機械学習エンジニアとは?AIエンジニアとの違いや年収、言語を紹介
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機械学習エンジニアとは?AIエンジニアとの違いや年収、言語を紹介
アンドエンジニア編集部
2023.10.26
この記事でわかること
機械学習エンジニアは、人工知能AIの領域で、システムを設計・構築するエンジニアを指します
コンピュータ知識の他、数学や統計の高度なスキルが必要とされます
AI市場はさらに拡大していき、機械学習エンジニアの需要が、さらに高まるでしょう

機械学習エンジニアとは?

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機械学習エンジニアは、人工知能・AIの領域でシステムを設計・構築するエンジニアを指します。また機械学習エンジニアは、ML(Machine Learning)エンジニアとも言われています。ここでは機械学習エンジニアの詳細に迫ります。

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機械学習と人工知能の違い

機械学習の説明をする上で前提となるのが、人工知能についての知識です。人工知能とは、人間が備えている知的な行為をコンピュータの手続き・アルゴリズムに基づき、所定のデータを与えることで機械的に実行することを研究する領域です。

人間の介在なしに機械的に実行することができれば人間の負担が減り、従来経験則に任せていた領域も科学的に最適な結果を導くことが可能になります。

機械学習は人工知能の1種で、学習方法を定義して機械的に学習させるため、過去の蓄積データから将来を予測するための技法を指します。

関連した用語としてよく聞かれる「深層学習(Deep Learning)」とは、人間の脳神経であるニューロンをヒントにモデル化されたニューラルネットワークを用いた技術です。十分なデータ量を与えることで、機械が人間の介在なしに自動的にデータから特徴を抽出し、パターン認識等に活用していきます。

したがって、「人工知能 ⊃ 機械学習 ⊃ 深層学習」の関係を持ち、人工知能は全体を包摂する関係にあります。

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データサイエンティストとの違い

よく求人サイトの募集職種で、データサイエンティストや機械学習エンジニアが記載されていますが、データサイエンティストとは機械学習アルゴリズムを使うシステム利用者で、データ分析者・統計の専門家を指します。一方、機械学習エンジニアは機械学習アルゴリズムを設計・実装する技術者のことで、ITエンジニアの1種です。

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機械学習エンジニアはAIエンジニアの一種

AIエンジニアとは、AI関連の技術職全体を指します。具体的には、上記のシステム構築側の機械学習エンジニアおよびシステム利用側のデータサイエンティストが含まれます。

AIエンジニアについて解説する際は、目的別に機械学習エンジニア・データサイエンティスト・データアナリストに分けて仕事内容を説明します。

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機械学習エンジニアの仕事内容

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機械学習エンジニアは、AI分野の技術の専門家として認知されています。一般企業の他、学術系研究機関に勤務される方もいます。ここでは、機械学習エンジニアの具体的な仕事内容について触れていきます。

機械学習に用いるデータの収集・整形

膨大なデータの収集・整理・管理はもちろん、データの整形までもコンピュータで行います。その際、学習には「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3パターンがあり、目的によって使い分けをします。機械学習エンジニアはこれらの作業を行うコンピュータに指示を出したり管理したりする役割があります。

機械学習を用いたシステムの設計・開発

クライアントの要望に合わせて必要な機械学習のアルゴリズムを構築し終えたら、そのモデルを元にシステムやサービスを設計・構築・運用していきます。

実際にこの機械学習モデルをサービスとして活用した際に得られる結果が、どういったものになるのかを明確にする必要があるため、複数のモデルを作成して1つに絞り込んで改良していきます。

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機械学習のためのインフラ構築

機械学習を行うには、膨大なデータを処理したり安全・効率的に運用したりする必要があり、それには実行環境を整えなければなりません。Web APIとして呼び出せる設計を行ったりバッチなどの処置を管理したりと、目的に合わせたインフラの構築をするのも機械学習エンジニアの仕事です。

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機械学習エンジニアに必要なスキル

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ここでは、機械学習エンジニアにはどのようなスキルが必要なのかまとめました。

プログラミングの知識

機械学習エンジニアはシステム構築サイクルを任されるため、プログラム開発や学習アルゴリズムの設計の知識が求められます。プログラム開発では、Python・C・C++が主な開発言語です。特に、PythonはAI・機械学習・データ解析には欠かせません。C・C++・Javaは人工知能関連の開発で活用されています。

未経験者の場合は、まずはこれらのプログラミング言語の知識から習得しましょう。

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統計理論や高度な数学

機械学習エンジニアが担うアルゴリズム設計には、プログラミング言語の理解の他に、高度な数学や統計理論を多用します。アルゴリズムの目的によって必要な数学的・論理的な知識が異なるため、一定の知識や経験が求められます。

例えば、顔認識や文字認識として画像を使用した機械学習を行いたい場合は、画像認識学の知識が必要です。

インフラ周りの知識

機械学習エンジニアには、システムインフラの技術も求められます。特に最適化には、ハードウェアの知識に基づいてシステムメモリーの利用や計算手法を最適化するため、OSとハードウェアの知識が求められます。

