
Python3 エンジニア認定基礎試験とは?

Python3エンジニア認定基礎試験は一般社団法人「Pythonエンジニア育成推進協会」が主催している検定試験で、Python3に関する基礎知識や文法に関する知識を問います。Pythonは需要が高まっているAI分野やデータ分析において必須のプログラミング言語です。
この資格を取得することで、Pythonエンジニアとして基礎的スキルを有する証明となり、キャリアチェンジやキャリアアップで有利になります。
この記事では、AIエンジニアやデータサイエンティストを目標とする方や、エンジニアとして新たな活躍の場を得たい方に、試験の概要、合格者の年収や資格を活かせる仕事、効果的な勉強法について解説をしますので、ぜひ参考にしてください。
【参考】:基礎試験 | 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会

そもそもPythonとは
Pythonは人気の高いプログラミング言語ですが、どのような特徴を持っているのでしょうか。以下にPythonが人気言語である理由と特徴についてまとめてみました。
1.文法が平易で予約語も少ないなど、シンプルで読み書きがしやすく、初心者でも習得しやすい 2.インタープリター言語に属し、その場でコンパイルしながら動作するため、開発効率が高い 3.オブジェクト指向言語であり、プログラムをモノとして捉えて操作することができるため、複数人での開発やコードの再利用・修正が容易である 4.多くのフレームワークやライブラリを簡単に追加して利用できるため、機能性や汎用性に優れている 5.AI(人工知能)開発分野で高い人気を誇り、機械学習や深層学習などのAI技術を用いたシステムを開発するためのフレームワークやライブラリが豊富にある 6.Webアプリケーション開発やデータ分析・処理などでも活用されており、YouTubeやInstagramなどもPythonによって作られている 7.WindowsやMac、Linuxなど主要なOSをサポートしており、さまざまな環境で動作させることができる
【参考】:プログラミング言語 Python 総合情報サイト | python.jp



Python3 エンジニア認定基礎試験の概要

ここでは、Python3エンジニア認定基礎試験の概要、難易度について確認していきましょう。
試験概要
Python3エンジニア認定基礎試験は、次の要領にて実施されます。受験方式は最寄りの試験会場に設置されたコンピュータを利用して行うCBT方式で、好きな日時に受験が可能です。
▪出題数:40問 ▪出題形式:選択式 ▪試験日程:通年受験が可能 ▪試験方式:CBT(Computer Based Testing)形式 ※試験会場に設置されたコンピュータで回答します。 ▪試験会場:全国47都道府県の試験会場 ▪試験時間:60分 ▪合格基準:7割正解 ▪試験結果:試験終了後に渡される「試験結果レポート」で確認できます。 ▪合格証:試験の約4週間後に郵送されます。 ▪受験料: ・一般価格 11,000円(税込) ・学割価格 5,500円(税込) ▪出題範囲:主教材である「Pythonチュートリアル 第4版」より出題されます。 ▪受験申込:Odyssey IDを取得し、試験会場を探して直接会場に申し込みます。
【参考】:Python 3 エンジニア認定基礎試験 | オデッセイ コミュニケーションズ 【参考】:試験会場を探す | Odyssey CBT | オデッセイ コミュニケーションズ 【参考】:認定教材・参考教材|一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会
出題範囲
出題範囲について、もう少し詳しく解説していきます。「Pythonチュートリアル 第4版」の各章と、試験におけるそれぞれの内容の出題数・出題率は以下のようになっています。
1章 食欲をそそってみようか 1問 2.5% 2章 Pythonインタープリタの使い方 1問 2.5% 3章 気楽な入門編 6問 15.0% 4章 制御構造ツール 9問 22.5% 5章 データ構造 7問 17.5% 6章 モジュール 2問 5.0% 7章 入出力 1問 2.5% 8章 エラーと例外 4問 10.0% 9章 クラス 2問 5.0% 10章 標準ライブラリめぐり 4問 10.0% 11章 標準ライブラリめぐり─PartII 1問 2.5% 12章 仮想環境とパッケージ 1問 2.5% 13章 次はなに? 0問 0.0% 14章 対話環境での入力行編集とヒストリ置換 1問 2.5%
最も出題数・出題率の数字が大きいのは「制御構造ツール」、次いで「データ構造」「気楽な入門編」となっています。気楽な入門編は、Pythonの起動方法やインタープリタの使い方、数値の型や演算子についてなど、Pythonを動かすために必要な初歩的な知識を解説している章です。
制御構文ツールは、自動処理を行う制御構文についての章で、if文、for文、range()関数といった構文の知識が試験でも問われます。データ構造はlist(配列)についての内容がメインで、データの配列を定義する関連文法を習得しておく必要があります。
【参考】:基礎試験 | 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会


