【関連記事】PythonのコードをEXE化するには? PyInstallerやその他ツールの特徴や使い方
【関連記事】Pythonで自動化できること7選!面倒な作業を効率化してより便利に
【関連記事】Anacondaの使い方は?Python環境の利用方法を解説!
マイナビIT AGENTへ!
Pythonとpipのインストール
ここでは、Pythonに関心のある方、これからPythonを学ぼうと考えているエンジニアの皆さんに向け、Pythonエンジニア必須ツールのpipをテーマに、Pythonパッケージのインストール方法などについて解説していきます。
Pythonの特徴
pipの紹介に入る前に、まずPythonの特徴について確認しておきましょう。
Pythonは、AI分野以外でもさまざまな分野で利用されている人気のスクリプト言語です。PythonはC言語やJavaなどメジャーなプログラミング言語と比べ、構文がシンプルでプログラミング初心者でも習得しやすいというメリットがあります。
以下に、Pythonの代表的な特徴を3つ挙げます。
1.シンプルな言語
Pythonはシンプルであることをポリシーとしている言語です。読みやすくて書きやすいのが最大の特徴です。
2.ライブラリが豊富
Pythonはライブラリが充実しており、豊富な標準ライブラリに加え、外部ライブラリも秀逸なため、システム開発が容易になります。
Pythonライブラリには計算や統計処理に適するライブラリが数多くありますが、画像処理・動画処理・自然言語処理・データベース関係のライブラリなど、あらゆる分野のものが豊富に揃っています。
また、Web開発のフレームワークなどがあることも、Pythonがあらゆる分野や用途に利用される大きな要因です。
3.マルチプラットフォーム
PythonはOSを選ばず、Windows・Mac・LinuxなどさまざまなOSに対応できることから、機種やOSを気にせず利用できる点も特徴の1つです。
pipとは?
pipは、正式名称を「Pip Installs Packages」または「Pip Installs Python」の略称で、Python言語で開発されたPythonライブラリを管理するためのツールです。pipはPythonに標準で附属していることもあり、Pythonパッケージやライブラリを活用するために広く使われています。
pipの利用は、Pythonを利用する上で必須と考えてください。
Pythonとpipの関係
pipはPythonのライブラリ管理ツールです。Pythonはライブラリが非常に豊富なため、多くの開発ではライブラリを頻繁に利用します。そのため、pipを利用することはPythonを利用する上では当たり前なのです。Pythonとpipは別物ですが、一体と考えてよいでしょう。
Python pipはどこにある?
Pythonは豊富な標準ライブラリを備えていますが、他に膨大な数のサードパーティライブラリを管理するPyPI(Python Package Index)という場所があり、pipもPyPIにあります。PyPIはPythonコミュニティが管理・運営しているレポジトリ(倉庫のような仕組み)で、2020年時点で20万以上のライブラリパッケージが登録されています。
このPyPIからライブラリをインストールする際に、pip(The Python Package Installer)を利用します。
pipはPython3.4以降のバージョンからプリインストールされているため、わざわざpipをインストールする必要はありません。
【参考】:PyPI – the Python Package Index
IT業界に精通した専任アドバイザーと豊富な求人で、
あなたの転職活動を丁寧にサポートします。
Pythonをインストールしよう
ここでは、Windows11環境でのPythonインストールの方法について解説していきます。
Pythonをダウンロードする
Pythonが初めての方は、まずPythonのダウンロードから行うためにPython公式サイトにアクセスし、ダウンロードページからPythonのインストーラをダウンロードします。
画面上部に並ぶメニューの中から「Downloads」にマウスを合わせると、さらに詳細メニューが表示されますので、「Windows」をクリックします。2024年7月時点のPython3のバージョンは3.12.4です。
表示されている『Windows用にダウンロード Python 3.12.4』をクリックしてください。
Pythonをインストールする
次のダイアログボックスが表示されたら、「Install Now」をクリックします。
PythonのインストールにPathを自動設定する場合は「□ Add Python.exe to PATH」にチェックを入れておきます。インストールが開始されると、「Setup Progress」のダイアログボックスが表示され、1~2分程度でインストールが終了します。
インストールが終わると次の「Setip was successful」のダイアログボックスが表示されますので、「Close」をクリックして画面を閉じます。
pipにまつわるエラーやトラブル
ここではpipにまつわるよくあるエラーやトラブルについて、以下にまとめました。
■インストールできない
Pythonのバージョンが古く、pipがインストールされていないケースがあります。その場合、pipを単独でインストールする方法もありますが、最新のPythonをインストールすると自動的にpipもインストールされますので、後者の方法をおすすめします。
■コマンドがみつかりません
「pipコマンドが見つかりません」というエラーは、「Scripts」ディレクトリにパスが通っていないことが原因で起きている可能性が高いです。コマンドプロンプトで「where python」と入力すると、Pythonのインストール先が分かりますので、そのパスをコピーしておきます。
Windowsのスタートボタンを押し、「環境変数」と入力すると、システムのプロパティ画面が表示されます。右下の「環境変数」ボタンをクリックし、表示された画面の上段、ユーザ環境変数の中からPathを選び、編集ボタンを押します。
次に先ほどコピーしておいたパスを張り付け、「python.exe」の部分を削除して代わりに「Scripts」と記述します。これで、「OK」を押せばpipコマンドが使えるようになります。
pipを使ってみる
Pythonがインストールできたら、さっそくpipを使ってみましょう。以下、基本的なコマンドを用いて、簡単な操作をしてみます。
condaとpipのどちらを使う?
