SIerとSESの違いとは?見分け方を解説!働くならどっちがいい?
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SIerとSESの違いとは?見分け方を解説!働くならどっちがいい?
アンドエンジニア編集部
2023.11.21
この記事でわかること
SIerはシステム開発を請け負う情報通信企業
SESはエンジニアの能力を労働時間単位で紹介するサービスを提供している企業
SIer企業はシステム開発を行うことが仕事であるのに対して、SES企業はシステム開発を仕事としていない点に注意
SIerとSES、どちらで働くか悩んでいる方は、IT業界専任のアドバイザーがいるマイナビIT エージェントへの相談がおすすめ

SIerとSESの違いとは?

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SIerとSESは大きく異なるものです。しかし、それぞれの定義が曖昧となり、SIerとSESの違いを上手に説明できない方や、同様の職種と捉えている方は多いのではないでしょうか。SESとSIerの違いを理解しないままにIT業界で働いてしまうと、「思っていたのと違った」と思うかもしれません。

そこで、本記事ではSIerとSESの定義や業務内容を詳しく紹介し、それぞれの違いについてまとめました。

そもそもSIerとは?

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まずは、SIerについて解説します。SESとの違いを明確にするため、定義・契約形態・業務内容をしっかり把握しましょう。年収についても触れているので、ぜひチェックしてください。

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SIerの定義

「SI」とは、「System Integration(システムインテグレーション)」の略称です。システムインテグレーションとは、システム開発を請け負う事業などを示す言葉で、顧客先のシステム開発の要望に応じて、システムの設計、開発、運用、コンサルティングに至るまで様々な仕事を請け負うことを言います。

この事業を一括して請け負う情報通信企業のことを「System Integrator」、あるいは「SIer」と呼びます。

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SIerの契約形態

SIer企業はクライアントから、システム導入などの仕事を請け負います。1社で全ての工程を担いきれない場合は、元請けSIerから2次請けSIerへ、2次請けSIerから3次請けSIerへと、細分化された工程を下請けのSIerに発注することもあります。

システム関係に関わる全ての業務をSIerに発注する企業も多く、Slerの仕事内容は広範囲にわたります。したがって、SIerは「あらゆるシステム事業を請け負う情報通信企業」と言えます.。

また、SIer企業は業務内容や企業の成り立ちによって「メーカー系SIer」、「ユーザー系SIer」、「独立系SIer」、「コンサル系SIer」、「外資系SIer」などに分けられるのも特徴です。

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SIerの業務内容

SIer企業の業務内容としては、まず顧客先と開発するシステムの企画から入ります。これを要件定義と言います。その後、設計、開発、テストとシステム開発は続いていきます。そして、開発したシステムの保守・運用まで担当するのがSIerの業務範囲です。

大規模なシステムであると、様々な要素が関連してきます。SIerは、そのような企業における情報システムの開発や保守・運用を行うことができる企業です。

したがって、「SIer企業」とはWebサービスの開発を行う「Web系企業」や、パソコン・スマホアプリを開発する「ソフトウェアメーカー」と同様のレベル感で使用される、区分名だと言えるでしょう。

SIerの年収

一般的なシステムエンジニアの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収は431万円(※2023年6月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」からエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収593万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、システムエンジニアの年収は一般平均年収と比べて、同水準かやや高めであることが分かります。

ただし、Slerは業務内容や企業によって年収にはバラつきがあります。例えば、ユーザー系SIerの場合は誰もが知る大手有名企業が多く、かなりの高収入が期待できます。さらに年収アップを目指すなら、資格を取得して仕事の幅を広げるなど、より多くの経験を積むことが大切です。

【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

そもそもSESとは?

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次に、SESについて見ていきましょう。Slerと同様に定義・業務内容・年収について触れるので、比較しながらご覧ください。

SESとは?派遣との違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説

SESの定義

「SES」とは、「System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)」の略称です。システムエンジニアリングサービスとは、顧客先が希望する、エンジニアの紹介や労働力・スキルの提供を行うサービスを指します。

エンジニアが不足している顧客先に対して、エンジニアの能力を労働時間単位で紹介するのがSESです。

システムエンジニア(SE)とはどんな仕事?スキルや年収なども解説

SESの契約形態

多くのSESエンジニアは派遣と同じ「客先常駐」となりますが、SESエンジニアの労務などの管理を行う権限は、所属しているSES企業にあります。そのため、顧客先である企業には、出退勤管理をする権限や、業務に関する指揮をする命令権はありません。

この契約のことを「準委任契約」と言います。ここが、派遣とは異なる部分です。

SESの業務内容

SESの業務内容はSlerとほぼ同様です。要件定義から始まり、設計、開発、テスト、保守、運用まで任される場合もあります。顧客先である企業先では、システム開発を行ったりサーバ・ネットワーク機器の設定を行ったりと、即戦力のあるエンジニアを求めている状態です。

また、プロジェクトマネジメント・社内システムの管理・ヘルプデスクにもエンジニアの能力が必要なこともあります。そのため、SESの仕事は多岐に渡ります。

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SESの年収

SESの年収も、Slerの年収で紹介したシステムエンジニアの年収が参考になります。ただし、こちらもスキルや経験値によって差があります。プログラミングしかできないエンジニアと、システムの開発やデータ解析ができるエンジニアでは報酬にも大きな差が出るので、より多くの知識と技能を身につけることが年収アップの鍵です。

