ユーザー系SIerとは?メリット・デメリットや転職時のポイント
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ユーザー系SIerとは?メリット・デメリットや転職時のポイント
転職ノウハウ
アンドエンジニア編集部
2022.02.25
この記事でわかること
1.SIerにはユーザー系・メーカー系・独立系の企業がある
2.ユーザー系SIer企業への転職のメリット・デメリットを予め理解し、転職のイメージを明確にしておく
3.ユーザー系SIer企業への転職では自身のキャリアパス・キャリアアッププランを明確にしておく

SIerとは

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SIerはエンジニアの方にとっては馴染みのある言葉ですが、まず最初にSIerとは何かについて確認しておきましょう。SIerは「System Integrator」の略語で、「エスアイアー」と読みます。和製英語のため日本でしかじませんので、海外の方と話をする際は使わないよう気を付けましょう。他にSIerを「SI企業」「SIベンダー」と呼ぶこともありますが意味は同じです。

「System Integrator」はまさに「システムを統合する人」で、SIerはシステム開発から導入までの全ての領域をカバーする総合IT事業者と考えて良いでしょう。

SIerとは?詳細や問題点、将来性についてわかりやすく解説!
SIerとSESの違いとは?それぞれの詳細から将来性まで徹底解説

SIerを大別すると

ユーザー系SIerの多くは、金融・電力・保険・商社・鉄道・小売りなどの情報システム部門を、外販比率の向上やコスト削減を目的に子会社化させた会社です。一般的にはシステム子会社とも呼ばれています。

ユーザー系SIerにもさまざまな種類の会社があり、主に親会社やグループ企業の情報システムを受託する会社から、プロフィットセンター化した会社まであります。中にはグループ外の受注がメインとなり、親会社に匹敵するほどの規模に成長した会社もあります。

ユーザー系・メーカー系・独立系という分類は、主に資本関係によるものですが、それぞれの特徴は大きく異なるため、SIerへの就職や転職を検討されている方は、その違いをよく理解しておきましょう。

メーカー系SIerのメリット、デメリット、転職で注意点すべきこと

SIer企業の例

SIerと聞くと、皆さんはどんな企業を思い浮かべますか?NTTデータ・日立ソリューションズ・伊藤忠テクノソリューションズ・野村総合研究所・SCSK・日本ユニシスなどをイメージされる方が多いと思います。この中でユーザー系のSIerはNTTデータ・伊藤忠テクノソリューションズ・SCSKです。

NTTデータはNTT系、伊藤忠テクノソリューションズは商社の伊藤忠系、SCSKは住友商事系ですね。それぞれ親会社からの独立性を強めており、売上の大半はグループ企業以外です。

ユーザー系とは

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ユーザー系とは、各種業界企業の系列SIerのことで、SIerの多くの企業がユーザー系に属しています。ただし、富士通・日立・NECなどコンピューター機器を製造しているメーカー系列SIer・独立系のSIerは除きます。ここからは、ユーザー系と独立系などとの違いや仕事内容について解説します。

メーカー系・独立系との違い

「メーカー系SIer」とはコンピューターや通信機器などを製造しているメーカーに属する子会社を指し、日立ソリューションズ、NECソリューションイノベータ、富士通エフ・アイ・ピー、東芝デジタルソリューションズなどがあります。

「独立系SIer」とは、親会社のない独自に設立された独自経営をしている会社を指し、大塚商会・日本ユニシス・富士ソフトなどがあります。

ユーザー系の仕事内容

ユーザー系SIerの仕事内容は、独立して間もない頃は主に親会社の業務システムの開発や運用が中心です。親会社のシステム部門であった当時の仕事がそのまま継承され、この段階での社員は親会社への帰属意識が強い傾向があります。その後、グループ内企業のシステム受託の仕事が徐々に増えて、社員の意識も少しずつ変わっていきます。

初期段階のユーザー系SIerは親会社の業界の仕事が中心となるため、システム開発や運用においても業界知識が必要不可欠です。

次第にユーザー系SIerの多くは親会社からの独立を余儀なくされ、外販比率を高める方向にシフトしていきます。そのため、独立系SIerと競合するようになり、親会社の業界にとらわれずに取引先をグループ外に広げていきます。この段階に達したユーザー系SIerの仕事は、独立系SIerと何ら違いがなくなっていきます。

ユーザー系SIerとはどんな企業?転職するに当たって準備すべきことは?

