データベーススペシャリスト試験とは?活用できる仕事や効果的な勉強方法を解説
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データベーススペシャリスト試験とは?活用できる仕事や効果的な勉強方法を解説
転職ノウハウ
アンドエンジニア編集部
2023.02.10
この記事でわかること
データベーススペシャリストはIT系資格試験の中では難易度が高く、合格率は15%前後
データベーススペシャリストに合格には、半年〜1年はじっくり勉強を続ける心構えを持つと良い
データベーススペシャリストの勉強のコツは、試験の時間配分を意識して問題をたくさん解くこと

データベーススペシャリスト試験とは

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社会のIT化やDX化が進む中、企業の財産とも言えるデータの取り扱いについて関心が高まっています。特に、企業の成長を支えるビッグデータの活用、個人情報や機密情報の漏えいを防ぐセキュリティ対策には特に注目が集まっています。

データベーススペシャリスト試験は、企業にとって貴重なデータを管理するデータベースを扱うための、データベースに関する知識やスキルを認定する資格試験です。データベースを業務で活用するエンジニアの方の中には、取得を検討している方も多いでしょう。

今回は、データベーススペシャリスト試験に挑戦したい方のために、試験の基本情報や、取得した資格を活用できる仕事にはどのようなものがあるか、試験の対策勉強方法などについて解説していきます。

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データベーススペシャリストの試験概要

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まず、データベーススペシャリストがどのような試験なのかを確認していきましょう。

試験の基本情報

データベーススペシャリストは、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が主催する国家試験である、情報処理技術者試験の1つです。データベーススペシャリストは情報処理技術者試験の中でも、高度な知識・技能を必要とする「レベル4」(最高レベル)に位置付けられています。

【参考】:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:試験制度:試験区分一覧

試験の対象者像

試験の対象者は、データベースに関係する固有技術を活用して、最適な情報システム基盤を企画・開発するなど中心的な役割を果たす人材とされています。

パフォーマンスの高いデータベースを構築し、企業活動を支えるデータを運用して顧客のビジネスに活用し、機密情報や顧客情報を守る基盤を提供するデータベースエンジニアや、データベースを活用するIT系エンジニアにおすすめの資格です。

試験形式

データベーススペシャリスト試験は、午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱの4つに区分されています。 それぞれの実施要項は以下の通りです。

■午前Ⅰ 試験時間:9:30~10:20(50分) 出題形式:多肢選択式(四肢択一)    出題数:30問 解答数:30問

■午前Ⅱ 試験時間:10:50~11:30(40分) 出題形式:多肢選択式(四肢択一)    出題数:25問 解答数:25問

■午後Ⅰ 試験時間:12:30~14:00(90分) 出題形式:記述式 出題数:3問 解答数:2問

■午後Ⅱ 試験時間:14:30~16:30(120分) 出題形式:記述式 出題数:2問 解答数:1問

合格の条件

データベーススペシャリストは、午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱすべての試験で100点満点中60点以上取れば合格です。

試験の難易度

データベーススペシャリストの近年の合格率は、IPA公式の統計情報を見ると以下のようになっています。

平成30年度春期  13.9 % 平成31年度春期  14.4 % 令和2年度10月   15.8 % 令和3年度秋期    17.1 % 令和4年度秋期    17.6 %

【参考】:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験:統計情報

平均の合格率は15%程度であり、技術情報系の資格試験の中でも難易度が高い部類です。特に午後の問題は記述式で、長文を読んで設問を正しく理解し、適切な文章で回答する難しさがあることが、難易度を上げている理由の1つだと考えられます。

データベーススペシャリストの難易度は?合格率や勉強のコツを解説!

データベーススペシャリストを活用できる仕事とは

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データベーススペシャリスト試験に合格すると、どのような仕事で活用できるのでしょうか。データベースはあらゆるシステムやアプリケーションで使われており、その技術を特に活用できる代表的な職種について見ていきましょう。

データベースエンジニア

データベースを専門に扱うデータベースエンジニアは、主にデータベースの設計や構築、運用を行う職種です。データベースエンジニアは、顧客企業が持つ膨大なデータを適切に管理し、必要な時にスピーディに取り出して活用できるデータベースの構築を担います。

データベーススペシャリストを取得することで、データの適切な管理や情報資産の効率的な活用を行う高度なスキルを持つことが証明でき、データベースエンジニアとしてのキャリアアップも目指せるでしょう。

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プログラマ

プログラマはプログラミング言語を使ってシステムやソフトウェアを作るITエンジニアです。担当によってはデータベースを扱わない場合もありますが、プログラムからデータベースにアクセスしてデータを活用する場合もあります。

特に、近年はECサイトや販売管理などのデータ管理が重要なシステム・Webアプリケーション開発においては、プログラマもデータベース知識を持っていると有利です。

データベーススペシャリストを取得することで、データベースへの理解が深まり、より高速で効率的なSQLの作成など、プログラマとしての業務に役立てられるでしょう。

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サーバーエンジニア

サーバーエンジニアは、Webサーバーやメールサーバーなど多様なサーバの管理を行う技術職です。データベースサーバを扱うこともあり、プロジェクトによってはサーバエンジニアとデータベースエンジニアを兼ねる場合もあります。

データベーススペシャリストを取得し、サーバ構築とデータベースの両方に精通したエンジニアは重宝されるでしょう。

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データベーススペシャリストを活かせる仕事の年収

データベーススペシャリストを活用できる代表的な仕事であるデータベースエンジニアの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収は424万円(※2023年2月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のIT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))を参考にすると、平均年収758万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、データベースエンジニアは一般平均年収と同程度から高めであることが分かります。

データベースエンジニアは幅広い業種や分野で活躍できるエンジニアであり、より高度かつ専門的な分野に対応できる高いデータベーススキルを身につけることで、より高い年収を目指すことが可能です。

【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

データベーススペシャリストの年収は?未経験でも転職可能?

データベーススペシャリストの対策勉強方法

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難易度の高いデータベーススペシャリスト試験に挑むには、しっかりと試験対策を行うことが重要です。参考書やスクール、通信講座を活用して勉強し、午前試験・午後試験それぞれへの対策も行っておきましょう。

参考書や問題集などで勉強する

データベーススペシャリストは難関ではありますが、独学で合格することも不可能ではありません。役に立つ市販の参考書や問題集も多く出版されていて、参考書や問題集を活用して十分に対策することができます。

特に、1人でこつこつ勉強するタイプの人は、自分のペースで勉強できる参考書や問題集での勉強でも実力アップが見込めます。

データベーススペシャリストに一発合格できる?おすすめの参考書8選

スクールや通信講座を活用する

モチベーションを維持できなかったり、どこから勉強に手つければ良いか分からず、独学での勉強がなかなか捗らなかったりする場合は、スクールや通信講座を利用するのも良いでしょう。

勉強する内容やカリキュラムが効果的に組まれていて、自分で学習の計画を立てなくてもいいのが一番のメリットです。分からないところは講師に確認して勉強がスムーズに進み、1人で悩む時間がなくなるので、できるだけ短期間で合格できる実力を身につけたい場合にもおすすめです。

また、研修制度や資格手当がある企業では、実務で知識をつけられるだけでなく、資格取得による手当をもらえる場合もありますので、働きながら資格取得を目指すならこのような制度が整った企業への転職も有効です。

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午前試験の対策

午前Ⅰ・午前Ⅱ試験は、問題集を繰り返し解いて対策しましょう。たくさんの問題をこなすことで出題の傾向をつかむことができ、本番に対応する力をつけることができます。

過去問から再び出題される問題や似通った問題も多いため、過去問を解いて確実に基礎固めすることも大切です。

【参考】:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:過去問題

午後試験の対策

午後Ⅰ・午後Ⅱ試験は、長文問題が出題されます。また、回答は記述式ですので、問題を読んで理解し、適切な文章で回答することに慣れる必要があります。

特に午後Ⅱは実際のデータベース活用の現場を想定した10ページ以上にも及ぶ問題文を読まなければならないため、設問の意図を読み取る力や、出題の要点を理解する力が試されます。

対策としては、やはり問題を多く解くことです。過去問や模擬試験などの問題を解いて、出題パターンをつかみ、要点を押さえた回答文の書き方のコツを身につけましょう。

データベーススペシャリスト合格のポイントとは

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ここでは、データベーススペシャリスト合格を目指すために必要な勉強時間や、試験において重要なポイントについて解説します。

データベーススペシャリスト合格に必要な勉強時間

データベーススペシャリストに合格するための勉強時間は、受験者のデータベース業務経験などにも大きく左右されますが、一般的には独学で約200時間、1日で平均1〜2時間程度勉強する場合は、半年から1年くらいが目安となるでしょう。

空いた時間を少しでも活用して参考書を読んだり、スマートフォンで学習サイトを活用したりして勉強時間を捻出しましょう。長期戦になることを覚悟で、継続して勉強できる状況を作ることが大切です。

試験の時間配分を意識して勉強する

実際の試験で最も気を付けたいのが、時間配分です。午前Ⅰ・午前Ⅱ試験は多肢選択式(四肢択一)の問題ですが、問題数が多く、1問あたりに2分かけていたら時間が不足してしまいます。1問あたり1分半程度でテンポよく回答するリズムを身につけておきましょう。

午後Ⅰ・午後Ⅱ試験は、とにかく問題の長文を読んで理解することに時間がかかります。問題文を読む前に設問を確認しておく、問題文を1度さっと読んで概要を把握してから取り掛かるなど、自分にあった時間配分の工夫をしながら多くの問題で実践練習を積んでおきましょう。

データベーススペシャリストを取得して実力を証明しよう

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IT系の資格試験の中でも難易度の高いデータベーススペシャリスト試験ですが、今回解説したことを参考に、時間をかけてしっかりと実力を身につければ、独学でも合格できる可能性は十分にあります。

データベーススペシャリストに合格して自分のデータベーススキルを証明し、キャリアアップやより良い環境への転職を目指すのに役立ててください。

しかし、取得したデータベーススペシャリスト資格を活用して転職を考える場合、自分1人で転職活動を行うのは大変なものです。自力で資格を活用できる仕事を募集している企業を探し、アプローチする必要があります。

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