ユーザー系SIerとはどんな企...
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ユーザー系SIerとはどんな企業?転職するに当たって準備すべきことは?
アンドエンジニア編集部
2021.03.29
この記事でわかること
1.SIerにはユーザー系、メーカー系、独立系の企業がある
2.ユーザー系SIer企業への転職のメリット、デメリットを予め理解し、転職のイメージを明確にしておく
3.ユーザー系SIer企業への転職を検討するには自身のキャリア・バス、キャリア・アッププランを明確にしておく

SIerとは

SIerはエンジニアの方にとっては馴染みのある言葉ですが、まず最初にSIerとは何かについて確認しておきましょう。

SIerは「System Integrator」の略語で、"エスアイアー"と読みます。和製英語のため、日本でしか通じませんので、外国の方と話をする際は使わないよう気を付けましょう。他にSIerを「SI企業」とか「SIベンダー」と呼ぶこともありますが同じ意味です。

「System Integrator」はまさに「システムを統合する人」で、SIerはシステム開発から導入までの全ての領域をカバーする総合IT事業者と考えて良いでしょう。

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Sierを大別すると

ユーザー系SIerの多くは金融、電力、保険、商社、鉄道、小売りなどの情報システム部門を、外販比率の向上やコスト削減を目的に子会社化させた会社です。一般的にはシステム子会社とも呼ばれています。ユーザー系SIerにもさまざまな種類の会社があり、主に親会社やグループ企業の情報システムを受託する会社から、プロフィットセンター化した会社まであります。

中にはグループ外の受注がメインとなり、親会社に匹敵するほどの規模に成長した会社もあります。

ユーザー系、メーカー系、独立系という分類は、主に資本関係によるものですが、それぞれの特徴は大きく異なりますので、SIerへの就職や転職を検討されている方は、その違いをよく理解しておくことをおすすめします。

メーカー系SIerのメリット、デメリット、転職で注意点すべきこと

SIer企業の例

SIerと聞くと、皆さんはどんな企業を思い浮かべますか?NTTデータ、日立ソリューションズ、伊藤忠テクノソリューションズ、野村総合研究所、SCSK、日本ユニシスなどをイメージされる方が多いと思います。この中でユーザー系のSIerはNTTデータ、伊藤忠テクノソリューションズ、SCSKです。

NTTデータはNTT系、伊藤忠テクノソリューションズは商社の伊藤忠系、SCSKは住友商事系ですね。それぞれ、親会社からの独立性を強めており、売上の大半はグループ企業以外です。

ユーザー系とは

ユーザー系とは、各種業界企業の系列SIerのことで、SIerの多くの企業がユーザー系に属しています。ただし、富士通や日立、NECなどコンピューター機器を製造しているメーカー系列SIer、独立系のSIerは除きます。ここからはユーザー系と独立系などとの違いや仕事内容について解説します。

メーカー系・独立系との違い

メーカー系SIerはコンピューターや通信機器などを製造しているメーカーに属する子会社を指し、日立ソリューションズ、NECソリューションイノベータ、富士通エフ・アイ・ピー、東芝デジタルソリューションズなどがあります。

独立系SIeriとは親会社がなく、独自に設立され、独自経営をしている会社を指し、大塚商会、日本ユニシス、富士ソフトなどがあります。

ユーザー系の仕事内容

ユーザー系SIerの仕事内容は、独立して間もない頃には、主に親会社の業務システムの開発や運用が中心です。親会社のシステム部門であった当時の仕事がそのまま継承され、この段階での社員は親会社への帰属意識が強い傾向があります。その後、グループ内企業のシステム受託の仕事が徐々に増えて、社員の意識も少しずつ変わってきます

初期の段階のユーザー系SIerは親会社の業界の仕事が中心となるため、システム開発や運用においても業界知識が必要不可欠です。

次第にユーザー系SIerの多くは親会社からの独立を余儀なくされ、外販比率を高める方向にシフトしていきます。そのため、独立系SIerと競合するようになり、親会社の業界にとらわれずに取引先をグループ外に広げていきます。この段階に達したユーザー系SIerの仕事は、独立系SIerと何ら違いが無くなってきます。

ユーザー系企業のタイプ

ユーザー系SIerは、その機能や利益構造から3パターンに分けることができます。これは子会社化された時点での親会社から与えられたミッションが影響しているのですが、ユーザー系への転職を考えると際には、希望する企業がどのパターンに属しているのかを知っておく必要があります。

  コストセンター

親会社から独立する際に、機能子会社として位置づけられている子会社が該当します。活動の中心は親会社、グループ会社のシステム受託で、基本的に利益責任を負っていません。そのため取引先が親会社やグループ企業が中心となるため、積極的な営業活動は行いません。そのため、ぬるま湯的な体質に陥りやすく、技術革新も疎かになり、親会社やグループ企業のシステム受託を外部企業に奪われるケースも起こりがちです。

  プロフィットセンター

親会社から独立する際に、利益責任を負わされた子会社がこれに該当します。新規事業的な位置づけとなり、親会社やグループ会社への依存度を低下させながら、外販に注力します。他社との厳しい競争にさらされるため、ビジネス革新を求められます。また、自社の弱みを補うために、中小のITベンダーとの提携や合併などを行い、次第に独立色を強めていく企業も少なくありません。

  シェアード・サービスセンター

シェアード・サービスセンターは、間接部門の機能を集約することで経営のスリム化を図る手法の1つです。情報システムだけにこだわらず、グループ企業人事、総務、法務、データセンターなどコーポレート機能をひとまとめにし、シェアード・サービスセンターとして集約・標準化します。この先鞭を切る形で情報システム部門を先に独立させ、このシステム会社に後方部門の機能を集約させていく方法がとられます。

シェアード・サービスセンター設立の目的はあくまでも、企業グループ全体のコスト削減や業務の効率化ですが、一定の成果を上げた後にグループ外を対象にBPO受託事業を始める会社もあります。

 

ユーザー系SIer転職のメリット

ユーザー系SIerへの転職にはメリットもあればデメリットもあります。ユーザー系SIerを希望する方は、あらかじめ、そのメリット・デメリットをよく理解しておくべきでしょう。こごてはまずメリットについて解説しますので、参考にしてください。

  安定経営

ユーザー系SIerは親会社やグループ企業からの安定した仕事があるため、経営の不安がほぼありません。レアケースとしては、お荷物となった子会社が他企業に売却されることもありますが、親会社が変わるだけで、一般の社員とっては大きなデメリットにはならないでしょう。

  仕事への不安が少ない

ユーザー系企業の社員の大半は親会社、グループ会社からの出向者で占められます。親会社と同じ社風、同じ価値観、同じ仕事がベースとなり、ベンチャー系企業のような仕事の変化がないため、落ち着いて仕事ができます。大きな変化が苦手な方にとっては仕事がしやすいと言えます。

  労働環境が悪くない

給与体系や福利厚生は親会社の人事制度に準じる場合が大半です。そのため、給与面や福利厚生面での不満は出にくいでしょう。またベンチャー系企業にありがちなサービス残業や深夜残業がないのも働く側としては安心材料です。

 

ユーザー系SIer転職のデメリット

ここからはデメリットについてもご紹介します。良い点だけではなく悪い点なども確認し、最終判断を行いましょう。

  ぬるま湯的企業体質の場合も

ユーザー系SIerでも、親会社やグループ会社との取引が大半を占めている段階では、ぬるま湯的環境であることが少なくありません。売上責任も利益責任もない中では、「余計なことはしない方がよい」と考える人が出てきても不思議ではありません。

ぬるま湯環境に置かれると、人は成長意欲を失いがちです。ルーチンワークの繰り返し、前例主義の踏襲で、新しい知識やスキルを求めなくなる方も出てくるでしょう。人は逆風にさらされて成長します。順風の環境は成長を求める方には合わないでしょう。

  大きな出世は望めない

ユーザー系SIerだけの問題ではありませんが、子会社の役員は親会社からの天下りが多いというのが現実です。子会社に対する影響力を残しておきたいと考える親会社の意向を考えればやむを得ないことですが、これでは社員のモチベーションは期待できません。「いつかは社長に」と考えている方にはユーザー系SIerはおすすめできません。

 

ユーザー系SIerに転職する際のポイント

ユーザー系SIerへの転職を検討する際には、意識しておきたいポイントがいくつかあります。新卒で就職活動をされる方は企業研究をされると思いますが、転職でも同じく企業研究が重要です。ただ、その視点は少し変える必要がありますので、その視点を中心にこれから解説していきます。

 親会社について研究する

ユーザー系SIerに転職を希望する場合、まずは親会社をよく知っておくことが大切です。親会社への依存度によって、業務内容や求められる知識が変わってくるからです。親会社やグループ会社が属する業界が金融系であるなら、金融系の仕事が多くなり、金融系の知識やスキルが求められます。外販比率が高く、その多くが流通系であるなら、流通系のシステム開発や管理が中心になるかもしれません。

自分の力を発揮できる分野なのか、未知の分野なのかを予め知っておくことが活躍するために大切です。自身の活躍に合う仕事ができるのはどの業界のどのような企業なのか、ということを自身がもつ知識や性格などとも照らし合わせて企業を調べてみましょう。

 親会社との関係について研究する

親会社への依存度が高いSIerのメリットとしては、親会社やグループ企業からの安定的な業務受注があり、経営が安定している点があげられます。一方、親会社やグループ企業への依存度が低い場合には、独立系の企業と同様に経営リスクは高まります。親会社やグループ企業への依存度がどの程度なのかを知っておくことは大切です。

他、給与体系や福利厚生などは、親会社に準じている会社が大半ですが、独立して年数が経っており、資本構成が大きく変わっている場合は、独自の給与制度や福利厚生制度を設けている会社もあります。転職情報サイトなどに登録しておくと、かなりの内部商法が得られますので、転職を検討さけている方はそうしたサイトの利用をおすすめします。

 キャリアパスを描いておく

ユーザー系SIerも含め、SIer系の会社はコンサルティングやシステム開発の上流工程を強化しています。プログラミングは子会社や協力会社に委託するケースも多いため、プログラマーとしてよりは、システムエンジニアとしてステップ転職する方をおすすめします。

また転職して何を目指すのか、明確なキャリアパス、キャリア・アップのイメージを強く持った上での転職をおすすめします。皆さんの今後のご活躍を期待しています。

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