35歳定年説を乗り越え、ITエ...
35歳定年
35歳定年説を乗り越え、ITエンジニアとして将来も活躍する秘策
アンドエンジニア編集部
2021.04.08
この記事でわかること
1.35歳定年説は無くなったが、ITエンジニアにとって年齢の壁はある。
2.年齢の壁を壊し、年齢に関係なく働けるフルスタックエンジニアを目指す方法もある
3.ITエンジニアには一定年齢を超えても、さまざまな可能性があるのでしっかりしたキャリアプランを描いておくべき

35歳定年説とは? 

ITエンジニアの皆さんは「35歳定年説」 というのを聞いたことはあるでしょうか?

日本では高年齢者雇用安定法という法律によって、65歳定年制が企業の義務化され、2025年4月以降はすべての企業で65歳定年が制度化されます。そんな中、「35歳定年なんてあり得ない」と思われても当然でしょう。この35歳定年というのは、会社を定年になるという意味ではなく、あるIT職種での活躍年齢の目安を示していると捉えてください。

その理由

そもそも、IT業界において「35歳定年説」が出現したのは2000年頃と言われています。ではなぜ、そんなことが囁かれていたのでしょう。それは当時のITエンジニアが置かれた労働環境にありました。当時、システムエンジニアはIT土方(どかた)と呼ばれ、徹夜で仕事をするのは当たり前のような風潮がありました。人間、さすがに35歳くらいになると徹夜は身体に堪えます。この厳しい労働環境があって、体力的な限界からITエンジニアの35歳定年説が言われたのだと推察できます。また、終身雇用制を採用する大手SIerでは、35歳前後をめどに、プログラマーやSEを他の職種や管理職登用という形で異動させていることも「35歳定年説」の背景にはあると考えられます。

ITエンジニアは本当に不足している?

「35歳定年説」がある一方、「2030年にはIT人材が45万人も不足する」という説があります。これは経済産業省が公表している数字であり、信頼性の高い数字です。IT人材は35歳で「お役ご免」と言われ、一方で「人材不足」とは何とも理解に苦しみますが、一体どちらが正しいのでしょうか?

実は、半分は真実であり半分は嘘です。厳密に言えば、市場が必要とする若くて低報酬のエンジニアが不足するという意味でしょう。企業はITのアウトソーシングを行う際、少しでも単価を下げたいのです。受注したいIT企業としては、コンペに勝つためにコストの大半を占める人件費を下げるしかありません。そうなると比較的低コストの若いエンジニアを当てるしかないのです。これによって、需給ギャップが生じている側面があることも見逃せません。

少子高齢化がもたらした年齢バランスの歪みが、こうしたところにも影響を及ぼしていると言えます。

 

年齢と職種のバランス

ITエンジニアにはさまざま職種があります。それぞれの職種において、最も力を発揮しやすい年代があります。例えば新しい言語を学び、それをただちに生かせるプログラマー、顧客の立場に立って経営的な側面から助言が行うことが求められるITコンサルタント、リーダーシップが求められるプロジェクトリーダー、専門分野の深い知識が生きるセキュリティエンジニアなど、さまざまな職種があります。

そうした知識や経験を生かすにはどうしても年齢との兼ね合いがあります。これから、各職種と年齢との関係をみながら、「35歳定年説」の真相に迫ってみましょう。

プログラマー

【厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2019)】(厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2019))によるとプログラマーの平均年齢は32~33歳程度です。プログラマー自体がITエンジニアの登竜門と呼ばれていることからも、平均年齢が若いのは当然ですが、世間的にもプログラマーの旬は30代ぐらいまでと見られていますので、プログラマーになるなら、なるべく早い段階でプログラミング技術を習得した方が良いでしょう。

システムエンジニア

同調査によると、システムエンジニアの平均年齢は約38歳です。プログラマーと比較すると、6歳前後上ということになります。キャリアパスとしては、まずプログラマーを経験し、その後にシステムエンジニアになるという流れが一般的ですが、統計上もそれを裏付ける結果となっています。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体を統括し、プロジェクトの目標達成に向けて責任を負います。プロジェクトマネージャーはプロジェクトリーダーの上に位置し、プロジェクト全体の品質管理、進捗管理、予算管理、マネジメントなどを行いますITスキルも必要ですが、それに加えて人望も必要となり、メンバーからの信頼を得なければなりません。ある程度の人生経験を積み、部下の心をつかめる人心掌握術も必要です。そうした事を勘案すると、40代前後の経験豊富な人材が最適と考えられます。実際、情報処理推進機構(IPA)主催の国家資格「プロジェクトマネージャー試験」の受験者は40歳前後が最も多くなっています。

ITコンサルタント

ITエンジニアのキャリアパスとして、ITコンサルタントはゴール目標の1つになります。一口にITコンサルタントと言っても、専門性を問われるコンサルタントもいれば、総合力を求められるコンサルタント、経営者への助言・提案を行うコンサルタントまでさまざまなコンサルタントがいますが、年齢的にはシニア層が中心となります。統計データがないため、一概には言えませんが40歳代~50歳代のコンサルタントが最も多いと思われます。

 

フルスタックエンジニアしか食べていけなくなる?

これまで、IT職種ごとの平均年齢と職種に求められる能力などについて述べてきましたが、少なくともプログラマーやシステムエンジニアは40歳ぐらいまでの方が多いのは事実です。プログラマーやシステムエンジニアという職種に限ると、35歳定年説はある程度説得力があります。一方で、これからの時代は「フルスタックエンジニアしか食べていけない」という説があります。この「フルスタックエンジニア」について少し考察してみましょう。

フルスタックエンジニアとは

フルスタックエンジニアとは、1人でシステム開発、ウェブ開発、さらには運用や保守まで、エンジニアリング業務の大半の工程を担えるエンジニアで、別名マルチエンジニアとも呼ばれています。フルスタックエンジニアは特にベンチャー系企業やスタートアップ企業では重宝されます。本来であれば、職種ごとに人材を採用していましたが、フルスタックエンジニアでいれば、大半の業務を1人でこなせるため、システム開発の生産性は上がり、結果的に人件費も低く抑えることが可能だからです。

特に最近主流になりつつあるアジャイル開発において、フルスタックエンジニアは非常に貴重な存在となっており、求人情報などを見ると、システムエンジニアよりは2~3割ほど高い報酬での募集が見受けられます。

フルスタックエンジニア以外のエンジニアの将来性は?

フルスタックエンジニアの市場価値が高まれば、高まるほど、IT専門職種の市場価値の低下が懸念されます政府主導のDXブームが去るまでは、旺盛な市場ニーズのおかげでプログラマーやシステムエンジニアが職にあぶれる心配はなさそうですが、DX対応の目標期限とされる2025年以降は不安をぬぐえません。では、現時点でプログラマーやシステムンジニア、或いは他のITエンジニア職に就いている方はどうすれば良いのでしょうか?どのようなキャリアパス、キャリアプランを描けば良いのでしょうか?これから、「35歳定年説」を覆すITエンジニアの生き残り策について考えてまいりましょう。

 

「35歳定年説」を覆す生き残り策

「65歳定年」や「高齢者活用」が叫ばれる今日、時代の流れに逆行する「35歳定年説」は死語になりつつあるようですが、とはいえプログラマーやシステムエンジニアが50代、60代まで現役で活躍するハードルが高いのも事実でしょう。

もちろん、シニア世代のプログラマー、システムエンジニアを否定する気は毛頭ありませんが、歳を重ねるに連れて、追い風が逆風に変わるのはやむをえないことです。では、現在プログラマーやシステムエンジニアの方が生き残っていくには何をすれば良いのでしょうか?その答えに正解はないかもしれませんが、次のような選択肢を提示することはできます。

専門職としてキャリアアップを目指す

現在プログラマーの方の中で、生涯プログラマーを貫く考えの方は少数でしょう。もちろんプログラマーを天職とし、あらゆるプログラム言語を習得し、「どんなプログラムでも私に任せて」と言えるスーパープログラマーを目指すのも良いでしょう。しかし、大半の方はプログラマーからシステムエンジニア、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャー、さらにはITコンサルタントへのキャリアアップを目標としてプログラマーになったのではないでしょうか?

プログラマーを経験し、システムエンジニアを経験したプロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーはある意味、フルスタックエンジニアとも言えます。そして、様々な職種を経験したエンジニアはどこでも重宝されます。先ずは現在の職種でしっかり経験を積みながら、明確なキャリアパスプランを描いて、計画的にキャリアアップを目指すことが肝要です。

独立する

ITエンジニアは起業しやすい職業と言われます。それは、人件費以外のイニシャルコストやランニングコストがあまり掛からないからです。コロナ禍でもあり、在宅でも仕事ができるという点もIT職種の強みです。

しかも、日本はIT先進国とは呼べない状況にあり、政府がDX対応を唱えるなど、IT市場がブルーオーシャンの状態にあるため、起業のハードルが低いのです。フリーランスから始めて、実績を重ねながら起業を目指すという方法も考えられます。

ITエンジニアにとって「独立」は将来も生き延びるための有効な手段と言えます。

努力すれば自ずと道は拓ける

現実には50歳でも現役SEとして活躍している方も少なからずいます。企業の定年が65歳からさらに70歳になろうとしている今日、35歳定年などと言っていては笑われます。ヘッドハンティング業界では40歳~50歳のヘッドハンティングは非常に活況とのことです。また転職エージェントにおいても、経験豊富なSEに対する企業からのリクエストは少なくありません。

今から将来の心配をする前に、必要とされるシステムエンジニアを目指し、必要な資格を身に付け、スキルアップを図れば自ずと未来への展望が開けてきます

IT業界はクラウド、IOT、AI、DXなどエンジニアの求人は確実に増えています。自社だけにこだわらず、あらゆる可能性を信じて日々自己研鑽に励まれることをおすすめします。

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