LPICとはどんな試験?

LPIC(Linux Professional Institute Certification)とは、Linuxの専門家であることを証明するための試験です。NPO法人Linux技術者認定機関の日本支部によって運営されており、世界中に受験者がいる資格です。
【参考】:Linux Professional Institute
ここでは、LPICの試験概要や類似試験のLinuCとの違い、LPICの取得をおすすめするエンジニアについて解説します。

試験概要
LPICの試験概要は以下の通りです。
▪受験形式:CBT方式 ▪試験日程:都合の良い日を選択可能(オンライン受験可) ▪試験時間:90分 ▪受験料金:LPIC-1/15,000円(税抜)、LPIC-2・3/18,000円(税抜) ▪申込方法:ピアソンVUEより申し込み ▪合格基準:未公表 ▪有効期限:有効期限はないが、有意性の期限は5年間
LPICはLPIC-1〜3の3つの試験に分かれています。受験料金は、LPIC-1が15,000円、LPIC-2とLPIC-3は18,000円です。
また、資格の有効期限はありませんが、資格の「有意性」として5年間が設けられています。有意性とは「その資格がどれほどの期間有効であるか」を指し、有意性を過ぎるとその資格の価値がなくなることを意味します。
IT技術は日々進化しており、移り変わりが激しいため、5年ごとに知識をアップデートする必要があります。5年間の有意性の期限が過ぎれば、再受験するか上位試験にトライするのも良いでしょう。
【参考】:Linux Professional Institute (LPI) 日本での試験価格を改定 - Linux Professional Institute (LPI) 【参考】:Linux Professional Institute (LPI) / ピアソンVUE

LinuCとの違い
LPICに似た試験で「LinuC」という試験があります。どちらもLinuxの技術を証明する資格ですが、運営機関はLPICが「LPI日本支部」、LinuCは「LPI-Japan」であり、母体が異なります。
LPI-Japanは長い間LPICを実施していましたが、2018年に実施を停止し、同年LinuCをスタートさせました。その際、LPIC自体は廃止されず、新たにLPI日本支部が設立され、現在まで継続されています。
試験内容については、LinuCはLinuxだけでなく、仮想化技術やネットワークなどシステム開発に必要な知識を網羅的にカバーしています。難易度もレベル1〜3、システムアーキテクトという4つの段階に分けられています。
LinuCはクラウド時代に特化した内容が出題されるため、Linuxとクラウドの知識を証明したい場合はLinuCが向いているでしょう。
【参考】:IT資格といえば LinuC(リナック) | Linux技術者認定試験LinuC | LPI-Japan

ネットワークエンジニアにおすすめな資格
LPICはネットワークに関する資格の1つであるため、インフラエンジニアやネットワークエンジニアなどにおすすめです。
また、「LPICは受験しても意味ない」という意見もありますが、試験を通じてLinux知識が体系的に身につき、転職などでも十分なアピール材料になります。Linuxは多くのWeb系企業でサーバーとして使われているため、LPICに合格した人を採用したい企業は多いです。
年収アップにつながる
LPICなどの資格を取得することで、スキル証明の他に、年収アップが見込めるメリットも挙げられます。そこで、ここでは年収例として、ネットワークエンジニアの平均年収を紹介します。
「マイナビエージェント 職種図鑑」におけるネットワークエンジニアの平均年収は380万円(※2025年2月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種の「エンジニア/プログラマ」を参考にすると、平均年収592万円でした。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、ネットワークエンジニアはスキルや実績によって年収アップを目指しやすくなります。
ネットワークエンジニアとして活躍したい場合は、LPICなどの資格を活かしたキャリアアップや転職などがおすすめです。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
LPICの種類

前述の通り、LPICには「LPIC-1」「LPIC-2」「LPIC-3」の3種類の試験があり、数字が大きくなるほど難易度が高くなります。上位試験の認定を受けるには、下位試験に合格している必要があります。ここでは、3つの試験の難易度や出題範囲についてまとめました。
LPIC-1
LPIC-1は、Linuxの基本操作やシステム運用・管理の基礎知識が問われる資格であり、LPIC試験の中で最も難易度が低い試験です。
LPIC-1はLPIC101と102に分かれており、両方に合格しないと認定されません。2つの試験は同時に受ける必要はありませんが、一方に合格してから5年以内にもう一方に合格する必要があります。5年以上経過すると認定が無効になってしまうので、注意が必要です。
難易度はそこまで高くありませんが、試験時間90分に対し問題数は60問となっており時間が足りなくなることもあるでしょう。出題形式はコンピューターで回答するCBT方式であり、ほとんどが選択問題ですが一部記述式も出題されます。
LPIC101は、システムアーキテクチャやLinuxコマンド、ファイルシステムなどが出題され、LPIC102は、シェル・スクリプトや管理タスク業務、ネットワーキングの基礎などが出題されます。どちらか得意な方から受験し、自信をつけてからもう一方に挑みましょう。
【参考】:LPIC-1 - Linux Professional Institute (LPI)

