外資系ITエンジニア(外資系エンジニア)とは?
外資系ITエンジニア(外資系エンジニア)とは、外資系企業で働くITエンジニアのことです。外資系企業とは主に、海外企業の日本支社・子会社や、日系企業との共同出資で海外企業の出資比率が多い会社、日系企業が海外企業に買収されて海外資本になった会社を指します。
外資系企業は製造業などさまざまな業界に存在しますが、IT業界も外資系企業が存在感を示している業界の1つです。本記事では、外資系のIT企業とそこで働くITエンジニアについて、その特徴などを交えながら解説していきます。
外資系企業と日系企業の違い
IT企業に限らず、外資系企業には日系企業とは異なる制度や企業風土があります。外資系企業で働くことを視野に入れるなら、こういった特徴も理解しておきましょう。
評価制度や評価基準
外資系企業では、個人の実績を重んじる成果主義が主流です。年齢や性別、勤続年数に関わらず、成果を上げることができれば評価が上がり、昇進・昇給に繋がります。未だ年功序列の性格が強い日本の企業とは大きく異なる点です。
成果主義は仕事に自信がある人にとっては非常に良い制度ですが、成果を上げられなければ評価されません。「人柄」や「仕事に対する姿勢」が評価されることも基本的にはなく、あまりに成果が出ない場合は減給や解雇の判断が下されるケースもあります。
福利厚生の充実度
外資系企業と日系企業では、福利厚生にも大きな違いがあります。企業によって差はあるものの、退職金や家賃補助など日本の企業で多く見られる制度が、外資系企業にはない場合も珍しくありません。
ただし、外資系企業では福利厚生が充実していない分、年収は高めに設定されている傾向があります。どちらの方が良いかは人によりますが、企業への応募を検討する際は給与の金額だけでなく、福利厚生もしっかり確認して総合的に判断する必要があります。
企業が求める人材
外資系企業は即戦力を求める傾向が強いため、ある程度のスキルや経験がないと入社は難しいと言えます。新卒を募集していない企業も多く、募集していても出身学部などが限られるケースがほとんどです。
一方で日系企業は社員を「育てる」という意識が強く、研修などの教育プログラムも充実していることが多いです。新卒だけでなく中途採用者に対しても、「未経験OK」の求人が数多くあります。日系企業なら高いスキルがなくても採用のチャンスがありますが、能力重視の外資系企業では難しいでしょう。
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外資系IT企業の種類
外資系企業と日系企業の違いが分かったところで、外資系のIT企業について詳しく見ていきましょう。ITエンジニアとして外資系企業で働く人の多くが外資系IT企業に勤めていると思いますが、その中にも種類があります。以下では大きく4つに分けて解説していきます。
外資系ITメーカー
1つ目は、外資系ITメーカーです。外資系ITメーカーの日本法人は、本国で開発されたハードウェアやソフトウェアを日本向けにカスタマイズし、販売する役割を担っています。
マーケティングや営業など非IT職種の募集が目立ちますが、セールスエンジニアやプリセールス、検索エンジンやECサイトの開発・運用といった求人もあります。特にソフトウェアメーカーはITエンジニアの募集も多いようです。
外資系ITベンダー
外資系ITベンダーは、本国で開発されたシステムを日本向けに改良して販売することを主な事業としています。この点では外資系ITメーカーと似た事業スタイルで、求人も営業職が中心となります。
ITエンジニアの経験を活かして他の職種に挑戦してみたい、という方にはこうした営業職に応募するのもおすすめです。しかし、ITエンジニアの求人がないわけではありません。セールスエンジニアやカスタマーサポート、プリセールスなどとしてIT職種が募集されていることもあります。*
外資系Webサービス企業
外資系Webサービス企業は、自社サービスアプリや検索エンジンなどを開発・リリースする企業です。エンドユーザに向けたサービスを展開しているのが特徴で、ITエンジニアの募集も多くあります。
アプリ開発やデータ分析をはじめ多岐に渡る仕事内容でITエンジニアの求人があり、Webエンジニア、インフラエンジニア、データサイエンティスト、プロジェクトマネージャーなど多種多様なIT職種が募集されています。
外資系ITコンサルティングファーム
