Pythonの学習ロードマップとは?
Pythonは数あるプログラミング言語の中でも、常に人気の位置にある言語です。ソフトウェアの品質評価や追跡を行っているオランダの「TIOBE Software」の「TIOBEインデックス」では、プログラミング言語の検索数ランキングでPythonが1位を獲得しています。日本のみならず、世界的に人気の高いプログラミング言語ということが分かります。
【参考】:TIOBE Index
そんなPythonを学習するためには、どういった手順で行うのが効率的なのでしょうか。この記事では、Pythonを学習するためのコツや学習方法などについて解説します。まずは、学習ロードマップから紹介します。
学習方法を決める
まずはPythonを知り、どういったことができるのかを学ぶところから始めます。次に、Pythonの文法・関数・メソッド・スクレイピング・プログラミングに必要な知識など、Webアプリ開発などに必要なスキルを習得します。
その際に、Pythonに限らずプログラミング学習において欠かせないのが、参考書と学習サイトの活用です。Python入門を謳う参考書や学習サイトでPythonの文法やスクレイピングなどについて知識を深め、それから実際にコードを書いて練習するというのが一般的な学習スタイルです。
開発環境を構築する
開発環境とは、開発に必要なソフトウェアなどをインストールし、自分のコンピュータでソースコードの実行や実行結果の確認などを行えるようにすることです。Pythonはもちろん、プログラミングを行う上で開発環境の構築は欠かせません。
Pythonの開発環境を構築するには、公式のインストーラを使ったりターミナル経由で行ったり、Pythonの実行環境であるAnacondaを使う方法などがあります。
また、Pythonの開発環境を整えるためには統合開発環境(IDE)もおすすめです。PC内にあるメモ帳でも代用できますが、IDEにはPython開発に必要な機能が多く備わっているため、IDEを活用した方が効率的に開発を行えます。IDEには様々な種類があるため、用途に合わせたものを選択しましょう。
基本構文を学習する
Pythonの開発環境が整ったら、基本構文を学んでいきましょう。Pythonの基本構文を学習するには、参考書や学習サイトなどを活用して知識を深めていく方法がおすすめです。具体的には以下のようなことを学習しましょう。
・リテラルと変数 ・演算子とインデント ・複合文 ・関数とクラス、ライブラリ
また、Pythonにおける正しい情報を得るには、公式サイトでも確認できます。公式ドキュメントは日本語にも対応しており、これまでのバージョンについても検索が可能です。「初心者向けガイド」も記載されているため、初心者の方には特におすすめです。
【参考】:Our Documentation | Python.org 【参考】:BeginnersGuide - Python Wiki 【参考】:3.12.2 Documentation
アプリやシステムを開発してみる
ある程度学習が進んだら、実際にPythonを活用してWebアプリやシステム開発を行なってみましょう。
Python初心者が作れるものとしておすすめなのは、Webサイト上にある情報を集めるクローリングプログラムや、その中から特定の条件を指定して絞り込みを行うスクレイピングプログラムなどです。
さらにレベルを上げると、Excelの自動化プログラムや画像認識プログラムなども作れるようになります。
このようなプログラムは転職の際にポートフォリオとしても提示できるため、客観的にスキルのアピールが可能です。様々な作品を作ってみましょう。
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そもそもPythonとは
Pythonとはプログラミング言語の1つであり、AI開発やWebアプリ開発に多く使われています。また、データ解析・ゲーム開発・ブロックチェーン開発などでも活躍しており、特にAI開発は最近注目されている分野であるため、それに比例してPythonの人気も高まっています。
Pythonの特徴
Pythonの特徴の1つに、プログラムの記述がシンプルなことが挙げられます。コードを記述しやすく、かつ判読しやすいのでメンテナンス性にも優れています。また、Pythonはインタプリタであるためデバッグも簡単です。コード開発が順次行われており、ライブラリ共有が進んでいます。
さらに、分析アルゴリズムが共通化しやすいAIでは、機械学習やディープラーニング(深層学習)のライブラリが数多く提供されているため、AI分野での開発言語はPythonが標準的に用いられています。
Pythonのメリット
Pythonのメリットは、前述したようにシンプルな記述であるため、比較的初心者でも理解がしやすい言語であることです。昨今、小学生を対象としたプログラミング教室などではPythonを活用したプログラムなどが数多く実施されており、年齢を問わず導入しやすい言語であることが分かります。
また、可読性が高いため他の人が書いたソースコードを読みやすく、ライブラリも充実しています。加えて、Pythonはオブジェクト指向のプログラミング言語であるため、高機能なプログラムが簡単に記述できるメリットもあります。
Pythonエンジニアの年収
Pythonエンジニアには、Pythonを活用する「システムエンジニア」「AIエンジニア」「Webアプリケーションエンジニア」「データサイエンティスト」など、様々な職種があります。ここでは、システムエンジニアの年収例を参考に紹介します。
