Javaは未経験者には難しい言語?
Javaは登場してから30年近くが経過するメジャーなプログラミング言語であり、世界中の多くのエンジニアが利用しています。一方、Javaは未経験者には難しい言語であると言われ、Javaは学ぶ価値があるのか、将来は廃れてしまうのではないかと不安を覚える人もいるでしょう。
この記事では、これからどの言語を学ぶべきか迷っている未経験者の方に、Javaが難しい言語と言われる理由、Javaのデメリットとメリット、習得法などについて解説します。Java言語の習得や転職を検討している方はぜひ参考にしてください。
Javaの主な特徴
Javaにはどのような特徴があるのかを見てみましょう。Javaの主な特徴として以下の3つが挙げられます。
1.どんなコンピュータでも使える Javaは JVM(Java Virtual Machine) 上で動作します。そのため、どのようなOSでも利用ができ、環境に依存せずに開発できます。
2.オブジェクト指向で作られている Javaはオブジェクト指向の理念に基づいています。オブジェクト指向とは、ソフトウェア開発の考え方の1つで、「処理を部品化して、部品を組み合わせることで1つのプログラムを作る考え方」です。
3.高い人気と需要がある Javaは世界的に見ても、日本でも需要が高い言語です。大規模システム開発からAndroidアプリの開発まで幅広く対応し、Javaで作られた既存資産が多くあり、それらの維持管理やアップデートだけでも大変なニーズがあります。
【参考】:Javaソフトウェア | オラクル | Oracle 日本
Javaが難しい言語と言われる理由
Javaはエンジニアを目指している方の多くが学び、さまざまな領域で利用されているプログラミング言語です。では、なぜJavaは未経験者に難しい言語と言われるのか、つまずくポイントはどこなのかについて探ってみましょう。
1.Javaの特性と難易度
Javaにはオブジェクト指向言語という特性と、ハードウェアの知識が要求されるという、大きくは以下2つの理由から未経験者には難易度が高いと見られがちです。
•オブジェクト指向プログラミング言語 厳密な文法とルールを持ち、他の新しい言語よりもコードの記述量が多くなる傾向があります。このオブジェクト指向を頭で理解するのは難しく、ある程度の慣れが必要です。
•ネットワークやハードの知識が必要 Javaは汎用性に優れた言語のため、基幹系システムからスマホなどのAndroidアプリ、WebアプリからIoTの開発まで、さまざまなハードウェア環境で利用されるため、ネットワークからハードウェアなど広範なITスキルが求められます。
2.未経験者が直面する課題
他にJava独特の難しさがあります。それは英語力と複雑な文法です。それぞれ確認してみましょう。
•英語力 Javaのドキュメントは英語で書かれていることが多いため、ドキュメントの理解には英語力が必要です。翻訳ソフトの利用も対策にはなりますが、英語のドキュメントには専門用語も数多くあり、一定の慣れと英語力が求められます。
•読解力 Javaは様々なハードウェアに対応しており、コードは読解に時間が掛かったり、デバッグに時間が掛かったりする傾向があります。
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Javaを学ぶデメリットとメリット
Javaは歴史のあるプログラミング言語で、新しい言語と比べて分かりにくい、扱いにくいという意見もありますが、人気が高いのは数多くあるメリットのおかげです。しかし一方で、デメリットもありますので、デメリットを理解した上で学ぶことをおすすめします。
Javaを学ぶデメリット
Javaのメリットを確認する前に、Javaの数少ないデメリットについて確認しておきましょう。主なデメリットは次の2点です。
1.オブジェクト指向に対する理解が必要 Javaを使えるようになるには、Javaの特徴でもあるオブジェクト指向の理解が欠かせませんが、オブジェクト指向を頭で理解するのは難しく、これが挫折ポイントと考えられます。その克服には実践経験を積み、手を動かして体得し、理解することが重要です。
2.小規模システム開発に適さない Javaは大規模なシステム開発に向いていますが、逆に小規模なプロジェクトには不向きです。それは、Javaはオブジェクト指向の特性によってコードが長くなりがちで、シンプルなアプローチが求められる小規模なプロジェクトには向かないからです。
Javaを学ぶメリット
難しいと見られることがあるJavaですが、Javaには多くのメリットがあります。Javaを学んで、ぜひそのメリットを享受してみましょう。
1.ライブラリやAPIが充実 Javaは豊富なライブラリとAPIを提供しています。これにより、開発者は既存のコードを再利用したり、効率的にアプリケーションを構築したりできます。例えば、データベース接続、グラフィックス処理、ネットワーク通信などの機能を簡単に実装できます。
2.自由度の高い実行環境 Javaは JVM(Java Virtual Machine)上で動作する言語であり、いかなるOSでも利用できます。この自由度の高い実行環境により、Javaプログラムは環境に依存せずに動作できるのが強みです。
3.実行速度が速い Javaの実行速度は高速であり、コンパイラ型言語として知られています。コードをコンパイルしてバイナリ形式に変換するため、実行時のオーバーヘッドが少なく、効率的にプログラムが実行されます。
4.優れた安定性と需要 Javaは安定性が高く、大規模なシステム開発に向いています。銀行や金融機関のシステムで使用されていることが多いのはそのせいです。この安定性と需要の高さは、プログラマにとって魅力的な特徴です。
5.活発なオープンソースコミュニティ Javaのオープンソースコミュニティは、Javaの開発や利用に関心のある人々が集まり、情報交換や協力を行っているコミュニティです。Javaには多くのコミュニティがあり、Javaの進化や普及に大きく貢献するとともに、Javaの開発者や利用者にとって有益なリソースとなっています。
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Javaエンジニアの年収
Javaエンジニアは職種ではプログラマーにあたりますので、プログラマーの年収事情を紹介します。
プログラマーの年収は「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は344万円(※2024年3月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近しい職種のエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、各調査媒体によってバラつきがあります。
プログラマーはシステムエンジニアの登竜門と言われるように、20代から30代前半の若年層が中心であり、年収は低めになります。一方、プログラマーの多くはシステムエンジニアやプロジェクトリーダーなどにキャリアアップすることで、高年収が期待できます。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
Javaの習得におすすめの学習法
Javaは需要の多さもあって、初めて学ぶプログラミング言語としても選ばれることが多くあります。Javaは地道な学習と実践を重ねることで、必ずスキルを習得できます。ここではJavaの習得におすすめの参考書と学習サイト、さらには研修に手厚い企業で学ぶ3つの方法を紹介します。
Javaの独習におすすめの参考書
初めにJavaを独習したい方に、おすすめの参考書を紹介します。手を動かし、反復しながらぜひJavaの基礎知識を身に付けましょう。
■ Java[完全]入門 Javaの基礎から応用までを丁寧に解説した書籍です。Javaの特長、開発環境の導入、基本文法、オブジェクト指向、例外処理、ファイル操作、関数型プログラミングなどを学べます。初心者から実務レベルまで幅広いニーズに対応しています。
▪著者:松浦 健一郎、司 ゆき ▪出版社: SBクリエイティブ ▪ページ数: 600ページ ▪出版日: 2024年3月2日 【参考】:Java[完全]入門
■ 独習Java 第6版 Javaの最新バージョンであるJava 21に対応しており、「標準教科書」として待望の新登場です。プログラミングの基礎知識がない方でも、解説を読む→例題(サンプル)を解く→理解度をチェックする、という3ステップで、Javaの文法を完全に習得できるのが特徴です。初心者から開発者まで、もう一歩踏み込んだ知識を身に着けたい人におすすめしたい書籍です。
▪著者:山田 祥寛 ▪出版社: 翔泳社 ▪ページ数: 664ページ ▪出版日: 2024年2月15日 【参考】:独習Java 第6版
無料の学習サイト:Progateを利用する
ProgateのJavaコースは、Javaの基本から応用までを丁寧に解説した学習プラットフォームです。オブジェクト指向やクラス、インスタンス、コンストラクタなどを実際のコードを書きながら学べます。コース数が多く、内容も充実しており、初心者から実務レベルまで幅広いニーズに対応しています。
【参考】:Progate | Java | プログラミングの入門なら基礎から学べるProgate
研修が手厚い企業を選択する
転職希望の方は、研修に手厚い企業に入るという方法も検討してみましょう。入社後に企業内で言語を学ぶメリットとしては以下の3つが挙げられます。
1.組織のニーズに合わせたカリキュラム 企業内研修は、Javaの基本から応用までを企業組織のニーズに合わせて設計できるため、具体的なプロジェクトや業務に即した、より実践的なスキルを身につけることができます。
2.同僚との学習コミュニティ 同一企業内で学ぶことで、プロジェクトを共にする同僚と学習する機会があり、質問や知識共有がしやすく、モチベーションアップにも繋がります。
3.奨励金や資格手当が期待できる 研修が手厚い企業では資格取得に対するインセンティブや資格手当制度が充実している場合があるため、収入アップも期待できます。
研修が手厚い企業に転職したい人は、有力な転職エージェントの活用をおすすめします。
獲得したJavaのスキルをさらに活かしてみよう
ここまで、Javaが未経験者には習得が難しいと言われる理由、Javaを学ぶデメリットとメリット、Javaのスキルを習得する方法について解説しました。また、おすすめの参考書やオンライン学習サイト、さらには研修に手厚い企業への転職についても紹介しました。
しかし膨大な求人情報の中から、研修に手厚い企業、自分の求める条件に合致する企業を見つけ出すのは容易ではありません。今の仕事を行いながらJavaの学習や優良企業探し、企業研究や面接対策など、やるべきことは山ほどあります。
そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
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未経験からのキャリアチェンジは心身ともに本当に大変だと思います。少しでもご自身の負担を減らすべく、エージェントサービスを活用して、失敗のない転職活動に臨んでいただければ幸いです。
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