システム開発とは?ITエンジニアを目指す上で必須の基本知識を解説!
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システム開発とは?ITエンジニアを目指す上で必須の基本知識を解説!
アンドエンジニア編集部
2023.09.12
この記事でわかること
システム開発とは、企業や組織の課題解決や目標実現のための「仕組み」を作ること
システム開発には、要件定義から運用・保守まで大きく分けて5つの工程がある
システム開発手法はウォーターフォール型、アジャイル型、 DevOpsなどがある

そもそもシステム開発とは

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「システム開発」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべますか?プログラムやソフトウェアの開発のことだと答える人が多いと思いますが、それだけではありません。システム開発とは、簡単に言うと企業や組織の課題解決や目標実現のための「仕組み」を作ることです。

システム化は「仕組み化」の主な手段の1つであり、システム化のためのシステム設計やプログラミングがシステム開発です。ここでは、システム開発に関わる仕事を目指す初心者の方に向けて、システム開発に関する知識を分かりやすく解説していきます。

システム開発の目的とは

システム開発を行う際には必ずシステム開発の目的があり、その多くの目的は業務の効率化です。そして、得られた効果がシステム開発に要したコストを上回ることです。

システム開発では必ずコストが発生しますが、コストを上回るだけの効果が求められます。この「費用対効果」の視点が大切です。

すなわち、『システム開発の目的=効果>システム開発費用(投資)』であることが大前提です。システム開発費用以上の効果が見込めないシステム開発は基本的にはありません。

ただし、利益の損失を防ぐためのシステム開発はあります。その場合は、『逸失予定利益>システム開発費用』という図式になります。

システム開発とシステム構築の違い

システム開発以外に「システム構築」という言い方があります。システム開発とシステム構築は似てはいますが、正確には異なります。この違いも知っておいた方が良いでしょう。

「システム開発」はシステム設計やプログラム設計及びプログラミングと、そのテスト作業までを範囲とします。一方、「システム構築」はシステム開発に加え、それらを組み立てて実際に運用ができるようにする「仕組み化」のことです。

「システム開発」のアウトプットは作成されたシステム(ソフトウェア)ですが、「システム構築」のアウトプットは「システム化による成果」です。この成果とは、業務の効率化や利便性、売上増進など、システム化の目標として設定されたものです。

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システム開発に関わる主な職種と年収

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「システム開発=システムエンジニアの仕事」と考える人が多くいますが、システム開発とシステムエンジニアの関係や違いを理解しておかないと誤解が生じることもあります。

システム開発に関わるエンジニアはシステムエンジニアだけではありません。Webアプリケーションに関わるWebエンジニア、インフラ部分を担当するインフラエンジニアやネットワークエンジニアもシステム開発には欠かせないエンジニア達です。

また、データベースエンジニアやセキュリティエンジニアも関与します。このように、システム開発にはあらゆる職種のエンジニアが関与しますが、ここではシステム開発において中心的役割を果たすシステムエンジニアとプログラマーについて紹介します。

プログラマー

「プログラマー」は「プログラム言語」を用いてプログラミングを行い、システムやソフトウェアの開発を行う職業です。

システム開発においては、システムエンジニアが作成したシステム仕様書やプログラム仕様書に従ってプログラミングを行い、そのプログラムが仕様通りに動作をするかの確認テストを行います。

【参考】:プログラマー(ITエンジニア職種図鑑)| マイナビエージェント

システムエンジニア

「システムエンジニア」は、クライアントの要請や要求に従い、最適なシステムの設計と開発を行う職業です。主にプログラミングの前段階を担う仕事内容となっています。

システム開発においては、システム設計書やプログラム仕様書などを作成してプログラマーにプログラミングの依頼を行います。その他、上級のシステムエンジニアはシステム開発プロジェクトのリーダー役を任され、プロジェクト全体の統率を行うこともあります。

【参考】:システムエンジニア(ITエンジニア職種図鑑)| マイナビエージェント

システムエンジニア(SE)とは?仕事内容や年収、必要スキルを解説!