外資系ITコンサルティングファームも、外資系IT企業の1つとして挙げられます。コンサルティングファームとは企業経営に関する助言や支援を行うサービス企業で、ITコンサルティングファームはITの導入によって企業の課題を解決することを事業としています。
ITエンジニアはITコンサルタントとして働くことになるので、高度かつ豊富なIT知識と企業経営やビジネスモデルへの理解も必要になります。外資系IT企業の中でも高いスキルはが求められますが、近年のDX推進の波に伴ってITコンサルタントの需要が増しているため、注目の分野です。
外資系ITエンジニアの職種例と仕事内容
上記でも外資系IT企業で募集されている職種について少し触れましたが、ここからはそれら外資系ITエンジニアの職種と仕事内容について、以下4つを挙げて詳しく解説していきます。
セールスエンジニア・プリセールス
セールスエンジニアやプリセールスは営業的な性格が強く、IT製品・サービスの導入を顧客に提案することが主な仕事です。セールスエンジニアの場合は、契約後の導入支援やトラブル対応まで担います。
一般的な営業マンと同様にヒアリング能力や提案力、交渉力が求められますが、それらはIT技術への理解に裏打ちされている必要があります。営業部門を技術的な側面から支援する者として、ITエンジニアとしてのスキルが必要です。
Webエンジニア
Webエンジニアは、Webアプリケーションの設計・開発を行う職種です。細分すると、ユーザが直接触れる部分(UI/UX)を担当するフロントエンドエンジニアと、サーバ側の処理を担当するバックエンドエンジニアに分けられます。
外資系企業では、開発経験が採用条件として設定されていることも多いです。また、アプリケーションの制作実績なども採用基準として見られることがあります。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、開発の現場において計画段階からプロジェクト完遂まで、一貫してチームのマネジメントを行います。業務範囲が非常に広く、計画立案、全体の進行管理、報告書の提出などプロジェクトの全プロセスでチームをまとめ、責任を負います。
基本的にITエンジニアとしての経験が豊富な人が担う職種で、かつコミュニケーション能力など管理職としての能力も求められるため、外資系企業に限らずスキルの高さと責任の重さから年収も高い傾向にあります。
ITコンサルタント
顧客の課題に合わせてITを活用した最適なソリューションを提案し、それを実現するための支援を行うのがITコンサルタントです。経営者的な視点での問題解決能力と、インフラやシステムにおける課題をクリアするための知識・技術が必要となります。
ITコンサルタントは、常に最善の提案ができるよう、IT製品・サービスに対する理解と最新のITトレンドなどにも精通している必要があります。トレンドや新しい技術に高い関心があり、これまで培ったスキルを顧客の課題解決に役立てたいと考えているITエンジニアにおすすめの職種です。
外資系ITエンジニアに向いている人
ここまでの解説で、外資系ITエンジニアのイメージが何となく掴めたと思います。では、外資系ITエンジニアに向いているのはどのような人なのでしょうか。外資系IT企業への入社をおすすめできる人の特徴を解説していきます。
年収アップ・キャリアアップを重視する人
外資系ITエンジニアになるメリットの1つに、年収アップ・キャリアアップを狙いやすいという点が挙げられます。実際に外資系IT企業に転職した人も、これらを転職理由としていることが多いでしょう。
先に述べたように、外資系企業では年齢や性別に関係なく成果に応じて給与(ボーナスやインセンティブ)やポジションが決まります。それなりのスキルがあれば、日系企業に勤めている場合と比べて早く年収アップ・キャリアアップを実現できます。
プリセールスを例として、実際の数字を参考に考えてみましょう。プリセールスの年収は「マイナビエージェント 職業別年収ランキング」での平均年収は599万円(※2024年5月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種の営業・マーケティングを参考にすると、平均年収682万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、プリセールスは一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。日系・外資系に関係なく調査された統計でも高めの水準ですが、外資系のみのデータに絞れば、さらに高年収になると予想できます。
