Windows11でリモートデスクトップを使うには?起動方法を解説!
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Windows11でリモートデスクトップを使うには?起動方法を解説!
アンドエンジニア編集部
2023.01.23
この記事でわかること
リモートデスクトップは離れた場所にあるPCを遠隔操作する機能
リモートデスクトップを利用するとリモートワークの課題を解決できる
Windows11でリモートデスクトップ接続を利用する手順が分かる

リモートデスクトップとは

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リモートデスクトップとは、手元のPCからインターネットを経由して、離れた場所にあるPCやサーバに接続し、遠隔操作するための機能です。

リモートデスクトップを利用することで、例えば、オフィスから遠く離れたデータセンターにあるサーバにアクセスしたり、自宅から職場にあるPCにアクセスして作業したりすることが可能になります。

近年のIT業界では、リモートワークが当たり前になっており、こうした遠隔操作を実現する機能の必要性は高まっていると言えます。リモートデスクトップは便利な機能ですが、相互通信の確立が必要なことから、手元のPCだけでなく接続先の設定も関わっており、接続時のトラブルが多い機能でもあります。

リモートデスクトップの仕組みを理解し、適切な設定とトラブルシューティングができれば、新しい職場でスムーズにスタートを切ることができるようになります。

リモートデスクトップのメリット

接続先のPCの処理能力や、インストールされているソフトウェアなどの環境を丸ごと利用できるため、手元のPCの性能は必要最低限でも問題ありません。

従来は、仕事をするためにオフィスやデータセンターに直接足を運んで作業する必要がありましたが、リモートデスクトップを利用することで場所に縛られない働き方ができるようになりました。

また、Windows11には標準搭載されているため、別途アプリケーションをインストールする必要もありません。リモートデスクトップで接続先の環境で作成したファイルなどは手元のPCには保存されないため、情報漏洩などのセキュリティ上のリスクも低くなります。

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リモートデスクトップのデメリット

リモートデスクトップはネットワークを介して遠隔操作を行うという特性上、操作のレスポンスは回線速度や安定性に依存してしまいます。回線速度が遅いと入力が反映されるまでにタイムラグが発生しますし、回線の一時的な切断が頻繁に起きるような安定性の低い状態では作業もままなりません。

リモートデスクトップを有効活用するためには、速度と安定性の担保されたネットワーク回線の利用が必須です。

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リモートデスクトップの仕組み

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リモートデスクトップは、インターネットを経由して接続先の画面情報と、接続元のキーボードやマウスによる入力情報をリアルタイムに転送し合うことによって遠隔操作を実現します。

リモートデスクトップによる遠隔操作は、すべて接続先の端末で直接操作した場合と同じ処理として扱われます。接続元の端末はあくまで、キーボードやマウスの役割だけを担うイメージです。

リモートデスクトップの構成要素

リモートデスクトップで遠隔操作を行うためには、接続先となる「ホスト」、接続元となる「クライアント」、そして接続そのものである「ネットワーク」の3つの構成要素が必要です。

次項より、それぞれおさらいしておきましょう。

ホストとは

リモートデスクトップにおけるホストとは、リモートデスクトップによって遠隔操作される端末のことです。例えば、オフィスのPCからデータセンターのサーバにアクセスする場合はサーバがホストになり、自宅のPCからオフィスのPCにアクセスする場合はオフィスのPCがホストになります。

ホストが業務用の処理能力やアプリケーションを備えていれば、どのようなクライアントからアクセスしたとしても同じように業務を行うことができるため、コスト削減にも効果があります。

ただし、WindowsPCではホストとして設定できるのはProエディションのみです。Homeエディションではホストに設定することはできません。

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クライアントとは

リモートデスクトップにおけるクライアントとは、ホストにアクセスして遠隔操作を行う端末のことです。業務用の処理能力やアプリケーションはホスト側が担保するため、最低限リモートデスクトップ機能を利用できるだけの能力が備わっていればクライアントとしての役割を果たすことができます。

シンクライアントPCと呼ばれるリモートデスクトップ専用に機能を制限した端末もあり、リモートワークを導入している企業では、情報漏洩やマルウェアなどの対策として採用することが多くなっています。

ネットワークとは

リモートデスクトップにおけるネットワークとは、ホストとクライアントの間を繋ぐ通信経路のことです。

リモートデスクトップでは、ネットワークを通じてクライアントのキーボードやマウスからの入力情報をホストに、ホスト側の画面情報をクライアントに、相互に転送し合って遠隔操作を実現しています。

リアルタイムに情報をやり取りする上でレスポンスをよくするためには、回線の速度や高い安定性が求められます。インターネットを利用してもリモートデスクトップ通信はできますが、より安全に通信するためにプライベートネットワーク接続や、VPN接続を利用することが多いです。

