日商プログラミング検定とは
近年、IT技術やDXの推進により、ITを活用できる人材の需要が高まっています。経済産業省でもデジタル人材の育成のための施策を実施しており、文部科学省でも小学校でのプログラミング教育に力を入れています。
日商プログラミング検定は、このように社会においてIT化が進む中、デジタルスキルの基礎であるプログラミングができるIT人材を育成するために、日本商工会議所が実施しているIT系検定試験です。
【参考】:IT人材の育成(METI/経済産業省) 【参考】:プログラミング教育:文部科学省
日商プログラミング検定のどのレベルを受けるか検討しよう
日商プログラミング検定は、4つのレベルに分かれています。自分の実力に応じて受験できるため、プログラミングスキルの向上を目指したり、自分がどれくらいのプログラミングスキルを持っているかを確認したりするのにおすすめの検定です。
この記事では、検定の受験を通して自分のプログラミングスキルを確認したい方のために、日商プログラミング検定の特徴や4つのレベル、取得のメリットなどについて解説していきます。もしも自分が受けるならどのレベルにするか考えてみてください。
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日商プログラミング検定の基本情報
まずは、日商プログラミング検定の特徴・受験概要・難易度・検定を活用できる職種の年収など、基本的な情報について解説していきます。
日商プログラミング検定の特徴
日商プログラミング検定は、IT人材の不足の解消や、プログラミングを通した論理的思考力の開発を目的として、プログラミングスキルの学習を支援することが目的です。
ITエンジニアなど、プログラミングを職業にする人だけでなく、初学者や、職業や年齢にかかわらず幅広い層が受験の対象です。IT全般の知識ではなく、プログラミングの習得に関する事項が試験範囲とされています。
日商プログラミング検定の試験概要
日商プログラミング検定は、指定の会場でインターネットを介して、パソコンを使って受験します。受験会場は、全国の商工会議所ネット試験施行機関から希望の場所を選択できます。
試験の日程や申し込み方法などは、希望した会場ごとに異なります。会場に問い合わせて、自分のスケジュールに合わせて受験日を決めることができます。
【参考】:受験の申し込みの流れ(ネット試験) | 商工会議所の検定試験
受験料はレベルごとに異なり、以下の通りです。
■ENTRY:3,300円(税込) ■BASIC:4,400円(税込) ■STANDARD:5,500円(税込) ■EXPERT:6,600円(税込)
日商プログラミング検定の難易度
日商プログラミングは、基本的にプログラミングに関する基礎的な知識を問うものです。高度で専門的な内容までは試験範囲とされていないため、それほど難易度の高いものではありません。
しかし、上位レベルのSTANDARDやEXPERTでは実技試験もあるため、合格するには十分な勉強時間が必要です。
日商プログラミング検定を役立てられる職種の年収とは
日商プログラミング検定を役立てられる職種であるプログラマーの年収は「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は344万円(※2023年5月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(ソフトウェア製品の開発・実装)を参考にすると、平均年収568万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、プログラマーは一般平均年収よりも、やや低めから高めであることが分かります。
プログラマーは、自ら専門的な知識やスキルを習得して、特定の分野や言語のプロフェッショナルを目指したり、SEやプロジェクトリーダーなど管理者としての経験を積んだりすることで、年収アップを見込むことができます。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
日商プログラミング検定の4つのレベル
日商プログラミング検定には、ENTRY・BASIC・STANDARD・EXPERTの4つのレベルに分かれており、どのクラスからでも受験することが可能です。
ENTRY
ENTRYでは、プログラミングに初めて取り組む、初学者の方向けの問題が出題されます。
子供向けに作られたシンプルなビジュアルインターフェースが特徴のコーディング言語である「Scratch」による簡単なプログラミングや、プログラミング的思考を問う問題が出題されます。
【参考】:Scratch - Imagine, Program, Share 【参考】:日商プログラミング ENTRY | 商工会議所の検定試験
BASIC
BASICでは、特定のプログラミング言語によらず、プログラミング的な思考や、プログラミングに関連するIT基礎知識、簡単なアルゴリズムなどについての知識が問われます。
企業人の素養として求められるプログラミングの基本的な知識を習得していることが証明できる検定試験です。
【参考】:日商プログラミング BASIC | 商工会議所の検定試験
STANDARD
STANDARDでは、高校・大学・専門学校などの教育機関の学習内容を反映し、プログラミングの習得度合いを試される問題が出題されます。合格することで、企業においてITを先導できるプログラミング知識やスキルを持つことを証明することができます。
対象のプログラミング言語はC言語・Java・VBA・Pythonで、実技試験が課せられます。
【参考】:日商プログラミング STANDARD | 商工会議所の検定試験
EXPERT
EXPERTは、プログラマーとしての基本的な能力を問われます。仕様書を読んでソフトウェアの一部が作成できるという、プログラマーとして業務を行うために必要とされるスキルを持つことを証明できます。
対象のプログラミング言語はC言語・Java・VBA・Pythonで、実技試験もあります。
【参考】:日商プログラミング EXPERT | 商工会議所の検定試験
日商プログラミング検定取得のメリット
日商プログラミング検定は、難易度が低めに設定されていることから、受験しても「意味ない」という意見もあるようですが、プログラミング的思考を培い、プログラミングの基礎を習得することには多くのメリットがあり、十分受験の価値があると言えます。
プログラミングの基礎が身につく
プログラミングは、近年、発展が著しいIT技術を支える土台です。これからさらに、デジタル化が進む上で、プログラミングの基礎を学ぶことには大いに意味があります。
業務で使用するシステムやアプリケーションを、プログラミングの基礎を学んだ視点から見ることができれば、より活用することができるでしょう。
レベルに応じて受験できる
日商プログラミング検定は4つのレベルに分かれているため、自分のスキルに応じて受験できるのも大きなメリットです。プログラミングを始めたばかりの方は、じっくり基礎固めの勉強をして、ENTRYやBASICから始めてもいいでしょう。
STANDARD・EXPERTでは、C言語・Java・VBA・Pythonといった、プログラミングの現場でよく使われる言語が試験対象であり、実技試験もあるなど実力を試される内容です。業務でプログラミングを行なっている方であれば、最初からEXPERTにチャレンジすることも十分可能です。
スキルアップの目標になる
プログラマーとして経験を積んでも、そのスキルを証明するのはなかなか難しいものです。日商プログラミング検定を受験することで、自分のプログラミング能力の成長度合いの目安にすることができます。
最初はENTRYやBASICから始めて、勉強を進めながらSTANDARD・EXPERTへ挑戦していくことで、プログラマーとしての基礎力を向上させるとともに、自信をつけていくこともできます。
プログラマーとしての知識やスキルを向上させたら、自分が希望するキャリアを目指して転職したり、よりレベルの高いプログラミング関連の資格試験を目指したりするなど、プログラマーとしての将来の幅を大きく広げることができます。
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日商プログラミング検定を受験して次のステップを目指そう
ここまで、日商プログラミング検定の概要や取得のメリットなどについて解説しました。プログラミングの基礎力があることを証明できる検定試験であることをご理解いただけたと思います。
検定の勉強を通して、プログラマーとしてもっとこうなりたい、という将来像が見えてきたら、検定を取得して自分のキャリアをさらに高められる職場に転職しても良いでしょう。
しかし、日商プログラミング検定に合格しても、自分の希望の働き方ができ、さらにスキルアップを目指していける転職先を、自分1人で探すのは大変なものです。
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