コーディングとは
コーディングとは、プログラミング言語を用いてコンピュータに指示を与える作業です。プログラミング全体の中で、実際に命令を書き込む工程を指します。具体的には、PythonやJavaScriptといったプログラミング言語を使い、計算を行うプログラムやWebページを動作させるコードを記述することです。
この記事では、ITエンジニアを目指す方に向け、システム開発の基本となる「コーディング」について、理解を深めてもらうことを目的としています。プログラマーやシステムエンジニアを目指す方はぜひ参考にしてください。
コーディングとプログラミングの違い
コーディングとプログラミング 、この2つの言葉はよく一緒に使われるため、混同してしまう方も多いのではないでしょうか。実は、コーディングはプログラミングの一部であり、プログラミングはより広い概念です。
両者の違いを理解することでより効率的にプログラミングを学習し、開発に携わることができます。それぞれを詳しく見ていきましょう。
■ コーディングとは コーディングとは、プログラミング言語を使ってコンピュータに実行させたい処理を記述することです。つまりプログラミングの一部分であり、コードを書く作業に特化した言葉と言えるでしょう。具体的には、各プログラミング言語の文法に従って、ソースコードを記述することを指します。
■ プログラミングとは プログラミングは、より広義の概念で、コンピュータプログラムを作成する一連の作業を指します。コーディングに加えて、プログラムによって解決すべき問題を明らかにし、解決するためのアルゴリズムを設計し、データを効率的に扱うためのデータ構造を設計します。
さらに、コーディングが済むと、プログラムテストやデバッグを行います。簡単に言えば、そうした一連の作業を含めてプログラミングと称します。
コーディングはコンピュータとの対話
コーディングとは、人間がコンピュータに指示を出すための手段です。まるで、私たちが他の言語で話しかけるように、コンピュータに「こう動いてほしい」と命令します。その命令の元になるのがPythonやJavaScriptなどのプログラミング言語です。
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なぜコーディングを学ぶ必要があるのか
IT技術が急速に発展している現代社会では、スマートフォン、パソコン、家電製品など、普段周りにある多くのものがソフトウェアによって制御されています。このソフトウェアを作るには、プログラミングスキルが必要であり、プログラミングの中心となるコーディングスキルが求められます。
このプログラミングスキルやコーディングスキルは現代社会を生きていく上で、重要なスキルの1つでもあります。そのため、義務教育においてはプログラミングが必須教育となっているのです。
【参考】:教育の情報化の動向|新学習指導要領下のプログラミング教育
論理的思考力の向上
コーディングを学ぶと、自分のアイデアを形にする力が身につきます。たとえば、自分専用のWebサイトや便利なアプリを作成し、世界中の人と共有できます。
問題解決能力の向上
プログラミングではエラーが発生した際にその原因を特定し、解決策を見つける必要があります。このプロセスを通じて、問題解決能力が自然と身につきます。
創造性の向上
プログラミングは、自分のアイデアを形にするためのツールです。プログラミングを通して自分のアイデアを具現化し、新しいものを創り出す喜びを味わうことができます。
キャリアアップ
IT業界に限らず、多くの業界でプログラミングスキルが求められています。プログラミングスキルを身につけることで、キャリアの選択肢が広がります。
作業の自動化
繰り返し行う作業をプログラムに任せることで、自動化して作業効率を上げることができます。これはシステム化、IT化の大きな目的の1つであり、生産性向上の手段となります。
コーディングの基礎知識
コーディングの概要が分かったところで、コーディングを始めるにあたって何が必要なのかを解説します。最適なプログラミング言語の選択が必要であり、コーディングを行うには開発環境が必要です。
さらには、言語に特有の基本的な文法を学ぶ必要があります。1つずつ見ていきましょう。
プログラミング言語の選択
プログラミング言語は数多く存在し、初めて学ぶ場合は、以下に挙げるようなシンプルでメジャーな言語を目的に合わせて選びましょう。例えば、Webサイトを作りたいならJavaScript、機械学習やデータ分析をしたいのならPythonがおすすめです。
■ Python Pythonは初心者にも学びやすく、幅広い分野で活用されているプログラミング言語です。文法がシンプルで読みやすく、AIやデータ分析、Web開発など、様々な分野で活躍しています。Pythonでプログラミングを始めると、自動化、データの可視化、Webサイトの作成など、様々なことができるようになります。
【参考】:プログラミング言語 Python 総合情報サイト |python.jp
■ JavaScript JavaScriptは、Webページに動きやインタラクティブな機能を追加するためのプログラミング言語で、私たちが普段Webサイトで体験する多くの動きは、JavaScriptによって実現されています。
Web開発の基礎として非常に重要であり、1度マスターすれば、WebサイトやWebアプリケーションを自由に作り出すことができるようになります。
【参考】:JavaScript リファレンス|JavaScript | MDN
開発環境の準備
プログラミングを行うには、テキストエディタや統合開発環境(IDE)と呼ばれるソフトウェアが必要です。これらのツールは、コードを書くための画面や、コードのエラーをチェックする機能などを提供してくれます。
■ テキストエディタ テキストエディタは、シンプルにテキストを編集するためのツールです。プログラミングだけでなく、文章の作成などにも使われます。軽量で起動が速く、基本的な機能に特化しており、カスタマイズ性が高いのが特徴です。代表的なツールとしては、Visual Studio Code、Sublime Textなどがあります。
【参考】:Visual Studio Code – コード エディター | Microsoft Azure 【参考】:Sublime Text - Text Editing, Done Right
■ 統合開発環境 統合開発環境(IDE)は、テキストエディタの機能に加えて、デバッグ、ビルド、実行などの機能を統合した開発ツールです。複数の機能が統合されており開発効率が高く、デバッグ機能が充実しています。代表的なツールとしてはVisual Studio、PyCharmなどがあります。
PyCharmはPythonに特化したIDEで、Python開発に必要な機能が充実しています。
【参考】:PyCharm: データサイエンスおよびWeb開発用 Python IDE
基本的な文法
コーディングの基本文法とは、プログラミング言語でプログラムを書く際に必ず知っておくべきルールや決まり事です。文法を正しく理解することで、コンピュータに意図した処理を指示できます。基本的な文法としては、以下のものが挙げられます。
■ 変数 データを一時的に保存する箱のようなものです。
■ データ型 変数に格納できるデータの種類(数値、文字列、真偽値など)です。
■ 演算子 計算や比較を行うための記号(+、-、*、/、==など)です。
■ 制御文 プログラムの処理の流れを制御する文(if文、for文など)です。
■ 関数 特定の処理をまとめたものです。
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プログラマーの年収
プログラマーを目指している方は、どの程度の年収が得られるのか気になるところです。経験や年齢、企業規模などによって異なりますが、求人サイトのデータや公的資料などからプログラマの年収を想定してみましょう。
プログラマーの年収は「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は344万円(※2024年11月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、プログラマーは企業や業種によって年収にバラつきがあるものの、中間値で見ると、ほぼ平均的な年収と言えます。
プログラマーはITエンジニアへの登竜門的な位置づけにあり、プログラマーとして高年収を目指すだけでなくキャリアプランを明確にして上位職へのキャリアアップを目指すと良いでしょう。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
コーディングを学ぶ方法
コーディングを学ぶ方法としては、スクールに通う、オンライン学習を利用するといった方法がありますが、ここでは書籍を利用した学習法と、関連資格の取得を通じた学習法を紹介します。
書籍による学習
コーディングの学習に最適な入門者向けの書籍を紹介します。書籍を利用すると自分のペースでコーディングの学習を進められるだけでなく、購入した書籍で繰り返しの学習が可能です。ここでは、初めてコーディングを学ぶ方におすすめの書籍を紹介します。
■ スッキリわかるPython入門 第2版 プログラミングの初心者にもわかりやすい言葉で、Pythonの基本概念から丁寧に解説されており、図を多用することで、抽象的な概念も視覚的に理解しやすくなっています。また各章末には、学んだことを実践できる演習問題が豊富に用意されています。
▪著者:国本 大悟 (著), 須藤 秋良 (著), 株式会社フレアリンク (監修) ▪ページ数:416ページ ▪出版社:インプレス ▪発売日:2023年11月6日
【参考】:スッキリわかるPython入門 第2版|インプレスブックス
■ スラスラ読める JavaScriptふりがなプログラミング 増補改訂版 JavaScriptの入門書として、プログラミング初心者の方にもわかりやすく解説されている1冊です。「プログラムの読み方をすべて載せる(ふりがなをふる)」というユニークな手法を採用しており、まるで日本語で書かれた文章を読むように、JavaScriptのコードを理解することができます。
Webページに動きをつけたい方や、JavaScriptを学び始めたい方におすすめです。
▪著者:リブロワークス(著)/及川卓也(監修) ▪ページ数:216ページ ▪出版社:インプレス ▪発売日:2022年8月23日
【参考】:スラスラ読める JavaScriptふりがなプログラミング 増補改訂版|インプレスブックス
関連資格取得による学習
コーディングに関連した資格取得は、学習意欲を高めるだけではなく、学習成果を確認する意味でもおすすめです。さらに、取得した資格はスキル証明にもなるため、転職活動時の強い味方になります。ここでは、PythonとJavaScript関連の資格をそれぞれ紹介します。ぜひ挑戦してみましょう。
■ Python3エンジニア認定基礎試験 Pythonの基礎知識を体系的に習得しているかを測るための資格です。初心者でも比較的取り組みやすく、かつ、就職活動や転職活動でアピールできる点が大きな魅力です。
文法、データ型、制御構造など、Pythonプログラミングの基礎を網羅的に学習でき、公式テキストや問題集、様々なオンライン学習サイトなど、学習教材が豊富に揃っています。
【参考】:Python 3 エンジニア認定基礎試験 | Pythonエンジニア認定試験 | Odyssey CBT | オデッセイ コミュニケーションズ
■ HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1 Webページの基礎となるHTML5とCSSの知識を評価する資格試験です。レスポンシブWebデザインなど、現代のWebサイト制作に必要なスキルを問われます。この資格を取得することで、Web制作の基礎知識を証明でき、就職や転職活動に有利に働く可能性があります。
また、この資格を取得することで、Web制作の基礎知識を証明でき、就職や転職活動に有利に働く可能性があります。
【参考】:HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1について(Ver2.5)|試験概要|Web資格なら「HTML5プロフェッショナル認定試験」公式サイト
未経験からプログラマーやシステムエンジニアを目指すなら
本記事では、プログラマーやシステムエンジニアを目指すIT未経験者の方に向けて、プログラミングの基本となるコーディングについて解説しました。プログラマーはシステムエンジニアの登竜門と言われており、独学でプログラミングやコーディングを1から習得するのは、簡単ではありません。
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