Sublime Textとは
Sublime Textとは、Linux・MacOS・Windowsに対応するクロスプラットフォームのテキストエディタを指します。プロプライエタリのソフトウェアですが、PythonのAPIを始めとして多くの機能を持っています。Sublime Text 4は安定版で、Build 4169が最新バージョンです。
【参考】:Sublime Text
Sublime Textのメリット・デメリット
Sublime Textの特徴として、*コードサイズが小さいので動作が軽かったり、必要な機能をプラグイン追加で拡張できたりすることが挙げられます。しかし、日本語対応に制限があるといったデメリットもあります。ここでは、Sublime Textのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
Sublime Textのメリット
Sublime Textの最大のメリットは動作が軽いことです。必要な機能を後から自分で追加していく仕様なので、インストール時には余計な機能がありません。動作も軽く、実際に使用している人からも高評価を得ています。
また、必要な機能を自分で追加できるという特徴も大きなメリットでしょう。デフォルトの機能がシンプルな分、プラグインで使える拡張機能(パッケージ)が豊富に用意されています。カスタマイズ性が高いことで、自分好みの使いやすいテキストエディタに仕上げることができます。
プラグイン管理は、パッケージマネージャである”Package Control”を用いて、最新の状態に維持することができます。
【参考】:Sublime Text Package Control
Sublime Textのデメリット
メリットが大きいSublime Textですが、日本語話者にとってはデメリットもあります。すなわち、完全な日本語対応ができないという点です。
後で詳述するように日本語化自体はできますが、細かな部分は英語表示が残ってしまいます。また、日本語での検索が上手くできないとの声も上がっています。日本語での利用に不便を感じないエディタもありますので、特に英語が苦手な方にとっては使いにくいと感じる場面が多く出てくるかもしれません。
Sublime Text 4の新機能
Sublime Text 4では、以下に挙げる機能を新規あるいは改善し、提供しています。変更は多岐に渡りますので、ここでは、ハードウェアのサポート・ 言語サポートの拡充・操作感の改善の3分類に整理して解説します。詳細は、以下のリンクよりご確認ください。
【参考】:Sublime Text 4 【参考】:Sublime Text Documentation
ハードウェアのサポート
Sublime Text 4では、GPUレンダリング機能が、Linux・MacOS・Windowsのいずれでも利用可能です。滑らかなUIを実現し、低消費電力で実行します。Sublime Text for Macでは、Apple Silicon プロセッサをネイティブサポートするほか、Linux ARM64ビルドも提供します。
言語サポートの拡充
JavaScriptエコシステムであるTypeScript・JSX・TSXをサポートし、デフォルトで利用可能です。シンタックスハイライトのエンジンが改良され、非決定論的な文法や、複数行構成・遅延埋め込み・シンタックス継承などが実装されました。メモリ使用量削減や、ロード時間短縮も図られています。
また、Python APIも更新され、現在はPython 3.8です。Sublime Text 3用のパッケージとの後方互換性は保たれています。
操作感の改善
実行時のファイルタブが強化され、分割表示が簡単にできます。サイドバー・タブバー・Goto Anything・Goto Definition・オートコンプリートなどの機能が強化され、より直感的なコードナビゲーションが可能です。
サジェスチョンには、その種類に関する情報が追加され、定義へのリンクも提供されます。UIも更新され、テーマとカラースキームがダークモードの自動切り替えに対応したほか、WindowsとLinuxのAdaptiveテーマにカスタムタイトルバーが追加されました。
Sublime Textの料金体系
Sublime Textは、無料版と評価版の区別がありません。無料でダウンロードして評価し、利用することができます。継続使用に関しては、Sublime Textの公式サイトに次の記載があります。
>Sublime Text は無料でダウンロードして評価できますが、継続して使用するにはライセンスを購入する必要があります。
無料版としての期限(無料期間)は設定されておらず、定期的に購入を促す表示が現れるのみです。
【参考】:Buy Sublime Text
Sublime Textのライセンス購入
ライセンス購入についてですが、個人向けはワンタイム購入で3年間利用できます。その後継続使用する場合は、アップグレードが可能です。ワンタイム料金は99USドル、アップグレード料金は80USドルです。
【参考】:Buy Sublime Text 【参考】:Upgrade Sublime
Sublime Textのライセンス有効期限
個人向けライセンスは3年間有効であり、購入日から3年以内にリリースされた製品は期限なく利用できます。3年経過後に新しいバージョンを利用する場合はアップグレードが必要です。
Sublime Textを複数のPCやOSで利用するには
Sublime Textはユーザーライセンスです。*個人向けの場合は、個人で所有する複数のPCや異なるOSでも利用することができます。
【参考】:Sublime Sales FAQ
Sublime Textの利用準備
ここでは、Sublime Textを利用するにあたって、必要な準備について順に説明していきます。具体的には、Sublime Textのインストーラのダウンロードからインストール作業、セットアップについて解説していきます。
Sublime Textのダウンロード
Sublime Textのダウンロード方法ですが、Windowsを例に用いて解説します。Windowsでのダウンロード方法はとても簡単です。公式サイトを表示すると、表示画像上部に「DOWNLOAD FOR WINDOWS」の表示が見えます。
この表示をクリックすると、”sublime_text_build_4126_x64_setup.exe”がWindows PCに格納されます。公式ダウンロードサイトでは、MacOS・Windows・Linuxのモジュールが公開されています。お使いの環境に合わせて作業を進めていきます。
【参考】:Sublime Text - テキスト編集を正しく行う
Sublime Textのインストール
インストールするには、保存されている”sublime_text_build_4126_x64_setup.exe”を実行します。最初に「Select Destination Location」で、インストール先のフォルダを指定します。
あらかじめ、”C:\Program Files\Sublime Text”が入力されていますので、問題なければそのまま「Next」をクリックします。
続いて「Select Additional Tasks」で、インストール時の追加タスクとして「Add to explore context menu」のチェックボックスを指定します。問題なければそのまま「Next」をクリックします。
最後に「Ready to Install」が表示され、インストール前の最終確認となります。ここで問題なければそのまま「Install」をクリックします。インストール後、完了画面が表示されますので「Finish」をクリックし、終了します。
Windows以外のOSですが、MacOSでは、ダウンロードしたdmgファイルを「Applications」フォルダにドラッグアンドドロップします。Linuxでは、他のパッケージ同様にリポジトリからインストールします。
Sublime Textの実行方法
インストール完了により、Sublime Textが実行可能です。Windowsの場合、スタートメニューに表示されるSublime Textをクリックし、起動します。この時点でテキストエディタとして正常に動作し、日本語表示と入力を行うことができます。
Sublime Textのプラグイン
プラグインを使うには、パッケージマネージャであるPackage Controlをインストールします。インストールするには、メニューの「Tools」「Install Package Control…」をクリックします。Package Controlのインストールが完了すると、ポップアップメニューが表示されます。
Package Controlインストール完了により、「Tools」「Command Palette…」からパッケージをインストールすることができます。
Sublime Textの日本語化
Sublime Textのインストール直後は、日本語表示と入力は可能ですがメニューは英語のままです。メニューの日本語化をするには、パッケージをインストールします。
さきほどの、「Tools」「Command Palette…」で表示される入力フィールドに”install package”を入力すると、下に候補が表示されます。ここでは、「Package Control: Install Package」をクリックします。
続いて入力フィールドに、”japanize”と入力すると、下に候補として「Japanize」が表示されます。その該当部分をクリックします。
インストール完了後は、以下のようにメニュー表示も日本語化されていることが分かります。ただし、残念ながらメニューで表示されるサブメニュー以下は英語のままで、デメリットでも紹介したように完全な日本語化というわけではありません。
キーボードのカスタマイズ
Sublime Textの基本設定は、Preferences(基本設定(n))から行うことができます。例えば、キーボードのカスタマイズは、「Preferences(基本設定(n))」「Key Bindings」から行います。カラースキームやテーマなど、必要に応じて設定変更します。
【参考】:Sublime Text Key Bindings
Sublime Textを使ったC言語の開発から実行まで
Sublime Textはテキストエディタですが、ビルド環境を用意することで統合開発環境(IDE)のように利用することが可能です。そのため、あらかじめビルドに必要なコンパイラ等を別途用意する必要があります。
C言語については、MinGWでGNU環境をインストールするなどしてください。他の言語系でも同様に準備しましょう。
C言語によるHello Worldの作成
ここまでの設定で、すぐに必要となる準備作業は完了しました。ここでは、プログラム開発の最初のステップとしてHello Worldを作成してみます。以下のように、シンタックスに応じてカラーハイライトされることで、入力したプログラムコードは、C言語の構文や表記が正しく解釈されていることが分かります。
作成コードのビルドと実行
作成コードは、「Tools(ツール)」「Build」でビルドすることができます。「Tools(ツール)」「Build With…」を選択すると、Build(ビルドのみ)またはBuildとRun(ビルドから実行まで)が選択できます。
「Tools(ツール)」「Build System」を見るとAutomaticが設定されていますので、C言語の場合C Single Fileとして認識されます。
【参考】:Sublime Text Build Systems
「Tools(ツール)」「Build With…」から「C Single File - Run」を選択すると、ビルド時のGCCのコンパイルからEXE作成、実行までを行います。実行結果は、次のように下側ペインに表示されます。正常にコンパイルが完了したので、実行結果として”Hello World”が表示されていることが分かります。
Sublime Textの便利機能
ここでは、Sublime Textのその他の便利機能について2つほど紹介します。
デザインを変更する
Sublime Textは、インストールした際の背景は黒い画面ですが、これを好みのデザインに変更することができます。方法としては、サイドバーとタブの「Theme(テーマ)」、コードを記述する「Color Scheme(カラースキーマ)」をそれぞれ変更します。
以下に、簡単に手順をクリック順にまとめました。
■Theme(テーマ)の変更 MacOS:上部の「Sublime Text」→「Preferences」→「Theme」Windows:「Preferences」→「Theme」
■Color Scheme(カラースキーマ)の変更 MacOS:上部の「Sublime Text」→「Preferences」→「Color Scheme」Windows:「Preferences」→「Color Scheme」
簡易検索・置換をする
Sublime Textではソースを検索することができます。「メニュー」→「検索(i)」→「検索…」から行えますが、ショートカットキーでも検索バーを出すことができます。
■検索バー:ショートカット ・MacOS:「Cmd」+「F」 ・Windows:「Ctrl」+「F」
「Find」と「Find Prev」はEnter(return)で次々に検索した文字列に移動し、文字列を一括で置き換えたい場合は「Find All」をクリックすると検索した文字列全てがフォーカスされるので、削除したり他の文字列を入力して置き換えたりできます。こちらもショートカットキーを使用することができます。
■一括置き換え:ショートカット ・MacOS:「Cmd」+「return」 ・Windows:「Alt」+「Enter」
Sublime Textを上手に活用しましょう
Sublime Textは、パッケージマネージャであるPackage Controlを用いて、用途に応じた多様なパッケージを組み込むことができます。パッケージ利用により、求める機能の適合性や操作性が高まります。
クロスプラットフォームでも動作しますので、1度導入したらとことん利用することができる、おすすめのテキストエディタと言えるでしょう。
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