難易度
Python3エンジニア認定基礎試験はITSS(ITスキル標準)のレベル1相当であり、他のIT系資格試験と比べても難易度はやや低めです。40問出題中、70%の28問正答で合格できます。Pythonプログラミングに関わっている方、学習中の方で、課題テキストを読み込んでいる方であれば、合格は難しくはありません。
中には、難易度が低いため取得することに関して「意味ない」という意見もありますが、Pythonエンジニアを目指すための初めの一歩と捉え、スキルチェックを兼ねて挑戦してみるとよいでしょう。
【参考】:ITスキル標準(ITSS)|IPA

ぜひ『マイナビIT エージェント』をご活用ください!
過去問題
多くのIT系試験は過去問を反復演習することが合格の決め手となりますが、Python3エンジニア認定基礎試験の過去問題は公開されていません。そのため、協会推奨のテキストや問題集で対策をするのが有効です。また、認定スクールで対策講座などを受けることもできます。
【参考】:認定教材・参考教材|一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 【参考】:認定スクール|一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会
合格に必要な勉強時間
試験に合格するために必要な勉強時間は、受験者のスキルや経験、予備知識などによって大きく異なるため一概には言えませんが、合格者の勉強法によると、経験者で数時間程度から、初学者で50時間程度です。初学者の方でも1日に1時間、2ヶ月あれば合格可能と考えてよいでしょう。
【参考】:合格までの学習法 | PRIME STUDY(プライム・スタディ)
Python3 エンジニア認定データ分析試験との違い

同じPythonエンジニア育成推進協会が認定する資格試験に、「Python3 エンジニア認定データ分析試験」というものもあります。こちらは2020年から始まった比較的新しい資格試験で、Pythonを使ったデータ分析の基礎や方法を問う試験となっています。
基礎試験ではPythonプログラミングに必要な基礎知識や基本的な文法などが問われるのに対して、データ分析試験はPythonが最も活用される分野の1つであるデータ分析に特化しています。
データ分析試験ではPandasといったデータ解析ライブラリなどについても出題されるのが特徴で、基礎試験よりもレベルの高い内容になっています。初心者でデータ分析にも興味がある場合は、まず基礎試験に合格してからデータ分析試験に挑戦すると良いでしょう。
【参考】:データ分析試験|一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会

Python3 エンジニア認定基礎試験を受けるメリット

Python3 エンジニア認定基礎試験は、Pythonの基礎スキルを身につけるための資格試験です。そのため、これからPythonを本格的に学びたいと考えている人には打ってつけの資格だと言えるでしょう。ここでは、受験のメリットを大きく2つに分けて解説します。
効率的かつ体系的にPythonスキルが身につく
Python3 エンジニア認定基礎試験を受験しなくても、Pythonのスキルを身につけることはできます。また、Pythonを扱うITエンジニアになるために特別な資格が必要なわけではありません。
しかし、資格試験は体系的な構成になっていて、それに準じた教材で学習することで効率的にスキルを身につけられるというメリットがあります。
特に初学者は、学習方法を間違えるとつまずきやすく、挫折にも繋がりかねません。資格教材であれば必要な知識を順を追って確実に学習できるので、習得が効率的に進むでしょう。また、試験に合格することで自信がつき、Pythonプログラミングを続けていくうえでのモチベーションにもなります。
就職・転職や年収アップに役立つ
資格の取得は、第三者に対する客観的なスキル証明になります。そのため、資格が必須ではないITエンジニアにおいても、一定のスキルをアピールして就職や転職、キャリアアップ、またそれによる年収アップを狙うのに有効です。
参考として、Python3 エンジニア認定基礎の資格を活かせる職種の1つであるプログラマーの年収を例にとってみましょう。
プログラマーの年収は「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は344万円(※2025年2月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、プログラマーは一般平均年収よりもやや低めに見えますが、これはプログラマーがITエンジニアの登竜門でもあり、まだ高度なスキルがない人も含まれるからです。
プログラマーはスキルによって大きく年収が左右されるため、資格などによってスキルをアピールできれば、これよりも高い年収を狙うことも十分可能です。
また、Pythonプログラマーは機械学習エンジニアやデータサイエンティストなどに近い位置にいますので、さらなるスキルアップによって高年収が期待できます。Python3 エンジニア認定基礎試験は、その足がかりとなるでしょう。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

