Windows11でスクリーンショットを撮る

パソコン上でスクリーンショット(画面のキャプチャ)を撮る機会は多くあります。例えば、マニュアルや操作手順書の作成、提案書や報告資料の作成、SNS上での画像共有など目的はさまざまです。
この記事では、Windows11でスクリーンショットを撮る効果的な方法について解説します。
Windows11には大きく分けて5種類のスクリーンショット機能が用意されています。それらの機能を上手に使う方法、コツなどを紹介しますので、ぜひ仕事や趣味に生かしてください。
スクリーンショットとは
スクリーンショット(通称:スクショ)とは、パソコンやスマホなどのディスプレイに表示されたものを、そのまま画像データとして取り込む操作のこと、または取り込まれた画像データや画像形式のファイルのことです。
スクリーンショット以外にスクリーンキャプチャ、スクリーンダンプなどとも呼ばれます。スクリーンショットは画面の解像度や画像ファイルの形式によっては画質が劣化することがあります。
画質にこだわる場合は、「画面の解像度を上げる」「画像ファイルはPNG形式で保存する」といった対応が必要です。
Snipping Toolとは
Windows11には、スクリーンショットを撮るための標準ツールとして「Snipping Tool」があります。
Snipping Toolは、マウスやタッチパッド、タッチスクリーンなどのポインティングデバイスを使用して、画面の特定の範囲を切り取り、スクリーンショットとして保存できるWindows専用のツールです。Windows XP以降に登場し、Windows7やWindows8では標準ツールとして提供されました。
Windows10では一時期「切り取り&スケッチ」に置き換わりましたが、Windows11から再び名称がSnipping Toolに戻っています。
【参考】:Snipping Tool を使ってスクリーン ショットをキャプチャする|Microsoft
Windows11 スクリーンショット撮影ショートカット5選

スクリーンショットはできるだけ素早く、簡単に撮りたいものです。それにはショートカットの利用がおすすめです。これから、Windows11でショートカットを利用してスクリーンショットを撮る5種類の方法について紹介します。
[PrintScreen]全画面をクリップボードに保存
PrintScreenはパソコンのキーボードの右上にあるボタンで、多くのパソコンでは[Prt Sc]と表示されています。このボタンを押すと、モニターに表示されている画面全体がキャプチャされ、クリップボードに記憶されます。
次に、この画像を貼り付けたいアプリ、例えばPaintやWord、Excel、PowerPointなどを起動し、貼り付けて使用します。
[Ctrl]+[V]で、スクリーンショットをそれぞれのアプリ画面に貼り付けることができます。PrintScreenではデュアルディスプレイの場合は2台目以降の画面も1度に取り込みます。


また、[PrintScreen]ボタンを押してもスクリーンショットができない場合、ノートパソコンでは、[PrintScreen]のボタンが他のボタンと一緒になっていることがあります。
そのような場合には[Fn]+[PrintScreen]と押すか、後述のSnipping Toolを使ってみましょう。
[Windows]+[PrintScreen]全画面を所定のフォルダー内に保存
[Windows]を押しながら[Prt Sc]を押すと、全画面がキャプチャされ、所定のフォルダに画像ファイル(png形式)で保存されます。保存先は「C:\Users(ユーザ名)ピクチャー>スクリーンショット」です。


[Alt]+[PrintScreen]アクティブウィンドウをクリップボードに保存
全画面ではなく、アクティブウィンドウ(現在操作できる状態のウィンドウ)だけのスクリーンショットを撮りたい場合に使います。撮れた画像はクリップボードに保存されているので[Ctrl]+[V]で、スクリーンショットをそれぞれのアプリ画面に貼り付け、利用します。



[Windows]+[Alt]+[PrintScreen]アクティブウィンドウを所定のフォルダー内に保存
[Windows]と[Alt]を押しながら[Prt Sc]を押します。アクティブウィンドウがキャプチャされ、所定のフォルダに画像ファイル(png形式)で保存されます。
保存先は「C:\Users(ユーザ名)ビデオ>キャプチャ」です。見つからない場合は、ログインユーザ名のフォルダの中を探してみましょう。