LPIC-2
LPIC-2は、Linuxスキルを業務で活かせるかを問う試験です。トラブルシューティングやキャパシティプランニングができ、LPIC-1よりも高度な知識・スキルが求められます。試験はLPIC201と202に分かれており、こちらも両方に合格する必要があります。試験時間や問題数、出題形式などはLPIC-1と共通です。
LPIC201は、キャパシティプランニングやLinuxカーネル、ネットワーク構成などが出題され、LPIC202は、ドメインネームサーバーやウェブサービス、ファイル共有などが出題されます。どちらも広範囲に渡る知識が求められるので、勉強時間を十分に確保して挑みましょう。
【参考】:LPIC-2 - Linux Professional Institute (LPI)
LPIC-3
LPIC-3は、Linux技術者として最高レベルの技術力を問われる試験です。LPIC-3はLPIC300、303、305、306の4つの試験に分かれており、いずれか1つに合格する必要があります。試験時間や問題数、出題形式などはLPIC-1と共通です。LPIC300、303、305、306の出題内容は、以下の通りです。
▪300試験 Sambaを利用したシステム設計・構築に関する内容(Sambaサーバーの設定、LDAPディレクトリサービス、Windowsネットワークの統合など)
【参考】:LPIC-3 Mixed Environments 300- Linux Professional Institute (LPI)
▪303試験 セキュリティを維持したサーバーの設計・構築に関する内容(OpenSSLと証明書の管理、ネットワークセキュリティ、セキュアシェル、セキュリティポリシー、セキュリティのベストプラクティスなど)
【参考】:LPIC-3 Security 303- Linux Professional Institute (LPI)
▪305試験 Linux環境における仮想化技術に関する内容(KVMの設定と管理、Xenの設定と管理、ストレージ仮想化、ネットワーク仮想化、高可用性とクラスタリングなど)
【参考】:LPIC-3 Virtualization and Containerization 305- Linux Professional Institute (LPI)
▪306試験 高可用性のシステムやストレージに関する内容(高可用性クラスタの設定、フェイルオーバー、リソースの管理、ストレージデバイスのセキュリティ、ファイルシステムのセキュリティ、RAID、LVMなど)
【参考】:LPIC-3 High Availability and Storage Clusters 306- Linux Professional Institute (LPI)
どれも難易度は高いですが、その分LPIC技術者として高く認められるため、挑戦する価値はあるでしょう。
ぜひ『マイナビIT エージェント』をご活用ください!