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SIerとSESの違い

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ここまでに、「SIer」と「SES」についてそれぞれの詳細について紹介してきました。では、SIerとSESの具体的な違いについてここでは説明しましょう。

端的に言うと、「SIer」は、顧客先からシステム開発の案件を受注して業務を行う「企業」のことを指します。一方、「SES」は業務上の「契約形態」のことを言います。

では、なぜ「SIer」と「SES」がわかりにくいのでしょうか。その理由は、SIer企業がSES企業と契約して、エンジニアの能力を借りる場合が非常に多いためです。

顧客先の企業からシステム開発の案件を直接請け負ったSIerだけでは、人手が足りない場合や、人材の質に問題がある場合が多く、SES契約などを通すことで、外部から人材を確保することが非常によく行われています。

また、SIerの自社社員を他のSIer企業の元で働かせているという現状もあります。さらに、SES企業の中には、SIerとの取引が多いことを利用し、自社を紹介する際に、SIer企業のひとつのように見せている例もよく見られます。

以上のような状況より、「SIer」と「SES」の違いはわかりにくく、見分け方が難しい状況になっています。また、SESという言葉自体が非常に曖昧な部分もありますが、「SES」は「準委任契約」であることは認識しておきましょう。

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SIerとSESそれぞれのメリット・デメリット

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これまでに、「SIer」と「SES」の違いについて紹介してきました。ここからは、「SIer」と「SES」を比較した上で、それぞれの企業ではたらくメリットとデメリットについて紹介しましょう。

SIerのメリットとデメリット

まず、SIer企業ではたらくデメリットとしては、SIerは請負契約のため、システムを納品することができない場合は売上がないことが挙げられます。さらに、スケジュールが遅延すると、その費用負担も自社でしなければなりません。

そのため、責任はより大きくなります。また、上流工程に関わることが多いため、将来的にはマネジメント力が必要となります。よって、マネジメントなどの管理業務に興味がなく、開発やプログラミングなどをしたいエンジニアにとって、Slerはあまりおすすめできない職種です。

一方、システム開発は「ITゼネコン」とも言われるように多重請負構造となっています。そのため、大手のSIer企業に勤めると、システム開発の要件定義や設計などの上流工程に携わることができ、市場価値が高いITエンジニアを目指すことができるでしょう。

さらに、マージンが抜かれないため、売上が高くなり、高収入が期待できるのがSlerのメリットです。

責任感のある仕事をして、より安定した報酬を目指したい人にはSlerが向いています。未経験からSler企業への転職を目指すなら、自分のスキルに合った企業を探してくれる転職エージェントの活用をおすすめします。

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SESのメリットとデメリット

まず、SES企業で働くデメリットとしては、客先常駐が基本となるため、1人でプロジェクト案件に参加する場合も多く、社内からの評価がわかりにくい点が挙げられます。

また、定期的にプロジェクトが変わるため、さまざまな環境や技術に触れられる反面、プロジェクトに振り回されることもあり、プロジェクトによって当たり外れのようなものが存在しています。

一方でSES企業の場合、働いた時間が成果になるため、システムを完成させる責任は生じません。また、指定された時間を超過して仕事をする場合は、超過金額が発生する契約の場合が多いです。

そのため、比較的やるべきことが明確であり、責任は少なめです。さらに、一概に言えないものの残業も少ない傾向にあります。

将来性で見ると「SIer」と「SES」どっちがいい?

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「SIerとSESはどっちがいいか」ということは、一概に断言できません。説明した通り、SlerやSESには異なる特徴があるので、自分の将来のキャリアプランを考えた上で「SIer」と「SES」を比較すると良いでしょう。

例えば、最初はプログラマーなどの開発者としてプロジェクト業務の一員となり、将来的にプロジェクトマネージャーなどの上流工程に関われるようになりたいと考えている方は、「SIer」が合っているでしょう。

SIer企業に所属していると、システム開発の全工程に関わることができ、システム開発における全般のスキルを磨いていくことができます。

一方、プログラミングスキルを極めたいなどの専門分野に特化していきたいと考えている方は、「SES」の方が適しています。SIer企業と異なり、専門分野以外のポジションに異動させられる可能性が低く、様々な現場やプロジェクトを経験することができるため、専門的な技術を磨いていくことができるからです。

近年はクラウドやビッグデータ、AIなどIT技術は急激な発展を遂げており、それに対応できないSIer企業は生き残っていけません。そのため、SlerとSESの需要はこの先も高まっていくことが予想されます。

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SIerとSESの違いを知って自分に合う働き方を見つけよう

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SIerとは、システム開発を請け負う情報通信企業のことで、SIer企業が請け負う仕事は、システム関係における全ての業務を請け負うこともあり広範囲にわたります。

一方、SESはエンジニアが不足している顧客先に対して、エンジニアの能力を労働時間単位で紹介するサービスを提供している契約形態のことを指します。

SIerとSES、どちらで働くか悩んでいる方は、それぞれのメリットやデメリット、自身のキャリアプランを考慮して決定すると良いでしょう。しかし、いざ転職するとなると「自分のスキルに合う職場が見つかるか不安」「働き始めた後で後悔はしたくない」という方も多いですよね。

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