[Windows]+[Shift]+[S]Snipping Toolを利用する
Snipping Toolは、Windows11標準のスクリーンショットツールです。簡単にデスクトップ全体、任意の個所を範囲指定してスクリーンショットを撮り、必要に応じて画像ファイルとしても保存できます。Windows XP時代から使われてきたツールであり、長らく愛用している方も多いでしょう。
Windows11版のSnipping Toolは、ダークモードにも対応しています。ショートカットキーを利用する場合は[Windows]+[Shift]+[S]と同時に押すことで撮影モードを開始します。



5つのスクリーンショット・ショートカットまとめ
ここまで、Windows11で使える5つのスクリーンショット・ショートカットを紹介しました。これらを一覧でまとめたものが以下の表です。ショートカットキーを覚えておくと、素早く目的の動作を実行することができます。

Snipping Toolの操作方法

ここまで、Windows11における5つのスクリーンショットの撮影方法を紹介しました。ここからは、Snipping Toolの操作方法について、実際にキャプチャを撮りながら紹介していきましょう。
ショートカットで起動するメリット
スクリーンショットを撮る際、Snipping Toolの起動手順は、[スタート]>[すべてのアプリ]>(Sまでスクロール)>[Snipping Tool]です。
これをショートカットから起動すると、[Windows]+[Shift]+[S]の1回の操作で済みます。ショートカットキーを覚えると、瞬時にアプリの起動やWindows操作を行え、仕事の効率アップにもつながります。
ショートカットでSnipping Toolを起動する
Snipping Toolを起動するために[Windows]+[Shift]+[S]を押します。すると、デスクトップ画面全体がグレーアウトし、デスクトップ画面の最上部にツールバーが表示されます。
ツールバーには4つのボタンが並んでいますが、左端から[四角形の領域切り取り][フリーフォーム領域切り取り][ウィンドウの領域切り取り][全画面表示の領域切り取り]のボタンが並んでいますので、目的に合うボタンをクリックします。

それでは、フリー画像集から富士山の写真を検索表示し、写真から特定の部分を[四角形の領域切り取り]機能を使って切り取ってみます。
【参考】:どこでも使える2,600万点以上の驚くべき無料画像-Pixabay

検索で表示された富士山の写真の中から、利用したい写真を選んでクリックします。撮影する範囲を選んでキャプチャすると、クリップボードにスクリーンショットがコピーされ、デスクトップの右下に通知バナー(トースト通知)が表示されます。

通知バナーをクリックすると、Snipping Toolの注釈ツールが起動します。取り込んだスクリーンショットに対してペンやマウスを使って自由にコメントを入れたり、トリミングをしたりできます。
加工した画像はマウスの右クリックメニューでコピーし、WordやExcel、PowerPointなどに貼り付けて利用します。


Snipping Toolを使った時間差での撮影

Snipping Toolには、タイマーを使った時間差でのキャプチャ機能があります。ショートカットを使わず、スタート画面からSnipping Toolを探して起動し、ツールバーの[待ち時間なし]から、任意の時間(3秒後、5秒後、10秒後)を指定しましょう。
次に、左上の[+新規]をクリックすると、指定した時間が経過した時点で画面が暗転します。Snipping Toolのキャプチャツールボタンが画面上に表示されるため、ボタン選択で撮影方法を指定し、キャプチャ操作を行います。
アプリのメニュー画面などをキャプチャしたい場合、操作途中でSnipping Toolを起動するとメニューなどが閉じてしまいますが、この時間差撮影の機能を使うと、操作の途中画面をキャプチャできます。通常のキャプチャでは撮れない画面を撮りたい際に有効です。
Windows11でスクリーンショットができない時の対策