LPICのオンライン試験について

LPICは全国にある会議室や職業訓練校などのテストセンターにて受験するのが一般的ですが、オンラインで試験を受けることも可能です。オンライン試験も都合の良い日程を選択できます。オンラインでの受験に関して、いくつか注意点があるので確認しましょう。
【参考】:Linux Professional Institute (LPI) // ピアソンVUE
オンライン試験とは?
オンライン試験とは、自宅のパソコンを使ってLPIC試験を受けることです。受験は「OnVUE」というオンライン試験システムを活用します。オンライン試験はLPIC-1〜LPIC-3の全ての試験が対象です。
また、全ての試験において日本語に対応している点も安心できます。
オンライン試験の準備方法
オンライン試験を受験するにあたって、まずは自宅PCが対応可能かどうかをチェックしましょう。オンライン試験に使用するPCの条件は、ウェブカメラを備え、安定したネット環境があることです。
システムテストによってハードウェアとネットワーク接続の確認を複数回行います。その後に、数問の試験シミュレーションを実行して、PCがOnVUEに対応可能かを判断します。
また、試験を受ける部屋も、壁に囲まれた個室スペースでの受験が条件付けられています。その他に、試験日までにパスポートや運転免許証などの本人確認書類を用意する必要があります。詳細は、以下の「オンライン監督試験ガイド」を確認しましょう。
【参考】:Pearson VUE Online Testing Guide
オンライン試験当日の流れ
試験当日は、試験開始時間の30分前からチェックインが可能です。試験前に、自身の写真、本人確認書類の写真、受験スペースの写真を撮影します。撮影はスマホでもウェブカメラでも構いません。OnVUEによる撮影手順に従って撮影しましょう。
また、カンニング扱いされることを防ぐためにパソコンの周りには何も置かないようにし、パソコン上のアプリも全て閉じておきましょう。
オンライン試験の注意点
試験中は、Webカメラによって試験管が閲覧できる状態を維持しておく必要があります。また、試験中に家族などが部屋に入ってくるとカンニング扱いされる可能性もあるので、部屋の前に張り紙を張っておくなど対策しましょう。
試験中に質問や何らかのトラブルが発生した場合は、チャットアイコンをクリックするとプロクターのサポートを受けることができます。携帯電話でカスタマーサービスに連絡するのはポリシー違反となるため、注意しましょう。
【参考】:Pearson VUE Online Testing Guide 【参考】:OnVUEヘルプ
エンジニア転職のご相談はぜひ
『マイナビIT エージェント』へ!
LPICに合格するには?

最後に、LPICに合格するためのコツについて紹介します。LPICは難易度自体はそれほど高くはないものの暗記すべきことも多いため、しっかり勉強した上で挑む必要があります。


問題集を何度も繰り返す
LPICはLinuxコマンドやネットワークの仕組みなど覚えることが多く、問題集を1回解いた程度では全てをマスターすることは難しいでしょう。問題集には答えを書き込んだりせず、何度も繰り返し解くようにしましょう。物事を記憶するには反復練習が効果的と言われています。

過去問を解く
LPICは2001年から実施されている資格であるため、過去問も充実しています。過去問を解くことで出題範囲を確認でき、どの程度知識が身についているのかをチェックできます。また、実際に時間を測って解くことで、時間内で解き終われるかも確認しましょう。
コマンドは実際に手を動かしながら覚える
LPIC101には基本的なLinuxコマンドの使い方を問う問題が多く出題されるため、まず最初はコマンドから覚えていくことが大切です。
コマンドは実際にGUIで打ってみて、実行結果がどうなるか確かめながら覚えるのが良いでしょう。実際に手を動かすことで記憶に定着しやすくなり、よりLinuxに興味が湧くようになります。
Web問題集も活用する
Linuxを勉強する際は参考書だけでなく、Web問題集も活用するのがおすすめです。エンジニアは本業が忙しい方も多く、なかなか参考書を開く時間がない方もいるでしょう。Web問題集なら通勤時間などの隙間時間に勉強できるため、忙しい方も試験対策を進めることができます。
LPICに挑戦してエンジニアとしてスキルアップしよう

本記事では、LPICについて解説しました。各LPIC試験の難易度や出題範囲、試験合格のポイントなどがわかりました。LPICに合格することでLinux技術者として評価されやすくなり、多くのWeb業界で活躍が見込めます。
Linuxはサーバーとして優秀であり、今後も使用され続けることが予想されるので、LPIC試験を通じてLinuxスキルを高めておきましょう。
また、LPICを取得することでキャリアアップや転職でも活かせます。資格を活かせる企業とのマッチングは、転職エージェントを活用することで可能になります。
そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
マイナビIT エージェントは、IT・Webエンジニア向けの無料の転職⽀援サービスです。
IT・Webエンジニアの転職事情に詳しいキャリアアドバイザーが、あなたのご経験やスキルをお伺いし、転職活動のプランをご提案致します。
アドバイザーは企業側の人事担当者と直接連携を取れますので、求人票に載っていない企業情報も確認することができます。残業時間や給与面など、働き方などをしっかり確認の上で応募企業を選んでいくのが良いでしょう。
・資格やプログラミングの勉強をしているけれど、企業が求めるレベルに達しているのかわからない ・スキルアップをして市場価値を上げていける企業の選び方を知りたい ・数多くあるITエンジニアの職種の中で、自分に向いている仕事は何か知りたい
こうした悩みを抱えていらっしゃる方は、まずは無料登録でキャリアカウンセリングをおすすめ致します。
マイナビエージェントに無料登録して
転職サポートを受ける
編集部オススメコンテンツ
アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから