Azure仮想マシンとは?サービス概要から作成方法まで解説!
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Azure仮想マシンとは?サービス概要から作成方法まで解説!
アンドエンジニア編集部
2021.12.15
この記事でわかること
Azureはマイクロソフト社が提供しており、仮想マシンはコンピューティングサービスを指します
仮想マシンサービスは必要な用途とレベルに応じてシリーズが設定されています
WindowsとLinuxのOSに対応しており、Windows10仮想デスクトップサービスも提供されます

Azureとは

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Azureとは、マイクロソフト社によって提供されているクラウドコンピューティングサービスを指します。コンピューティング・ストレージ・ネットワークをはじめとするコンピューターリソースの他、データベースやAI・機械学習・IoT等業務用途に応じたサービスを提供しています。 参考:Microsoft Azure

クラウドエンジニアを目指す方必見!Azureを分かりやすく紹介!

Azureの活用メリット

クラウドサービスはこれまでのシステム所有型と異なり、利用型と言われており利用料に応じて月額課金されます。そのため初期費用を含めた総所有コスト(TCO)が削減されると言われており、利用が拡大しています。

Azureは代表的なクラウドサービスで、AWSに次いで利用されています。特にWindows環境のクラウド運用ではマイクロソフト製品連携の強みがあり、サービス利用が増加しています。

Azure仮想マシンとは?

Azure仮想マシンは、Azureの主要コンピューティングサービスです。用途に応じて、最大416の vCPUと12TBメモリまで仮想マシンのリソースを割り当て可能です。 参考:Azure 仮想マシン

用途に合わせて選択しやすいように、仮想マシンセレクタ―という条件設定で、希望する仮想マシンがワークロード種別・OSとソフトウェア・デプロイリージョンの条件から選択することも可能です。 参考:Azure 仮想マシン セレクター

Azure仮想マシンの料金

Azureの料金は利用料課金となります。料金計算ツールとTCO計算ツールが提供されますので、最適なプランを選定することができます。 参考:Azure の価格

Azure仮想マシンの料金はOS/ソフトウェア・カテゴリ・VMシリーズ・リージョンから決定されます。 参考:Windows Virtual Machines の料金

Azure仮想マシンの無料枠

Azureは無料アカウントを作成することで、Azure仮想マシンにおいても無料枠が利用できます。具体的には2021年11月現在、以下のような特典が利用できます。

・30日以内に利用できる200USドルのクレジット取得 ・以下のサービスを含む28サービスが12か月間無料  Azure Database for PostgreSQL  Azure Database for MySQL  Azure Key Vault  Azure Media Services、Encoding 機能 ・29のサービスが常に無料 参考:Azure の無料アカウント

Azure仮想マシンの場合はWindows・Linuxともに、12か月の間B1sバースト可能仮想マシンが毎月750時間分無料提供されます。

Azure仮想マシンの利用方法

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AzureはMicrosoft社が運営・提供するクラウドサービスです。Azureは140の国と地域でサービス提供されており、47のリージョンで管理されています。ここではサービス内容と実際の仮想マシンの設定について説明していきます。

仮想マシンのシリーズ種類は?

Azureは用途やレベルに応じてあらかじめ仮想マシンの構成をシリーズとして定義しています。シリーズの種類と想定用途は以下の通りです。

Aシリーズ エントリ レベルのVMで、低コストシリーズです。開発・テスト用のサーバーや低トラフィックWeb サーバー、中規模までのデータベース等を想定しています。Av2 Standardは Aシリーズの最新世代となります。

Bsシリーズ 経済的なバースト対応VMで、需要が急増した際に必要なCPU負荷に対応します。開発・テスト用のサーバーや低トラフィックWeb サーバー、小規模データベース・マイクロサービス等を想定しています。

Dシリーズ インテルXeonやAMD EPYCを選択することが可能で、企業向けアプリケーション・eコマース システムからWeb フロント エンド・デスクトップ仮想化等汎用ワークロードに対応します。中規模までのデータベース・アプリケーションサーバーをカバーします。

Das v5はローカル一時ストレージなし、Dads v5はローカル一時ストレージありのDシリーズ最新世代となります。ハイパースレッド機能が利用できる他、ストレージもAzure Premium SSD・Ultra Diskストレージをサポートしています。

Eシリーズ SAP HANAに代表される大量メモリ使用の企業向けアプリケーション、大規模データベース・ビジネスインテリジェンスや、インメモリビジネスワークロードやビジネス クリティカルアプリケーションに対応します。ハイパースレッディングも活用し、ビジネストランザクションに対応します。

Eas v5はローカル一時ストレージなし、Eads v5はローカル一時ストレージありのDシリーズ最新世代となります。

FSeries ハイパースレッディングに対応し、バッチ処理や分析処理、Webサーバー・ゲーム等のCPU能力重視の仮想マシンです。Fsv2・F・Fs・FXの各シリーズがあります。

Gシリーズ より多くのメモリとSSDストレージを搭載し、大規模SQLデータベース・NoSQLデータベース、企業向けERP・SAP・DWHワークロードに対応します。

Hシリーズ ハイパフォーマンスコンピューティング向けの仮想マシンです。インテルXeonやAMD EPYCの俳句ロックモデルをサポートしています。数値解析やシミュレーション・金融計算やリスク分析・電気電子設計やレンダリング等の計算ワークロードを想定しています。

Lsシリーズ 高速ローカル NVMeストレージ・高速大容量SSDストレージをサポートしており、大規模SQLデータベース・NoSQLデータベース等の大規模トランザクション・DWHワークロードを想定しています。

Mシリーズ SAP HANA・SAP S/4 HANAに代表される大量メモリ使用の企業向けアプリケーション、超並列インメモリビジネスワークロードやビジネス クリティカルアプリケーションに対応し、vCPU数も最大128までサポートします。

Mv2シリーズ M シリーズを強化したシリーズで、SAP HANA・SAP S/4 HANAに代表される大量メモリ使用の企業向けアプリケーション、超並列インメモリビジネスワークロードやビジネス クリティカルアプリケーション大規模ワークロードに対応し、最大12TBメモリ・416vCPUまでサポートします。

Nシリーズ GPU機能があり、AI深層学習におけるコンピューティング処理や視覚化等グラフィック処理の負荷が高いワークロード向けシリーズです。GPUによるシミュレーションやビデオ編集等にも利用できます。

Nシリーズはさらに3つのオプションが用意されており、ハイパフォーマンスコンピューティング用「NCシリーズ」・ディープ ラーニング用「NDsシリーズ」・グラフィックアプリケーション用「NVシリーズ」が選択可能です。ハイスピードインターコネクトのInfiniBandがオプション設定されています。

AzureのLinux OSサポート

Azureでは、一般的に用いる数多くのLinuxディストリビューションがサポートされています。さらにお好みのイメージを使用したり、Azure Marketplaceに登録されているイメージを利用したりすることもできます。 参考:Azure の Linux 仮想マシン

正式サポートされているLinux OS ディストリビューションとバージョンは以下の通りです(2021年11月現在)。 ・Rogue Wave Software CentOS  CentOS 6.x、7.x、8.x ・credativ Debian  8.x、9.x、10.x ・Kinvolk Flatcar Container Linux  Pro、安定版、ベータ版 ・Oracle Oracle Linux  6.x、7.x、8.x ・Red Hat Red Hat Enterprise Linux  6.x、7.x、8.x ・SUSE SUSE Linux Enterprise  SLES/SLES for SAP 11.x、12.x、15.x  SUSE Public Cloud Image Lifecycle ・SUSE openSUSE  openSUSE Leap 15.x ・Canonical Ubuntu  Ubuntu Server・Pro 16.x、18.x、20.x

AzureのWindows OSサポート

Windows OSサポートに際し、AzureではWindowsのバージョンごとに、あらかじめ必要なパッチを適応しサービス利便性を高めています。 参考:Windows Virtual Machines

具体的なサポートWindows Serverは以下の通りです(2021年11月現在)。 ・Windows Server 2019  WA-GUEST-OS-6.36_202110-01  WA-GUEST-OS-6.35_202109-01 ・Windows Server 2016  WA-GUEST-OS-5.60_202110-01  WA-GUEST-OS-5.59_202109-01 ・Windows Server 2012 R2  WA-GUEST-OS-4.95_202110-01  WA-GUEST-OS-4.94_202109-01 ・Windows Server 2012  WA-GUEST-OS-3.102_202110-01  WA-GUEST-OS-3.101_202109-01 ・Windows Server 2008 R2 SP1  WA-GUEST-OS-2.115_202110-01  WA-GUEST-OS-2.114_202109-01 参考:Azure ゲスト OS リリースと SDK の互換性対応表

Linux仮想マシンの作成方法

Linux仮想マシンを作成するには、Azure Portalを利用します。Azure Portalの「virtual machines」検索から「サービス」「仮想マシン」を選択します。「仮想マシン」「追加」で仮想マシンの作成ページを開き、「基本」「Project details」を確認し「新規作成」を選択します。

表示された「インスタンス詳細」から「仮想マシン」と「リージョン」を選択し、「イメージ」で希望するディストリビューションイメージを選択します。

その後「管理者アカウント」情報を設定し、「受信ポートの規則」を設定「Review + create」ボタンで設定内容を確認し「作成」をクリックします。「受信ポートの規則」では「選択したポートを許可する」をチェックし、受信ポートの選択ドロップダウンから [SSH (22)] と [HTTP (80)] を選択します。

キーペアを生成したら仮想マシンへの接続が可能になります。仮想マシンへの接続はSSHを用い、必要なサービスやアプリケーションのインストールを行っていきます。 参考:クイック スタート:Azure portal で Linux 仮想マシンを作成する

Windows仮想マシンの作成方法

Windows仮想マシンの作成方法は、Linux仮想マシン作成と同じ手順で進めていきます。Azure Portalで「仮想マシン」「追加」の際は「イメージ」で希望するWindows Serverのイメージを指定します。「受信ポートの規則」では「選択したポートを許可する」をチェックし、受信ポートの選択ドロップダウンから[RDP (3389)] と [HTTP (80)]を選択します。

Windowsの場合は仮想マシンへの接続はRDPを用います。仮想マシンの概要ページで 「接続」「RDP]」をクリックします。表示された「RDP で接続する」ページでは「RDP ファイルのダウンロード」をクリックし、RDPファイルをダウンロードします。ダウンロード完了したら、ファイルを開き「接続」をクリックします。

アカウント情報を入力したら接続が完了します。その他の管理作業はPowerShellやAzure Cloud Shellを用いると便利です。 参考:クイック スタート:Azure Portal で Windows 仮想マシンを作成する

AzureでWindows10を利用するには?

AzureはAzure Virtual Desktopという仮想デスクトップをサポートしています。仮想マシンを使ってWindows10やWindows11のデスクトップとアプリケーションを操作・実行することができます。 参考:Azure Virtual Desktop

作成するにはAzure Portalを利用します。Azure Portalの「Azure Virtual Desktop」検索から「ホスト プールの作成」「基本」「新規作成」を選択しリソースグループを作成します。既存リソースグループを指定することもできます。ここで仮想マシン作成時に「ギャラリー」から必要なWindows10イメージを選択します。

Azureのサービスを理解し、総所有コスト削減をすすめましょう

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Azure仮想マシンはマイクロソフト社のクラウドコンピューティングサービスです。マイクロソフト社の製品連携に強みがありますので、ソフトウェア資産を有効活用しコスト削減が可能となります。Azure仮想マシンを用いて利用型課金モデルへ移行することで、総所有コスト削減が可能となりおすすめです。

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