これまで紹介した方法でも、Windows11でスクリーンショットが撮影できないことがあります。ここでは、そんなトラブルシューティングについて解決策を紹介します。
メーカーのショートカットキーを確認する
先述したように、通常スクリーンショットはキーボードの[PrintScreen]を押すことで撮影できますが、使用するメーカーやソフトによっては対応していないことも考えられます。
PrintScreenで撮影できない場合は、スクリーンショットのショートカットキーについて、メーカーレベルで確認してみましょう。
特定のキーを押しながら「PrintScreen」を押す
PrintScreenを押しても撮影できない場合は、以下の3つのキーと「PrintScreen」を同時に押しながら撮影してみましょう。
▪FNキー ▪Windowsロゴキー ▪Altキー
例えば、「FNキー」を押しながら「PrintScreen」を押す、それでもできない場合は「Windowsロゴキー」や「Altキー」に変更して「PrintScreen」との同時押しを試みる、といった形でトライしてみます。
「固定キー機能」がオンになっていないかを確認する
「固定キー機能」とは、「Shift」や「Ctrl」などの修飾キーを1度押すだけで押し続けた状態にできる機能です。
この機能がオンになっていると、1度押した装飾キーが押し続けた状態になってしまい、ショートカットが正常に機能しない可能性があるため、念のため確認しておきましょう。
まず、「設定」→「アクセシビリティ」→「キーボード」を選択します。

「固定キー機能」のトグルを確認し、オンになっていたらオフに切り替えます。

グラフィックドライバーを更新する
グラフィックドライバーが古かったり不具合があったりすると、スクリーンショット機能が正常に動作しないことがあります。問題を解決するには、グラフィックドライバーの更新が必要です。
まず、スタートボタンを右クリックし、デバイスマネージャーを開きます。次に、ディスプレイアダプターを開いて該当のグラフィックドライバーを右クリックし「ドライバーの更新」をクリックします。

ドライバーの検索方法を選択して更新を行います。更新が完了したらPCの再起動を行い、不具合が修正されているかを確認します。

セキュリティソフトの設定を確認する
ウィルス対策ソフトが原因である可能性も考えられます。特に、企業用PCなど高セキュリティな環境では、情報漏えい対策としてスクリーンショットが制限されていることがあります。
そのため、セキュリティソフトを確認し、スクリーンショットがブロックされているようであれば設定を変更しましょう。
再起動してみる
どうしてもうまくスクリーンショットが撮影できない場合は、Windows11を再起動してみましょう。再起動することでトラブルが解消する場合もあります。また、PCに不具合がある場合も考えられるため、確認のためにも再起動はおすすめです。
Windows11で消えたスクリーンショットを復元する方法

誤ってスクリーンショットを消してしまった場合、いくつかの復元方法が挙げられます。まず、ただ削除しただけなら「ゴミ箱」から該当のスクリーンショットを選択し、右クリックで「元に戻す」をクリックすれば簡単に復元できます。
「ゴミ箱」からも削除してしまったのであれば、「システムの復元」や「ファイル履歴」から復元が可能です。
「システムの復元」を使用する場合は、スタートメニューを右クリックし、「設定」→「システム」→「バージョン情報」をクリックします。

次に「システムの保護」をクリックし、開いたポップアップから「システムの復元」→「次へ」を選択します。

作成されている復元ポイントが表示されるので、スクリーンショットを削除する前の日付のポイントを選択して「次へ」をクリックします。

最後に完了をクリックすると、「いったんシステムの復元を開始したら、中断することはできません。続行しますか?」というポップアップが表示されるので、「はい」を選択すると復元がスタートします。

「ファイル履歴」を使用する場合は、検索窓に「control」と入力して「コントロールパネル」を開きます。

次に、「システムとセキュリティ」を開き、「ファイル履歴でファイルを復元」を選択したら、「ファイル履歴」を選択し、「個人用ファイルの復元」をクリック後に任意のファイルを選んで元のフォルダに復元します。


ただし、これらの方法を利用するには、定期的にシステムの復元ポイントを作成したり、ファイルのバックアップを取ったりしておく必要があります。
上記の方法で復元が難しい場合は、「利用中のクラウドサービスに保存されていないか確認する」「専門のデータ復旧ソフトを利用する」といった方法を試してみましょう。
Windows11のスクリーンキャプチャツールを活用して表現力アップ

ここまで、Windows11でスクリーンショットを撮る際の5つのショートカットについて紹介しました。また、Windows11標準のスクリーンショットツール、Snipping Toolの機能や使い方について解説しました。
提案書や報告書、説明書などは画像を有効に使うことで、表現力や説得力が増します。これまで、うまく画像を活用できていなかった方は、スクリーンショットツールを上手に使って、表現力アップに役立てましょう。
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