テキストエディターとは
テキストエディターとは、テキストの入力や編集を行う際に利用するソフトのことです。テキストエディターでは文字や記号の入力、編集や保存、プレビューなどが実行できます。テキストエディターではテキストファイル以外に、プログラミングを扱うファイルの編集も行え、多くのエンジニアが愛用のテキストエディターをプログラミングなどに利用しています。
Windowsであれば、標準のテキストエディターとして「メモ帳」がありますが、基本的な機能に絞られているため、プログラミングに特化したテキストエディターの使用が一般的です。
ITエンジニアにとって、テキストエディターは必須のツールです。使う以上は自分に合った、使いやすいテキストエディターを使いたいものです。当記事では、テキストエディターが出来ること、その選ぶポイントなど、エンジニアとして押さえておきたいことについて解説をしていきます。
テキストエディターを使うメリット
テキストエディターはITエンジニアにとって必須のツールですが、使うことによってどのようなメリットがあるのでしょうか?自分に合うテキストエディターを探す前に、テキストエディターの一般的なメリットについて確認しておきましょう。
プログラミングが楽になる
テキストエディターにはエンジニアが利用する上で便利な機能が多く盛り込まれています。たとえば、入力補助機能として、キーワードを入力するだけで候補が表示されたり、誤ったスペルを入力するとエラーとなったりします。
また拡張機能を用いる事でコンパイルやデバッグ機能が追加されたり、プログラミングで複数のファイルを連携させたりといったことも行え、プログラミングの効率が上がります。
プログラムのソースを保存できる
プログラムのソースファイル(プログラムが記述されたテキストファイル)は、各プログラム言語ごとに拡張子が異なります。たとえば、Pythonであれば拡張子は「.py」です。
Windows標準の「メモ帳」は、扱える拡張子は標準では「.txt」であるため、各プログラミング言語のソースファイルを扱うためには、関連付けなどの操作が必要となり、手間が掛かります。
その点、プログラミング言語に対応したテキストエディターを用いれば、自動的に拡張子を判別し、簡単にプログラムの編集や保存が行えます。ここがメモ帳とプログラミング言語に対応したテキストエディターの大きな違いです。
スピーディーに作業が行える
テキストエディターは必要な機能に絞って作られており、文字入力や変換、スクロールなどが速く行え、作業時間の短縮が行えます。エンジニアがテキストエディターにこだわるのは、利便性以外に、サクサク動いてくれるスピーディーさにあります。
オリジナルのエディターにできる
人気のテキストエディターの多くには、目的に応じたさまざまな拡張機能があり、プラグインとして後から追加ができます。このため、自分にとって必要な機能、好みなどに合わせてオリジナルのテキストエディターにカスタマイズすることが可能です。
テキストエディターを選ぶ際のポイント
テキストエディターは世界中に100種類以上存在すると言われています。テキストエディターにはそれぞれの特徴があり、自分に合うエディターを探すのはたやすいことではありません。
ここでは、自分に適したエディタを見つける際のチェックポイントについて解説をします。ベストなテキストエディターを見つける上で参考になれば幸いです。
自分のパソコンのOSに対応しているか
テキストエディターを選ぶ上で、自分が普段使っているパソコンのOSやバージョンに対応したテキストエディターかどうかを確認する必要があります。Windowsにしか対応していないエディターはMacでは使えませんので、必ずそのエディターが自分のパソコンのOS、使用中のOSのバージョンに合っているかを確認しましょう。
日本語対応が可能か
テキストエディターの多くは海外製であり、その使用言語は英語が一般的です。英語が不得意な方は使用時のストレスを避けるためにも、日本語対応されているテキストエディターを選びましょう。ただし海外製のテキストエディターでも、日本語化キットがあれば簡単に日本語化ができますので、日本語化キットの有無について確認しておきましょう。
拡張機能があるか
多くのテキストエディターには製品ごとに標準機能や拡張機能が異なります。エンジニアスキルが上がってくると、追加の機能が必要になるでしょう。標準で備わっている機能、拡張機能の有無とその内容などについても確認しておくと良いでしょう。
テキストエディターは使いこなすことで、使い勝手や使い心地が変わってきます。自分のレベルアップも想定して、より長く使えるように機能面の比較をよく行ってから選びましょう。
調べたい時にすぐに調べられるか
テキストエディターは使い始めの頃には、さまざまな疑問や問題にぶつかります。そんな時には解説サイトやユーザーの情報共有サイトなどがあると、早く解決ができます。調べたい時にすぐに必要な情報を得られるか否かは、テキストエディターを選択する上で重要な要件です。
サポートサイトや解説サイトの有無は選定の際にきちんと確認しておきましょう。
テキストエディターに関するさまざまな疑問
ここでは、テキストエディターに関する素朴な疑問にQ&A形式でお答えします。初心者の方で、テキストエディターの利用に関して不安がある方はぜひお読みください。
プログラミングの勉強にテキストエディターは必須か?
