Excelの文字を縦書きにするには？基本操作と表示の調整を図解

Excelの文字を縦書きにするには

Excel（エクセル）は、代表的な表計算ソフトです。Excelでは基本的な文字の体裁は横書きですが、縦書きに変更することもできます。表の文字列が長い場合などは、横書きよりも縦書きの方が見やすくなります。

この記事では、Excelの文字を縦書きにする方法を例を交えて図解していきます。縦書きに変更した際に遭遇する、問題の解決方法についても触れていきます。

Excelの文字を縦書きにする方法

ここでは、Excelの文字を縦書きにする方法を学んでいきます。文字を横書きから縦書きへの変更の仕方が分かれば、表のレイアウトに応じてカスタマイズできます。以降では、縦書き表示の仕方を実際の例を交えて図解していきます。

最初に、これから用いる表について簡単に説明します。次の表は、家計簿などで用いる集計表です。ここでは、A列の分類「果実」「飲料」を横書きから縦書きに変更します。

縦書きに変更するには、セルの範囲を指定し（①）、メインタブの「ホーム」から「配置」の文字が傾斜しているアイコンをクリックします（②③）。ここで表示メニューから「縦書き」をクリックします（④）。

メニューから「縦書き」をクリックすると、次のように表示が縦書きに変わります。

このように、簡単に文字表示を横書きから縦書きに変更できます。縦書きから横書きに戻すには、再度同じ手順でメニューから「縦書き」をクリックすると、縦書きと横書きを入れ替えることができます。

文字表示を横書きから縦書きに変更する方法として、もう1つの手順を紹介します。それは、「セルの書式設定」を使う方法です。

「セルの書式設定」は、先ほど「縦書き」を指定したメニューを使います。つまり、メインタブの「ホーム」から文字が傾斜しているアイコンをクリックし、メニュー1番下にある「セルの配置の設定」をクリックします。

「セルの書式設定」は、セルを指定し右クリックメニューから「セルの書式設定」をクリックし、表示させることもできます。いずれか操作しやすい方法で表示させます。

「セルの書式設定」が表示されたら、右側目盛りの描かれている図に縦書きで「文字列」と表示されている箇所をクリックします（①）。クリックによって背景が黒色に変わるので（②）、「OK」で確定します（③）。

縦書きと横書きを入れ替えるには、再度黒い「文字列」の表示をクリックすると、白い「文字列」に戻り、「OK」で元に戻すことができます。「セルの書式設定」は、文字間隔の調整やフォントの指定などにも利用できますので、ここで使い方を覚えておくと良いでしょう。

【参考】：Microsoft サポート: セルのテキストを配置または回転する 【参考】：Microsoft サポート: セルの書式を変更する

縦書きに変更した際の問題を解消する

これまでに、Excelの文字を横書きから縦書きに変更する方法を学びました。Excelでは簡単に横書きから縦書きに変更できますが、想定通りに表示されない場合もあります。ここからは、縦書きに変更した際の問題を解消する方法を学んでいきます。

Excelで横書きから縦書きに変更した場合に、想定通りに表示できない場合もあります。次の図はその代表的な問題を示しています。

上記の例を3つの分類で整理します。

・ケース1 最初のケースは、数字を含む場合です（①）。単純に横書きを縦書きに変更すると間延びした状態になります。

・ケース2 このケースは、全角ハイフンを含む場合です（②）。全角ハイフンはいくつかの文字が定義されており、誤って環境依存文字を指定している場合は、縦書き時にも横棒が表示されます。

・ケース3 最後のケースは、英字や半角ハイフンを含む場合です。半角ハイフンは縦書きでも横棒であり、英字としても間延びしてしまいます。

これらの問題は解決することが可能で、次のように表示を修正することができます。

以降では、問題のケースそれぞれについて、修正方法を図解していきます。

数字を含む場合は、数字を半角にする場合が多く、縦書きに変更するだけでは表示が間延びしてしまいます。この場合は、縦書きではなく、数字だけ横書きにし、改行との組み合わせを検討しましょう。

Excelでは、文字の改行をすることで行を改行し2行目以降に行を追加していくことができます。1文字ごとに改行を追加すると横幅1文字の文字列、すなわち縦書きにすることができます。改行は、「Alt」＋「Enter」で入力できます。

この例では、縦書きを一旦横書きに戻します（①②）。ここでは全角文字ごとに改行を追加します。数字は2文字単位で改行し、「6年」などの1文字の数字は1文字で改行します。その結果、セルに表示される文字列は、右側のように数字を含む文字列が縦書きに整列します（③）。

2つ目のケースは、全角ハイフンを含む場合です。実は、ハイフンや横棒は全角と半角だけではなく、環境依存文字が数種類定義されています。誤って全角ハイフンを伸ばし棒などの環境依存文字を指定している場合は、縦書きに対応している全角ハイフンに変更すると良いでしょう。

ここで示す例は、全角ハイフンの代わりに伸ばし棒が表示されています。カッコ内には、定義されている半角と全角のハイフンを含む横棒を記載しています。縦書き表示の際に縦棒が表示されている文字が、正しい全角ハイフンです。

誤ったハイフンを正しい全角ハイフンに置き換えると（①）、セルの縦書き表示は正しく表示されます（②）。

最後に、英字や半角ハイフンを含む場合について解説していきます。縦書き表示は、日本語表示にはなじみますが、英数字にはフィットしにくいことが背景にあります。そのため、英字や半角ハイフンを含む場合は、表示が間延びして読みにくくなります。

また、半角ハイフンは全角ハイフンと異なり、縦書きに変更しても縦棒とはなりません。英字や半角ハイフンを含む場合は、英文表示にしたがって、文字の表示角を変更するのが良いでしょう。文字の表示角を変更するには、「セルの書式設定」を用います。

「セルの書式設定」は、メインタブの「ホーム」から文字が傾斜しているアイコンをクリックし、メニューから「縦書き」をクリックするか、セルの範囲を指定して右クリックメニューから「セルの書式設定」をクリックして表示させます。

「セルの書式設定」が開いたら、右側の目盛りが表示されている部分に注目します。初期状態では文字列の向きが中央に表示され、「0度」と表示されています（①）。

ここでは、赤いアイコン表示を上にスライドすると、角度が変わって真上に位置が変わります（②）。この状態で表示は「90度」を指しています。問題なければ「OK」で設定が更新されます（③）。

「セルの書式設定」で、文字の表示角度が90度に変更されました。その結果、図の文字表示は当初より表示角度が90度回転していることが分かります（①②）。

この例では90度表示を回転させましたが、図表によっては45度など任意の角度に設定することができます。「セルの書式設定」で、直接角度を数値での入力も可能です。

【参考】：Microsoft サポート: セルの書式を変更する

Excelの縦書き表示は簡単だが見栄えを確認しながら進めましょう

Excelの縦書き表示は、メニューの「縦書き」から行ったり、「セルの書式設定」から行ったり簡単に行うことができます。縦書きの仕上がりは、入力したデータに依存しますので縦書き表示を行って、調整が必要です。

このように、Excelの縦書き表示は簡単ですが、変更後の仕上がりや見栄えを確認しながら進めるのがおすすめです。

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