基本情報技術者試験がCBT方式からIBT方式に?受験方式の違いを解説!
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基本情報技術者試験がCBT方式からIBT方式に?受験方式の違いを解説!
アンドエンジニア編集部
2023.07.28
この記事でわかること
IPAは基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験を、2023年4月から通年受験に変更
CBT・IBT方式にはそれぞれメリット・デメリットがあり、それらを理解した上で受験することが求められる
IBT方式は不正受験のリスクがあるため、厳しいセキュリティ対策が施されている

基本情報技術者試験はCBTからIBTに変わる?

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現在はCBT方式で行われている基本情報技術者試験が、IBT方式に変わるという話があります。なぜそのような話があがっているのか、また変更はいつからなのかという点について、CBTとIBTの情報を交えながら解説します。

CBT試験とは?概要やメリット、採用されている資格一覧を紹介!

導入に向けた実証試験が行われたが、決定の発表はなし

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2022年10月に、IPA(情報処理推進機構)は基本情報技術者試験(FE)と情報セキュリティマネジメント試験(SG)の2つの試験区分に関して、IBT方式を利用した実証試験を行いました。

実証試験の目的は、試験会場のPCを利用して受験するCBT方式と、受験者が用意したPCを利用して自宅などで受験するIBT(Internet Based Testing)方式の比較検証でした。基本情報技術者試験に関しては約1か月間の募集期間を経て、計5回行われています。受験人数は公表されていませんが、SGとあわせて数百人~数千人の募集がありました。

当初は「2023年からはIBT方式が導入されるのでは?」という見方もありましたが、現在(2023年5月)のところまだ導入されていません。いつから導入されるのかという発表もないため、今後の動きが待たれるところです。

【参考】:基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験でインターネットによる実証試験を実施|IPA

基本情報技術者試験とは?資格のメリットや学習方法を解説!
情報セキュリティマネジメント試験はCBT方式!申し込み方法も解説

2023年4月以降の基本情報技術者試験の変更点

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基本情報技術者試験は2023年4月から、実施方式・出題形式・出題範囲が以下のように変更されました。通年実施に変更、「科目A試験・科目B試験」へ変更、科目B試験(午後試験)の小問化、トールの試験時間の短縮、プログラミング言語試験を疑似言語に1本化、といった点が大きな変更点です。

■ 実施方式 これまでは上期と下期の年2回のみ実施されていましたが、受験者が好きな日にちを選択できる通年方式に変更されました。申込済みの試験の終了時刻を過ぎたら、再申込が可能になります。ただし、受験日として指定できるのは、受験日の翌日から起算して30日を超えた日以降です。

【参考】:基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント試験の通年試験に関するお知らせ

■ 出題形式 科目A試験はこれまでの午前試験と同じですが、科目B試験(午後試験)は小問形式へと変わり、コンパクト化されました。その結果、基本情報技術者試験の試験時間は、300分から190分に大きく短縮されています。

【参考】:基本情報技術者試験

■ 出題範囲 基本情報技術者試験は以前まで擬似プログラミング言語に加えて、個別プログラム言語としてC・Java・Python・アセンブラ・表計算ソフトによる出題が行われていました。これが擬似言語に統一され、普遍的・本質的なプログラミング的思考力が問われる形に変更となっています。

【参考】:基本情報技術者試験(レベル2)シラバス(変更箇所表示版)

2023年から基本情報技術者試験が変わる?変更点を確認して対策しよう!
基本情報技術者試験の日程は?申し込み方法や注意点についても解説

そもそも基本情報技術者試験とは

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ここからは、そもそも基本情報技術者試験がどのような試験なのかを簡単に説明します。難易度や、合格することで年収にどう影響するかについても解説します。

基本情報技術者試験とは?資格のメリットや学習方法を解説!

基本情報技術者試験はIT人材にとっての登竜門

基本情報技術者試験は、ITの基本的な知識・技能を有していることを証明できる国家資格です。IPAでは試験の対象者像を「ITを活用したサービス,製品,システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち,実践的な活用能力を身に付けた者」としています。

主な受験者は経験の浅いプログラマーやシステムエンジニア、または今後そのような職に従事しようとする人です。このことから、基本情報技術者試験は「IT人材にとっての登竜門」と言われており、年間10万人以上もの人が受験する人気資格です。

また、「自分のスキルを証明したい」「今より条件のいい職場に転職したい」という場合も、まずは基本情報技術者試験を受験する方が多いです。基本情報技術者試験を足掛かりとして、さらにレベルの高い資格に挑戦するのもおすすめです。

スキルを生かして転職を目指すなら、条件に合った企業を探してくれる転職エージェントの活用をおすすめします。

【参考】:基本情報技術者試験

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基本情報技術者試験の難易度

基本情報技術者試験の難易度は、情報処理技術者試験の中では下から2番目のレベルです。レベル1のITパスポートと比較するとやや難易度は上がりますが、ITの知識が浅いエンジニアや学生を対象としているため、独学でも十分合格できるレベルです。

【参考】:試験区分一覧

基本情報技術者試験の難易度は高いのか?資格取得のメリットを解説!
基本情報技術者試験の合格率が上がった?難易度や勉強のロードマップ

基本情報技術者試験で年収はアップする?

プログラマーの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収は344万円(※2023年5月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」からエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、プログラマーの平均年収は、調査媒体によってバラつきがあることが分かります。

基本情報技術者試験に合格しただけでは年収の大幅なアップは見込めませんが、大手のシステム開発企業では取得を義務化している場合もあります。資格を取得し、知識の習得とスキル証明をすることで、年収アップや上位職へのキャリアアップに繋げることができるでしょう。

【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別P7 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

基本情報技術者試験におけるCBT方式とIBT方式の違い

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ここでは、CBT方式とIBT方式の違いについて対比しながら解説をしていきます。 基本情報技術者試験においてIBT方式はまだ導入されていませんが、今後適用になる可能性はあるので、事前に確認しておきましょう。

それぞれの言葉の意味

▪CBTは「Computer Based Testing」の略で、コンピュータを利用した試験方式のことです。 ▪IBTは「Internet Based Testing」の略で、インターネットを利用した試験方式のことです。「オンライン試験」と称することもあります。

受験場所の違い

▪CBT・・全国47都道府県に設置されている、株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズ(CBTS)認定のCBTテストセンターで受験します。 ▪IBT・・インターネットに接続している場所(自宅)などで受験します。

【参考】:情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験(CBT方式)

受験に用いる端末の違い

▪CBT・・テストセンター側が用意した端末を利用して受験します。 ▪IBT・・受験者が用意したパソコンやタブレットで受験します。

【参考】:情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験(CBT方式)

不正防止対策の違い

▪CBT・・一般的には、試験受付や試験監督による本人確認や監視が行われます。 ▪IBT・・Webカメラの利用を前提にして、カメラ越しに本人確認や不正チェックを行う方法、AIとカメラによる不正検知など、さまざまな対策があります。とはいえ、全面的にIBT方式に移行する場合には、確立され実証された不正対策が必要になるかもしれません。

一度に受験できる人数の違い

▪CBT・・事前に確保された会場のキャパシティによって受験人数は限られます。 ▪IBT・・受験者自身が受験場所を確保できた人数まで同時受験は可能ですが、一気に受験者が集中するとサーバや回線のキャパシティオーバーとなり、レスポンス低下や障害発生のリスクが高まるため、あらかじめ受験制限が設けられる場合があります。

【参考】:情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験(CBT方式):多人数による一斉受験について

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CBT方式とIBT方式のメリット・デメリット

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ここでは、CBT方式とIBT方式それぞれのメリット・デメリットについて確認しておきましょう。

CBT方式のメリットとデメリット

IPAがCBT方式を採用したのは2020年12月のことです。既にCBT方式は定着し、ネット上では好意的な感想が見られる一方で、デメリットを指摘する声も上がっています。

