SQLは経験者でも難しい?
SQL「Structured Query Language」)とは、データベースを操作して情報を取得したり、データベースに情報を追加・更新・削除したりするための言語のことです。
SQLは広く利用されている標準的なデータベース言語であり、OracleやMySQL、PostgreSQLなど多くのデータベースシステムをサポートしています。
データベースはあらゆるシステムで利用されており、ITエンジニアにとってSQLは学ぶべき言語の1つですが、コードを理解できない、読めない、覚えられない人もおり、一部に「SQLは難しい」というイメージがあります。また学んでみて、つまらないと感じる人もいるようです。
この記事では、なぜSQLが難しいと思われるのか、その理由とSQLのメリット、学ぶ理由、学習法などについて紹介します。これからSQLを習得してみたい方、スキルを身に着けて転職に活かしたい方はぜひ参考にしてください。
【参考】:Microsoft SQL ドキュメント - SQL Server | Microsoft Learn
SQLの特徴と難易度
SQLが難しいと思われる理由を探ってみましょう。初めにSQLの特徴について確認し、続いてSQLの難易度についてみていきます。
SQLの特徴
SQLはどのような特徴を持っているのでしょうか?SQLの主な特徴について確認してみましょう。
■ データベース専用の言語 SQLはデータベースを操作するために特化した言語です。データベース内のデータの検索、追加、更新、削除などを行う際に利用されます。
■ シンプルで直感的 SQLは対話のように文のやりとりをしながら命令を実行します。一文ごとに結果を求める方式で、シンプルで直感的です。
■ さまざまなデータベースで利用可能 SQLは国際標準化されているため、さまざまなデータベースで利用できます。よく知られたデータベースとしてはOracleDBやMySQL、PostgreSQLやSQLiteなどがあり、いずれもSQLで操作可能です。
【参考】:データベース | オラクル | Oracle 日本 【参考】:MySQL 【参考】:PostgreSQL|日本PostgreSQLユーザ会 【参考】:SQLite ホームページ
■ プログラミング言語ではない SQLはデータベースを操作するための言語であり、プログラミング言語ではありません。プログラミング言語はコンピュータを操作するための言語で、ループや条件分岐などの複雑な処理を定義できます。
■ 3種類のSQL SQLにはデータ操作言語(DML)、データ定義言語(DDL)、データ制御言語(DCL)の3つの種類があります。DMLはデータの検索や追加、更新、削除に使用され、DDLはテーブルの作成や設定変更、DCLは権限の付与や剥奪に使用されます。
SQLの難易度
結論から言うと、SQL自体は他のプログラミング言語と比較して、決して難しい言語ではありません。なぜ一部のエンジニアが難しいと感じるのか、その理由を探ってみましょう。
■ SQLの基本的な書き方 SQLの基本的な書き方(データの検索、追加、更新、削除)は決して難しくはありません。テーブル作成や基本的なクエリの理解は比較的容易です。
■ SQLの応用的な書き方 SQLでは他の開発言語と同様にIF文やFor文、変数を使ってプログラムと同じように処理を組むことが可能です。データ検索結果に基づいて更新の有無の判断を行ったり、複数のテーブルのデータを同時に更新したりする際に難易度が上がります。
いきなり難易度の高い処理を覚えようとせず、基礎をしっかり身に付けてからスキルアップを図っていきましょう。
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SQLを学ぶメリット
エンジニアがSQLを習得すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、SQLを学ぶメリットについて見ていきます。
国際規格となっている
SQLはデータベース言語として国際標準化機構(ISO)により標準化されています。そのため、SQLはどのようなDBMSであっても利用ができますので、活躍機会が広がります。
データベース処理の需要が高まっている
コンピュータシステムの大半は何らかのデータベースを利用していますので、エンジニアにとってSQLスキルの必要性は高いと言えます。そのため、データベースを扱える人材の需要も増加しています。
自分の仕事に活かせる
SQLのスキルはアプリ開発やビジネスプロセスの最適化に役立ちます。このスキルによって、データの効率的な管理や情報の迅速な取得能力が高まります。
アプリ開発の効率が上がる
SQLを利用することで、わざわざプログラムを組むことなくデータベース内のデータの削除や編集などが可能になり、アプリ開発の効率がアップします。また、SQLを学ぶことでデータベースエンジニアとして必須のスキルを会得できます。
SQLを活かせる職業と年収
SQLの特徴や難易度、メリットが分かったところで、SQLを活かせる職業と年収について見ていきましょう。
SQLを活かせる職業
SQLを使う職種は多岐にわたり、以下に挙げる職種ではSQLを使うことで、データベース操作やデータ分析のスキルを活かすことができます。
■ データベースエンジニア データベースの設計、構築、最適化を担当します。SQLを使ってデータベースの操作やクエリを実行し、データの効率的な管理を行います。
■ データサイエンティスト データ分析や予測モデルの構築に従事する専門家です。PythonやRなどのプログラミング言語を使い、ビッグデータから有益な情報を引き出し、ビジネス上の意思決定に活用します。
■ データアナリスト 過去のデータを分析し、ビジネス上の意思決定に活用する専門家です。SQLを使ってデータの抽出や加工、可視化を行い、企業の戦略策定や課題解決に貢献します。
■ Webマーケター ウェブ上での広告やプロモーション活動を戦略的に計画・実行する専門家です。ユーザ行動の分析やコンバージョン率の評価、SEO対策、SNSキャンペーンなどを通じて、オンラインプレゼンスを最適化し、ビジネスの成果を最大化します。
SQLエンジニアの年収
SQLを身に付けたエンジニアは、どの程度の年収が期待できるのでしょうか。SQLスキルが直接仕事に活かせるデータベースエンジニアの年収を見ていきます。
データベースエンジニアの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収は424万円(※2024年3月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のIT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))を参考にすると、平均年収758万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、データベースエンジニアは一般平均年収と同程度からやや高めであることが分かります。
スキルによって年収にバラつきはありますが、経験を重ねるとともに年収が大きく伸びる傾向にあります。また、スキルアップやキャリアアップのためには資格取得も有効な手段です。
【参考】:IT・エンジニアの職種図鑑 データベースエンジニア ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7)
【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
SQLスキルを身に付ける
ここではSQLスキルを身に付け、目標とするエンジニアを目指す方法について解説します。
参考書などで学ぶ
以下にSQLに関するおすすめの参考書を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。参考書で学習して興味が湧いたら、SQLやデータベースに関するスキル証明となる「OracleMaster」や「MySQL 8.0 Database Administrator」などの資格取得を検討してみましょう。
【参考】:ORACLE MASTER | オラクル認定資格制度 | Oracle University 【参考】:MySQL 8.0 Database Administrator | Oracle University
■ スッキリわかるSQL入門 第4版 ドリル256問付き! 中山清喬氏と飯田理恵子氏によって執筆されたSQL入門書です。シンプルな図解と丁寧な解説で、データベースとSQLの基本を学べます。また、豊富なドリル問題も含まれており、実践的なスキルを身につけることができます。
▪著者:中山 清喬、飯田 理恵子 ▪出版社: インプレスブックス ▪ページ数:528ページ ▪発売日:2024/02/05
【参考】:スッキリわかるSQL入門 第4版 ドリル256問付き!
■ 学習サイト:Progateを利用する Progateはプログラミングを楽しく学べる学習サイトです。ProgateのSQLコースは、データベース言語であるSQLの基本から応用まで学べるコースです。シンプルな図解と丁寧な解説で、データベース操作のスキルを身につけることができます。また、実践的な演習問題も用意されています。
【参考】:Progate | SQL | プログラミングの入門なら基礎から学べるProgate
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習得したSQLをキャリアに活かすためには
本記事では、SQLがプログラミング経験者であっても難しく感じる理由について解説しました。SQLはシンプルな言語ですが、見方や利用シーンによって難解な言語であるともいえます。一方で、SQLを使えるエンジニアにはさまざまなキャリアバスが想定できます。
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