システムエンジニアの年収は431万円

システムエンジニアの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収は431万円(※2023年4月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(顧客向けシステムの開発・実装)を参考にすると、平均年収593万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、システムエンジニアは一般平均年収よりと同等かやや高めであることが分かります。

ただし、国税庁の民間給与実態統計調査での平均年齢は46.8歳、全国のシステムエンジニアの平均年齢は厚生労働省発表の賃金構造基本統計調査によれば38.8歳ですので、その年齢差を考慮するとシステムエンジニア(プログラマーを含む)は高年収と言って良いでしょう。

【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁 【参考】:賃金構造基本統計調査|厚労省

システム開発の手法

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システム開発にはいくつかの手法があります。ここでは、システム開発の代表的な手法について解説していきます。ここに挙げた以外には「プロトタイピング型開発」「MVCモデル」「スパイラル型開発」といった手法が知られています。

ウォーターフォール型開発

一般的なシステム開発では、要件定義・外部設計・内部設計といった工程がありますが、その工程を上から下へと順に行っていく手法がウォーターフォール型開発です。

ウォーターフォール型開発は、1つの工程を完了したら次の工程に進むという、シンブルで分かりやすい従来型の開発手法であり、滝のように上から下へと流れるイメージから命名されています。

アジャイル型開発

アジャイル(Agile)は「素早い」という意味で、「反復 (イテレーション)」 と呼ばれるウォーターフォール型開発と比べて短い開発期間の単位を採用し、開発期間とリスクの短縮を可能とする開発手法の1つです。

モバイル分野など、日進月歩でテクノロジーが進化していて途中で要件が変わる可能性の高い分野と相性が良い開発方式です。アジャイル型開発では小さな単位で設計・実装・テストを繰り返すため、問題が発生しても影響がイテレーション内で済むため、手戻りが少ないというメリットがあります。

アジャイル開発の特徴、メリット・デメリット、DXとの関係など

DevOps

DevOps(デブオプス)は比較的新しい手法で、開発(Development)と運用(Operations)を組み合わせた名前になっています。

開発チームと運用チームが一体となって連携するのが特徴で、品質向上に重きを置き、かつ余分な工数を削減するなど、システム開発と運用の効率アップを図ります。アジャイル型開発と組み合わせると、より効果的と言われています。

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システム開発の工程と主担当

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システム開発には大きく以下の5つの工程があり、それぞれ工程を担当するエンジニアが決まっています。このシステム開発の工程について理解しておきましょう。

システム開発工程は、マイホーム建設に例えて考えるとよく分かります。

顧客のマイホームに対する要件を明らかにする「要件定義」、家の設計図を作成する「設計工程」、家の建築を行う「製造工程」、仕上がり具合を確認する「テスト工程」、新しい住まいに引っ越しをする「リリース工程」、家のメンテナンスを行う「運用・保守」があります。

要件定義フェーズ:システムエンジニア

システム開発の依頼者であるユーザーやクライアントに「どのようなニーズがあり、どのようなシステムを求めているのか?」をヒアリングし、開発するシステムの機能や仕様、運用方法などについて方向性を決めるフェーズです。

システムエンジニアの中でも、上流工程を担当する上級エンジニアが主に担当します。

システム設計フェーズ:システムエンジニア

要件定義に従って、システムの機能や仕様の詳細を決めていくフェーズです。ユーザー視点の概要設計である「外部設計」と、実装するシステムの詳細を設計する「内部設計」があります。

■外部設計では、ユーザーに利用してもらう画面やアウトプットを設計し、ユーザーの確認を得ます。 ■内部設計ではプログラム設計など、開発者視点でシステムを設計していきます。

プログラミングフェーズ:プログラマー

システム設計工程でシステムエンジニアが作成した設計書にもとづき、プログラマーがプログラミングを行うフェーズです。プログラミングにおいては、用いるプログラム言語に関するスキルと、詳細設計に基づくアルゴリズムを決めるためのスキルが求められます。

システムテストフェーズ:プログラマー・システムエンジニア

プログラム単位に詳細設計書に書かれた要件通りにプログラムが動作するかを確認する「単体テスト」と、システム全体を通して動作を確認する「結合テスト」があります。

続いて、ユーザーの要求する機能や仕様通りに動作しているのかを確認する「システムテスト」、実際に本番稼働環境での動作を確認する「運用テスト」を経てシステムはリリースされます。