ユーザー系企業のタイプ

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ユーザー系SIerは、その機能や利益構造から3パターンに分けることができます。これは子会社化された時点での親会社から与えられたミッションが影響しているのですが、ユーザー系への転職を考える際には、希望する企業がどのパターンに属しているのかを知っておく必要があります。

コストセンター

親会社から独立する際に、機能子会社として位置づけられている子会社が該当します。

活動の中心は親会社・グループ会社のシステム受託で、基本的に利益責任を負っていません。取引先が親会社やグループ企業が中心となるため、積極的な営業活動は行わないことでぬるま湯的な体質に陥りやすく、技術革新も疎かになり、親会社やグループ企業のシステム受託を外部企業に奪われるケースも起こりがちです。

プロフィットセンター

親会社から独立する際に、利益責任を負わされた子会社がこれに該当します。

新規事業的な位置づけとなり、親会社やグループ会社への依存度を低下させながら、外販に注力します。他社との厳しい競争にさらされるため、ビジネス革新を求められます。また、自社の弱みを補うために、中小のITベンダーとの提携や合併などを行い、次第に独立色を強めていく企業も少なくありません。

シェアード・サービスセンター

シェアード・サービスセンターは、間接部門の機能を集約することで経営のスリム化を図る手法の1つです。情報システムだけにこだわらず、グループ企業人事・総務・法務・データセンターなどのコーポレート機能をひとまとめにし、シェアード・サービスセンターとして集約・標準化します。

この先鞭を切る形で情報システム部門を先に独立させ、このシステム会社に後方部門の機能を集約させていく方法がとられます。シェアード・サービスセンター設立の目的は、あくまでも企業グループ全体のコスト削減や業務の効率化ですが、一定の成果を上げた後にグループ外を対象にBPO受託事業を始める会社もあります。

ユーザー系SIer転職のメリット

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ユーザー系SIerへの転職にはメリットもあればデメリットもあります。ユーザー系SIerを希望する方は、あらかじめそのメリット・デメリットをよく理解しておくべきでしょう。ここではまずメリットについて解説しますので、参考にしてください。

安定経営

ユーザー系SIerは親会社やグループ企業からの安定した仕事があるため、経営の不安がほぼありません。レアケースとしては、お荷物となった子会社が他企業に売却されることもありますが、親会社が変わるだけで、一般の社員にとっては大きなデメリットにはならないでしょう。

仕事への不安が少ない

ユーザー系企業の社員の大半は親会社、グループ会社からの出向者で占められます。親会社と同じ社風・同じ価値観・同じ仕事がベースとなり、ベンチャー系企業のような仕事の変化がないため、落ち着いて仕事ができます。大きな変化が苦手な方にとっては仕事がしやすい環境です。

労働環境が悪くない

給与体系や福利厚生は親会社の人事制度に準じる場合が大半です。そのため、給与面や福利厚生面での不満は出にくいでしょう。また、ベンチャー系企業にありがちなサービス残業や深夜残業がないのも働く側としては安心材料です。

ホワイト企業であることが多い

ユーザー系SIerは大手企業が親会社という理由もあり、IT企業の中では比較的ホワイトな環境であることが多いです。労働環境はもちろんのこと、ユーザー系SIerで働く人たちには精神的な余裕が見られ、職場の雰囲気や人間関係も和やかであることも多く、仕事内容以外での働きやすさがあります。

ユーザー系SIer転職のデメリット

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ここからはデメリットについてもご紹介します。良い点だけではなく悪い点なども確認し、最終判断を行いましょう。

ぬるま湯的企業体質の場合も

ユーザー系SIerでも、親会社やグループ会社との取引が大半を占めている段階では、ぬるま湯的環境であることが少なくありません。売上責任も利益責任もない中では、「余計なことはしない方がよい」と考える人が出てきても不思議ではありません。

ぬるま湯環境に置かれると、人は成長意欲を失いがちです。ルーチンワークの繰り返し、前例主義の踏襲で、新しい知識やスキルを求めなくなる方も出てくるでしょう。人は逆風にさらされて成長するため、順風の環境は成長を求める方には合わないかも知れません。