Python3 エンジニア認定基礎試験の勉強方法

「Python3エンジニア認定基礎試験」の合格に向けた勉強法について、認定テキスト及び推奨参考書、オンライン講座による学習法を紹介していきます。
【参考】:認定教材・参考教材|一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会
認定テキスト(Pythonチュートリアル 第4版)による学習
「Python3エンジニア認定基礎試験」の主教材として、『Pythonチュートリアル第4版』(オライリー・ジャパン 刊)が指定されています。すべての問題が主教材から出題されるわけではありませんが、出題比率が高いので利用をおすすめします。
▪著者:Guido van Rossum(鴨澤 眞夫 訳) ▪ページ数:264ページ ▪出版社:オライリー・ジャパン ▪出版日:2021年02月1日
【参考】:O'Reilly Japan - Pythonチュートリアル 第4版
推奨参考書による学習
Pythonエンジニア育成推進協会は前記の認定テキスト以外にも以下の参考書を推奨しています。Pythonチュートリアル 第4版は初学者にはやや難解な部分がありますので、先に以下の参考書でPythonに親しんでから主教材を利用すると理解が深まるでしょう。
■ スラスラわかるPython 第2版 初めてPythonを学ぶ方やプログラミングを体験したい人のための入門書です。Pythonの基礎知識を習得することを目標とし、プログラミングに必要最低限の知識が学べるようやさしく解説しています。また章末の問題で理解度がチェックできます。
▪著者:岩崎 圭、北川 慎治、 寺田 学(監修) ▪ページ数:328ページ ▪出版社:翔泳社 ▪出版日:2021年11月17日
【参考】:スラスラわかるPython 第2版(岩崎 圭 北川 慎治 寺田 学)|翔泳社の本
■ いちばんやさしいPythonの教本 第2版 講義と実習を繰り返し、コードを打ちながら学べるPython入門書です。全くプログラミングに関わったことがない文系の方でも違和感なく読み進められます。プログラミングの楽しさを感じながら、また理解を深めながらPythonの基礎をマスターしたい人にもおすすめしたい参考書です。
▪著者:岩崎 圭、北川 慎治、 寺田 学(監修) ▪ページ数:272ページ ▪出版社:インプレス ▪出版日:2020年8月24日
【参考】:いちばんやさしいPythonの教本 第2版 人気講師が教える基礎からサーバサイド開発まで - インプレスブックス
■ Pythonスタートブック[増補改訂版] プログラミングの知識がゼロの方でも理解しやすい、イラストやサンプルが満載のPython入門書です。初学者でもPythonを基礎からしっかり学ぶことができます。さらに、プログラミングの応用編として、Webアプリケーション作成やデータ処理の基本についても解説されています。
▪著者:辻真吾 ▪ページ数:352ページ ▪出版社:技術評論社 ▪発売日:2018年4月12日
【参考】:Pythonスタートブック[増補改訂版]:書籍案内|技術評論社