運用保守フェーズ:システムエンジニア・インフラエンジニア

開発システムがリリースされ本番移行した後は、システムの「運用保守フェーズ」に入ります。運用ではシステムが当初想定した通りにシステムが稼働しているのかを確認し、保守ではトラブル対応やアップデート作業などを行います。

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システム開発の種類

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システム開発にはWeb系・オープン系・汎用系などいくつか種類があり、それぞれに求められる知識やスキルが異なります。将来システム開発に携わる予定の方は、それぞれの特徴や違いを理解しておいた方が良いでしょう。

ここでは、システム開発の具体例を挙げて紹介します。ここに挙げた以外に、家電やロボットなどの制御に用いる制御系システムやモバイル系システムなどもあります。

Web系システム

主にWebアプリケーションやWebに関わるシステムを構築します。Webサイト・ECサイト・SNS・Webアプリ・スマホアプリの開発はどれもWeb系に含まれます。このWeb系は社内向けシステムというよりは、一般顧客向けのシステム開発が主です。

オープン系システム

主に特定企業に向けた、業務改善などに資する社内システムの構築が主です。業務に密着したシステムの構築を行うため、業務知識や経験が求められます。

オープン系システムではパソコンを使ったシステム開発が主となり、既に公開されているパソコン仕様(OSなど)に従って「オープン」に開発することから、オープン系と呼ばれています。

汎用系システム

銀行や保険会社、政府系機関などで使われている汎用機(メインフレーム)を用いたシステムの開発です。これらはレガシー系システムとも呼ばれ、年々需要は減りつつありますが、COBOLという事務用言語を用いて開発することが多く、特殊なスキルが要求されます。

同じシステム開発の業界でも、扱うシステムの種類は企業によって異なります。自分がどのようなシステム開発に携わりたいのかを考え、転職エージェントを利用して希望に沿った企業を選びましょう。

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システム開発に必要なスキル

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システム開発に携わるには、必要なスキルを身に付けなければなりません。ここでは、どのようなシステム開発においても重要となるスキルを3つ紹介します。

プログラミングスキル

システムを開発するには、プログラミング言語を用いたプログラミングが欠かせません。実際にプログラミングをするのはプログラマーですが、システムの設計などプログラミング以外のフェーズでもその知識が必要になります。

扱うプログラミング言語は分野によって異なるので、自分が携わりたい分野でよく使われている言語を選んで習得すると良いでしょう。

コミュニケーションスキル

ITエンジニアは技術職なので、コミュニケーションを大事にするイメージは薄いかもしれませんが、システム開発を進める上で非常に重要な要素です。

システム開発は1人でやるものではありません。プログラマーやシステムエンジニアを始め、多くのエンジニアがチームとなって開発プロジェクトを進めていきます。適切にコミュニケーションを取ることがプロジェクトを円滑に進める鍵となります。

また、顧客との連携を図る上でもコミュニケーションスキルは重要です。システム開発に詳しくない可能性もある顧客から、要望や必要な機能について正確にヒアリングし、実際にどのように実現するかをわかりやすく提案するスキルが求められます。

問題解決能力

システム開発は、コストや納期など様々な制約がある中で行わなければいけません。また、開発を進める中で予想外のトラブルや急な仕様変更が起こることもあります。こうした問題が発生した時に、柔軟かつ冷静に対処できる能力が求められます。

顧客の要望を満たしつつ問題をどう解決するか、その策を考え実行するのもシステム開発に関わるエンジニアの仕事です。

システム開発の喜びを味わってみよう

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ここまで、システム開発に関する基本知識を中心に解説しました。システム開発の概略は理解されたことと思います。

システム開発はモノづくりと同じで、顧客の求めるシステムを開発し、実際に顧客に使ってもらいます。自分が開発したシステムが実際に活用され、それが顧客満足につながった時にシステムエンジニアとしての喜びに浸ることができます。

「良いシステムを作ってくれてありがとう」と顧客に言われた暁には、システム開発をやって良かったとしみじみ思え、システム開発の苦労は一瞬にして吹き飛んでいきます。そのような喜びに浸れるよう、活躍できるエンジニアを目指して日々邁進していきましょう。

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