▼ITエンジニアにおすすめの資格一覧をご紹介!
SQLの資格は必要?
SQLはデータベースのデータを操作するための言語のことであり、データベースを扱うデータベースエンジニアにとって必須のスキルです。そんなSQLには、関連する資格がいくつか存在します。SQLの資格を取得することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
この記事では、SQLの資格の種類やメリット、SQLを取り扱うデータベースエンジニアについて解説します。また、資格については難易度や合格率についてもまとめているので、ぜひチェックしてください。
SQLの資格取得はメリットが多い
SQLの資格を取得する上での1番のメリットは、SQLに関する知識を深められることです。SQL初学者の方は、資格取得に向けた学習によって知識を体系的に学ぶことができ、すでにSQLの知識があり業務に携わっている方は、より深い知識を得ることができます。難易度の高いハイレベルの試験にチャレンジすることで、自身の価値を一層高められます。
また、資格取得はSQLのスキルを証明するため、転職の際に有利に働いたり、キャリアアップがしやすくなったりするなどのメリットも大きいです。SQLの資格取得は知識獲得のみならず、様々なメリットがあるため、積極的にチャレンジしましょう。
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SQLとは?
SQLとは、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)で用いられるデータベース操作言語を指し、RDBMSに蓄積されたデータを操作したり、定義したりします。データベース操作言語とは、データの操作や定義を行う言語のことです。
データベースの中には膨大なデータが保存されているケースもあるため、SQLを使用することで効率よくデータベースを使いこなすことができます。SQLはコマンドラインからの対話実行、並びにアプリケーションAPIやプリプロセッサによるプログラムアクセスが可能です。
RDBMSとの違いと利用状況
SQLはRDBMSで用いられており、標準SQLと拡張機能が実装されています。そのため、各RDBMSごとに仕様や利用上の違いがみられます。
海外サイトDB-Enginesの調査結果によると、2024年10月時点でのRDBMSランキングは「1位Oracle Database」「2位MySQL」「3位Microsoft SQL Server」「4位PostgreSQL」「5位Snowflake」であり、この数年は同様のランキングの傾向が見られます。そのため、人気の高いRDBMSにおけるSQLの学習や資格取得を進めることで、自身のスキルアップはもちろんのこと、キャリアアップにも繋がるでしょう。
【参考】:DB-Engines Ranking of Relational DBMS
SQLのおすすめの資格6種
SQLは各RDBMSごとに差異がみられるため、ここではSQLに関連するRDBMSの資格について説明します。また、RDBMSに依存しないデータベースの資格についても紹介します。
Oracle Database:オラクルマスター
Oracle Databaseの資格には、ORACLE MASTER(オラクルマスター)があります。スキルレベルに応じた認定資格が用意されています。ORACLE MASTERで提供されているDBMS認定は、以下の通りです。
・ORACLE MASTER Bronze DBA 2019 DBの基礎知識を有するITエンジニア 【参考】:ORACLE MASTER Bronze DBA 2019 (Available only in Japan) | Oracle University
・ORACLE MASTER Silver DBA 2019 日常の運用管理を行い、基本的なSQL知識を有する運用担当者 【参考】:ORACLE MASTER Silver DBA 2019 (Available only in Japan) | Oracle University
・ORACLE MASTER Silver SQL 2019 SQLを用いる開発者、効率的なデータ分析をSQLで行うアナリスト 【参考】:OCA Oracle Database SQL Certification Path | Steps to get Certified | Oracle University
・ORACLE MASTER Gold DBA 2019 マルチテナント環境やバックアップ・リカバリを行うDB管理者 【参考】:ORACLE MASTER Gold DBA 2019 (Oracle Database Administration 2019 Certified Professional) | Oracle University
・ORACLE MASTER Platinum DBA 2019 高可用性、セキュリティ、性能管理を担当するエキスパート 【参考】:ORACLE MASTER Platinum DBA 2019 実技試験 / 移行試験 | Oracle University | Oracle 日本
試験の難易度については、スキルレベルによって大きく異なります。Bronze(ブロンズ)はデータベース初学者向けの試験なので、1ヶ月程度きちんとした勉強時間を確保できれば、十分に合格を目指せる資格です。
また、合格率については一切公表されていないため、推測することは難しいですが、まずは1番難易度の易しいBronzeからチャレンジしましょう。
【参考】:Oracle 認定資格一覧
MySQL:MySQL HeatWave Implementation Associate Rel 1
2024年10月現在のMySQLの資格には、「MySQL HeatWave Implementation Associate Rel 1(1Z0-915-1-JPN)」があります。本試験は2023年11月に英語版が公開され、2024年2月6日より日本語試験もスタートしました。
トランザクション、分析、機械学習、レイクハウスなど各種のアプリケーションを動かす環境としてMySQL HeatWaveをプロビジョニング、設定、管理したい管理者やデータ・サイエンティスト向けに設計されている資格です。合格率については公表されていません。
【参考】:MySQL HeatWave Implementation Associate Rel 1 | Oracle University