オンライン教材による学習
書籍だけでなく、オンラインでもPythonプログラミングを学習することができます。公式で推奨されているのは、オンライン学習サービス『PyQ(パイキュー)』とPlatJaMの『Python入門』です。
PyQでは環境構築なしでブラウザからプログラミングができるプラットフォームで、600クエスト(単元)・1500問以上という豊富なコンテンツから好きなものを選んで学習することができます。
PlatJaMのPython入門は6単元からなる講座で、OSとアプリの関係、環境設定方法・コードの実行方法、プログラミングにおける基礎要素や制御構文、データ型やオブジェクトの操作、オブジェクト指向やコマンドラインアプリケーションと順に学習していきます。約20時間程度で受講できます。
【参考】:PyQ 【参考】:Python入門2024 - Python3.11対応版|PlatJaM
公式問題集による学習
Python3エンジニア認定基礎試験では、公式問題集である『徹底攻略Python 3 エンジニア認定[基礎試験]問題集 』が用意されています。過去問集こそありませんが、こうした問題集を活用することで問題に慣れることができます。
▪著者:株式会社ビープラウド(一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 監修/株式会社ソキウス・ジャパン 編) ▪ページ数:216ページ ▪出版社:インプレス ▪発売日:2023年3月9日
【参考】:徹底攻略Python 3 エンジニア認定[基礎試験]問題集 - インプレスブックス
模擬試験による学習
Pythonエンジニア育成推進協会認定のスクールでは、模擬試験をオンライン上で無料公開しているところもあります。一通り試験範囲を学習した後は、模擬試験で本番に備えましょう。
■ PRIME STUDY 認定スクールである「プライム・ストラテジー」が公開している無料の模擬試験サイトです。3回分の模擬試験を何度でも受験できます。このサイトには「Python3エンジニア認定基礎試験」合格者の学習法が載っており、参考になるでしょう。
【参考】:PRIME STUDY(プライム・スタディ) – Python試験とPHP試験の無料模擬試験サイト
■ ディープロ EXAM 認定スクール「ダイビック」が公開している学習サイトです。模擬試験のみの利用であれば無料で、本番と同じ形式の模擬試験を何度でも利用できます。有料の受験対策プランに加入すれば、より詳しい採点結果の確認やそれをもとにした復習、教材の利用もできます。
【参考】:Python3エンジニア認定基礎試験|ディープロ EXAM
■ PyQ 先ほど紹介したPyQも、無料模擬試験を提供しています。「問題PDF」と「解答用フォーム」が用意されており、PDFを見ながらフォームで解答を選択していく形式です。模試終了後はフォームで採点結果を確認できます。
【参考】:「Python3 エンジニア認定基礎試験」の模擬試験|PyQ
Python3 エンジニア認定基礎資格が活かせる仕事

Python3 エンジニア認定基礎試験の資格はどのような仕事で活かせるのでしょうか。代表的な職種としては、データサイエンティストやAIエンジニアが挙げられます。いずれも需要の高い仕事ですので、ぜひ目標にしてみましょう。
データサイエンティスト
Pythonはデータ分析や解析にも優れています。データサイエンティストはビッグデータなどの大量データを分析し、その結果をビジネスに活用するための知見や情報を引き出す仕事です。
Pythonはデータ分析向けのライブラリも多く、NumPyやPandas、Matplotlibなどでデータの加工や可視化ができますので、これらを有効活用できることもデータサイエンティストの条件になるでしょう。



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AIエンジニア
PythonはAI分野での開発言語として広く利用されています。AIエンジニアは機械学習や深層学習などのAI技術を用いて、画像認識や自然言語処理などのシステムを開発する仕事です。
PythonはAI開発に使えるライブラリやフレームワークが豊富にあり、開発効率が高いというメリットがありますので、それらを積極的に利用すると良いでしょう。


Python3 エンジニア認定基礎資格でAIエンジニアを目指そう

本記事ではPython3 エンジニア認定基礎試験について、試験概要、勉強方法や資格を活かせる仕事などを紹介しました。 Python3 エンジニア認定基礎試験は、AIエンジニアを目指す上で登竜門的な位置づけにあり、またキャリアチェンジにおいてはスキル証明となるでしょう。
Python3 エンジニア認定基礎試験を突破し、その資格を新たな仕事に活かすには、転職も1つの選択肢となります。ただし、Pythonプログラマーやエンジニアの求人は大変多くあります。
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