システムエンジニアの「マイナビエージェント職業別年収ランキング」での平均年収は455万円(2024年3月時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(顧客向けシステムの開発・実装)を参考にすると、平均年収593万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、システムエンジニアは一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。
システムエンジニアは年齢やスキルによって、年収の差が大きい職種です。システムエンジニアとしてキャリアを積んだら、高収入が期待できるデータサイエンティストなどにキャリアアップするのもおすすめです。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング ※【平均年収 調査対象者】2019年12月~2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
Pythonでできること
続いて、Pythonでできることについて具体的に解説します。Pythonは様々な用途で活用できます。以下では、特にPythonのスキルが必要な求人数が多いものをまとめました。これらの開発に携わりたい場合は、ぜひPythonを学びましょう。
Webアプリケーション開発
Pythonでできることの代表例が、Webアプリケーション開発です。Pythonで開発されたWebアプリは数多くあり、代表的なものにYoutube・Instagram・Dropboxなどがあります。Pythonには優秀なフレームワークが多いため、目的に応じてフレームワークを選択することで、開発コストを抑えられます。
また、Webアプリ開発は案件数も多く、Python経験が浅い人でも参入しやすいでしょう。
機械学習
Pythonと言えば機械学習と考える方も多いでしょう。機械学習は現在需要の高い技術分野の1つです。Pythonには機械学習ライブラリが数多くあるため、効率的に機械学習アプリを開発することが可能です。人気のライブラリには、NumPy・pandas・XGBoostなどがあります。
【参考】:NumPy 【参考】:pandas 【参考】:XGBoost
将来、機械学習エンジニアは人手不足に陥ると言われているため、機械学習スキルを身につければ、市場価値を上げることができます。
【参考】:経産省「DXレポートサマリー」
データ解析
Pythonはデータ解析にも多く用いられます。具体的には、大規模なデータの中から企業にとって有益な情報を導き出す、といったことが可能です。Pythonには数学ライブラリやグラフを作成するためのライブラリも多くあるため、データ解析にも向いています。
データ解析のスキルを身につければ、データアナリストなどの職種に就く道が開かれます。データアナリストは平均年収が高い職種のため、Pythonを習得してデータアナリストを目指すのも良いでしょう。
スクレイピング
Pythonは、スクレイピングに使われることも多いです。スクレイピングとは、Webサイトから情報を抜き出して、エクセルなどにまとめることです。こういった作業は手動でやると時間がかかるため、プログラミングを使って行います。
スクレイピング案件は、スキルレベルがそこまで高くなくても、獲得できる場合も多いです。Pythonを習得したら、まずはスクレイピング案件の獲得を目指すのがおすすめです。
Pythonを学習するためのコツ
ここでは、Pythonを学習するためのコツをいくつか紹介します。当記事を参考に、効率的な学習を目指しましょう。
学習の目的を決める
Pythonを学習する前に、まずは学習の目的を決めましょう。Pythonで何を作りたいのか目的を決めないまま勉強すると、モチベーションが続かなくなってしまいます。
Pythonを活用する分野として、Webアプリ開発・AI開発・データ解析などがあるため、興味のある分野から選びましょう。AI開発に関しては初心者には難しいため、Webアプリ開発などからスタートするのがおすすめです。
学習スケジュールを立てる
Pythonを含むプログラミングの学習には、学習スケジュールを立てることも肝心です。1週間後、1ヶ月ごとなどのノルマを決めて進捗管理をしましょう。初心者の場合、プログラミングの勉強は半年以上かかることが多いため、スケジュールなしで勉強すると、どこまで学習が進んだのかわからなくなり、モチベーション低下に繋がるかも知れません。
1つずつ、少しずつ課題をクリアしていくことで、スキルが身についていることを実感しやすく、モチベーションを維持しやすいでしょう。
実際に手を動かして学習する
プログラミング学習は座学での知識の習得はもちろん、実際に手を動かしながら行うのがポイントです。参考書を読むのもおすすめですが、それだけではなかなか理解は深まらないでしょう。参考書にあるサンプルコードを実際に書き、自分の環境で実行してみることで記憶に定着しやすくなります。
企業によっては研修制度が充実している場合もあるため、そういった研修制度を利用してPythonスキルを獲得するのも良いでしょう。優良企業を探すには転職エージェントを活用するのがおすすめです。
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Pythonが学習できるサイト
ここでは、Pythonが学習できるサイトをまとめました。これらのサイトを活用することで、効率的にPythonの文法・ライブラリ・フレームワークなどに関する知識の習得が可能です。有料のものもありますが、そこまで高額ではないため、書籍を購入するよりもコスパが良い場合もあります。
1つ1つ、おすすめの学習サイトを見ていきましょう。
Progate
Progateは、スライド形式で学習できるサイトです。教材にはイラストが多く使われていることで読みやすく、内容も分かりやすいものが多いため、初心者には最適でしょう。また、多くの初学者がProgateを活用しており、中には教材を5周以上見直す人もいます。
Progateは各単元ごとに練習問題が出されており、理解が十分ではないまま学習を進めてしまうことを防ぎます。練習問題はブラウザにソースコードを記述する形式のため、開発環境を整えなくても良いのもメリットです。
【参考】:Progate
ドットインストール
ドットインストールは、動画を通じてPythonが学習できるサイトです。動画内で講師が分かりやすく教えてくれるため、参考書を読むのが苦手な方にもおすすめです。動画のスピードは自由に変更できるため、難しい箇所はスピードを遅くし、ついていきやすくすることもできます。
ドットインストールも練習問題が用意されているため、これらの問題は忘れずに解くようにしましょう。また、Pythonだけでなく、Gitの使い方やMySQLなど、かなり幅広い動画が用意されています。これらの動画も合わせて観ることで、Pythonエンジニアに必須なスキルを身につけることができるでしょう。
【参考】:ドットインストール
Python-izm
Python-izmは、無料でPythonの学習ができるサイトです。入門編・基礎編・応用編に教材が分かれており、自分のレベルに合わせて選択できます。ある程度Pythonを知っている方なら、基礎編からチャレンジしても良いでしょう。
Pythonに特化した学習サイトということもあり、かなり細かくPythonの文法などについて解説されています。他のサイトでは解説を省いている箇所も、Python-izmではしっかりと解説がされていることも多いです。
【参考】:Python-izm
Pythonを通じて機械学習を学習できるサイト
PythonはWebアプリ開発の他に、機械学習にも多く使われています。機械学習は今注目されている技術分野であるため、学びたいと思う方も多いでしょう。
しかし、機械学習を学ぶ場合、何から始めればいいのか分からない方が多いはずです。ここでは、Pythonを通じて機械学習を学べるサイトを紹介します。
Udemy
Udemyとは、プログラミングやビジネススキルなどを習得できるオンライン学習プラットフォームです。社会人を対象とした講座が210,000以上もあり、料金を支払うことで各講座を受講できます。Udemyには機械学習の講座も多くあり、講師が機械学習の基礎について丁寧に教えてくれるため、未経験者に最適でしょう。
Udemyはセールを頻繁に行っており、受講料金が半額以下になることも多いため、セール時を狙って講座を受けるのがおすすめです。
【参考】:Udemy
Pythonを学ぶ上で気をつけたいこと
最後に、Pythonを学ぶ上で気をつけたいことを解説します。プログラミングは正しい方法で学習することで、案件獲得に繋がりやすくなります。ここでは、1つ1つ学習する上で気をつけたいことを紹介します。
Python2ではなくPython3を学ぶ
Pythonを学ぶ場合、Python2ではなくPython3を選びましょう。現在開発現場で使われているのはPython3であり、Python2はほとんど使われていません。また、Pythonは3と2では文法がかなり異なるため、Python2を学んでしまった場合、Python3を学ぶ際に苦労する恐れもあります。
特に、書籍で勉強する際は古い本だとPython2について書かれている場合があるため、気をつけましょう。
【参考】:Python リリース Python 3.11.1 | Python.org
HTMLやCSSも合わせて学習する
Pythonを学ぶ場合、HTMLやCSSも一緒に勉強しましょう。Pythonで最も多い案件はWebアプリ開発であり、Webアプリ開発ではHTMLやCSSを必ず使うからです。HTMLやCSSはそこまで難しくなく、初心者の方でも比較的習得しやすい言語です。これらも前述した学習サイトで習得できます。
また、余裕があればJavaScriptも学習しましょう。JavaScriptまで習得すれば、Webアプリ開発におけるサーバーサイドからフロントエンドまで全て行えるようになります。
効率的な学習を意識する
Pythonを学ぶ際は効率的な学習を意識しましょう。プログラミング経験者が第2言語を習得する場合、基礎からじっくり勉強しすぎるのは効率がよくありません。
ある程度Pythonの文法が理解できたら、実際にアプリを作ってみてください。アプリ制作を通じて、Pythonの実践的なスキルを身につけられます。また、作成したアプリはポートフォリオとして転職時に企業に提出できるため、一石二鳥です。
Pythonの効率的な学習方法を知り、知識を身につけよう
本記事では、Pythonの学習ロードマップや学習のコツ、おすすめのサイトなどを紹介しました。Pythonは人気言語の1つであるため、Pythonを勉強できる参考書やサイトを活用して、学習を始めてみてください。
また、Pythonはシステムエンジニアやデータサイエンティストなど、様々な職種で活躍するプログラミング言語なので、プログラマーからスタートしてキャリアアップを目指しましょう。その際、研修制度が充実している企業を選ぶことで、スキル習得が早くなります。そういった企業を1つずつ探すのは骨が折れる作業です。
そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
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