なお、現在この試験は2024年9月1日より、試験配信プラットフォームの変更に伴って日本語の試験を一時停止しているため受験できません。試験再開に関してはOracle Universityホームページで案内されるようです。
【参考】:新着ニュース | Oracle University | Oracle 日本
また、これまでMySQLの資格として主流だった以下の試験はすでに配信が終了しています。
・MySQL 5.7 Database Administrator:1Z0-888-JPN(2023年10月31日に終了) ・MySQL 2019 Implementation Essentials:1Z0-920-JPN(2022年3月1日に終了) ・MySQL 2021 Implementation Essentials:1Z0-921-JPN(2024年2月16日に終了)
【参考】:配信終了試験一覧 | オラクル認定資格制度 | Oracle University | Oracle 日本
Microsoft :Azure Database Administrator Associate
マイクロソフト社はこれまで提供していた開発・運用を担当するスキル「MCSA」や「MCSD」、「MCSE」、「MTA」の認定資格を終了し、ロールベースの資格体系へと変更を進めています。
ロールベースの認定資格については、以下の公式サイトに記載されています。
代表的なロールでデータの取扱いをするエンジニアの資格は、以下の通りです。
・データベース管理者向け Azure Database Administrator Associate 【参考】:Microsoft Certified: Azure Database Administrator Associate - Certifications | Microsoft Learn
・データエンジニア向け Microsoft Certified: Azure Data Engineer Associate 【参考】:Microsoft Certified: Azure Data Engineer Associate - Certifications | Microsoft Learn
・データサイエンティスト向け Microsoft Certified: Azure Data Scientist Associate 【参考】:Microsoft Certified: Azure Data Scientist Associate - Certifications | Microsoft Learn
スキルレベルは初級レベルを「Fundamentals」、中級レベルを「Associate」、上級レベルを「Expert」と呼びます。Expertレベルは「Azure Solutions Architect Expert」「DevOps Engineer Expert」となり、Azureに関連するロールのみが提供されています。
Microsoft認定資格は総じて難易度が高めだと言われています。上記で紹介した資格は中級レベルのAssociateですが、しっかりとした勉強時間の確保と対策が必要です。合格率に関しては不明です。
PostgreSQL:OSS-DB技術者認定試験
PostgreSQLの資格は、オープン系データベースの認定試験である「OSS-DB技術者認定資格」を紹介します。OSS-DB技術者認定試験はPostgreSQLを基準とした認定を行っています。試験区分としてはスキルに応じて2つの認定レベルを設定しています。
・OSS-DB/Silver データベースの小規模な開発・運用を担当するスキル 【参考】:OSS-DB Silverのご紹介(Ver.3.0)
・OSS-DB/Gold データベースの大規模な開発・運用を担当するスキル。PostgreSQLの内部構造の理解、トラブルシューティング・パフォーマンスチューニングの実施 【参考】:OSS-DB Goldのご紹介 (Ver.3.0)
試験の難易度に関しては、スキルレベルを示した「ITSSキャリアフレームワーク」では、Silverがエントリーレベルのレベル1〜2、Goldがレベル3に相当します。IT資格の登竜門と言われる基本情報技術者試験がスキルレベル2に設定されているので、Silverは初学者でも比較的合格しやすい試験です。
【参考】:OSS-DB技術者認定試験
IBM Db2:IBMプロフェッショナル資格認定制度
IBM Db2はLinux、UNIXおよびWindows向けに以下の2つの認定資格を用意しています。
・Db2 11.5 ファンデーション試験 初級レベルのDb2とSQLの知識
・Db2 11.5 管理試験 日常の運用管理をするレベル
上記の他メインフレーム向けにも同様の認定制度が提供されており、充実した認定制度です。こちらの試験は難易度・合格率共に情報がほとんどありませんが、ファンデーションは初級レベルの試験なので、合格は十分目指せるでしょう。
【参考】:IBM DB2 チュートリアル、教育および認定リソース | IBM
データベーススペシャリスト試験
上記RDBMS固有の認定資格に加えて、情報処理推進機構(IPA)の情報処理技術者試験の区分である、データベーススペシャリスト試験(DB)をおすすめします。データベーススペシャリスト試験(DB)は、製品に依存しない汎用的な知識が必要です。
そのため、総合的なデータ収集の環境構築に必要なデータベースの設計・開発・構築・運用知識が求められます。
令和5年度の秋期試験では受験者数8,980人に対して合格者が1,664人だったので、合格率は18.5%でした。難易度としては高めの試験であり、主に実務経験者向きの試験と言えます。
【参考】:データベーススペシャリスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 【参考】:統計情報(応用情報技術者試験、高度試験、情報処理安全確保支援士試験) | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
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SQLを取り扱うデータベースエンジニア
ここまでSQLやSQLの関連資格について説明してきました。ここからは、SQLを取り扱うデータベースエンジニアについて紹介します。
データベースエンジニアとは
データベースエンジニアとは、データベースの開発や保守・運用を行うエンジニアのことです。ビッグデータを取り扱うこともあれば、取り扱うデータが増えていくこともあります。システム開発を行うことはあまりありませんが、システムの中枢を支えるという重要な役割を担っています。
データベースエンジニアの仕事内容は?
