Excelで文字列を結合するには
Excelは数値計算や集計などに加えて、文字列処理をサポートしています。Excelで文字列を結合するには、いくつかの方法があります。基本的な文字列処理としては、文字列を結合する文字列演算子のアンパサンド(&)を用います。
ここでは、文字列演算子の使い方に加えて文字列データを結合する関数についても図解していきます。
【参考】:Microsoft サポート: 複数のセルのテキストを 1 つのセルに結合する
Excelで文字列を結合する基本操作
Excelでは、文字列を結合するための文字列演算子が定義されています。それはアンパサンド(&)であり、「文字列1」&「文字列2」のように用います。数値計算のように、文字を足すような使い方です。
使用する場合は、演算子と同様に行頭の ”=” で演算子の解釈がされ、文字列の連結が行われます。 ”=” を行頭に着けない場合は、そのまま ”&” が文字列の一部と認識されます。
まず初めに、次の名簿のサンプルを使って文字列の結合を学んでいきます。この図では、姓と名が分離してそれぞれB列・C列に格納されています(①②)。ここでは、B列の姓とC列の名を結合して氏名を作成します(③)。
姓と名のデータは2〜6行目に格納されているので、最初に2行目のデータを結合していきます。具体的には、次の図のように、「=B2&C2」と格納するセルで入力します(①)。
ここで入力した「=B2&C2」は、B2セルの文字列とC2セルの文字列を結合する演算です。次の図のように単純に姓と名を結合するだけでは見にくいようであれば(①②)、=B2&C2の間に ” ” などの空白文字を追加することで、姓と名を区切ることもできます(③④)。
追加する文字列は、ダブルクォーテーション(”)で囲みます。もちろん空白文字は、全角でも半角でも入力可能ですし、カンマ ”,” などで区切ることもできます。
ここでは、例として入力した「=B2&” ”&C2」の結果を用い、姓と名の間を全角スペースで表し、残る処理を行います。入力が完了したセルを選択し、セルの右下に表示されるつまみを下方向にドラッグアンドドロップします(①)。これによって、指定した範囲でセルの内容がコピーされます。
ドラッグアンドドロップによるコピーの結果、必要な文字列の結合が完了し、氏名が格納されたセルが作成されました。
Excelの文字列の結合に関数を使う
これまでに基本操作として、文字列を結合するアンパサンド(&)を学びました。この操作は、CONCAT関数・TEXTJOIN関数などの関数を用いて行うこともできます。
ここからは、文字列を結合する関数を紹介していきます。関数を解釈するには、セルの行頭の ”=” で演算子の解釈がされます。関数の使い方は、難しくないのでExcelの表を図示しながら進めていきます。
CONCAT関数を使用する
文字列を結合する関数として、CONCAT関数を紹介します。CONCAT関数は、次の構文で用います。
CONCAT(テキスト1, [テキスト2],…)
上記のように、使い方はシンプルで1つ以上のテキスト文字列を必要に応じて追加していきます。最大253のテキスト文字列を連結することができます。
使用例として、先に用いた名簿のサンプルを使います。ここでは、E列の都道府県(①)、F列の市区町村(②)、G列の丁目(③)、H列の番地(④)を1つの住所に結合していきます(⑤)。
ここでは、結合する文字列を半角スペースで区切る場合を考えます。CONCAT関数では、文字列と文字列の区切りも、文字列として渡します。E列~H列までの文字列を半角スペースで区切る場合は、2行目の場合は、次の図のように「=CONCAT(E2," ",F2," ", G2," ",H2)」と入力します(①)。
関数を途中まで入力すると、構文がポップアップ表示されますので、参考にして進めると良いでしょう(②)。1つのセルを入力し終えたら、次のようにセルを選択してドラッグアンドドロップし、内容をコピーします(①)。
これで、必要な文字列の結合が完了します。なお、文字列の結合で区切り文字が不要の場合は、「=CONCAT(E2," ",F2," ", G2," ",H2)」ではなく、「=CONCAT(E2:H2)」のように範囲を指定して簡単に、入力することができます。I列の建物名も含める場合は、「=CONCAT(E2:I2)」とします。
なお、以前提供されていたCONCATENATE関数は、Excel 2016からCONCAT関数に置き換えられており、将来的に廃止される可能性が示されています。
【参考】:Microsoft サポート: CONCAT 関数 【参考】:Microsoft サポート: CONCATENATE 関数
TEXTJOIN関数を使用する
ここでは、CONCATENATE関数に加えてTEXTJOIN関数を紹介します。CONCATENATE関数に引数が2つ追加されており、次のように用います。
TEXTJOIN (区切り記号、ignore_empty、文字列 1, [文字列 2],...)
最初の引数は区切り記号で、先に用いた半角スペースなどを指します。第2引数は、空のセルを無視するかどうか決める指示で、TRUEは空のセルを無視し、FALSEは空のセルを文字列に含めます。使い方は、次のように「=TEXTJOIN(" ",TRUE,E2:H2)」のように用います(①)。
TEXTJOIN関数の場合も、適宜ポップアップする用法を確認しながら入力します(②)。
構文で示した、第2引数では空のセルの扱いを決めることができるので非常に便利です。I列の建物名は、賃貸やマンションなどには文字列が含まれますが、戸建ての場合は空のセルです。
先に示したCONCAT関数では建物名を含んで半角スペースなどで区切る場合は、空のセルの場合は住所の最後に半角スペースが追加されてしまいます。
TEXTJOIN関数では、「=TEXTJOIN(" ",TRUE,E2:I2)」のように、入力するだけで空のセルを気にせずに入力できます(①②)。
セルの入力ができたらこれまで同様に、そのセルをドラッグアンドドロップでコピーすると、簡単に文字列が結合し、住所が入力できます(①)。
なお、「=TEXTJOIN(" ",TRUE,E2:I2)」ではなく「=TEXTJOIN(" ",FALSE,E2:I2)」のように、第2引数にFALSEを指定すると空のセルを含んで文字列が結合されます。
5件目の住所を見ると、第2引数がTRUEの場合は”埼玉県 さいたま市大宮区桜木町 G丁目 H番地”、FALSEの場合は、 ”埼玉県 さいたま市大宮区桜木町 G丁目 H番地 “ と、最後の文字列に空白文字が追加される点が違いとして表れます。
この結合した文字列の違いは、実際に確認して用途に応じて使い分けすることもできます。
【参考】:Microsoft サポート: TEXTJOIN 関数
Excelの文字列の結合は用途に応じて使い分けできる
Excelは帳簿や名簿の管理など計算だけではなく、文字列の処理などにも活用できます。地域の統合などによって郵便番号や住所の変更などもあるため、メンテナンスするには工数がかかるものです。今回学んだ文字列の結合方法はその作業を簡素化できるので、用途に応じて用法を使い分けするのが良いでしょう。
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