
情報処理技術者試験を受験するメリット

情報処理技術者試験とは独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催しており、試験は難易度がレベル1からレベル4までの4種類あります。情報処理技術者試験の中の基本情報技術者試験や応用情報技術者試験は、国家資格の1つです。情報処理技術者試験はあくまでカテゴライズの名称のため、「情報処理技術者試験」という名称の国家資格ではない点に注意しましょう。 ここでは、情報処理技術者試験を受験するメリットについて詳しく紹介します。
ITスキルを客観的に証明できる
情報処理技術者試験は、IPAの公式サイトの情報によるとITエンジニアの不足を背景に始まりました。また、これまでの試験の応募者数は2,000万人以上、合格者数は290万人以上と大規模な国家試験の1つと言えます。 ( 参考:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_08gaiyou/merit.html )
そのため情報処理技術者試験の認知度は高く、ITスキルを客観的に証明するための指標として数多くの企業や教育機関などで活用されています。就職先・転職先や昇進・昇格の条件に情報処理技術者試験の資格が基準として使用されることも多いです。
また自分のスキルのレベルの確認をするために、情報処理技術者試験を活用することも可能です。情報処理技術者試験では、対象者別・レベル別・専門別に試験が構築されています。例えば、IT業界に一歩踏み出したいと考えている方には、最もレベルの低いITパスポート試験を受験するのがおすすめです。試験に合格できたら、上位資格の取得を目指すことで、スキルアップができます。
IT業界で働くための土台となる知識を習得できる
IT技術のトレンドは移り変わりが激しいため、今習得したスキルが数年後には新しい技術が登場し、役に立たなくなる可能性もあります。しかし情報処理技術者試験では、特定の技術に依存しないような問題を出題しているため、ITに関する本質的な知識を体系的に身に付けることができます。
ITの本質的な知識を土台として身に付けていれば、新しい技術が登場しても習得するためのハードルは低くなるでしょう。また幅広いスキルを身に付けることで、業務内容が変わったり、職種が変更したりしても柔軟な対応ができるようになります。
さらに、情報処理技術者試験では、ITに関する技術や環境の変化を試験に反映させているため、トレンドの知識も身に付けることが可能です。そして質の高い試験問題を提供するために、実務現場で活躍している専門家や、大学・研究所に所属している専門家により成り立つ試験委員会が試験問題を作成しています。情報処理技術者試験の問題は教育的かつ実績的であり、質は高い傾向にあると言えます。 ( 参考:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_08gaiyou/merit.html )
企業によっては資格を取得すれば資格手当や報奨金がもらえる
情報処理技術者試験の資格を取得すれば、企業によっては資格手当や一時金として報奨金がもらえることも多いです。IT系企業では国家資格の取得者数によって技術力が証明されることもあるため、積極的に情報処理技術者試験の資格の取得を推進している企業も数多くあります。
また上位資格になればなるほど、一般的に資格手当や報奨金は大きいです。さらに、情報処理技術者試験が企業で活用されていることを受け、高校・大学・専門学校などの教育機関でも、情報処理技術者試験は活用される機会が増加しています。
資格を取得すれば上位資格や国家資格における一部試験の免除が得られる
情報処理技術者試験や情報処理安全確保支援士試験の資格を取得すれば、中小企業診断士試験・弁理士試験・技術士試験・ITコーディネータ試験などの一部免除を受けることができます。どのような免除が受けられるかは各試験の公式サイトを確認するのがおすすめです。
また応用情報技術者試験に合格すれば、情報処理技術者試験の高度試験や情報処理安全確保支援士試験の一部免除を受けることも可能です。 ( 参考:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_00topic/koudo_menjo.html )
情報処理技術者試験が「意味ない」と言われる理由

情報処理技術者試験を受験するメリットは理解できたでしょうか。しかし、情報処理技術者試験の資格を取得しても「意味ない」と言われることもあります。ここでは、その理由について詳しく紹介します。
情報処理技術者試験の資格には独占業務がないため
司法書士試験・社会保険労務士試験・行政書士試験などとは異なり、情報処理技術者試験の資格には独占業務がありません。情報処理技術者試験の資格がなければ就けない仕事はほとんどないため、情報処理技術者試験が意味ないと言われることもあります。
しかし、情報処理技術者試験の資格を取得すれば、ITに関する幅広い知識を持っていることの証明が可能です。また、情報処理技術者試験を受験するにあたって勉強した経験は、実務に活かせる場合もあります。
IT業界では資格よりも実務経験や実績を評価する傾向があるため
IT業界では資格よりも実務経験や実績を評価して採用を行ったり、昇進・昇格を決めたりすることが比較的多いです。特にスタートアップ企業や自社開発企業では、即戦力を求めている傾向にあります。そのためITに関する幅広い知識を持っている人材よりも、豊富な実務経験のある人材を採用したいと思う企業は多いです。
しかし近年ではIT人材の不足から未経験でもIT業界に就職することが十分に可能です。また新卒採用であれば、実務経験よりもポテンシャルを評価して採用する傾向があります。よって情報処理技術者試験の資格は、IT知識やポテンシャルを証明する際に役立つ資格と言えます。
未経験は基本情報技術者試験がおすすめ

結局どの資格を取得したら良いか分からない方もいるでしょう。一例として、未経験からITエンジニアを目指すのであれば、基本情報技術者試験の資格を取得するのがおすすめです。ここでは、基本情報技術者試験の概要や合格するための勉強方法について詳しく紹介します。
基本情報技術者試験の概要
基本情報技術者試験とはIPAが主催する国家試験の1つで、難易度はレベル2に位置します。基本情報技術者試験ではITの幅広い知識に加えて、マネジメントや経営に関する知識が問われます。そのため基本情報技術者試験の資格を取得すれば、ITエンジニアとして働くための基盤となるスキルを身に付けることが可能です。
基本情報技術者試験は春と秋の年2回実施され、午前試験と午後試験の両方で60点以上の得点を取得すれば、資格を手に入れることができます。記述式の問題は出題されませんが、アルゴリズムやプログラミングに関する問題は出題されるため、合格するにはきちんと対策を練る必要があります。
基本情報技術者試験に合格するための勉強方法
基本情報技術者試験に合格するには、目安として約100~200時間程度の勉強時間が必要です。なおこれまでの経験や勉強方法により、勉強時間は人によって変化します。そのため効率よく勉強することが大切です。
午前試験の対策は、最初は書籍と過去問を活用して学習するのがおすすめです。未経験の方の場合、まずは書籍を活用して基本情報技術者試験に関する体系的な知識を習得しましょう。特に、基本情報技術者試験では用語に関する問題が数多く出題されます。一通りテキストの確認ができたら、過去問を活用して今の自分のレベルと苦手問題を把握しましょう。基本情報技術者試験の午前試験は過去問と似た問題が多く出題されるため、午前試験の対策において過去問は必須です。
午前試験の合格基準を突破できるレベルになったら、午後試験の対策に移りましょう。午後試験は問題を選択できる箇所があるため、自分の得意分野を把握するのが大切です。また、午後試験ではアルゴリズムとプログラミングに関する問題は必須で解かなければならないため、十分な対策が必要です。問題集や過去問を活用して、解答に頼らず自分の力で問題が解けるレベルを目指しましょう。 ( 参考:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_13download/youkou_ver4_6.pdf )
情報処理技術者試験は認知度と質が高い国家試験!

これまでに情報処理技術者試験を受験するメリットや意味ないと言われる理由、基本情報技術者試験について解説しました。情報処理技術者試験とはIPAが主催しており、レベル1からレベル4までの難易度の試験が用意されています。情報処理技術者試験は認知度が高く、問題の質を重視しているのが特徴です。
情報処理技術者試験の資格を取得すれば、ITスキルを客観的に証明できたり、スキルアップできたりするというメリットがあります。またIT系企業では情報処理技術者試験の資格を評価しており、資格を取得すれば就職先から資格手当や一時的な報奨金がもらえることも少なくありません。一方でスタートアップ企業や自社開発企業などのIT企業では即戦力を求めている傾向にあるため、実務経験や実績を重視して採用を行っていることもあります。
未経験からITエンジニアを目指すのであれば、情報処理技術者試験の中の基本情報技術者試験がおすすめです。午前試験では過去問と似た問題が多く出題されることや、午後試験ではアルゴリズムやプログラミングに関する問題が出題されることを頭に入れて学習を始めましょう。
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