データベースエンジニアの主な仕事内容は、「データベースの設計・開発」「データベースの管理」「データベースの運用」の3つです。
クライアントやシステム開発担当者にヒアリングを行いながらデータベースシステムを使用し、設計・開発を行います。そして開発したデータベースを長期にわたり円滑に使用できるよう効率化・最適化を行っていきます。この際にSQLを使用します。
またデータベースへのアクセス権の管理やデータのバックアップもデータベースエンジニアの仕事です。
データベースエンジニアの気になる年収は?
データベースエンジニアの年収は「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は424万円(2024年10月時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のIT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))を参考にすると、平均年収758万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、データベースエンジニアは一般平均年収と同程度、もしくはやや高めであることが分かります。
データベースエンジニアの年収は、在籍する企業や実務経験・持っているスキル等により異なります。より高い収入を目指すには、前述した資格の取得やキャリアアップなどがおすすめです。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
データベースエンジニアの将来性
データベースエンジニアの将来性はどうなのでしょうか。データベースはシステム導入時すでにパッケージとして設定されているものが増加傾向にあります。ですが経済産業省の公開している資料によると、今後IT人材が不足していくと予測されています。そのため、データベースエンジニアは今後も求められる人材となるでしょう。
さらに自身の市場価値を上げるのであればデータベースのみではなく、その他のシステム開発や保守・運用における知識やスキルを身につけるのがおすすめです。
【参考】:経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課 IT分野について
SQLの勉強方法
SQLを勉強するにはどういった方法が効果的なのでしょうか。ここでは、SQLの勉強方法やおすすめの参考書を紹介します。
参考書や学習サイトを活用する
SQLの学習には、参考書と学習サイトの活用がおすすめです。今はお王の情報がネットで調べることができるため、参考書は不要かと思われますが、SQLを含めプログラミング言語の参考書は分かりやすく解説されており、練習問題が掲載されておることも多いため、効率的な学習が可能です。
また、参考書である程度知識を身につけたら、学習サイトを活用して応用問題にチャレンジしましょう。学習サイトには以下のようなものがあります。
【参考】:SQL | プログラミングの入門なら基礎から学べるProgate[プロゲート] 【参考】:SQL攻略 - Web上でSQLを実行しながらマスターするサイト
おすすめの参考書
ここでは、SQLの学習におすすめの参考書を2冊紹介します。
「図解即戦力 SQLのしくみと書き方がこれ1冊でしっかりわかる本」 本書は、エンジニアになりたての人やIT業界に転職予定の人など、初心者向けに分かりやすく図で解説している本です。データベースの種類や基本的なSQLの構文、演算子、正規表現、関数についてなど、必要な知識が全て網羅されています。
▪著者:エディフィストラーニング株式会社 髙橋 栄司、齋藤 光 ▪ページ数:208ページ ▪出版社:技術評論社 ▪発売日:2024/8/13 【参考】:図解即戦力 SQLのしくみと書き方がこれ1冊でしっかりわかる本:書籍案内|技術評論社
「スッキリわかるSQL入門 第4版 ドリル256問付き!」 本書は、データベースとSQLを楽しく学習できるよう、丁寧な図解と豊富なドリルが用意されている本です。この第4版では最新DBMS製品に対応しており、「SQLによるデータ分析入門」も追加されています。現代の基準にあわせて最新のSQL知識を習得できます。
▪著者:中山 清喬、飯田 理恵子(著)株式会社フレアリンク(監修) ▪ページ数:528ページ ▪出版社: インプレス ▪発売日:2024/2/5 【参考】:スッキリわかるSQL入門 第4版 ドリル256問付き! - インプレスブックス
SQLの資格取得でスキルアップ・キャリアアップを目指そう
SQLとは、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)で用いられるデータベース操作言語のことです。データベースはビッグデータを扱うこともある重要なシステムであるため、多くの企業で導入されています。今後もSQLを扱えるエンジニアの需要は高いでしょう。
SQLの習得は自身のスキルアップに繋がるだけでなく、資格を取得することで身につけたスキルを証明することができ、自身の市場価値を高めることができます。転職の際には資格の有無が有利に働くため、企業探しの選択肢が広がりやすくなります。しかし、求人数が多ければ多いほど転職活動は困難になります。
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