【基本情報技術者試験】科目Bは旧試験と何が違う?試験対策を紹介
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【基本情報技術者試験】科目Bは旧試験と何が違う?試験対策を紹介
アンドエンジニア編集部
2023.09.15
この記事でわかること
基本情報技術者試験は制度変更により、2023年4月から通年受験が可能となった
特に旧午後試験に代わる科目B試験では、出題範囲がアルゴリズム8割、セキュリティ2割と大きく変わった
科目Bの攻略にはIPA公開のサンプル問題や参考書、オンラインセミナーなどの活用策がある

基本情報技術者試験の合格の鍵は科目B試験の攻略?

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システムエンジニアの登竜門とも呼ばれる「基本情報技術者試験」は、IPA(情報処理推進機構)が主催する情報処理技術者試験の1つの試験区分です。2023年4月に試験制度が大きく変わり、都合の良い日時に受験ができる通年受験になり、同時に設問形式や設問数、試験時間短縮などの変更が行われました。

なかでも従来の午後試験が「科目B試験」と名称変更があり、出題範囲の変更、大問形式から小問形式の出題になり、かつ全問必須解答となるなど大幅な変更が行われています。 

この記事では、新しい基本情報技術者試験の概要や変更点、特に大きく変更された科目Bの攻略法などについて解説していきます。受験を検討している方はぜひ参考にしてください。

【参考】:基本情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 【参考】:基本情報技術者試験の通年試験に関するお知らせ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

2023年から基本情報技術者試験が変わる?変更点を確認して対策を!

基本情報技術者試験の概要

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新しくなった基本情報技術者試験(FE)について、実施概要および、従来からの変更点について確認しておきましょう。

実施概要

初めに、基本情報技術者試験の制度そのものが大きく変わりましたので、実施概要について確認しておきましょう。

▪受験資格:学歴や年齢を問わず受験が可能です。 ▪試験日 :CBT方式により通年実施(CBT方式自体は2020年秋より導入) ▪受験料    :7,500円(税込) ▪試験方式:試験会場に設置されたコンピュータを利用したCBT方式での受験です。 ▪受験日程:2023年4月5日より年間を通じて随時試験を実施しています。 ▪試験結果:試験後にマイページにて確認できます。 ▪合格発表:受験月の翌月中旬頃 ▪合格証書:合格発表後、約1週間程度で発送されます。 ▪試験会場:全国47都道府県の会場(CBTテストセンター)で受験します。 ▪試験の構成:                     出題形式  出題数/回答数  合格ライン 試験時間    備考 ◇科目A試験 多肢選択式      60 問/60問    60 %      90分   従来の範囲と同内容 ◇科目B試験 多肢選択式      20 問/20問    60 %         100分 「情報セキュリティ」及び                                「データ構造・アルゴリズム」

【参考】:情報処理技術者試験における出題範囲・シラバス等の変更内容の公表について|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

旧試験からの変更点

基本情報技術者試験の従来試験との違いについて、2023年4月からどのように変わったのか、整理しておきましょう。

■ 通年受験に 従来の基本情報技術者試験では年間に2回(春と秋)しか受験機会が設けられていませんでしたが、23年4月からCBT方式により、いつでも好きなタイミングで受験ができるようになりました。

【参考】:基本情報技術者試験(FE) | CBT-Solutions CBT/PBT試験 受験者ポータルサイト

■ 午後試験の大幅変更 午前試験は「科目A試験」に名称が変更され、設問数は80問から60問、試験時間は150分から90分へと短縮されましたが、出題範囲は特に変わっていません。一方、午後試験は科目Bと名称変更されるとともに、以下のように試験時間以外にも大きく変更されています。

項目           旧午後試験           科目B試験 ▪試験時間 :       150分             90分 ▪解答形式 :    大問11問より5問を解答         20問の小問を全問解答 ▪解答範囲 :   情報セキュリティ、アルゴリズム、   アルゴリズム(疑似言語)が8割               ソフト・ハード、ソフト開発         情報セキュリティが2割

■ 出題範囲 これまで基本情報技術者試験のプログラミング問題は、擬似プログラミング言語に加えて、個別プログラム言語としてC・Java・Python・アセンブラ、表計算ソフトが出題されていましたが、今回より擬似言語に統一して普遍的・本質的なプログラミング的思考力が問われる形に統一されました。

■ 採点方法 採点方法が大きく変わりました。旧試験では素点方式でしたが、新試験ではIRT方式(Item Response Theory:項目応答理論)が採用されました。

IRT方式とは、解答結果に基づいて各問の難易度に基づいて評価点を算出する方式です。これによって難易度の高い設問はウェイトが高く、難易度の低い設問はウェイトが低くなり、設問ごとの難易度格差が是正されるようになりました。 

■ 合格率 旧方式の合格率はバラつきがあり、概ね40%前後でしたが、2023年度の新方式での合格率は55%前後と上がっています。数字から判断する限りは難易度は下がっているように見えますが、科目A試験はさほど変化がないため、大設問がなくなった科目B試験の難易度が易しくなったと考えられます。

【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験  推移表(平成21年度春期以降) 【参考】:情報処理技術者試験(基本情報技術者試験) 統計資料

基本情報技術者試験がCBT方式からIBT方式に?受験方式の違いを解説!