Pythonには、AnacondaというPythonの環境構築プラットフォームがあります。AnacondaはPythonの実行環境でcondaコマンドを用いて、ライブラリのインストールなどが行えます。pipとは似ていますが、Anacondaとpipの併用は混乱やトラブルの原因になるため避けた方がよいでしょう。
以前からAnacondaを使っている方は、そのままcondaコマンドを利用し、初めてPythonを使う方はpipを利用するのが良いでしょう。
【参考】:Download Anaconda Distribution | Anaconda
pipのバージョンを確認する
pipは、Pythonのインストールと同時にインストールされています。最初にpipコマンドを使ってpipのバージョンを確認してみましょう。コマンドプロンプトを開き、「pip -V」と入力しEnterでpipのバージョンとインストール先のパス、さらにPythonのバージョンが表示されます。
環境別インストール手順
ここでは、環境別(Windows、macOS、Linux)のインストール方法について、公式サイトを参考に説明します。
【参考】:インストール - pip ドキュメント v24.1.2
まずpipをインストールするには、Pythonがインストール済みであることが前提です。また、あらかじめ以下のサイトよりget-pip.pyを任意のディレクトリに保存しておきましょう。
【参考】:get-pip.py
ターミナルやコマンドプロンプトを開いて、ファイルcdを含むフォルダ(get-pip.py)に移動し、環境別にそれぞれ次のコマンドを実行します。
【Windows】
c:>py get-pip.py
【macOS】
$ python get-pip.py
【Linux】
$ python get-pip.py
インストール済みのパッケージを確認する
続いて、Pythonと一緒にインストールされたパッケージを確認してみましょう。
コマンドプロンプトで「python -m pip list」と入力します。
ライブラリをインストールする
それでは実際にpipを使ってライブラリをインストールしてみましょう。今回インストールするのは、NumPyです。NumPyは科学技術計算や機械学習などの、ベクトルや行列演算が多用される分野の事実上の標準ライブラリと言える人気のライブラリです。
【参考】:NumPy
コマンドプロンプトで「pip install numpy」と入力すると、次のようにPyPIからダウンロードされます。
インストールされているライブラリを確認する
NumPyライブラリが正しくインストールをされているかを、pipコマンドで確認してみましょう。
コマンドプロンプトで「pip freeze」と入力します。freezeコマンドは、自分がどのライブラリをインストールしたかを確認する際にも使えます。
正しくnumpy1.21.4がインストールされたことが分かります。
ライブラリをアップグレードする
pipにはライブラリをアップグレードするコマンドはありませんが、installコマンドにオプションの「--upgrade」を付加すると、ライブラリのアップグレードが行えます。たとえば、pipのアップグレードを行う場合は、次のようにpipコマンドに「--upgrade」を追加します。
不要なライブラリを削除する
Pythonは外部ライブラリが非常に豊富なため、ついつい不要なライブラリまでインストールしがちですが、そのままにしておくとライブラリの管理が煩雑になるばかりか、ディスク領域不足の原因にもなりかねません。
不要なライブラリは、uninstallコマンドを使って削除します。コマンドプロンプトで「pip uninstall numpy」と入力します。
削除するかどうかについて(Y/n)?と確認を求めてくるので、削除する場合はYを入力します。
Pythonのバージョン指定でライブラリをインストールする
Pythonは異なるバージョンをそれぞれインストールすることができます。
たとえば、Python3.10とPython3.6の2つのバージョンのPythonがあり、Python3.6に対応したライプラリーをインストールしたい場合などは、「py -3.6 -m pip install ライブラリ名」というように入力すると、Python3.6の環境にライブラリがインストールされます。
pipをダウングレード、アンインストールする方法
pipが適切に動作しなかったり、バージョンによってはシステムをサポートしていなかったりする場合があります。そのような場合は、pipをダウングレード、あるいはアンインストールしましょう。
【pipのダウングレード】
特定のバージョンにpipをダウングレードするには、次のコマンドを使用します。
python -m pip install pip==version_number
例として、pipをバージョン20.2.3にダウングレードする場合は以下のように入力します。
python -m pip install pip==20.2.3
【pipのアンインストール】
pipをアンインストールする場合は、次のコマンドを使用します。
python -m pip uninstall pip
上記の方法を使用することで、pipのバージョンを変更したり、アンインストールしたりすることができます。バージョンを変更する際には、適切なバージョン番号を確認してから実行してください。
pipコマンドを使いこなせるPythonエンジニアに
Pythonと、Pythonのライブラリ管理ツールpipの概要について解説しました。
Pythonはシンプルなスクリプト言語で、習得しやすく、また期待の高い人気の高い言語です。第2言語として、これから学ぶ予定の方も多いでしょう。Pythonエンジニアを目指す方は、併せてpipの習得もおすすめします。
Pythonの豊富なライブラリやパッケージを個人で管理するのは簡単ではありませんが、pipを使うとそれらが容易になります。Pythonユーザを目指す方はぜひpipを習得し、ライブラリをうまく活用できるPythonエンジニアを目指しましょう。
マイナビエージェントに無料登録して
転職サポートを受ける
その他Python関連記事
その他、Pythonに関連する内容は、下記の記事でもご紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。
編集部オススメコンテンツ
アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから