじりが好きなタイプ
インフラエンジニアは、サーバー機器やネットワーク機器など実際の機械に触れて業務を行うことが多いです。そのため、サーバーを組み立てたり、ネットワーク機器を配置・設定したりすることが好きな方はインフラエンジニアに向いています。
例えば、ゲーム機器やパソコンが故障したときに自分で修理した経験がある方などが挙げられます。機械いじりが好きならインフラエンジニアの業務も楽しむことができるでしょう。
インフラエンジニアの年収
インフラエンジニアの中でも代表的な職種であるサーバーエンジニアの年収について解説します。
サーバーエンジニアの年収は「マイナビエージェント職業別年収ランキング」での平均年収は429万円(※2023年3月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のIT運用・管理(顧客向け情報システムの運用)を参考にすると、平均年収608万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、サーバーエンジニアは一般平均年収よりも、やや低めになることもあると分かります。
ただし、インフラの重要性は益々高まっているため、インフラエンジニアとしてスキルアップを目指すことで、キャリアアップや優良企業への転職の道もあります。したがって、より高収入を目指せる可能性が高いと言えます。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
インフラエンジニアの将来性
ここではインフラエンジニアの将来性について詳しく解説します。インフラエンジニアの需要は非常に多いです。これまでにも説明しましたが、人手不足が理由の1つとして挙げられます。
近年ではクラウドサービスが普及し始めていることから、クラウド技術に関する知識やスキルをもっている人材は企業から重宝される傾向にあります。市場価値が高いエンジニアとも言えるでしょう。
「DX白書2023」でも、国を挙げてDX(Digital Transformation)が推進される中、企業がビジネス環境の変化に対応するために活用している開発技術の1つとして、「SaaS」や「パブリッククラウド(IaaS、PaaS)」といったクラウドサービスの利用が拡大していることが示されています。
自社でサーバーを管理するコストが必要なくなることなどの理由から、オンプレミス環境からクラウド環境に移行するプロジェクトが現在では多くあります。インフラエンジニアとして活躍したいと考えている方はオンプレミスのスキルに加えて、クラウドに関する知見も身に付けることが重要です。
【参考】:DX白書2023|IPA
インフラエンジニアにおすすめの国家資格
これからインフラエンジニアを目指す方も、さらなるスキルアップを目指す方も、資格取得を一つの目標に設定することで、効率的に知識や技術を身に付けることができます。
インフラエンジニアにおすすめするのは、以下の独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が主催する3つの資格です。
・基本情報技術者試験 ・応用情報技術者試験 ・ネットワークスペシャリスト
基本情報技術者試験はITエンジニアとして取得しておきたい基礎的なスキルを示す資格、応用情報技術者試験はその上位資格です。この2つの試験では、技術的な内容だけでなく経営的な内容も含めた幅広い問題が出題されるため、ビジネスマンとしての教養も鍛えられるでしょう。
ネットワークスペシャリスト試験では、ネットワークに関する高度で専門的な知識・技術が問われます。ネットワークシステムの企画・要件定義・設計・構築から運用・保守まで全ての工程を網羅する必要がありますが、取得すれば自らの高いスキルを示すことができます。
【参考】:基本情報技術者試験(FE) 【参考】:応用情報技術者試験(AP) 【参考】:ネットワークスペシャリスト試験(NW)
インフラエンジニアは社会に必要不可欠な職種
ここまで、インフラエンジニアがやめとけといわれる理由について詳しく解説しました。また、インフラエンジニアのメリット・向いている人・将来性についても紹介しました。
インフラエンジニアがやめとけといわれる理由は「残業が多い」「夜勤や休日出勤が多い」「緊急の障害対応」などが挙げられます。また、下請けや孫請け企業のインフラエンジニアとして働くと給料が低いことも少なくありません。
一方で、インフラエンジニアとして働くメリットとしては「仕事が安定している」「やりがいや社会貢献性が大きい仕事に携われる」などが挙げられます。ITインフラは私たちの社会になくてはならないものです。
さらに、インフラエンジニアの需要は増加傾向にあります。今後はクラウドサービスの普及がさらに加速していくことが予想されるため、クラウド関連のスキルがある人材は特に需要が高いです。責任のある仕事に携わりたいと考えている方は、インフラエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。
「インフラエンジニアを目指したい」、「クラウドエンジニアとしてキャリアアップしたい」という方は、ぜひ『マイナビITエージェント』にご相談ください。あなたにとって最適な転職プランを一緒に考え、理想的なキャリアチェンジをサポートいたします。
ぜひ『マイナビITエージェント』をご活用ください!
編集部オススメコンテンツ
アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから