データサイエンスと統計学の違いとは?
近年話題のChatGPTを支えるAI技術は今も進化を続けており、そのAIを活用したビジネスはデータサイエンスによって支えられています。このデータサイエンスとはどのような学術分野なのでしょうか、また同じ学術分野である統計学と何が違うのでしょうか。
本記事では、データサイエンスについてわかりやすく説明するとともに、統計学との違いを解説していきます。また、データサイエンスの専門家であるデータサイエンティストについての仕事内容やメリットも紹介します。
データの扱い方が統計学、そこから価値を生み出すのがデータサイエンス
まず結論として両者を説明すると、統計学はデータそのものの分析や扱い方に関する学問であるのに対し、データサイエンスはデータから価値を生み出す学問です。つまり、最終的な価値創造とその過程で使われる手法の1つという違いがあります。
そのため、データサイエンスの専門家であるデータサイエンティストは、その仕事の過程で統計学についても熟知している必要があります。AIビジネスはさらなる拡大をし続けているため、このデータサイエンティストになるメリットは非常に大きく、本記事後半でも詳しく紹介しています。
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データサイエンスに関する基礎知識
まずはそもそもデータサイエンスとはどのような学問であるのか、その基礎知識を説明していきます。本章で統計学との違いも解説します。
データサイエンスとは
データサイエンスとは、様々な手法を用いて膨大なデータを分析し、関連性や法則性を見出すことで、有益な情報を導き出す学問です。近年のAIブームによって有名になった言葉ですが、その歴史は古く、1970年代には既に使われていました。
今では、AI技術でビッグデータを解析し、ビジネス上の利益を出す理論的な手法として捉えている方が多いのではないでしょうか。データサイエンスは1つの学術分野ですが、数学やプログラミング、AIなど様々な技術を活用することが前提であり、複合的かつ応用的な学問とも言えます。
統計学との違い
同じ学問である統計学とデータサイエンスは何が違うのでしょうか。決定的なところは、統計学がデータの扱い方など手段としての学問であるのに対し、データサイエンスは様々な手段を使って目的である価値創造を目指す学問であるという点です。
前述したようにデータサイエンスは、数学やプログラミングなどの手段を利用することが前提であり、統計学もその手段の中に含まれています。あくまで統計学はデータサイエンスにおいては、目的達成のための手段でしかないということです。
データ分析との違い
データサイエンスと関連のある用語としてデータ分析がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。前述しましたが、データサイエンスの目的はデータから価値を見出すことであり、その過程で様々な手段を活用します。
データから価値を見出す過程では、データ分析を行うだけではなく、データ収集の基準や方法も考える必要があります。つまり、データ分析もデータサイエンスの中の1つのプロセスに過ぎないということです。
データサイエンスの身近な例
具体的にデータサイエンスを活用した身近な例には何があるのでしょうか。製造業界、小売業界、エンターテインメント業界など幅広い分野で既にデータサイエンスは活用されており、身近な例は数えきれないほど存在します。
その中でも、ネットショッピングにおけるユーザの特性分析を取り上げてみます。ネットショッピングにおいて、個人プロフィールを登録したユーザが商品を閲覧することや購入を行うことによって、膨大なデータが収集されています。
それをデータサイエンスによって分析することで、ユーザ個人個人に表示されるネット広告を最適なものにすることが可能です。
データサイエンティストについて
次に、データサイエンスの専門家であるデータサイエンティストという職種について説明します。仕事内容や統計情報から見た年収についてを具体的に解説します。
データサイエンティストの仕事内容
データサイエンティストとは、企業の持つビッグデータを分析することで有益な情報を抽出し、ビジネス価値を創出するデータサイエンスの専門家です。データサイエンティストの主な仕事内容は4つに分類できます。
▪︎分析対象の決定 まずは企業の持つ課題の中から、データサイエンスによって解決したい課題をビジネス視点から設定します。課題に対してどのようなデータを収集すればよいかもここで決定します。
▪︎データ収集 設定した課題解決に対して、必要なデータ収集を実際に行うフェーズです。データ収集方法についても検討する必要があり、場合によってはプログラミングも活用します。ここで有用なデータを大量に取得できるかどうかが後々のフェーズで重要になってきます。
▪︎データ分析 収集したデータを分析し、課題解決に必要な情報を抽出するフェーズであり、データサイエンスが最も活用されます。多くのケースではビッグデータの分析が求められており、高度なAI技術や統計学が必要となるため、データサイエンティストの腕の見せ所です。
場合によってはクレンジングと呼ばれるデータの加工を行うこともあります。
▪︎分析結果の報告 分析により得られた結果をレポートにまとめ、経営層に報告するフェーズです。自らの成果をわかりやすく明確に伝えられなければ、今までの業務が無駄になることもあります。プレゼンテーション力やコミュニケーション力も求められるでしょう。
データサイエンティストの年収
データサイエンティストの年収は、類似職種であるアナリストの年収を参考にすると「マイナビエージェント職業別年収ランキング」での平均年収は824万円(※2023年4月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のIT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))を参考にすると、平均年収758万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、データサイエンティストは一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。
このようにデータサイエンティストは、データサイエンスという高度な技術を持っているがゆえ、他の職種に比べて比較的高い年収を得やすいと言えます。他業種からいきなりデータサイエンティストになるのは難しいかもしれませんが、目指す価値はあるといえるでしょう。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング ※【平均年収 調査対象者】2019年12月~2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
データサイエンティストを目指すメリット
データサイエンスとデータサイエンティストについて理解が深まったところで、最後にデータサイエンティストになることのメリットを紹介していきます。
高い年収を狙うことができる
データサイエンティストを目指すことの大きなメリットに、高年収を狙える点があります。
前述した年収データにもありますが、データサイエンティストは統計的に年収が高い傾向があり、同職種に就業することができれば高年収を狙えるでしょう。データ分析などの技術視点だけでなく、ビジネス視点のスキルも求められるため、高年収であっても不思議ではありません。
転職市場において市場価値が高い
データサイエンティストはその仕事内容から、数学や統計学などの学問知識、ビッグデータの解析に必要なAI技術、ビジネス上の課題をデータサイエンスで解決に導くスキルを持っているとみなされます。こうした複数のスキルを所持している人材は市場であまり多くありません。
さらに、昨今のAIブームからデータサイエンティストが不足しているという現状もあります。このような背景から、データサイエンティストは転職市場で高い価値を持っており、エンジニア市場で転職の幅が広くなる点がメリットと言えます。
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今後も業界の成長が期待できる
AIブームが起きてから数年が経過しましたが、未だにAIを含むデータサイエンス分野は成長を続けています。最近話題となっているChatGPTのような画期的な技術が今後も世に出てくることも予想されるでしょう。
そのため、まだまだデータサイエンティストの需要は下がることはなく、むしろ需要が増えていくとも考えられます。今後も成長が期待できるデータサイエンス業界に身を置けることは大きなメリットと言えます。
データサイエンティストとしての理想の企業を探すには
本記事ではデータサイエンスとは何かを説明しつつ、統計学やデータ分析との違いや同分野の専門家であるデータサイエンティストについても解説をしてきました。
データサイエンティストを目指すメリットも紹介した通りで、目指す価値のある職種であることが理解できたと思います。一方、そうしたメリットを享受するためには企業選びも重要であり、できることなら成長企業でかつ自分に合った仕事ができる理想の企業を目指したいところです。
そこで利用を推奨するのがマイナビIT エージェントです。
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