リモートデスクトップの事前準備

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リモートデスクトップによって遠隔操作を行うためには、ホストとクライアントをネットワークで繋ぐように設定する必要があります。

ネットワーク接続の確立

まず、ホストとクライアントそれぞれを同じネットワークに接続させます。ネットワークの種類はご利用の環境によりますが、同じネットワークで通信するためには、ホストとクライアントに設定されているIPアドレス帯が一致している必要があります。

また、ファイアウォールの設定を確認し、リモートデスクトップの通信を許可する必要があります。

IPアドレスの設定手順

スタートメニューをクリックし(①)、スタートメニューから「設定」をクリックします(②)。スタートメニューに表示されていない場合は、検索バーに「設定」と入力すると検索結果に表示されます。

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【図】設定画面を開く

設定画面で左側のメニューから「ネットワークとインターネット」をクリックします(①)。右側のメニューから「ネットワークの詳細設定」の「>」ボタンをクリックします(②)。

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【図】ネットワークとインターネット

ネットワークの詳細設定メニューから、IPアドレスを設定したいネットワークアダプターの「>」ボタンをクリックします(①)。「追加のプロパティを表示」の「>」ボタンをクリックします(②)。

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【図】ネットワークの詳細設定

追加のプロパティメニューから、「IP割り当て」の「編集」ボタンをクリックします(①)。ウィンドウがポップアップするので、「IP設定の編集」のプルダウンから「手動」を選択し(②)、IPv4のスライドを「オン」側に設定します。

続いて、「IPアドレス」「サブネットマスク」「ゲートウェイ」「優先DNS」「代替DNS」の入力欄にそれぞれ必要な情報を入力し、「保存」をクリックします(③)。

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【図】IP設定の編集

以上でIPアドレスの設定は完了です。IPアドレス設定はクライアント、ホスト両方で行う必要があります。

なお、ホストに設定したIPアドレスはクライアントからリモートデスクトップ接続を実行する際に必要になりますので、メモしておきましょう。

ホスト側でリモートデスクトップ接続を許可する

同じネットワークに接続しただけではリモートデスクトップ接続はできないため、ホスト側でリモートデスクトップを許可するように設定する必要があります。設定はGUIでも可能ですが、今回はPowerShellを利用する設定手順を紹介します。

スタートボタンをクリックし(①)、スタートメニューから「Windows PowerShell」をクリックします(②)。スタートメニューに表示されていない場合は、検索バーに「PowerShell」と入力すれば検索結果に表示されます。

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【図】PowerShellでリモートデスクトップを許可

PowerShellのプロンプトが表示されますので、以下のコマンドを実行します(③)。

Set-ItemProperty -Path "HKLM:\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server" -Name  "fDenyTSConnections" -Value "0"

このコマンドは、リモートデスクトップ接続を許可するように設定を変更します。

Set-ItemProperty -Path 'HKLM:\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server\WinStations\RDP-Tcp' -Name "UserAuthentication" -Value 1

このコマンドは、ネットワークレベル認証でリモートデスクトップを実行しているコンピュータからのみ接続を許可するように設定します。これはリモートデスクトップ接続を許可する場合のWindowsの推奨設定です。

Get-NetFirewallRule | Where-Object { $_.Name -like "RemoteDesktop*" -and $_.Name -notlike "*ws*" } | Set-NetFirewallRule -Enabled true

このコマンドは、ファイアウォールの設定を変更し、リモートデスクトップの通信を許可するように設定します。

以上で、ホスト側でリモートデスクトップ接続を許可する設定は完了です。

クライアントからリモートデスクトップ接続を開始する

クライアントPCでスタートボタンをクリックし(①)、スタートメニューから「リモートデスクトップ接続」をクリックします(②)。スタートメニューに表示されていない場合は、検索バーに「リモートデスクトップ」と入力すると検索結果に表示されます。

次に「リモートデスクトップ接続」ウィンドウがポップアップするので、「コンピューター」入力欄にホストのIPアドレスまたはコンピューター名を入力して、(③)「接続」をクリックします(④)。ユーザー名とパスワードの入力を求められますので、入力して(⑤)「OK」をクリックします(⑥)。

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【図】リモートデスクトップ接続を開始

接続に成功すると、リモートデスクトップウィンドウが表示され、遠隔操作が開始されます。

仕組みと設定手順を理解して遠隔操作を活用しよう

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リモートデスクトップは業務で何気なく利用する機能の1つですが、仕組みや設定手順を理解していれば接続トラブルの時にも落ち着いてトラブルシューティングができます。

遠隔操作についてはWindowsのリモートデスクトップだけでなく、ブラウザの拡張機能やソフトウェアなどでも実現できるものがありますが、仕組みは共通しています。遠隔操作はリモートワークに必須とも言えるツールですので、ぜひ仕組みを理解した上で有効に活用していきましょう。

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