▪メリット 1.受験日や受験地の制約がなくなり、受験しやすくなった 2.結果がすぐに分かる(運営者側は採点の手間やコストを省ける)

▪デメリット 1.基本情報技術者試験がCBT方式になってから、過去問の公表がなくなった 2.問題流出リスクが高まった 3.災害などによる通信障害が起きるとセンター単位で試験の開催が困難になる(ネットワークの冗長化などの対策が必要)

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IBT方式のメリットとデメリット

今後、導入の期待が高まるIBT方式にもメリットとデメリットがありますので、確認しておきましょう。

▪メリット 1.いつでもどこでも受験が可能となり、受験に関する制約がほとんどなくなる 2.運営側は会場設営コストや採点に関わるコストの削減につながる 3.結果が自宅などですぐに分かる 4.会場までの移動費用が掛からなくなる

▪デメリット 1.カンニングなどの不正防止策を講じる必要がある 2.問題流出リスクが高まった 3.災害などによる通信障害が起きると試験の開催が困難になる(ネットワークの冗長化などの対策が必要) 4.同じ問題が繰り返し出題されるため、問題流出リスクが高まる

不正対策に関しては、カメラとAIの活用による顔認証やAI監視でかなりの抑止が可能です。一方、利用する端末OSに基準が設けられ、カメラやマイクの設置が必須となると、人によっては受験が困難になるケースも想定されます。

また、Wi-fi環境が良くない環境にある人には、IBT方式での受験ハードルが一気に上がります。こうしたケースに対応できるよう、主催者は指定端末やWi-fiルータの短期レンタルなどの対策が求められるかもしれません。

CBT方式やIBT方式の受験で注意すべきこと

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CBT方式やIBT方式の受験に際しては、いくつか注意すべきことがありますので紹介します。ペーパー試験しか経験していない方は、こちらを参考にして十分気を付けましょう。

カンニングは厳禁

当然ながら、テキストやノートを見ながらの受験は厳禁です。試験の主催者側は、カンニングを想定した防止策を講じています。そのため、カンニングは見つかる可能性が高く、発覚した場合には失格になるとともに受験料も返金されないため、非常にリスクが大きいと自覚しておく必要があります。

試験問題の漏洩は禁止

試験問題の持ち出しは認められておらず、利用したメモ用紙の持ち出しや、スマホなどでの撮影も厳禁です。そうした行為が試験監督に見つかった場合、試験は失格となります。

受験のタイミングに注意

CBT方式やIBT方式は受験のタイミングを選択しやすいのがメリットですが、仕事や行事との兼ね合い、受験勉強計画などを考慮し、ベストな日程を選択するようにしましょう。ただし、日程変更は簡単に行えるので、都合が悪くなりそうであれば早めの日程変更がおすすめです。

基本情報技術者試験の申し込み方法とは?免除試験や日程も解説

初めての方はデモ動画などで事前チェックを

コンピュータ試験は、基本的に申込サイトなどでデモ試験やデモ動画を確認できるようになっています。CBT方式やIBT方式での受験が初めての方は、当日になって慌てることがないよう、受験方法や解答方法をあらかじめ確認しておきましょう。

【参考】:試験エンジンのご紹介|CBTソリューションズ

CBT方式・IBT方式での受験に万全を期そう

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CBT方式による通年試験が開始され、今後はIBT方式の導入も期待される基本情報技術者試験について紹介しました。実証実験の目的や概要、CBT方式やIBT方式の特徴、メリット・デメリット、受験に際して気を付けるべきことなどが、お分かりいただけたかと思います。

ペーパー試験に慣れた方にとって、CBT方式やIBT方式での受験は不安なものです。しかし、いつでもどこでも受験ができるこれらの方式は慣れると大変便利です。

将来を見据えて何か資格に挑戦したいと考えている方には、自分の都合で日にちを選べるCBT方式の基本情報技術者試験が大変おすすめです。基本情報技術者試験を突破して、さらなるキャリアアップに繋げましょう。

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