アンドエンジニアのYouTube版『アンドエンジニアチャンネル』では、AI時代で生き残ることができるエンジニアについて対談動画を公開しています。興味のある方はぜひ下記よりご覧ください!
AIエンジニアになるには
昨今ChatGPTの登場もあり、AIという言葉を知らない人がいないほど、AIが一般化してきました。私たちの身の回りでも至る所でAI技術が利用されています。その結果、人気の高い職種と言われるITエンジニアの中でも、とりわけAIエンジニアに注目が集まっています。
とはいえ、AIエンジニアは何をする人なのかと尋ねられると、的確な答えが浮かばない人も少なくないかもしれません。この記事ではAIエンジニアを目指す方に向けて、AIエンジニアの仕事内容や必要なスキル、必要な資格や転職方法などについて解説していきます。
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AIエンジニアの仕事内容
AIエンジニアを目指すには、AIエンジニアの仕事内容を理解することが必要です。AIエンジニアは役割ごとにそれぞれ呼称があり、それらを総称してAIエンジニアと呼びます。AIエンジニアでも役割ごとに仕事内容が異なりますので確認しておきましょう。
AIエンジニアの3つの職種と役割
AIエンジニアはAIに関する知識や技術を用いてAIの開発を行ったり、AIを用いてデータ解析を行ったりするエンジニアのことです。ここではAIエンジニアの中から主な3つの職種について紹介します。
■ 機械学習エンジニア AI開発には欠かせない技術として、機械学習(Machine Learning)があります。機械学習はデータをコンピュータに読み込ませ、そのデータを用いて反復学習をさせることによって、データから一定のパターンや特徴を導き出し、それらから答えを導き出す手法です。
機械学習では学習の手順を示したアルゴリズムを組み込んだプログラムを用います。機械学習の中でも人間の思考パターンに近いニューラルネットワークを用いた、深層学習(Deep Leraning)と呼ばれるものも、機械学習の一種です。
■ データサイエンティスト データサイエンティストは、膨大な量のデータを収集・分析して顧客が活かせる形に整え、ビジネスの課題に対する解決案を提案するAIエンジニアです。ビッグデータ解析のためのAIモデル構築を担うほか、データ分析におけるAIの活用方法を提案するのも役割の1つです。
データサイエンティストの仕事内容には、データ収集と利用しやすいフォーマットへの変換、Pythonなどの言語を用いたデータマイニングのためのプログラミング、データに潜むパターンの発見などが含まれます。データ分析手法の最新動向の把握やシステム開発部門や情報システム部門とのコミュニケーションも重要となります。
■ データアナリスト データアナリストはビジネス寄りの職種であり、AIのデータ分析結果に基づいて事業課題の特定や解決方法の提案などを行います。データサイエンティストよりも、コンサルティング能力や経営者側とのコミュニケーションに重きが置かれます。
データアナリストはAIをビジネスの現場で実際に活用するフェーズにおいて欠かせない人材であり、政府が掲げる各産業分野でのDX推進において重要な役割を担っています。
AIエンジニアの年収
AIエンジニアという職種の年収データが見当たりませんので、代わりに「製品開発/研究開発全般」の年収データを参考に見てみましょう。
製品開発/研究開発全般の年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収477万円(※2024年6月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のIT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))を参考にすると、平均年収758万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円ですので、製品開発/研究開発全般の職種は一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。
AIエンジニアという職種がまだ定まっていませんが、ビジネス分野でもAIは大きく注目されており、AIエンジニアの年収が一層高まっていくものと思われます。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
AIエンジニアをおすすめする理由
AIエンジニアは難しい仕事であるというイメージがあり、特に文系出身者や未経験者から敬遠されがちですが、次の理由からAIエンジニアを目指すべき職業としておすすめします。 難易度は決して低くはありませんが、しっかりキャリアパスを描き、失敗を恐れずチャレンジしてみましょう。
