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ITエンジニア転職のメリット・デメリットと気を付けるべきこと
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ITエンジニア転職のメリット・デメリットと気を付けるべきこと

アンドエンジニア編集部
2021.01.26
この記事でわかること
ITエンジニアは実際に不足しているのか?
ITエンジニアの転職のメリット・デメリットは?
ITエンジニアが転職に際して注意すべきことは?

ITエンジニアが枯渇しているって本当? 

やめとけ

DXという言葉をご存じの方は多いと思います。DXはデジタルトランスフォーメーションの略で、このDX推進の成否が日本経済再生の鍵とも言われています。DXは経済産業省主導で進められており、各企業にはITを用いたビジネスの変革、新たなサービスの創出が求められています。既に取組を始めた企業もありますが、思うようには進んでいません。その大きな原因は、ITエンジニアの不足です。

ITエンジニアとは

ITエンジニアはInformation Technology(情報技術)に関わる技術者たちを指す言葉です。ITエンジニアには、ITコンサルタント、SE(システムエンジニア)、PG(プログラマー)、サーバーエンジニア、セキュリティエンジニアなど20以上の職種があります。

ITエンジニアはきついがやりがいがある!その仕事内容や年収、求められるスキルを解説

すでに22万人のIT人材が不足している

経済産業省の調査(※)では2018年の時点で、すでにIT人材は需要に対して供給人数が22万人も不足しています。最悪の想定では、2030年には約79万人のIT人材の不足が懸念されています。この結果、何が起きるでしょうか?

単純に考えると、DX推進に成功した企業は生き残り、DX推進を怠った企業は淘汰されるということです。極端な話、DX倒産という言葉すら生まれるかもしれません。これを回避するためにIT人材の育成と確保が日本経済にとって大変重要な課題であるということです。

経済産業省 IT人材需給に関する調査(概要)

今なぜDXなのか?

耳にタコかもしれませんが、ここでもう一度おさらいしておきましょう。今なぜDX推進の必要性が叫ばれているのでしょう。経済産業省はDXが進まないと、「2025年の崖」が訪れるとしています。「2025年の崖」とは、各企業で既存のITシステムが、老朽化や肥大化、複雑化などによって時代に合わなくなり、企業の競争力を大きく低下させ、日本にとって莫大な経済損失をもたらすという問題のことです。

経済産業省の試算では最大で年間12兆円の損失が想定されています。あの東日本大震災のよる経済損失は16.9兆円(内閣府推計)です。(※)毎年12兆円の経済的損失が生じるとすれば、日本経済に対するダメージの大きさは計り知れません

東日本大震災の被害額、16.9兆円 阪神の1.8倍に: 日本経済新聞

DXとは?その意味と日本の現状、DX推進の障壁となる要因を分かりやすく解説!

ITエンジニアには転職のチャンス到来?

やや悲観的な話になりましたが、この危機的状況を逆にとらえると、ITエンジニアにとっては絶好のチャンス到来と言えるかもしれません。これだけ多くのIT人材が必要ということになれば、ITエンジニアの皆さんは引く手あまたの状態になるでしょう。いや、既に争奪戦は始まっています。

「数が少なくなれば価値が上がる」のが市場の原理です。ITエンジニアの希少性が高まっている以上、収入アップを目指すチャンスと言えます。

ITエンジニアの転職のメリット

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収入アップ、待遇改善の方法として思いつくのが転職です。同一企業で働く限り、年功序列制度が邪魔をして、給与が一気に30%アップなどということはまずありません。しかし転職ならこれが実現可能です。

とはいえ、転職も良い事ばかりとは限りません。また転職にも中小企業から大企業に転職する場合と、逆に大企業から中小企業に転職するケースが想定されます。それぞれのメリット、デメリットをあげてみますので、ご自身に最適な転職モデルをイメージする材料にしてください。

ITエンジニアが中小企業から大企業に転職するメリット

1.高収入が期待できる

大企業の平均年収は中小企業と比較して大きな格差があります。中小企業からの転職で年収が倍近くになったという話も聞こえてきます。

収入も仕事へのモチベーションにもつながるため、無視できないメリットです。

2.経営が安定している

大企業は相対的に中小企業よりも経営的には安定しています。公的支援も受けやすく、簡単には倒産しませんので、安心して働ける環境です。

3.教育や研修制度の充実

中小企業と比べて大企業は従業員の教育や研修に予算を投じ、社員育成を行います。また公的資格の取得には手当を出す企業も多く、自己研鑽に励むことが可能です。

4.社会的信用が増す

クレジットカードやローンの契約でも大企業社員というだけで、審査に有利です。

営業職は大企業の名刺を持っているだけで、新規顧客の開拓がやりやすくなるでしょう。

5.福利厚生が充実している

家族手当、住宅手当、各種慶弔祝金、福利厚生施設など、給与面以外のメリットが期待できます。

厚生年金に加え、企業年金などがあり、老後の生活が保証されているのも大企業ならではのメリットです。

6.サービス残業がない

大企業は株主の目もあってコンプライアンスに熱心です。ブラック企業にみられるようなサービス残業は明確に禁止されています。

働き方改革の一環でワーク・ライフ・パランスの取り組みが進められ、定時退社や余暇活用が奨励されている点も魅力です。

ITエンジニアが大企業から中小企業に転職するメリット

1.仕事への満足度が高い

中小企業では大きな歯車として、自らの存在感を感じながら、主体的に仕事ができるのはメリットです。自分の仕事が成果がすぐに見えたり、顧客の評価を肌で感じられたりする点も魅力の1つでしょう。