大きな出世は望めない

ユーザー系SIerだけの問題ではありませんが、子会社の役員は親会社からの天下りが多いというのが現実です。子会社に対する影響力を残しておきたいと考える親会社の意向を考えればやむを得ないことですが、これでは社員のモチベーションは期待できません。「いつかは社長に」と考えている方にはユーザー系SIerはおすすめできません。

ユーザー系SIerの年収や将来性

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ここでは、ユーザー系SIerにおける年収や将来性についてまとめました。年収については、企業別にランキング付けで紹介するのでぜひ参考にしてください。

ユーザー系SIerの年収トップは1,000万円超え

ユーザー系SIerは誰もが知る大手有名企業が多いことから、平均年収も高めなのが特徴です。年収が低めの企業でも450万円程度なため、日本の平均年収よりやや高めであることが分かります。2021年度のユーザー系SIerの年収を企業別に5位までランキング付けすると、以下のようになります。

1位:野村総合研究所【1,235万円】 ​​【参考】:野村総合研究所-2020年3月期有価証券報告書

2位:電通国際情報サービス【1,047万円】 【参考】:電通国際情報サービス-有価証券報告書

3位:伊藤忠テクノソリューションズ【933万円】

4位:日鉄ソリューションズ【855万円】 【参考】:日鉄ソリューションズ-2021年3月期有価証券報告書

5位:NTTデータ【841万円】 【参考】:NTTデータ-2021年3月期有価証券報告書

ユーザー系SIerの将来性

ユーザー系SIerの将来性は、親会社に左右されることが多く、企業によっては出世が見込めない場合もあります。

理由として、前述した通り親会社から天下りのように出向している社員が多いことで、大きな出世がしにくいという理由があります。プロジェクトマネージャーなどには昇進できる可能性はあるので、キャリアアップのための資格取得をするなどの方法がおすすめです。

将来性としては、ユーザー系SIerがなくなることはほぼないため将来性は高いと言えますが、自身の出世を希望する場合においてはやや難しいため、ITスキルを高めてキャリアアップを図りましょう。

ユーザー系SIerに転職する際のポイント

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ユーザー系SIerへの転職を検討する際には、意識しておきたいポイントがいくつかあります。新卒で就職活動をされる方は企業研究をされると思いますが、転職でも同じく企業研究が重要です。ただ、その視点は少し変える必要があるため、その視点を中心にこれから解説します。

親会社について研究する

ユーザー系SIerに転職を希望する場合、まずは親会社をよく知っておくことが大切です。親会社への依存度によって、業務内容や求められる知識が変わってくるためです。親会社やグループ会社が属する業界が金融系であるなら、金融系の仕事が多くなり、金融系の知識やスキルが求められます。

外販比率が高く、その多くが流通系であるなら、流通系のシステム開発や管理が中心になるかもしれません。自分の力を発揮できる分野なのか、未知の分野なのかを予め知っておくことが活躍するために大切です。自身の活躍に合う仕事ができるのはどの業界のどのような企業なのかを、自身がもつ知識や性格などと照らし合わせて企業を調べてみましょう。

親会社との関係について研究する

親会社への依存度が高いSIerのメリットとしては、親会社やグループ企業からの安定的な業務受注があり、経営が安定している点が挙げられます。一方、親会社やグループ企業への依存度が低い場合には、独立系の企業と同様に経営リスクは高まります。親会社やグループ企業への依存度がどの程度なのかを知っておくことは大切です。

その他、給与体系や福利厚生などは親会社に準じている会社が大半ですが、独立して年数が経って資本構成が大きく変わっている場合は、独自の給与制度や福利厚生制度を設けている会社もあります。転職情報サイトなどに登録しておくと、かなりの内部商法が得られますので、転職を検討されている方はそうしたサイトの利用もおすすめです。

キャリアパスを描いておく

ユーザー系SIerも含め、SIer系の会社はコンサルティングやシステム開発の上流工程を強化しています。プログラミングは子会社や協力会社に委託するケースも多いため、プログラマーとしてというよりも、システムエンジニアとしてステップアップ転職をする方がおすすめです。

また転職して何を目指すのか、明確なキャリアパス・キャリアアップのイメージを強く持った上での転職をおすすめします。皆さんの今後のご活躍を期待しています。

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