科目Bの攻略法

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基本情報技術者試験の変更点について解説しましたが、午前試験(科目A)は出題範囲や出題内容が大きく変わっていないのに対し、午後試験(科目B)が大きく変わった点に注目する必要があります。

科目A対策

科目A試験は過去問の再利用設問が多く、旧制度の試験内容と大差はありません。そのため、科目A試験対策では、過去問の反復演習が合格点を取る鍵となります。科目Bでいくら高得点を得ても、科目Aが合格点(60%)に達していないと合格は目指せません。

そのため科目Aは確実に押さえておく必要があります。しかも出題範囲で科目Aと科目Bは共通し、科目Aの延長線上に科目Bがあるため、科目A対策をしっかり行うことが、科目B対策に繋がります。科目Aを疎かにしないようしっかり対策しておきましょう。

科目B対策その1(アルゴリズム)

旧試験では、アルゴリズムが苦手な人でも得意な分野の設問で得点を稼ぐことができましたが、科目Bでは必須回答の設問20問の内、アルゴリズム問題が8割の16問を占めます。つまり、アルゴリズムを制することが科目Bの合格に欠かせないのです。

アルゴリズムはプログラマー経験者にとってはさほど難易度は高くないかもしれませんが、未経験の方にとっては難しいと感じられるかもしれません。しかしアルゴリズムは問題を解決するための手順や方法であり、プログラマーやエンジニアには欠かせないスキルです。

このスキルは、単に参考書を読めば身に付くというものではありません。実際にプログラミングの学習を行い、演習問題を解いたり、経験を重ねたりすることが大切です。また、設問を理解するための読解力が求められます。普段から文章を読み、読解力を高める努力も必要でしょう。

科目B対策その2(情報セキュリティ)

科目Bでは、アルゴリズムの問題以外に出題されるのは情報セキュリティだけです。科目Bの必須問題20問中わずか4問ですが、比較的難易度は低めなので、この情報セキュリティ4問を全問正解することが科目Bの合格確率を高めるコツです。

仮にセキュリティ問題で4問全問正解だと、アルゴリズム16問中8問以上の正解で合格ラインの60%に到達できる可能性があります。情報セキュリティは旧午前問題の過去問反復学習で対策でき、同時に科目A対策にもなりますので、積極的に学習することをおすすめします。

科目Bはサンプル問題で対策

基本情報技術者試験の過去問はCBT形式になった令和2年以降は非公開としており、過去問による反復学習ができなくなりました。科目Aは以前の過去問がありますが、科目Bは実質的に過去問が存在しない状況です。しかし、IPAはサンプル問題を配布していますので、この活用をおすすめします。

また、スマホやタブレットなどを利用して、スキマ時間に学びたい方には、以下の「基本情報技術者試験ドットコム」の利用をおすすめします。このサイトにはIPAが公開したサンプル問題以外に、同サイトの過去問道場に旧試験の過去問と解説が掲載されていますので、反復学習にも適しています。

【参考】:基本情報技術者試験(サンプル問題セット、リテイクポリシーの公開) | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 【参考】:基本情報技術者試験ドットコム

科目B対策におすすめの参考書や教材

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科目Bは、旧試験の過去問やサンプル問題だけの対策だけで合格点を取るのは難しいかもしれません。そこで、科目B対策に特化した参考書や問題集の活用をおすすめします。ここでは、科目B対策におすすめの参考書を紹介します。

情報処理教科書 出るとこだけ!基本情報技術者[科目B]第3版

情報処理技術者の新試験体系「科目B」に対応しており、科目B対策となるオリジナル問題や予想問題を多数収録しています。参考書として読み進み、前提知識を身に付けた後に問題の解き方を知り、実際に試験問題を解くという流れで、効率よく学習ができます。

▪著者:橋本 祐史 ▪ページ数:344ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2022/12/22

【参考】:情報処理教科書 出るとこだけ!基本情報技術者[科目B]第3版(橋本 祐史)|翔泳社の本

うかる! 基本情報技術者 [科目B・アルゴリズム編] 2023年版

基本情報技術者試験の科目B試験対策の中でも「アルゴリズム」に絞った対策書です。文系出身者や初学者にも分かりやすく、身近な例や、対話形式でやさしく解説しています。また、疑似言語問題が多数収録されており、演習を繰り返すことで実践力が身に付いていきます。

▪著者:福嶋 宏訓 ▪ページ数:352ページ ▪出版社:日本経済新聞出版 ▪発売日:2022/12/21

【参考】:うかる! 基本情報技術者 [科目B・アルゴリズム編] 2023年版| | 日経BOOKプラス

Udemy(オンライン講座)の活用

紹介するUdemyのオンライン講座は、eラーニングで科目B対策をしたい方におすすめします。9.5時間のオンデマンドビデオで、実際にJavaのコーディング演習を行いながらレクチャーを受けます。動画を交えて学べ、しかも好きな時に学べるため、忙しい方にもおすすめします。

【参考】:令和5年版:現役講師が教える【基本情報技術者試験 科目B】Javaプログラミング言語を使った、科目B対策専門コース

しっかり科目B対策をして基本情報技術者試験に合格を

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基本情報技術者試験の制度が2023年4月から変わり、特に旧午後試験に相当する科目Bが大きく変更されました。科目B試験はアルゴリズムが8割、情報セキュリティが2割出題されるなど、従来とは出題範囲や配分が大きく異なり、プログラミングスキルを最重要視していることが分かります。

この科目B試験の攻略にはプログラミング力を身に付けられるよう、しっかり試験対策をする必要があります。基本情報技術者試験の受験を予定している方は、この記事を参考に受験対策を講じ、合格に役立てましょう。

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