データアナリストとデータサイエンティストの違いとは?両者を徹底比較!
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データアナリストとデータサイエンティストの違いとは?両者を徹底比較!
アンドエンジニア編集部
2023.08.25
この記事でわかること
データアナリストはデータを解析してビジネス戦略に反映するまでの役割を担う
データサイエンティストは分析モデルの構築が主な役割である
類似職種ではあるが、それぞれの違いを理解した上でキャリアパスを描くとよい

データアナリストとデータサイエンティストはどんな職業?

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AIやビッグデータ解析がトレンドとなる中、関連する職種として挙げられるのが、データアナリストとデータサイエンティストです。よく似た名前の職種ですが、どのような違いがあるのか気になるところですよね。

データアナリストとデータサイエンティストは、どちらもデータから価値を創出する役割を担った専門職です。本記事ではそれぞれの違いを明らかにし、それらを目指す上で必要なスキル、適性、資格などを徹底解説します。

データアナリストとデータサイエンティストの役割の違い

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データアナリストとデータサイエンティストがどういう職種かを理解するために、まずは役割の違いについて見ていきましょう。

データアナリストとデータサイエンティストはどちらもデータ分析を行い、データから価値を創出する役割を担っている点では共通しています。しかし、全く同じというわけではありません。

データアナリストの役割

データアナリストはビジネス寄りの職種と言えます。役割としては、ビジネスにおける課題の整理や、分析結果の活用に重きを置いています。

課題設定では、ビジネス側の人と議論を重ねながら、分析をする案件を確定していきます。ここでは分析の目的、用いる分析手法、利用するデータを決め、分析スケジュールや分析体制などを取りまとめます。

続いて、データベースを利用してデータの抽出、集計や可視化、シミュレーションなどを行います。データ分析を行って得られた結果について、ビジネス側の担当者にかみ砕いて説明します。

この際に、得られた結果がビジネスにどのように影響するのか、ビジネス戦略やマーケティングにどう生かすのかなどについて詳しく紹介していきます。

ここからマーケティング担当者がマーケティング戦略を見出していきますが、そうした役割を担える人材がビジネス側に存在しないケースでは、データアナリストが具体的な施策や戦略を提言します。

以上のように、データアナリストは事業から得られたデータ(顧客動向、商品動向など)を解析し、得られた結果を具体的なビジネス戦略に反映するまでの役割を担います。

データアナリストはデータに付加価値を与え、ビジネスに活用するのが仕事ですから、コミュニケーションスキルが高く、経済や経営、マーケティングに明るい文系にも適した職種と言えます。

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データサイエンティストの役割

データサイエンティストは、データアナリストよりも専門領域に近い立ち位置で、分析モデルの構築が主な役割です。主にデータクレンジング(データのクリーニング)、分析アルゴリズムの選定やチューニングなどを行います。

データサイエンティストはデータクレンジングを行って、不正データや不要データを除去した後、そのデータ分析に適する分析アルゴリズムの選定を行います。機械学習と同様に、「教師ありモデル」と「教師なしモデル」のそれぞれのアルゴリズムから最適なものを選定します。

■「教師ありモデル」では主に「分類」と「回帰」のグループに分かれます。 ■「教師なしモデル」では「クラスタリング」と「アソシエーション分析」のグループに分けられます。

最適な分析アルゴリズムを適用した後、パラメータの調整(チューニング)を行い、精度の高いモデルを構築していきます。

分析結果や予測結果はビジネス領域でも活用しますが、ビジネス側との調整や連携はデータアナリストに任せるケースがあります。

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その他の職種との違い

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それぞれの役割が分かったところで、データアナリストとデータサイエンティストの類似職種である、データエンジニアとマーケティング職との違いを見ていきましょう。

データエンジニアとの違い

データアナリストは、データエンジニアから提供されたデータの分析を主な仕事としています。一方、データエンジニアはデータを供給できる基盤の構築や、データの分析ができる環境整備などが主な仕事です。

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マーケティング職との違い

マーケティング職はBIツールなどを利用して、ビッグデータから提供されるデータから課題を発見したり、マーケティング戦略の立案を行ったりします。対してデータサイエンティストは、データサイエンスの分野における専門技術を駆使してデータの深堀りを行い、データ価値の最大化を役割とします。

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データアナリストとデータサイエンティストのスキル面の違い

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データアナリストとデータサイエンティストは非常に近しい関係にある職種であるため、必要とされるスキルが似ています。ただし、役割や仕事の内容が異なることから、それぞれ求められるスキルに異なる部分もあります。

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共通して必要なスキル

データアナリストとデータサイエンティストはともにデータ分析が必須となるため、以下のスキルは共通して必要です。

・高等数学に関する知識 ・統計学に関する知識 ・プログラミングスキル(PythonやR、SQLなど) ・「Apache Hadoop」や「Apache Spark」といったデータ分析基盤構築のフレームワークを扱えるスキル ・マーケティング職などのビジネススキル

【参考】:Apache Hadoop 【参考】:Apache Spark™

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データアナリストに必要なスキル

データアナリストは大別すると、「コンサル型」と「エンジニア型」に分かれ、それぞれで求められるスキルが異なります。

■ コンサル型データアナリスト

コンサル型データアナリストは、企業などが抱える課題に対して仮説を立て、課題の発見と改善案提案を行うため、分析力や論理的思考力、コミュニケーション能力が欠かせません。また統計に関する知識は必須です。その他、マーケティングに関する知識が求められます。

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■ エンジニア型データアナリスト

エンジニア型データアナリストは、コンサル型データアナリストに必要なスキルに加え、機械学習や自然言語処理などの知識が求められます。ほかにも、コンサル型よりもプログラミングスキルやフレームワークを扱うスキルが必要です。

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データサイエンティストに必要なスキル

データサイエンティストとして活躍するには、多くの知識が必要になります。IT開発の知識はもちろんのこと、データを活用するために統計学やビジネスに関する知識が必須です。ここでは、データサイエンティストになる上で必要なスキルについて解説していきます。

■ 統計学

データサイエンティストは主にデータの分析モデルを構築するため、統計処理手法に関する知識が欠かせません。統計学の前提となる数学に関しては、特に確率、微分積分、行列などの分野はデータ分析のための必須知識です。

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■ アルゴリズムとデータベース

データサイエンスでは膨大なデータを取り扱うため、高速処理・データ加工・データ解析に必要なアルゴリズムの知識、プログラミングスキルが欠かせません。また、データベースを扱うスキルや、広範なIT知識を身につけておく必要があります。

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■ ビジネススキル

データサイエンティストはデータアナリストと同様に、データの活用を通じて事業に貢献することが重要なミッションです。そのため、対象領域のビジネスに対する深い理解や知識が求められます。

また、データサイエンティストは分析結果をレポートやプレゼンテーションとしてまとめなければならないため、文書作成スキル、プレゼンテーションスキルなども重要です。

これらのスキルを、実務経験なしで完璧に身につけるのは困難です。そのため、基本的なIT技術を習得したら、それらの経験を生かし思い切って転職してみるのも1つの方法です。

研修制度が整っている企業であれば、徐々に知識をつけながら働くことも可能です。未経験からデータアナリストやデータサイエンティストを目指すなら、自分のスキルに合った企業を探してくれる転職エージェントの活用をおすすめします。

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データアナリストとデータサイエンティストの適性面の違い

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ここでは、データアナリストとデータサイエンティストの適性面での違いを見ていきましょう。

データアナリストに向いている人

データアナリストは数字やデータと直接向き合う職種です。また、分析対象の業務知識やスキルが求められるなど、向学心や知的好奇心が強い人が向いていると言えます。

■ 数字やデータが好き

データアナリストは長時間数字やデータと向き合うため、それらが苦にならないことが必須条件です。特に、日頃から数字を中心にロジカルで物事を考えるような習慣がある人が向いています。

■ 知的好奇心や探求心が強い

データアナリストは統計学やITに関する知見が要求されます。

■統計学に関する知識

統計学の基礎知識では、記述統計から推測統計まで一通り習得している必要があります。他に、機械学習の主な分析手法にも精通していることが求められます。また、それらの理解には微積分や線形代数、確率論などの数学の知識も必須です。

■IT全般スキル

データアナリストは統計学や数学に強いことに加えて、クラウドの知識、データベースに関する知識、プログラミング知識などのITスキルが求められます。

■ 粘り強く几帳面

データアナリストにとって数字は命です。意思決定に必要な数字にミスがあれば、時には命取りになりかねません。

自分を過信せず、几帳面で、結果を緻密に粘り強く検証し、結果に責任を取れる人がデータアナリストには向いています。

データサイエンティストに向いている人

データアナリストの経験を経てデータサイエンティストになる方もおり、データサイエンティストとデータアナリストに向いている人はよく似ています。

■ 分析力を用いた問題解決が得意

何事も分析してみたくなる人はデータサイエンティストとしての適性があります。特に、問題が得意で、原因の分析と解決法を見出すのが好きな人はデータサイエンティストの仕事を楽しめるでしょう。また、効率のよいデータ分析のためには、広い視野と客観性が求められます。

■ ロジカルシンキングが得意

データ分析による問題解決には、ロジカルシンキングが必須です。仕事では発想力やアイデアも必要ですが、論理的に考え、ものごとを処理していく能力が欠かせません。

たとえば、ビッグデータは膨大なデータを集積していますが、ここから必要なデータを抽出し、それらを分析して価値のある情報に高めて課題解決に繋げていくには、高いロジカルシンキング能力が求められます。

■ 地道に継続努力ができる

ビッグデータから必要と思われるデータを取り出して分析を行うには、試行錯誤が必要です。様々な観点や条件からデータと向き合い、真に使える情報にするためには地道で継続的な努力が必要です。

数学や統計学の知識、能力も必要ですが、壁にぶつかっても創意工夫を繰り返して、粘り強く作業を続けられる根気強さも欠かせません。

データアナリストとデータサイエンティストの年収の違い

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役割が異なるデータアナリストとデータサイエンティストですが、年収にも違いがあるのでしょうか。ここでは、データベースエンジニアの年収を例に挙げて説明します。

データアナリストとデータサイエンティストの想定年収

データアナリストとデータサイエンティストは、仕事内容や求められるスキルに違いはあるものの、それぞれの年収に大きな違いは見られません。

一般的なデータベースエンジニアの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収は424万円(※2023年6月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」からエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収593万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、データベースエンジニアの年収は一般平均年収と比べて、同水準かやや高めであることが分かります。

ただし、データアナリストやデータサイエンティストは任される仕事量も多く、より専門的な知識や技術が必要な場合が多いため、一般的なデータベースエンジニアよりも年収は高くなる可能性があります。

【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた) 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

さらなる年収アップを目指すには

データアナリストやデータサイエンティストを含むITエンジニアの報酬は、実績が重要視される傾向があります。そのため、さらに年収を上げるには、スキルアップを図る方法が効果的です。

資格を取得するなど、知識の習得とスキル証明をすることで、年収アップや上位職へのキャリアアップに繋げることができるでしょう。

データサイエンティストにおすすめの資格7選!難易度や勉強法も解説

データアナリストとデータサイエンティストにおすすめ資格

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データアナリストやデータサイエンティストにおすすめの資格を紹介します。スキルの裏付けとなる資格があれば、転職の際もより有利になります。

データアナリストにおすすめの資格

データアナリストはデータベースを操作し、必要な情報を抽出して分析を行うため、特に統計分析やデータベースに関する資格の取得が有効です。

■ 統計検定®

一般社団法人 日本統計学会が認定する、主に統計に関する知識、活用力などを評価する全国統一試験です。

【参考】:統計検定|Japan Statistical Society Certificate

統計検定1級とは?取得するメリットや勉強方法を徹底解説!

■ ORACLE MASTER Gold

ORACLE MASTERは民間資格ですが、権威のある資格です。Bronze、Silver、Gold、Platinumと4段階ありますが、データアナリストを目指したい方はSilver以上、できればGoldの取得をおすすめします。

【参考】:ORACLE MASTER Gold DBA 2019 | Oracle University

オラクルマスターシルバー取得のメリットは?転職で年収アップを狙える!

■ OSS-DB技術者認定資格

オープンソースデータベース(OSS-DB)に関して、その技術と知識を認定するIT技術者認定資格です。

【参考】:OSS-DB技術者認定試験

■ データベーススペシャリスト試験(DB)

IPA主催の国家資格です。データ収集の環境構築において必要となるデータベースの設計や構築・運用に関するスキル証明となる資格です。

【参考】:データベーススペシャリスト試験(DB)

データベーススペシャリスト試験とは?活用できる仕事や効果的な勉強方法を解説

データサイエンティストにおすすめの資格

データサイエンティストは分析能力も求められますが、分析環境を構築することが主な役割となりますので、分析環境構築に役立つ資格の取得をおすすめします。

■ Python3エンジニア認定基礎試験

一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が主催する、分析系アプリケーションにおけるプログラミングスキルを証明する認定試験で、開発言語のPythonの認定試験の1つです。

【参考】:Python 3 エンジニア認定データ分析試験

Python3エンジニア認定データ分析試験とは?勉強方法や難易度を解説

■ データサイエンティスト検定

データサイエンティスト協会が主催する検定資格です。アシスタントレベル、アソシエート、フルデータサイエンティスト、シニアと4レベルありますが、構築レベルのフルデータサイエンティスト以上の取得をおすすめします。

【参考】:データサイエンティスト検定 | 一般社団法人 データサイエンティスト協会

データサイエンティスト検定とは?勉強法や資格が活かせる仕事も紹介

■ 応用情報技術者試験(AP)

IPA主催の国家資格です。資格取得によって情報戦略立案、システム設計から構築、導入までの幅広いITスキルの証明となります。

【参考】:応用情報技術者試験(AP)

応用情報技術者試験は難しすぎる?その真偽やメリット、試験対策など

■ G検定・E資格

日本ディープラーニング協会主催の資格試験です。G検定はディープラーニングの活用を目指すジェネラリスト向けの検定試験です。E資格はエンジニア向け資格で、ディープラーニング理論の理解と、その実装能力や知識を問う検定試験です。両方を取得するエンジニアが多くなっています。

【参考】:一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】

G検定とは?試験概要・出題範囲から試験対策の進め方まで解説
E資格とはどんな試験?概要や難易度と取得のメリットを解説!

データアナリストとデータサイエンティストを目指そう

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データアナリストとデータサイエンティストの職種の違いについて、それぞれの役割、スキル面、適性、向いてる人の違いについて解説しました。

どちらも似た職種ですが、データアナリストはクライアント向けのデータ分析とそこから導き出されたビジネス面の戦略などの提案を主に行います。一方、データサイエンティストは分析のための環境構築、システム構築がメインとなります。

データアナリストとデータサイエンティストはどちらも求人が豊富で、将来性のある職種です。やりがいを感じながら働くには、両者の違いを理解した上で、自分に合った職種を選ぶことが大切です。しかし、スキルにぴったり合う職場を1人で見つけるのは大変ですよね。

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