プログラミングの資格は取得した方がいい?
インターネットの情報を見ると、「プログラミングの試験は役に立たない」という意見も少なからずあるようです。しかし、プログラミングの資格はプログラミングに関する知識を深めるだけでなく、客観的に技術力を評価できるため、非常に有益だと考えられます。
特に、これからIT企業へ就職したいと考えている方は、プログラミングの資格を取得することをおすすめします。本記事ではプログラミングの資格を取得するメリットや、資格の一覧などを紹介します。
プログラミングの資格を取得するメリット
プログラミングは、実際にコードを書かなければスキルが身につかないと考える人もいるでしょう。確かに、プログラミングは実際に手を動かしながらスキルを磨くことが必要不可欠です。しかし、資格試験の勉強に取り組めば、言語に関する知識を体系的に学習できます。
また、IT業界が未経験の方であれば、プログラミングの資格を取得することで自分のスキルをアピールできます。さらに、フリーランスの方も案件を取るときに、自分の実力を証明するものとして資格が役に立つかもしれません。
既にエンジニアとして働いている方も、特定の資格を持っていれば資格手当をもらえる可能性もあります。また昇給面談など給料交渉の場でも、資格があることが有利に働くかもしれません。
このように、プログラミングの資格を取得すると、プログラミングに対する知識が深まるだけでなく、周囲からのポジティブな評価をもらえる可能性があります。
プログラミングの資格一覧
ここからは、プログラミングの資格一覧を紹介します。さまざまな言語の資格試験を紹介しますので、自分が学びたいプログラミング言語の試験を探しましょう。
Java™プログラミング能力認定試験(Java™Programming Skills Qualification Test)
この試験は、サーティファイ情報処理能力認定委員会が運営するJavaの試験です。この試験では、Javaの基本知識を持ちオブジェクト指向に基づくアプリケーションなどを作成できる能力を問われます。
試験は3級から1級まであり、1級ではオブジェクト指向に基づく設計や仕様変更に従ってプログラムの保守をするための知識が問われます。受験資格は特になく、誰でも受験することができます。
【参考】:サーティファイ情報処理能力認定委員会
Java SE 11 認定資格
Java SE 11 認定資格はOracle社が運営するJavaの資格試験です。この試験はBronze、Silver、Goldの3種類があり、後者になるほど難易度が上がります。
また、Bronzeの試験は言語未経験者向けの入門資格のため、Javaを始めて勉強する方はブロンズからチャレンジするのもおすすめです。
【参考】:Java SE 11 認定資格
PythonZen & PEP 8 検定試験
PythonZen & PEP 8 検定試験は、Pythonエンジニア育成推進協会が運営している資格試験です。この試験は、Pythonの正しい文法や記述方法を広める目的で作られた試験です。
また、受験料は無料で、インターネットが接続できる環境があれば受験可能です。Pythonを学習中の方や、試しに受験してみようと考えている方は、ぜひPythonZen & PEP 8 検定試験の受験をおすすめします。
ちなみにPythonエンジニア育成推進協会では、その他にもPythonに関する資格試験を提供していますので、興味のある方は公式サイトを確認しましょう。
【参考】:Pythonエンジニア育成推進協会 【参考】:PythonZen & PEP 8 検定試験概要
HTML5プロフェッショナル認定試験
この試験は、フロントエンドやWeb系のエンジニアにおすすめの資格です。HTMLプロフェッショナル認定試験では、マークアップに関する知識を問われます。
試験はレベルごとに区分が分かれており、レベル1とレベル2があります。レベル2の試験はレベル1の試験に合格しないと受験できないため、まずはレベル1の試験を受験しましょう。
C++ Institute認定試験
C++ Institute認定試験は、Peason VUEが提供するC++の試験です。C++ InstituteはC言語とC++言語の認定試験が用意されており、それぞれの言語でプログラミングの知識やスキルが問われます。
また、各言語の認定試験では、アソシエイトとプロフェッショナルプログラマーという2つの認定区分があります。
