アンドエンジニアのYouTube版『アンドエンジニアチャンネル』では、AI時代で生き残ることができるエンジニアについて対談動画を公開しています。興味のある方はぜひ下記よりご覧ください!
AIエンジニアの仕事はなくなる?
ChatGPTの登場などによって、AIは一躍人気を集めており、AIエンジニアは将来性のある有望な職業と見る向きがあります。しかし一方では、AIの進化によって、AIに仕事を奪われるという危惧を抱く人がいます。
ITエンジニアの中でも、プログラマーはAIに置き換わるという説があります。ChatGPTにプログラム仕様を与えると、ChatGPTがコードを書いてくれます。またノーコードツールと呼ばれる、AI技術を用いたプログラミングツールも生まれ、実際に活用されています。
そうしたことから「プログラマー不要論」まで出現していますが、では、いずれAIエンジニアの仕事もAIが肩代わりするようになるのでしょうか?苦労してAIエンジニアになれても、AIに仕事を奪われることはできれば避けたいものです。
この記事では、AIエンジニアを目指す方の疑問や不安に対する答えを探っていきます。
【参考】: ローコード・ノーコードツールを活用して内製でシステムを構築|総務省 【参考】: Introducing ChatGPT|OpenAI
AIエンジニアとは
AIエンジニアを志すには、AIエンジニアがどのような仕事をしているのかについて理解しておくことが大切です。
AIエンジニアには機械学習エンジニア、データサイエンティスト、データアナリストなどが含まれますが、ここでは一般的なAIエンジニアの仕事の流れを中心に、AIエンジニアの役割や仕事内容についてまとめてみました。
AIエンジニアの仕事の内容
AIエンジニアの仕事内容は、大別すると「AIの企画」「AIの開発」「学習データの準備」「AIの学習」「テスト&評価」「最新技術の情報収集と研究」の6つに分類できます。以下、それぞれの概要について解説します。
■ AIの企画 これから新たに開発するAIの目的や概要について企画するフェイズです。AIによって何を実現し、何を解決するのか、どのように実現するのかについて整理しながら、企画を進めます。特に一般企業では、AIへの投資と回収計画についても明らかにしなければ企画案は通りません。
要件定義と実現性の検証をしっかり行う必要があるため、経営に関する知識、現場の業務知識など、幅広い知識が求められます。また、AI開発の必要性を経営層に理解してもらうことが重要ですので、コミュニケーション能力や高い提案力が求められます。
■ AIの開発 AIの開発に当たって、よく用いられるプログラミング言語はPythonです。そのため、エンジニアはPythonに関する知識や経験を求められます。AI開発で重要なのは、コンピュータに対して学習させることです。AIはデータによる反復学習によってAIとしての精度を高めていくからです。
■ 学習データの準備 AIの学習では、学習のベースとなる「データ」の準備が必要です。学習データには、トレーニング用データ、開発データ、テストデータの3種類を準備します。また、機械学習で用いるデータは、そのまま使えないため、クレンジングなどの前処理が必要です。
学習に最適なデータを集め、データから傾向を把握することも求められます。またPythonのライブラリや分析ツールなどを用いてデータの可視化を行って特徴をつかむこともAIエンジニアの重要な役割の1つです。
■ AIの学習 AIの学習では、一般的に「機械学習」や「ディープラーニング(深層学習)」を用いるため、機械学習に関する知識や経験が求められます。あらかじめ用意した学習データを基にして自律的に学習する「AIモデル」を構築し、AIに学習をさせていきます。
■ テストと評価 学習工程を済ませたAIが、期待通りの動作をするのかについてテストを行い、性能評価を実施します。
期待した動きができていない場合には、アルゴリズムの問題、プログラミングミス、学習データの選定ミスや不足が想定されるため、再度見直しを行います。
■ 最新技術の情報収集と研究 AIに関する技術は大変なスピードで進化しており、その技術情報も日進月歩で改定されています。
より優れたAIの開発には、外国の英文で書かれた論文などを調べて、新たな知識と技術の吸収に励む必要があります。
また、巷に出回っているAI製品を触って調査したり、外国まで出張して最新のテクノロジーに触れたりすることも必要です。そのため、AIに関する知識以外に、高い英語力が求められます。
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AIエンジニアの年収
AIエンジニアは新しい職種であり、年収データがまだ見当たらないため、近しい職種としてシステムエンジニア(制御・組み込み)の年収データを参考に見てみましょう。
システムエンジニア(制御・組み込み)の年収は「マイナビエージェント 職業別年収ランキング」での平均年収455万円(※2023年5月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(ソフトウェア製品の開発・実装)を参考にすると、平均年収568万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円ですので、システムエンジニア(制御・組み込み)は一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。
AIエンジニアはまだ新しい職種であり、企業によっては既存のエンジニア職種の賃金体系を適用しているケースもありますが、その市場価値の高まりとともに、今後さらに上昇していくことが予想されます。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング 【平均年収 調査対象者】2019年12月~2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
AIによって人の仕事はなくなるのか?
AIはいつしか、人間の仕事を奪うといわれてきました。確かに飲食店ではAIを搭載した配膳ロボットが活躍しています。自動車の自動運転も実用化の段階に入りました。弁護士や会計士もAIに代替されるとさえ言われています。
では、実際にプログラマーやエンジニアの仕事までAIに代替されるのでしょうか?ここではその可能性について見てみましょう。
AIによってなくなる職業
日本では顕著な少子高齢化の影響によって、業種によっては深刻な労働力不足が生じています。そのような状況により、AIの活用が解決策として評価され、実際にサービス業や飲食業においてはAIによる仕事の代替が進みつつあります。
ただし、一部に新規業務や事業創出の効果があるものの、AIはまだ補助的な使われ方が主流であり、既存の職業がAIに完全に代替されるまでには至っていません。
しかし、農林水産業や鉱業、建設業、小売業や生活関連サービス、飲食業や宿泊業など様々な業種で職業がAIによって代替される可能性があると見られています。
【参考】: 人工知能(AI)の進化が雇用等に与える影響|総務省 【参考】:未来人材ビジョン|経済産業省
AIによってなくならないAIエンジニア
AIは、AIエンジニアの仕事を一部は肩代わりできますが、AIエンジニアの仕事を完全に肩代わりすることはできません。
AIエンジニアは、機械学習やディープラーニングなどの技術を用いて、機械にデータを与え、判断方法や考え方を学習させていき、人間と同じように自ら思考できるシステムであるAIを生み出すことが主な仕事です。
また、AIエンジニアは、Pythonなどの言語を使用した「AI開発」、AIにデータを入れて精度を上げていく「学習」、そして運用しているAIを検証し、より精度を上げていくための「分析」を行ない、AIを「構築」「運用」していくのが主な役割です。
一方で、AIの能力は人間の知識や経験に比べても限定的であり、人間が持つ感性や創造力、判断力などはまだまだ代替することができません。
課題設定や解決力など異質なものを組み合わせる能力は、AIには代替しにくいと考えられているため、それらが得意なAIエンジニアの仕事は、AIによってなくなる可能性は極めて低いと考えられます。
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AIエンジニアになるのに必要なスキル
4AIエンジニアがAIに代替されにくい職種であることは理解できました。では、AIエンジニアに必要とされるスキルは何なのでしょうか?ここではAIエンジニアに求められる代表的なスキルを4つ挙げます。以下のスキルが身についた人は、AIエンジニアに向いている人とも言えます。
プログラミングスキル
AIエンジニアの仕事は「開発系」と「分析系」の2種類に分けられますが、いずれもプログラミングスキルが欠かせません。特にAIエンジニアに最も使われているプログラミング言語は「Python」です。AIエンジニアを目指す方は最低でもPythonのプログラミングスキルを身に着けておきましょう。
数学的な知識
AI開発では高度な数学知識が求められ、特にロジカルシンキング(論理的思考能力)が求められるエンジニアは、数学的な素養が役立ちます。またAI開発で必須とも言える機械学習におけるデータ解析では、統計学や確率論、微積分なとを用いますので、特に数学が得意な人にはAIエンジニアは向いていると言えます。
また、数学が苦手な人は、もう1度数学を学び直すことで、AIの勉強が楽しくなるかもしれません。
データベースの運用スキル
AIエンジニアにとって、データベースの操作は必須です。データはAIのレベルを高める上では必須の「栄養素」だからです。機械学習や深層学習では、AIにビッグデータを分析させたり、データから最適解を求めたり、予測させたりします。
ビッグデータを活用するには、データベースの操作や運用スキルが求められます。そのため、DBMS(データベース管理システム)を扱えるスキルに加え、データベース言語の「SQL」に関する知識が求められます。
機械学習・深層学習のスキル
AIエンジニアには機械学習と深層学習(ディープラーニング)の知識が求められます。機械学習はデータ分析手法の1つで、コンピューターがデータから自動的に「学習」し、データから一定の法則やパターンを見つける方法です。近年では学習結果から予測や判断を行うことが重視されるようになっています。
この機械学習をさらに進化させたものがディープラーニングで、人に代わってAIそのものが、精度の高い判断を下すための技術です。
必要とされるAIエンジニアを目指そう
本記事では「AIエンジニアはなくなるのか」をテーマに、AIエンジニアの仕事内容、年収、AIエンジニアに求められるスキルなどについて解説しました。
今後AIエンジニアとして活躍するためには、AIエンジニアとして必要なスキルをしっかり身につけることに加え、自身の可能性を見出し、引き出してくれる相性の良い企業と出会うことです。
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