データベースやクラウドに関する知識

機械学習エンジニアは、収集したデータを格納するためにHadoopやSQL等のデータベースを理解している必要があります。過去の蓄積データを活用するためには、ビッグデータの理解も合わせて必要です。また、最近ではクラウドにデータを格納することも増えているため、クラウド連携も知識があると有利でしょう。

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機械学習エンジニアになるまでのロードマップ

これまで機械学習エンジニアに必要なスキルを紹介しましたが、ではこういった知識を習得するためにはどのような学習手順を踏めば良いのでしょうか。ここでは、機械学習エンジニアになるまでのロードマップを簡単に紹介します。

①Pythonを学ぶ

まずは機械学習やAI関連で活用するプログラミング言語を学びます。おすすめはPythonです。Python学習において必要な開発環境を整え、基礎文法やサンプルプログラムを作ってみましょう。

②数学や統計学を学ぶ

AIや機械学習において必要な数学の分野は、微分積分・線形代数・確率統計です。範囲としては大学で学ぶ程度で十分とされているため、高度な知識は求められません。統計学においては、まずは分布・推定・検定などの基本的な概念から学んでいきましょう。

③機械学習について学ぶ

機械学習は、教師あり学習・教師なし学習・強化学習の3つに手法があり、それぞれのアルゴリズムは異なります。ニューラルネットワークやk近傍法などさまざまな種類がありますので、参考書や学習サイトなどで学んでいきましょう。

④機械学習を実装したものを作成してみる

これまでに習得した知識やスキルを活かして、実際に機械学習を実装しているAIを作成してみましょう。実際に作ってみることでしか知り得ないことを学べます。

⑤ITエンジニアからスタートする

いきなり機械学習エンジニアを目指すのではなく、まずはプログラマーやシステムエンジニアなどからスタートし、システム開発について知見を広めましょう。

⑥機械学習エンジニアの案件に応募する、もしくは転職する

フリーランスとして機械学習エンジニア向けの案件に応募したり、転職によって機械学習エンジニアを目指したりする方法もあります。その際、転職エージェントを活用して研修制度が充実している企業に出会えるようにしましょう。

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機械学習エンジニアに必要な資格

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どのような職種でも実務経験に加えて資格を取得できれば、対外的に自分のスキルを証明することが可能です。ここでは、機械学習エンジニアが取得しておきたい資格について紹介します。

G検定

機械学習エンジニアの能力を証明するために、日本ディープラーニング協会の検定「G検定」がおすすめです。G検定はジェネラリスト向けの検定、E資格はエンジニア向けとなります。資格取得により、人工知能ならびに機械学習に関する知識の証明が可能です。

【参考】:一般社団法人 日本ディープラーニング協会のG検定、E資格

G検定とはどのような資格?難易度や勉強方法、活かせる仕事も紹介

統計検定2級

統計自体の能力を証明するために、統計質保証推進協会の「統計検定」を取得しましょう。この資格を取得することでデータに基づいた客観的な判断ができ、科学的に問題を解決する統計能力を証明できます。機械学習エンジニアのみならず、データサイエンティストにもおすすめの資格です。

【参考】:一般財団法人 統計質保証推進協会の統計検定

統計検定2級とは?合格するための勉強法や資格が活かせる仕事も紹介

データベーススペシャリスト試験

「データベーススペシャリスト試験」は、情報処理技術者試験の1つで、データベースの設計監理者や管理責任者が対象です。高度なIT人材として専門的な知識や技術を証明し、情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守の役割を果たすために役立ちます。

【参考】:データベーススペシャリスト試験(DB)

データベーススペシャリスト試験とは?活用できる仕事や効果的な勉強方法を解説

機械学習エンジニアはやめとけ?メリットはある?

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機械学習エンジニアはIT時代の昨今では需要が高いですが、「やめとけ」と言われることがある職種でもあります。ではなぜそのようなことを言われてしまうのでしょうか。ここでは、その理由やメリットについても解説します。

ハードルが高いが、重宝される人材になれる

前述したように、機械学習エンジニアに求められるスキルは、プログラミングスキルなどITエンジニアとしての基本的なスキルに加え、統計などの数学的知識も必要です。

そのため、習得しなければならない知識の幅が広く、ハードルが高く感じてしまう部分もあります。特に未経験から機械学習エンジニアを目指すとなると、難しく思えるところは多いでしょう。

しかし、機械学習エンジニアになる過程で得る知識やスキルは、今後のIT社会で活躍できる武器にもなり、IT人材として重宝されやすくなります。自身の市場価値を高めるためにも、チャレンジする意義は大いにあるでしょう。

また、未経験採用に力を入れて研修制度が整っている企業に入社できれば、働きながら機械学習エンジニアとして成長することができるため、転職エージェントを活用してそのような優良企業を見つけるのもおすすめです。