AI人材の不足
ChatGPTの出現や、AI搭載家電の普及、DX推進やビッグデータ活用など、AI市場は急速に拡大している一方、IT人材、とりわけAI人材の不足が深刻になっています。
経済産業省の「IT人材需給に関する調査(概要)」によれば、AI市場が平均的な伸びを示した場合でも、2030年にはAI人材の需給ギャップが12万人を超えると予測されています。
こうした状況から、AI人材は喉から手が出るほど必要とされており、AIエンジニア未経験者歓迎の募集記事も頻繁に見られるようになっています。このように需要の伸びがが強まっている中、AIエンジニアの職業に就くメリットは計り知れないと考えられます。
【参考】:IT人材需給に関する調査(概要)P7~P8|(3) AI 人材の需給について|経済産業省
やりがいがある職業
AIの活用で人の仕事がなくなると言われていますが、反対に人の仕事はAIによってより効率化されるということです。AIはうまく活用することで人を幸せにしてくれます。そのようなAI技術の開発に携われるのは非常にやりがいのあることです。
ITエンジニアの仕事の中でもプログラミングなどはAIによって自動化されていくと考えられていますが、AIエンジニアはAIの開発や実装に関わるエンジニアであるため、最もAIに置き換わらない仕事と考えられます。
また、AIは技術革新が速いため、常に新しい課題に取り組み、常に自己研鑽が必要な職業です。「きついからやめとけ」などの声が聞かれることもありますが、向上心の高い方にとっては、やりがいのある打ってつけの職業と言えます。
キャリアアップしやすい
AI分野は技術革新のスピードが速く、常に知識をアップデートすることが求められます。常に研究し、学ぶということは簡単なことではありませんが、得た知識や情報はステップアップの大きな力となります。
AIエンジニアはIT業界の中でも最先端を行く職種であるため、キャリアアップがしやすいというメリットがあります。AIコンサルタント、データサイエンティストといった職種では高額な報酬も期待できるでしょう。
AIエンジニアに必要な知識とスキル
実際にAIエンジニアとして活躍するには、どのような知識とスキルが必要になるのでしょうか。AIエンジニアが身に付けるべき知識やスキルは多岐に渡り、機械学習・データサイエンスなど携わる分野によっても変わってきますが、以下の3つはAIエンジニアを目指すうえで特に重要な、土台となる知識・スキルです。
プログラミングスキル
AIを開発するには、当然のことながらプログラミングが必要です。AIの分野では、数あるプログラミング言語の中でも「Python」や「R言語」がよく使われます。Pythonには機械学習向けのライブラリが豊富にあり、R言語は統計解析に向いています。
他にも、「JavaScript」や「C++」などが使われることもあります。携わりたい業務に合わせて複数の言語を習得しておくと有利です。
統計学や数学の知識
AIのプログラムは数学の理論がベースになっています。また、データ分析は統計学の理論がベースになっています。そのため、AIエンジニアには、統計学や数学の知識が求められます。
統計学や数学の知識は、AI開発の要となる機械学習やアルゴリズムを理解するうえでも重要です。確率、統計、微分積分、線形代数といった理論を用いることで、最適なデータ解析方法を導き出すことができます。
理系学部で学ぶような高度な知識でなくとも、高校や大学の教養課程で習得できるレベルの基礎的な知識は身に付けておきたいところです。
データベースの運用スキル
AIの分野では、ビッグデータと呼ばれる大量のデータを扱います。そのビッグデータを効率的に活用するには、データが格納されているデータベースの運用スキルが必要となります。
データベースの定義や操作、制御を行う際に使われるのがデータベース言語です。データベース言語の中でも特に「SQL」は代表的な言語で、AI分野に限らずよく使われます。こういった言語も、データベースを運用する際には欠かせません。
AIエンジニアに向いている人
AIエンジニアになるには、スキル以外にもその人自身の適性が必要です。では、どのような人がAIエンジニアに向いているのか、素質面について見ていきましょう。仕事の特性上、以下の3つの資質を有する人が人が向いています。
資質は努力することで高めることが可能ですので、今不足する資質は何なのかを把握することが重要です。
ロジカルシンキングが得意な人
AIエンジニアは大量のデータを集め、それをアルゴリズムのプログラムを用いて解析し、データから答えを導きます。アルゴリズムを考え出すにはロジカルシンキング(論理的思考能力)が必須です。主観や直感に頼らず、筋道立てて客観的にものごとを判断できる人はロジカルシンキングが得意な人です。
