基本情報技術者試験は就職・転職に有利?活かせる職種や勉強方法を解説
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基本情報技術者試験は就職・転職に有利?活かせる職種や勉強方法を解説
アンドエンジニア編集部
2023.06.13
この記事でわかること
基本情報技術者試験の資格が役立つ職種は、システムエンジニア・Webデザイナー・プログラマーなど
基本情報技術者試験の資格取得後は、上位資格である応用情報技術者試験に挑むのがおすすめ
基本情報技術者試験に合格するには、過去問を解く・参考書を活用するのがおすすめ

基本情報技術者試験は就職に有利?

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基本情報技術者試験とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する国家試験の1つです。試験は実務経験や年齢制限などの受験条件がないため、IT未経験者や学生でも受験できます。

ITの基礎知識を証明する基本情報技術者試験の資格が、転職や就職に役立つのでしょうか。基本情報技術者試験の資格には独占業務がなく、資格を保有することに価値があるのかどうか気になる方も多いでしょう。

結論から言うと、企業によっては採用の際に有利になることがあります。未経験者でも採用している企業や、新卒一斉採用を行う企業では、基本情報技術者試験の資格を持っていることで他者と差をつけることができます。

基本情報技術者試験の概要とITエンジニアの年収

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ここでは、基本情報技術者試験の概要に加えて、ITエンジニアの年収について紹介します。これからIT業界に転職しようと考えている方は、試験の内容や実際に働いた場合の年収なども事前に把握しておきましょう。

基本情報技術者試験とは

基本情報技術者試験とはIPAが主催する国家試験であり、情報処理技術者試験の難易度の中ではレベル2に相当します。情報処理技術者試験の難易度はレベル1〜レベル4までに区分されており、レベル1はITパスポート試験、レベル3は応用情報技術者試験です。

基本情報技術者試験では、IT基礎・アルゴリズム・プログラミング・マネジメント・経営などITに関する幅広い問題が出題されます。この資格を取得すれば、ITに関する網羅的な基礎スキルを身に付けることが可能です。

試験は春と秋の年2回実施され、午前試験と午後試験の両方で60%以上の得点率を取得すれば合格できます。合格率は約40%程度で、比較的難易度が高いと言えるでしょう。

【参考】:基本情報技術者試験(FE) 【参考】:試験要綱(2022年10月の試験から) 【参考】:令和4年度上期基本情報技術者試験について

基本情報技術者試験の合格率が上がった?難易度や勉強のロードマップ
基本情報技術者試験とは?資格のメリットや学習方法を解説!
基本情報技術者試験の日程は?申し込み方法や注意点についても解説

ITパスポート試験や応用情報技術者試験との違い

基本情報技術者試験とITパスポートや応用情報技術者試験との違いがよくわからないという方もいらっしゃるでしょう。前述したように、レベル1:ITパスポート試験、レベル2:基本情報技術者試験、レベル3:応用情報技術者試験とレベルが異なりますが、ターゲットとなる受験者層も異なります。

ITパスポート試験はIT化が進んだ現代社会に生きる人、つまりユーザーに向けた試験で、IT社会で安心・安全に暮らすための基礎知識が問われます。大学生や社会人など、ITを利用する全ての人をターゲットとしています。

一方で基本・応用情報技術者試験は、主にITエンジニアを対象としています。ITテクノロジーを用いて製品やサービスを生み出す者にとって必要な知識や技能が問われます。

基本的なスキル習得を目的とするのが基本情報技術者試験で、基本情報技術者試験では上位者の指導の下で働く環境が想定されています。ワンランク上の高度IT人材としての応用的なスキル習得を目指すのが、応用情報技術者試験です。

【参考】:【ITパスポート試験】情報処理機構

ITパスポートとはどんな資格?メリットや難易度、合格率を解説!
応用情報技術者試験の合格率は?試験の概要と合格するメリット・デメリット

基本情報技術者試験が必須の仕事はない

基本情報技術者試験の資格は「意味ない」と言われることも少なくありません。その理由の1つとして、基本情報技術者試験の資格には独占業務がないことが挙げられます。

資格がなければ就くことができない薬剤師・看護師・施工管理技士などとは異なり、基本情報技術者試験の資格がなくてもIT業界で働くことができます。

また、IT業界では実務経験やスキルが評価される傾向にあります。転職の場合は特に実務経験・スキルが重視されることが多く、「基本情報技術者試験の資格を取得しなければ就職できない」ということはありません。

しかし、資格を取得すれば第三者に自身のスキルを証明できます。また資格を取得するために勉強した経験は、就職先の実務で活かせることもあるでしょう。

ITエンジニアの年収

ここでは例として、ITエンジニアの一種であるシステムエンジニア・プログラマーの年収を紹介します。IT業界へ転職しようと考えている方は参考にしてください。マイナビエージェントでは職種別の年収ランキングを公開しています。

そのランキングによると、システムエンジニア・プログラマーの平均年収は443万円(※2023年2月執筆時点)です。これはあくまで平均であり、業種・業界によっては平均年収がさらに高い可能性もあります。

【参考】:職種別平均年収ランキング|求人・転職エージェントはマイナビエージェント 【参考】:SE・システムエンジニアの求人・転職・中途採用

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基本情報技術者試験の資格が就職に有利な3つの理由

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基本情報技術者試験の資格を取得しなければ就職できないという職種はほとんどありませんが、就職で有利になることも多いです。ここではその理由について詳しく紹介します。

学生の就職活動でITスキルをアピールできる

基本情報技術者試験は受験条件がないため、学生のうちに資格を取得することも可能です。IT系企業では、入社後にITの基礎スキルを習得させるために基本情報技術者試験の受験を推奨しているところがあります。また、昇格・昇進条件として基本情報技術者試験の合格が条件となっていることも珍しくありません。

そのため学生のうちに基本情報技術者試験を取得すれば、就職活動で他の就活生と差をつけることができるでしょう。なお、新卒採用の場合はポテンシャルを評価されることもあるため、ヒューマンスキルを磨くことも重要です。

IT業界へ転職する際にITスキルをアピールできる

基本情報技術者試験の資格は、IT業界へ転職する際のアピールになります。近年ではIT技術の発展やビジネス環境の変化、少子高齢化などの影響から、IT人材の不足が深刻化しています。経済産業省の商務情報政策局情報処理振興課が公表している資料によると、2030年には約79万人のIT人材が不足すると予想されています。

ITエンジニア未経験からでもIT業界に就職できますが、IT業界では実務経験や実績が評価される傾向にあります。未経験の方はエンジニアとしての実務経験がないため、IT関係のスキルをアピールできる資格を保有することが大切です。

IT系の資格の中でも、基本情報技術者試験はITに関する網羅的な基礎スキルを証明できるため、未経験者におすすめです。

【参考】:経済産業省/IT分野について 【参考】:SE・システムエンジニアの求人・転職・中途採用

大手企業から高い評価を得られる

スタートアップ企業やベンチャー企業では即戦力を必要としているため、技術力を重視する傾向にあります。一方、大企業では資格取得者が優先的に採用されることもあります。採用基準を明確にするため、資格という分かりやすい基準を設けているというのが理由です。

資格取得によって大手企業から評価される可能性がありますが、転職の場合は実務経験や実績も確認されます。資格だけで満足するのではなくスキルを磨き、経験を積むことが大切です。

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基本情報技術者試験の資格が役立つ職種

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ここでは、基本情報技術者試験の資格が役立つ職種について詳しく紹介します。

システムエンジニア

システムエンジニアとはSEと略して呼ばれることも多く、システムの設計・開発・テスト・保守・運用など様々な業務を担うエンジニアを指します。クライアントからシステム要件をヒアリングしたり、品質・スケジュール・コストなどを管理したりなど様々なスキルが求められます。

システムエンジニアの仕事は多岐に渡るため、ITに関する幅広い知識が必要です。基本情報技術者試験の資格は、ITに関する網羅的な基礎スキルを習得できるためシステムエンジニアに役立つ資格と言えるでしょう。

Webデザイナー

Webデザイナーとは、Webサイトのデザインを行う職種を指します。クライアントの要件に従い、Webデザインを作成するスキルが求められます。また、Adobe PhotoshopやIllustratorなどのデザインソフトを使いこなすスキルも必要です。

基本情報技術者試験ではWebデザインに関わる問題はほとんど出題されませんが、Webデザイナーの仕事はIT基礎が土台となるため、基本情報技術者試験の資格が役立ちます。

プログラマー

プログラマーとはシステムエンジニアが作成した仕様書をもとに、プログラミング言語を使用してコーディングを行うエンジニアを指します。プログラマーには、プログラミングスキルやシステム開発の工程に関する知識などが要求されます。

また、プログラマーは論理的思考力も必要です。これらの基本的なスキルは、基本情報技術者試験の勉強で習得できます。そのため、基本情報技術者試験はプログラマーを目指す方にとっておすすめの資格です。

インフラエンジニア

インフラエンジニアとは、サーバーやネットワークなどITシステムの基盤となるインフラを担当するエンジニアです。最適なサーバーの選定や配線などの配置、OSやソフトウェアのインストール、セキュリティ設定など、ITインフラの構築と運用をハード・ソフト両面から担います。

基本情報技術者試験では、ネットワークやセキュリティなどに関する基礎知識を得ることができます。「ネットワークスペシャリスト試験」などインフラエンジニアに有効な上位資格もありますが、まずは基本情報技術者試験で基礎を固めておくと良いでしょう。

【参考】:ネットワークスペシャリスト試験

インフラエンジニアに向いている人とは?適性やスキルを徹底解説!

アプリケーションエンジニア

アプリケーションエンジニアとは、企業で使う業務用アプリケーションや一般ユーザーが使うWebアプリやスマホアプリなどを開発するエンジニアです。主な仕事内容は、アプリシステムの設計・開発と保守・運用です。

基本情報技術者試験試験ではシステムの設計・開発から運用までの一連の基本スキルを身に付けることができるので、アプリケーション開発に役立つでしょう。

アプリケーションエンジニアになるために身に付けるべきスキルとは?

基本情報技術者試験の資格を取得後に行うべきこと

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基本情報技術者試験の資格を取得して満足してしまう方もいますが、重要なのは資格取得後の行動です。ここでは、基本情報技術者試験の資格取得後に行うべきことについて詳しく紹介します。

上位資格を目指してスキルアップする

既にIT業界で働いている方や就職先が決まっている方は、基本情報技術者試験の資格を取得したら上位資格を目指してスキルアップしましょう。基本情報技術者試験の上位資格として、応用情報技術者試験があります。

応用情報技術者試験は基本情報技術者試験と同様で、春と秋の年2回試験が実施されます。午前試験と午後試験の両方で60%以上の得点率を取得すれば、資格を取得できます。試験は、午後試験で記述式の問題が出題されます。また、合格率は約40%程度であるため、比較的難易度が高い資格と言えるでしょう。

応用情報技術者試験の資格を取得すれば、ITに関する応用的なスキルを持っていることを証明できます。そのため基本情報技術者試験の取得後は、まず応用情報技術者試験の資格取得を目指すのがおすすめです。さらに、実務で活かせるベンダー資格の取得を目指すのも良いでしょう。

【参考】:応用情報技術者試験:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

基本情報技術者試験の難易度は高いのか?資格取得のメリットを解説!

基本情報技術者試験の勉強方法

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ここでは、転職・就職に向けて基本情報技術者試験を効率的に学ぶための方法を解説します。多くの受験者たちが行っているのが、過去問掲載サイトと参考書の活用です。ここでは、おすすめの学習サイトと参考書を紹介します。

基本情報技術者試験の合格に必要な勉強時間や勉強方法を解説!

過去問掲載サイトで出題傾向を知る

基本情報技術者試験に限らずIT系の試験に合格するには、とにかく過去問を解くことが重要です。これまでの過去問を掲載している無料の学習サイトがあるため、サービスを存分に活用してください。

また、基本情報技術者試験の過去問は非公開ですが、上位資格である応用情報技術者試験の過去問は公開されています。試験を運営するIPAの公式サイトに「問題冊子・配点割合・解答例・採点講評」として掲載されているため、参考にしてください。

【参考】:基本情報技術者試験ドットコム 【参考】:IPA/過去問題(問題冊子・配点割合・解答例・採点講評)

基本情報技術者試験の午後試験とは?勉強方法と対策方法を解説

合格に強い参考書を活用する

基本情報技術者試験の合格を目指すために、おすすめの参考書を3冊紹介します。

・令和04年 イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室 近年の出題傾向を分析し、出題頻度の高い問題が多数掲載されている参考書です。イラスト・図解・例え話によって理解しやすくインプットしやすい解説がされています。

また、全ての問題に正解率を掲載しているため試験対策がしやすいのが特徴です。楽しく学習し、試験に1発合格したい方におすすめです。

▪著者:栢木厚 ▪ページ数:528ページ ▪出版社:技術評論社 ▪発売日:2021/11/24

【参考】:令和04年 イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室

・2023年度版 ニュースペックテキスト 基本情報技術者 本書は、2023年度最新版の情報が詰まった参考書です。オールカラーで見やすく、試験合格に必須のテーマに絞った内容となっています。試験に欠かせないアルゴリズムについても、合格に必要な項目のみが掲載されています。

2023年度版ということで、科目B(旧・午後)試験にも対応しており、新試験予想模試1回分が巻末に収載されているため、基本情報技術者試験を効率よく学習したい方におすすめです。

▪著者:TAC株式会社(情報処理講座) ▪ページ数:664ページ ▪出版社:TAC出版 ▪発売日:2022/12/20

【参考】:2023年度版 ニュースペックテキスト 基本情報技術者

・【令和4年度】 いちばんやさしい 基本情報技術者試験 絶対合格の教科書+出る順問題集 過去問を徹底研究し、頻出される問題を厳選して掲載している参考書です。暗記が苦手、集中力が続かない人でも挫折しにくい書き方が特徴で、安心して学習を進められます。

また、「読者専用サイト」を設けることで、分からない箇所の疑問や質問に回答するサービスが特典として付いています。初心者の方におすすめです。

▪著者:高橋 京介 ▪ページ数:840ページ ▪出版社:SBクリエイティブ ▪発売日:2022/04/15

【参考】:【令和4年度】 いちばんやさしい 基本情報技術者試験 絶対合格の教科書+出る順問題集

基本情報技術者試験の資格を取得して就職や転職を成功させよう!

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これまでに、基本情報技術者試験の資格は転職・就職に役立つのかについて解説しました。IPAが主催する国家試験であり、ITの基礎スキルをアピールする際におすすめの資格です。試験には受験条件がなく未経験者や学生でも受験でき、実績や経験がなくてもIT業界への転職・就職に有利になる可能性があります。

基本情報技術者試験の資格が役立つ職種として、システムエンジニア・Webデザイナー・プログラマーなどが挙げられます。ほかにもITエンジニアには多くの職種があり、転職の際は自分に合った職種や企業を選ぶことが大切です。

しかし未経験者の方の場合は、自分に合った職種や企業をどのように選べば良いか、わからないことも多いでしょう。

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