技術進歩に付いていくことで高い知識やスキルが保たれる

ITの技術は日進月歩で常に進化しており、機械学習エンジニアやAIエンジニアは常に最新の情報を把握しておくことが求められます。そのため、日々の多忙な業務と並行して学習も継続させる必要があり、それが「きつい」「やめとけ」と言われてしまう要因の1つにもなっています。

しかし、こういった学習の継続は自身のスキル向上に繋がるので、今後昇進やキャリアアップの際には有利に働くでしょう。

機械学習エンジニアの年収やキャリアパス

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機械学習エンジニアは、人工知能の領域の経験や統計の知識が求められます。ここでは、その先にあるキャリアの選択肢や結果として得られる年収について説明していきます。

機械学習エンジニアの年収

ここでは、機械学習エンジニアの年収例を紹介します。今回は「製品開発/研究開発」というカテゴリで見ていきます。

「マイナビエージェント 職種図鑑」での「製品開発/研究開発」の平均年収は477万円(※2023年8月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種の「IT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))」を参考にすると、平均年収758万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、製品開発/研究開発は平均年収よりもやや高いことが分かります。

機械学習エンジニアやAIエンジニアは、スキルや実績によって年収が変動しやすい職種です。年収をアップさせるには、資格取得などが有効です。前述した「G検定」や「統計検定」など、チャレンジできる資格から取得を目指していきましょう。

【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

機械学習エンジニアのキャリアパス

現実的に機械学習エンジニアとしてのキャリアを積むには、まずは地道に経験を積んでいく方法が1番でしょう。具体的には、ITエンジニアをスタート地点として経験を積んだ後、機械学習エンジニアとして必要な統計や分析のスキルを高めていきます。その後は、フリーランスとして活動することも可能でしょう。

同様に、プロジェクトマネージャとして全体プロセスを担当したり、コンサルタントやリサーチャーとして活躍の場を広げたりしていくことも期待できます。

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機械学習エンジニアの市場性は?

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コツコツとスキルを高めて機械学習エンジニアになった際には、どのような未来が見えるのでしょうか?ここではその将来性や適応業務の領域について見ていきましょう。

機械学習エンジニアの将来性

機械学習エンジニアの将来性については、現在の求人情報などから読み解くことができます。転職サイトのマイナビエージェントで「機械学習」と入力して検索してみると、かなりの件数がヒットしました。(2023年9月時点)他サイトでも数多くの求人が出されているため、機械学習エンジニアの需要の高さが伺い知れます。

【参考】:公開求人検索|求人・転職エージェントはマイナビエージェント

また、機械学習については現在多くの企業やサービスが導入・検討している背景もあるため、今後も伸びていく分野です。しかし、機械学習エンジニアが持つスキルが将来的にエンジニアにとって必須条件となることも考えられるため、「機械学習エンジニアという職種自体がなくなるのでは?」という見解もあります。

それでも、機械学習のスキル自体は身につけておいて損はないので、今後も継続的な勉強を行いましょう。未経験者の採用を行っている企業も複数あるため、新卒で入社したい場合は資格を取得しておくなどの対策が求められます。

機械学習エンジニアの将来性は?必要なスキル・資格や年収なども解説

機械学習エンジニアが担当する機械学習の適応領域

機械学習の適応領域は、大まかに3つの分類に大別されます。具体的にはコンピュータ認識の領域、コンピュータ分析・予測の領域、コンピュータ対処応答の領域、に大別され、それぞれ適応が拡大しています。

さらに詳しく見てみるとコンピュータ認識の領域では、画像認識(顔認証や監視等)、音声認識(音声入力や応対等)、文章解析・文章認識(不正検知や検索等)、異常検知(故障や異常行動等)等に適応が拡大しています。

同様に、コンピュータ分析・予測の領域では、数値の予測(売上や株価等)、イベント発生の予測(購買予測等)等に活用されています。

コンピュータ対処応答の領域では、行動の最適化(出店や在庫最適化等)、作業の最適化(自動運転や自動応答等)、表現の生成(翻訳や要約等)等に活用されています。今後も適用領域はさらに広がっていくでしょう。

需要の高い機械学習エンジニア、今後活躍の場がさらに広がる

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現在、スマートデバイスやセキュリティ機器並びにドローンに至るまで、IoTの広がりにより情報の格納と活用の要求が高まっています。そのため、今後ビッグデータによって蓄積されたデータを活用し、コンピュータによる認識や予測・分析のニーズがさらに高まるでしょう。

そのインフラを支える機械学習エンジニアは、必要な技術者としてさらにキャリアの選択肢が広がります。

機械学習エンジニアを目指すなら、まずは当記事で紹介した学習ロードマップを参考に、少しずつ知識やスキルを習得し、研修制度が整っている企業への転職がおすすめです。転職活動に迷った際は、転職エージェントを活用して優良企業とのマッチングを一任しましょう。

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