この試験はオンラインで受験することが可能であり、カメラをオンにして試験監督が受験者を確認できる状況にしておく必要がありますが、環境が整えば自宅から受験できます。試験の詳細については公式サイトに記載がありますので、興味のある方は参考URLを参照しましょう。
【参考】:C++ Institute認定試験
CIW JavaScript スペシャリスト
CIW JavaScriptは、(Certified Internet Web)が提供する資格試験です。この試験は国際資格で、世界中の人がこの資格を取得しています。この資格を取得すれば、JavaScriptを十分理解していると評価してもらえるでしょう。
CIWの試験はテストセンターで受験するか、リモート試験でも受験できます。また、受験料は175米ドルと決して安い金額ではありませんので、しっかり勉強してから受験しましょう。
Ruby認定試験
Ruby認定試験はRuby Associationが提供する認定試験です。資格を取得すると、Rubyベースでシステム開発を行う上で、必要な知識と応用力を持つことが認定されます。
認定区分は「Ruby Association Certified Ruby Programmer Silver version 3」と、「Ruby Association Certified Ruby Programmer Gold version 3」の2種類あります。Goldになると、より踏み込んだ内容が問われ、Rubyのライブラリ知識まで問われます。
【参考】:Ruby技術者認定試験
PHP技術者認定試験
この試験は、PHPに関する知識が求められる試験です。この試験の特徴は、PHPのバージョンごとに資格試験が実施されている点です。2023年12月現在は、PHP5、PHP7、PHP8の技術者認定試験を実施しています。
ただ、今後バージョンアップに伴い、実施する試験も変更される可能性がありますので注意が必要です。
【参考】:PHP技術者認定試験について
よくある質問
ここからは、よくある質問を厳選して3つ紹介します。どの資格を受験するか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
特におすすめの資格はあるか
プログラミングの資格を選ぶ際に、何よりも重要なのはどの言語を学ぶかです。将来的にどんな開発案件に携わりたいのか考え、キャリアパスにあった領域の資格を取得するといいでしょう。
また、その言語のどういったスキルを磨きたいかによっても、選ぶべき資格は変わります。基本的な文法や知識を身につけたいのであれば、文法を中心に問われる資格試験を選ぶべきです。プログラムの回収やより実践的なスキルを身につけたい場合は、そのようなスキルが問われる資格試験を受験すべきです。
同じ言語でも複数資格試験が公開されている場合は、試験ごとにどんな違いがあるか確認することをおすすめします。
小学生におすすめのプログラミングの資格はあるか
小学生であれば、Scratchなどの子ども向けサービスの資格がおすすめです。例えば、情報処理能力認定委員会という団体が運営するジュニアプログラミング検定という試験があります。
この試験はプログラミングを学習中の子供を対象とした資格試験で、スクラッチを使用した問題やプログラム修正を行います。
その他にも子ども向けの試験はありますが、どの試験を受験させるか迷った場合は、子どもの意欲や、プログラミングに関する実力に合わせた試験を選びましょう。
【参考】:ジュニア・プログラミング検定|ジュニア・プログラミング検定 | 資格検定のサーティファイ
プログラミングの国家資格はあるか
実は、プログラミング言語に特化した国家資格はありません。国家資格では、ITに関する知識を網羅的に問われるものや、セキュリティなど特定の領域に関する資格試験が多いです。例えば、「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」などが挙げられます。
また、認定試験でも非常に高度な知識を求める資格もありますので、認定資格でも十分取得する意義はあるでしょう。
【参考】:基本情報技術者試験(FE) 【参考】:応用情報技術者試験(AP)
プログラミングの資格を取得しよう
プログラミングの資格を取得すると、自分のスキルアップに加え、周囲から客観的にITスキルを評価してもらえます。転職を検討している方はもちろん、エンジニアとしてさらにスキルアップを目指している方は、ぜひこの機会にプログラミングの資格を取得してみましょう。
編集部オススメコンテンツ
アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから