データサイエンティストとは?
データサイエンティストとは、データサイエンスのために収集したデータを分析する統計の専門家を指します。2010年頃から始まったビッグデータによるデータ爆発と、機械学習の進歩により蓄積データの活用の場が増大しています。そのため、従来学術的な意味合いの強かったデータ分析を担当するデータサイエンティストは、情報技術の進歩によりITエンジニアの活躍する領域となってきています。
データサイエンスとは?
データサイエンスは、以下に挙げるデータ分析手法を扱う学術研究分野を指します。 ・数学や統計学を用いた数学的手法 ・計算機科学や情報工学を用いたコンピュータ技法 ・機械学習やパターン認識等の人工知能技術 データサイエンティストはこれらのデータ分析手法を活用し、データ分析を行います。
データサイエンティストとデータアナリストの違いは?
データサイエンティストは、以下の一連のデータ分析に必要とされるビジネスサイクルをカバーします。 (1) ビジネス課題の抽出 (2) データ収集の準備・収集 (3) データ分析 (4) ビジネス課題の解決
一方データアナリストは、データ分析に特化した専門家となります。そのため、データ分析手法を学術的に研究し実践することに強みがあり、複雑な分析を高度な技法を活用して分析します。
データサイエンティストと機械学習エンジニアの違いは?
人工知能は人間が備えている知的な行為をコンピュータの手続き・アルゴルズムに基づき、所定のデータを与えることで機械的に実行することを研究する領域となります。
データサイエンティストは、パターン認識や機械学習アルゴリズム等により収集されたデータを活用するシステム利用者で、データ分析者・統計の専門家を指します。一方機械学習エンジニアは、人工知能における機械学習アルゴリズムを設計・実装する技術者のことで、ITエンジニアの一種です。実際の業務では共同して実施することが多くなってきています。
データサイエンティストの仕事と年収は?
データサイエンティストの役割は、大きく分けて以下の通りに分類されます。 ・サイエンス的な役割 データサイエンスの分析手法を研究し、利用すること ・エンジニアリング データの分析のための収集や仕組みを作ること ・ビジネス 分析結果から導き出される傾向からビジネスへ活用すること
ここでは、上記の役割がどのように仕事に活かされるのか以降で触れていきます。同様に年収や市場性についても解説します。
データサイエンティストの仕事は?
データサイエンティストは、サイエンス的・エンジニアリング的およびビジネス的な観点で仕事を進めていきます。
具体的には、最初にデータ分析に必要なビジネス上の課題をヒアリングし、データ分析項目を定義とゴールを設定します。次に、必要な項目を収集するための環境を整備し、実際の収集を行います。そして収集データを分析し、問題の可視化を行っていきます。最後にビジネス課題の解決に必要な情報を整理し、ビジネス改善を進めます。
データサイエンティストの年収は?
ここでは、データサイエンティストの年収について触れます。国内の求人サイトによると、約650万円〜750万円の求人募集が多いです。条件により、1,000万円を超えるケースもあります。首都圏、特に都内では850万円を超える募集も珍しくありません。さらに、データサイエンティストのリーダークラスや組織長の求人では、技術面と人材管理面が求められ、1,200万円〜1,500万円の募集がされています。
なお、米国ではデータサイエンティストはおよそ800万円〜1,200万円ほどの求人がされています。条件により2,000万円を超えるケースもありますので、日本以上に求人のニーズが高いと言えるでしょう。
データサイエンティストの将来性は?
データサイエンティストは、人工知能(AI)の活用拡大により脚光を浴びています。 すでに大量のデータを扱う金融システムや製薬・医療関係業界では、データ分析が必須となっており、今後も活躍の場が拡大していくでしょう。同様に、データサイエンティストはビジネス課題に踏み込んだデータ分析を行いますので、経営コンサルタントとしても活躍の場が拡大しています。
また、内閣府ならびに首相官邸により、イノベーション政策強化推進のための有識者会議「AI戦略」(AI戦略実行会議)が行われています。その中で議論されている主なAI適応領域として、各産業界、特に健康・医療・介護・福祉の分野が挙げられています。データサイエンティストはそのAI適応領域での活躍が強く期待されるでしょう。 参考:内閣府 AI戦略 参考:首相官邸 AI戦略2019
データサイエンティストにおすすめの資格は?