好奇心が旺盛な人
AI開発では実際に手を動かしてスキルを身につけていきます。AIを開発したいという欲求や好奇心が必要です。AI技術は日々進化していますので、最新の技術を学び、新たなアイデアを編み出す知的好奇心の旺盛な方に向いています。
問題意識の高い人
AIの多くは単なる自動化だけではなく、あるべき形は何かというところから開発が始まります。あるべき形は何か、どこに問題があるのか、を常に考えるような問題意識の高さが求められます。従って、AIエンジニアは常日頃から問題意識を持ち、解決や改善が得意な人が向いています。
AIエンジニアになるために知っておきたいこと
最近では未経験者歓迎の求人も増えていますが、AIエンジニアとして必要なスキルを備えている人の方がやはり有利です。効率よくスキルを習得するために、資格の取得をおすすめします。大学で数学や統計学を学んだ方はAIエンジニアに近い位置にいるかもしれませんが、それでも資格はあるに越したことはありません。
また、転職してAIエンジニアになろうとしている場合は、できるだけ確実かつ効率的に転職活動をしなければなりません。ここでは、AIエンジニアになりたい人が転職を有利にすすめるために取得しておきたい資格と、転職エージェントの活用について解説します。
AIエンジニアになる上で役立つ資格を取得する
AIエンジニアになるには、スキル証明となる資格を取得しておいた方がよいでしょう。これからAIエンジニアへの転職を目指す方におすすめの資格を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
■ 基本情報技術者試験(FE) ITエンジニアへの登竜門と言われる人気の国家資格です。ITに関する基本知識を有するスキル証明となりますので、転職前には取得しておきたい資格の1つです。基本情報技術者試験に合格した人は、その上位資格に当たる「応用情報技術者試験(AP)」にチャレンジしましょう。
【参考】:基本情報技術者試験(FE) 【参考】:応用情報技術者試験(FE)
■ G検定(ジェネラリスト検定) G検定は「AIをビジネス活用する上で必要な基礎知識、リテラシーを備えていることを証明する検定試験です。試験内容はどちらかといえばビジネス寄りですが、AIエンジニアを目指す上でAIに関する全般知識、ディープラーニングなどの知識を体系的に学ぶのには適した検定資格です。
【参考】:G検定とは|日本ディープラーニング協会
■ E資格(エンジニア資格) E資格はエンジニア資格の意味で、ディープラーニングに関するエンジニア向けの検定資格です。ディープラーニングに関する理解と、ディープラーニングを実装するための能力や知識が問われる試験です。G検定と併せて取得するエンジニアが多く、同時取得可能な資格ですので、ぜひ積極的にチャレンジしてみてください。
【参考】:E資格とは|日本ディープラーニング協会
■ Python3エンジニア認定基礎試験 Pythonは機械学習では最もよく利用される言語です。しかも、文法が平易で初心者でも学びやすいという特徴があります。Python3エンジニア認定基礎試験は基本的な文法やデータ構造、クラスや標準ライブラリなどに関する知識が問われる試験です。
実践スキルを問う「Python3エンジニア認定データ分析試験」もありますので、Python3エンジニア認定基礎試験に合格した方は、こちらにチャレンジすることをおすすめします。
【参考】:Python 3 エンジニア認定基礎試験 【参考】:Python3 エンジニア認定データ分析試験
転職エージェントの活用
AIエンジニアの求人は機械学習エンジニアや深層学習エンジニア、データサイエンティスト、データアナリストといった職種名での募集もあり、求人情報を探すのに苦労するかもしれません。
また求人情報からだけでは、企業が求める人物像が自分自身にマッチしているのか否かを判断するのもたやすいことではありません。
自分が希望する仕事にマッチする求人を探すには、転職エージェントの活用をおすすめします。初めての方は抵抗があるかもしれませんが、転職エージェントに登録するだけで、後は担当者がヒアリングをしながら自分に最適な求人を見つけてくれますので、安心して求職活動を行えます。
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本記事では「AIエンジニアになるには」のテーマで、主に未経験からAIエンジニアを目指す方には知っておいてもらいたいことを解説しました。AIエンジニアはいきなりなるのは難しい職業ですが、不可能な職業ではありません。
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