サーバーエンジニアが資格を取得するメリット
サーバーエンジニアはサーバの設計・構築・運用・保守を担当します。システムの基盤となるサーバは重要であり、サーバーエンジニアには、OS・ネットワーク・セキュリティなどさまざまなスキルが求められます。
スキルに応じた資格もあり、サーバーエンジニアとしてスキルアップするには資格取得がおすすめです。資格を取得することのメリットとしては、第三者に自分のスキルをアピールできる・資格の勉強によって自身のスキルアップにつながるなどがあります。
また、企業によっては資格を取得することで手当が出たり、報奨金が出る場合があります。サーバーエンジニアとしてさらに活躍するのに、資格取得は有効であると言えます。
サーバーエンジニアに必要なスキル・年収
サーバーエンジニアはインフラエンジニアの一種ですが、どのようなスキルが求められるのでしょうか。また、サーバーエンジニアの年収はどのくらいなのでしょうか。それぞれ解説します。
サーバーエンジニアに必要なスキル
昨今では、システムに対する外部からの侵入や攻撃が問題になっていることにより、サーバーエンジニアにはセキュリティに関するスキルも求められています。重要なデータを守るため、サーバの構築時にセキュリティの強化を検討する必要があります。
セキュリティを強化するにはソフトウェアを導入するか、OS内部のセキュリティを活かすかを考えます。外部メーカーのセキュリティに関するソフトウェアを導入する際は、コスト面も考慮します。
コストの検討は重要です。ライセンス料やサポート関連の体勢を整える必要があり、コストが予想以上に多くかかることがあるためです。また、ソフトウェアがサーバ上で正しく稼働することを事前に必ずチェックします。さらに、OSやセキュリティソフトウェアをアップデートできるネットワークの構築も行います。
なお、OS内部のセキュリティを活用する場合は、外部攻撃を受けないことをチェックしながら検証します。検証では、サーバがソフトウェアなどと連携が常にとれること・負荷がかかっていないことなどをチェックします。
いずれの方法でもセキュリティ面でアップデートしながら正しく稼働することをチェックし、リリース後は障害が発生しないように稼働させる必要があります。
【参考】:サーバーエンジニアの求人・転職・中途採用|求人・転職エージェントはマイナビエージェント
サーバーエンジニアの年収
サーバーエンジニアの年収は「マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑」での平均年収は429万円(※2023年2月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(顧客向けシステムの開発・実装)を参考にすると、平均年収593万円と分かりました。
国税庁2020年発表の民間給与実態統計調査における民間企業平均年収は433万円なので、サーバーエンジニアの年収は、マイナビエージェントでの調査では一般平均年収よりもやや低めであることが分かります。
経済産業省の調査ではサーバーエンジニア以外のエンジニアも含まれていますが、年収は一般平均年収よりもやや高めになっています。IT業界は人材不足のためエンジニアの需要は高く、スキルや経験があれば平均よりも高い年収を期待することができます。
サーバーエンジニアもスキルアップをする、サーバー以外の周辺知識やマネジメントスキルを身に付けるなどの方法によってキャリアアップ・年収アップを目指すことができます。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁 【参考】:サーバーエンジニアの求人・転職・中途採用|求人・転職エージェントはマイナビエージェント
サーバーエンジニアにおすすめの資格5選
サーバーエンジニアのスキルを証明する資格には、さまざまなものがあります。資格を取得すれば、第三者に専門知識を持っていることを証明できます。また、資格を取得するために勉強したことは、自身のスキルアップにつながります。
資格には国家資格からベンダーが提供している資格まで数多くあります。ここではサーバーエンジニアにおすすめの資格を5つ紹介します。
情報処理技術者試験
情報処理技術者試験は国家資格として認められており、IT系の資格として知名度が高いです。エンジニアだけでなく、情報処理を主に学んでいる学生が受験することもあります。資格の種類もさまざまで、ITの基礎知識を証明するものから高い専門知識を証明するものまであります。
資格によって試験が年に2回実施されるものや1回のみのものがあり、難易度や合格点もそれぞれ異なります。詳細は公式ホームページを確認してください。
【参考】:情報処理技術者試験
MCP
Microsoftが提供する、Windows関連のシステムに関する資格がMCPです。バージョンや導入するソフトウェアで資格が分かれており、基本的な知識から専門的な内容まで問われます。資格を取得すると、サーバーエンジニアとしてWindows関連のスキルを持っていると評価されます。
LPIC/LinuC
サーバー用のOSとして広く世界中で使われているLinuxに関する資格も、サーバーエンジニアにおすすめの資格です。20年以上前からある資格のLPICや、Linuxに加えてクラウドなどもカバーしたLinuCがあります。
LPICはレベルが3段階に分かれ、LinuCは4段階に分かれています。いずれの資格も上位レベルを取得すればより専門的な知識を持っていることを証明できます。
【参考】:Linux技術者認定試験(LPIC) 【参考】:Linux技術者認定資格(LinuC)
CCNA・CCNP
サーバーエンジニアとしてネットワークの知識も重要です。ネットワークの資格の中でも、ネットワーク機器会社のCisco(シスコ)が提供するCCNAやCCNPは世界的に有名です。
大半のサーバはネットワーク経由で外部・内部のシステムと連結しています。ルーターやスイッチなどの機器を活用しますが、スタンダードとなっているのがCisco社製の製品となっています。
ネットワーク機器の設定などの知識を資格として提供しており、取得するとネットワーク構成に関する知識を証明できます。
【参考】:CCNA(Cisco Certified Network Associate) 【参考】:CCNP(Cisco Certified Network Professional)
ITIL
サーバーエンジニアはサーバの構築だけでなく、運用もします。システム監視等でベストエフォートを決めて、ビジネスなどでもダメージを受けず安定した状態をキープすることが重要です。
このような考え方を把握するとともに、必要な知識を持っていることを証明するのがITILです。資格を持っていると運用関連の基本的な考え方が身に付いていると証明でき、契約などを検討する際にもベストエフォートを明確に決めることができます。障害発生の考え方や管理方法も身につくので、より安定したサーバ稼働を実現させることができます。
【参考】:ITIL
資格取得のための勉強方法4つ
サーバーエンジニアにおすすめの資格はいくつかありますが、自分に合った方法で勉強することが大切です。ここでは、資格取得のための勉強方法を4つ紹介します。これから資格の勉強をしようと考えている方は、参考にしてください。
参考書で学習する
様々な参考書が本屋だけでなく電子書籍でも販売されるようになり、より手軽に手に取ることができるようになりました。種類も多く、資格によっては何十種類もの参考書を見かけることもあります。
初めて受験する時は、資格試験の申し込み方法なども記載されている参考書が便利です。試し読みができるものもあるので、自分に合うものを見つけましょう。
Webサイトで学習する
資格によってはインターネットを活用して勉強できるようになっており、コストも抑えながら勉強を行うことができます。
無料で問題集を提供しているサイトも多く、勉強した成果をチェックすることも可能です。移動中にスマートフォンなどで勉強することもできるので、場所を問わずに学習することができるでしょう。
仮想マシンを作って学習する
どうしても参考書や問題集などで勉強を進めるのが難しいという場合は、実際にサーバを作りながら学ぶ方法もあります。その際は、仮想マシンを利用すると便利です。勉強する際に必要なソフトウェアなどを手軽に導入できるため、実際に作りながら勉強したいという人に向いています。
仕事内容から学習する
勉強する時間を確保するのが難しい場合は、参考書などからキーワードを抽出して仕事で同じような内容が出たら都度チェックしましょう。どのようなメカニズムになっているか注目し、意識して取り組むことで知識をつけることができます。
研修がしっかりしている企業に転職する
勉強法ではありませんが、研修がしっかりしている企業に転職することで、試験合格につながる知識をつけることができます。研修によってサーバに関する知識を深めることができ、わからないこともすぐに相談できるのがメリットです。
研修とは別に自分で勉強することも大切ですが、研修である程度の基礎知識をつけることができるため、勉強もスムーズに進むでしょう。転職前に企業の情報をチェックし、研修制度があるかどうかを調べておきましょう。
【参考】:サーバーエンジニアの求人・転職・中途採用|求人・転職エージェントはマイナビエージェント
資格取得は転職やキャリアアップに有利
資格取得は将来のキャリア形成にも良い影響を与えます。資格を取得することによって得られるスキルアップや第三者へのスキル証明といったメリットは、自分が望むキャリアを歩む上で役立ちます。
資格取得でキャリアアップに必要なスキルを得られる
サーバーエンジニアはその仕事内容から「やめとけ」「きつい」などと言われることがあります。理由や人によってさまざまですが、突発的な障害対応や単調で報酬も低い監視・保守の仕事がつらいと感じる人が多いようです。
これらを解決する方法の1つがスキルアップです。豊富な知識やスキルがあれば突然の障害対応にも落ち着いて対処できますし、スキルアップをすることで上流工程を担当できるようになり、年収アップも期待できます。
転職によるキャリアアップ・年収アップを目指す場合にも、資格は自身のスキルを証明する材料として有効です。記事の冒頭でも資格の取得はスキルアップにつながると述べたように、資格への挑戦は自身の将来性を高め、それを足がかりとして働き方や環境を変えることができるのです。
サーバーエンジニアのキャリアパス
では、サーバーエンジニアのキャリアパスにはどのようなものがあるのでしょうか。大きく分けて2つの道がありますので、それぞれ紹介していきます。
1つは、専門分野を極めたスペシャリストを目指す道です。スペシャリストとは、特定の分野において高度で専門的な知識と技能を持ち、プロジェクトを技術的な面から支える人のことを指します。エンジニアとして技術を追求したい人におすすめです。
もう1つはマネジメント職へとキャリアアップする道です。現場での経験を積んだ上でマネジメントスキルを磨けば、プロジェクトを管理するポジションに就くことができます。リーダー的な立場でチームを引っ張っていく役割が求められます。
サーバーエンジニアが資格を取得してさらに活躍するには
システムの基盤となるサーバを設計・運用・管理するサーバーエンジニアのニーズは各企業で高いです。新規プロジェクトを立ち上げる時だけでなく、リリース後も障害対応などで必要とされます。
なお、サーバーエンジニアはシステムの基盤を作り上げるという重要な工程を担っており、専門的な知識や高い技術力が求められます。そのため、自分自身のスキルアップや第三者へスキルをアピールするために資格を取得することもおすすめです。
資格を取得することでサーバーエンジニアとしてのスキルを高め、より自分に合った企業への転職や、キャリアアップして違う職種に就くことも可能です。
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