プログラミングはテキスト入力ができれば、プログラミング用のテキストエディターがなくとも可能です。Windowsに標準で付いている「メモ帳」、Macなら「テキストエディット」を使ってプログラミングはできますが、いくつか制約があります。設定を変更したり、ソースコードを保管する際に拡張子に気を付けなければなりませんので、エンジニアにはプログラミングに適したテキストエディターは必須といえます。
Windows10の「メモ帳」の開き方は?
Windows10でメモ帳を開くには、[スタート]の次に[Windowsアクセサリー]を探し、その下にある「メモ帳」をクリックしてください。
「メモ帳」を頻繁に使うのであれば、「メモ帳」をデスクトップにドラッグすれば、「メモ帳」のショートカットができます。デスクトップの「メモ帳」アイコンをダブルクリックすれば起動できます。
他に「Windowsボタン & R」で「ファイル名を指定して実行」を開き、名前欄に「notepad」と入力して「OK」を押すと、メモ帳を開けます。
このように、少ない手順でメモ帳を開ける機能がWIndows10にはありますので、使いこなせると作業効率化に繋がるでしょう。
インストール不要のテキストエディターは?
基本的にほとんどのテキストエディターはダウンロードとインストール、設定や拡張機能の追加などが必要ですが、「サクラエディタ」というテキストエディターはインストール不要で利用できます。
初心者におすすめしたいテキストエディター5選
ここでは初心者から中級者まで幅広く利用されている人気のテキストエディターを5つ紹介していきます。無料で利用可能なテキストエディターを中心に紹介しますが、一部、利用方法によっては有料になるソフトもありますので、予算に応じて検討してください。
Atom
「Atom」はソフトウェア開発プラットフォームのGitHubが開発したオープンソースのテキストエディターです。WebエンジニアやITエンジニアにはよく知られたツールです。拡張機能が豊富で、オリジナルのテキストエディターにカスタマイズできる点も魅力です。
▪日本語:対応
▪料金:無料
▪対応OS:Windows、MacOS、Linux
▪公式サイト:Atom|公式ページ
サクラエディタ
「サクラエディタ」は、Windows向けの高機能かつシンプルなテキストエディターです。日本人が開発したテキストエディターで、日本語の会議室、情報共有の場などがあるため、日本語で調べたり、質問ができたりします。
また「サクラエディタ」はGitHub上にあるため、その開発に参加することもできます。サクラエディタには強調キーワード、アウトライン解析、補完入力などの機能があり、多くのプログラミング言語にも対応しています。
ダウンロードしてすぐに使えるタイプと、ダウンロード後インストールして使うタイプの2種類があります。
▪日本語:対応
▪料金:無料
▪対応OS:Windows
▪公式サイト:サクラエディタ
Visual Studio Code
Visual Studio Code(略VS Code)はマイクロソフト社製の大変人気が高いテキストエディターです。日本語版があり、オープンソースのソフトウェアとして無償提供されています。ほとんどのプログラミング言語に対応しており、エンジニアの間でよく利用されています。HTMLやXMLなど、マークアップ言語、CSSなどのスタイル言語などの汎用性に優れ、またAzureとの相性がよく、Azure上で編集やデバッグ、デプロイが可能です。
日本語:対応
料金:無料
対応OS:Windows、MacOS、Linux
公式サイト:Visual Studio Codeダウンロード|Microsoft
Notepad++
Notepad++は元々はWindows標準のメモ帳(Notepad)の代替として開発され、プログラミングエディターの機能が追加されています。エンジニアの間ではよく知られており、秀逸なエディターとして人気があります。C++で開発されており、非常に軽量ですが、プログラミング言語は主要なものにほぼ対応しており、しかもプログラミングに便利な機能が満載です。日本語化キットもあり、英語が苦手な方でも気軽に使えます。
▪日本語:対応
▪料金:無料
▪対応OS:Windows
▪公式サイト:Download Notepad++ v8.4.1
Sublime Text 4
「Sublime Text 4」は豊富な拡張機能やカスタマイズ性の高さ、軽快な動作などからエンジニアの間では根強い人気があります。日本語化パッケージが提供されており、日本語表記で利用できます。Sublime Text 4はビルドインで PythonとC++ がサポートされています。
▪日本語:対応
▪料金:個人使用は半永久的に無償、登録から3年経過後のバージョンアップ版からライセンス購入代(USD $99)が必要
▪対応OS:Windows、MacOS、Linux
▪公式サイト:Sublime Text 4|公式ページ
できるエンジニアには愛用のテキストエディター
この記事では、テキストエディターの選び方、おすすめのテキストエディターについてご紹介しました。仕事ができるエンジニアはお気に入りのエディタを使っています。気に入った、良いエディタに出会うことが皆さんの活躍に大いに役立ちます。この記事を参考に、皆さんご自身にとって最適なエディタを見つけていただければ幸いです。
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