【参考】:マイナビエージェント 職業別年収ランキング ※【平均年収 調査対象者】2019年12月~2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
裁量を持って働きたい人
日本の企業ではまだまだ年功序列の風土や上下関係の厳しさが残っており、入社間もない社員や年齢が若い社員は仕事に裁量を持てないことが多いです。その点、外資系企業では成果が期待できる社員には大きな裁量を持たせるのが一般的です。
また、協調性よりも自分の意見をはっきりと言える方が良い、という風潮もあります。英語圏の習慣に倣って相手を呼ぶときに役職名を付けない企業もあるなど、日系企業に比べて風通しも良いです。
外資系企業では、自分の考えを仕事に反映させ、業務の進め方や資金の使い方などに対して自由度がある環境で働くことができます。裁量権を持って業務を行うことは、ITエンジニアとしての自身の成長という面でもプラスになるでしょう。
IT業界の最先端に触れたい人
研究開発に力を入れており、最先端のIT技術を積極的に取り入れていることも外資系企業の魅力です。グローバルに事業を行う外資系企業は、競争に勝ち抜くためにもスピーディーで革新的なビジネス展開を重視しています。実際、新しい技術を用いたIT製品・サービスの多くは、海外から発信されています。
このような企業で働くことで、いち早く最新技術を習得できたり、誰もやったことのないような開発に携わる機会を得られたりします。高い向上心を持つ人材が集っているので、スキルアップには非常に良い環境と言えます。
外資系ITエンジニアになるには
ITエンジニアとして外資系IT企業に従事するには、日系企業への入社を目指す場合とは異なるポイントを踏まえる必要があります。特に意識したい4つのポイントを解説します。
英語力を身に付ける
外資系企業でも必要とされる英語のスキルレベルはまちまちですが、英語力があるに越したことはありません。特に日本に進出したばかりの外資系企業の場合、日本語を話せない外国人の上司や同僚と仕事をすることもあります。また、管理職になると本社や他の海外拠点とやり取りを行うケースも出てきます。
一般的にはTOEIC750点程度あればビジネスの現場で通用するレベルとされていますが、それと同等かそれ以上の英語力があれば自身の大きなアピールポイントになるでしょう。英語面接が行われることもあるので、そういった場合は英語での面接対策にも力を入れる必要があります。
専門性と実績を身に付ける
外資系企業は即戦力となる人材を求めているため、高い専門性や豊富な実績がある人ほど採用されやすいです。そのため、企業にアピールできるだけの専門性と実績を身に付けることが重要です。
ITエンジニアとしての開発経験や担当領域、職務知識、得意分野といった情報を、企業側に示しやすい形で用意しておきましょう。
キャリアプランや転職理由を明確にする
採用面接では、キャリアの展望やその企業を選んだ理由について聞かれます。それを聞いたうえで、面接官は自社とのマッチング度などについて判断します。
まずは、自分が実現したいこととそのためにやるべきことを、中長期的な視点で明確に描きましょう。これが明らかになれば、今までの経験と持っているスキル、将来の目標などの観点から転職先の企業を選ぶ基準が見えてきます。
転職エージェントを活用する
外資系IT企業を狙った転職活動には難しい部分もあるので、転職エージェントを活用することをおすすめします。転職エージェントは豊富な求人情報を持っており、専門のアドバイザーが転職活動を全面的にサポートしてくれます。
外資系IT企業は公に採用活動を行っていない場合もありますが、転職エージェントならそういった企業の非公開求人も多数保有しています。その人ごとの経験やスキルを踏まえ、企業選びから履歴書添削や面接対策までアドバイスや支援をしてくれるため、転職の成功率も高まります。
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外資系ITエンジニアを目指そう
本記事では、外資系ITエンジニアについて外資系企業の特徴、企業の種類や職種、外資系に向いている人の特徴といった切り口で解説してきました。
外資系ITエンジニアは、年収アップやキャリアアップを狙いやすい、最先端の技術に触れられるチャンスが多いといった大きなメリットがあるため、目指したいと考えている人も多いでしょう。しかし、日系企業に入るのとは違った難しさが外資系企業にはあります。
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