2.責任ある仕事を早くから任せられる

大企業経験者は、それなりの処遇で迎えられるでしょう。即戦力として期待され、いきなり責任ある仕事を任せられることも少なくありません。

3.意思決定が早い

中小企業は大企業のようにだらだらと稟議書を回したり、根回しに奔走したりすることもなく、即断即決です。

また大企業時代よりも裁量権があり、自ら判断する機会が増えます

4.転勤の心配が減る

中小企業は大企業と比べて拠点が少なく、エリアも限定されています。大企業のように地方への転勤の心配をすることなく、落ち着いて仕事に専念でき、家族との触れ合いを大切にできます。これが魅力で大企業から中小企業に転職する人もいるくらいです。

ITエンジニアの転職のデメリット

SES派遣

ITエンジニアにとって転職がメリットばかりであれば良いのですが、実際にはデメリットもあります。あらかじめそれらを認識し、覚悟しておけばデメリットは受け入れることも、対策を講じることも可能です。では転職によるデメリットについて見ていきましょう。

ITエンジニアが中小企業から大企業に転職するデメリット

1.大組織の小さな歯車になりやすい

中小企業在職中と比べて、大きな組織の一員となるわけですから、組織の中における自分の占める範囲は狭まります。大きな歯車から小さな歯車になってしまうのはやむを得ないでしょう。

2.裁量権が小さくなる

中小企業では経営的な意思決定に関わっていた人も、大企業では一担当として、責任ある仕事を任せてもらえません。

責任を任せられたくない人にとってはこれがメリットかもしれませんが、仕事のやりがいという点ではマイナスでしょう。

3.組織が縦割りで複雑

大企業では仕事が細分化され、人との調整がいきなり増えるでしょう。管轄部署の担当者に辿り着いても、「その件は○〇部に相談してください」とたらい回しにされるケースもあります。会議も多く、なかなか結論が出ず、会議のための会議を繰り返すようなこともあります。本来の仕事以外の余計な作業が増え、嫌気がさして退職していく人も少なくありません。

ITエンジニアが大企業から中小企業に転職するデメリット

1.教育制度が整っていない

大企業は転職者に対しても一通りの受入れ研修をしてくれます。教育体制が整っており、職種別教育、階層別教育、コンプライアンス研修、ビジネスマナー研修など、教育制度が充実していますが、中小企業への中途採用では、何も教えてもらえず、いきなり仕事を与えられるケースすらあります

2.人間関係が悪化すると改善が難しい

中小企業はアットホームな雰囲気が魅力ですが、いざ人間関係が悪くなると職場が地獄に思えてしまいます。大企業のような定期的なローテーションがないため、苦手な人から離れることすらできない場合もあり得ます。上司との関係が悪くなると、退職に追い込まれることもあります。

3.福利厚生面が整っていない

大企業では、立派な社員食堂や休憩施設、契約保養所などがあり、仕事以外の面でもよい環境が整っていますが、中小企業ではこれらが未整備の会社も少なくありません。収入が増えても、福利厚生面を含めるプラマイゼロということもあり得ますので、予めよく確認しておくべきでしょう。

 

ITエンジニアが転職に際して注意すべきこと

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IT人材が不足しているからといって、必要な準備をせずに転職しても決して良い結果は生まれません。準備不足がたたって、転職ミスマッチに陥り、転職を繰り返す流浪人になる人もいます。ここでは転職で気を付けるべき点について解説します。

転職の目的と、転職後の目標を明確に持つ

転職の理由として収入アップを上げる方がいますが、人間とは欲望の動物で、それに慣れてしまうと満足感は薄れていきます。その結果、別の不満が頭をもたげ、さらに転職を求める渡り鳥となっていくケースがあります。

仕事のモチベーションとなるのは、収入よりは自己実現です。自分が周りから期待され、必要とされることです。自分は転職して何をしたいのか、何を目指すのか、明確な目的や目標を持っておくことが大切です。

情報収集をしっかり行う

転職で最適な意思決定をするためには、情報収集をしっかり行うことです。業界知識や転職先の情報収集、他の職種に関する情報収集、転職者からの情報収集など、収集すべき情報は山ほどあります。この記事を読まれているのも情報収集の一環だと思います。必要な情報を収集し、それらを整理し、最適な転職計画を立てることです。

転職サイトや転職エージェントを活用する

転職サイトから情報を得るのも大切なことですが、世の中には転職エージェントという大変便利な組織があります。転職エージェントは、転職希望者と採用側の橋渡しの役目を担っています。転職エージェントに頼むと、高い登録料を取られるのではないかと心配されるむきもありますが、基本的に転職エージェントへの登録は無料です。

転職エージェントは採用側から仲介料を得ているからです。転職エージェントは本来求職側が行う手続きの大半を代行してくれます。その上、セミナーや履歴書の作成指導、面接対策、採用側との日程調整、年収交渉までしてくれます。転職成功のコツは、有力な転職エージェントに登録することです。もちろん、複数登録してもまったく問題はありませんので、是非活用してみてください。

以上、転職を希望されるITエンジニアの方のお役に立てたでしょうか? 転職にはリスクもありますが、記事を参考にしていただき、転職に成功されることを願っています。

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