データサイエンティストは、サイエンス的・エンジニアリング的およびビジネス的な観点で仕事を進めていきます。そのため、学術的な知識と技術的な知識および業務的な知識がそれぞれ求められます。 ここでは、資格取得により得られるスキルについて整理します。
データサイエンティストにお勧めのIT系の共通資格は?
IT系の共通スキルは、技術スキルの土台となる部分です。最初に情報処理推進機構(IPA)の「基本情報技術者試験(FE)」をおすすめします。資格取得により情報戦略立案やシステムの設計・開発・構築・導入が指示通り実施できるでしょう。
次に、上位資格として「応用情報技術者試験(AP)」がおすすめです。資格取得により情報戦略立案やシステムの設計・開発・構築・導入を主導できるレベルとなります。 参考:情報処理推進機構(IPA) 応用情報技術者試験(FE) 参考:情報処理推進機構(IPA) 応用情報技術者試験(AP)
データサイエンティストにお勧めのIT系の専門資格は?
データサイエンティストではIT系共通スキルに加えてデータベースの専門スキルが要求されます。 最初に情報処理推進機構(IPA)の情報処理技術者試験の区分である、「データベーススペシャリスト試験(DB)」がおすすめです。データ収集の環境構築に必要なデータベースの設計・開発・構築・運用ができるでしょう。 参考:情報処理推進機構(IPA) データベーススペシャリスト試験(DB)
次に、オープン系データベースの認定試験である「OSS-DB技術者認定試験」を紹介します。データ分析システムではオープンシステムを活用することが多いため、オープンシステム用DB技術者におすすめできる資格です。 参考:OSS-DB技術者認定試験
最後に、商用データベースを用いる場合は、市場占有率の高いオラクルが提供する「Oracle Master」の資格取得がおすすめです。 参考:Oracle 認定資格一覧
データサイエンティストにお勧めの専門分析系の資格は?
データサイエンティストは学術的な知識と技術スキルをデータ分析に活用していきます。そのため、数学や統計の専門知識が求められます。
最初に、統計自体の能力を証明するために、「統計質保証推進協会の統計検定」をおすすめします。この資格はデータに基づいて客観的に事象を判断し、科学的に問題を解決する能力が備わっていることを証明します。 参考:一般財団法人 統計質保証推進協会の統計検定
次に、分析計アプリケーションのプログラミング能力を証明するために、開発言語であるPythonの認定試験である「Python 3エンジニア認定データ分析試験」が用意されています。この資格ではPythonの言語能力のみならず、確率や統計の数学技術とライブラリーを用いた分析実践能力が試されます。 参考:Python 3 エンジニア認定データ分析試験
最後に人工知能全般の能力を証明するために、まずは「日本ディープラーニング協会の検定」を紹介します。G検定はジェネラリスト向けの検定です。ディープラーニングの基礎知識を有し適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識があることを証明します。E資格はエンジニア向けとなります。具体的にはディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているエンジニアレベルにあるか検定します。 参考:一般社団法人 日本ディープラーニング協会のG検定、E資格
スキルアップにより市場に求められるデータサイエンティストのチャンスをつかみましょう
今後、デジタルトランスフォーメーションや働き方改革が今以上に推進されると予測されています。そのためデジタル変革後のビジネスを予測するニーズがさらに高まると期待されるでしょう。データサイエンティストには、データ分析により企業の課題を解決することがさらに求められていくはずです。その活躍の場を得るためには、十分な学習による準備が必要なので、ぜひ準備を進めて将来の可能性を広げましょう。
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