メーカー系SIerのメリット、デメリット、転職で注意点すべきこと
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メーカー系SIerのメリット、デメリット、転職で注意点すべきこと
転職・採用
アンドエンジニア編集部
2021.03.26
この記事でわかること
1.メーカー系SIerの特徴や仕事内容を知る
2.メーカー系SIerへの転職のメリット、デメリットを知る
3.メーカー系SIerは無くならない。転職して活躍するためには自分に磨きをかけることが必要

メーカー系SIerとは

メーカー系

SIerは"エスアイアー"と発音し、System Integrator(システム・インテグレーター)の略で、日本独特の言葉です。SIerは顧客の要求に従ってシステムを開発・導入・提供する企業の事です。SIerは他にも"ITベンダー"、 "SIベンダー"とも呼ばれています。

SIerの中でも、パソコンやサーバーなどを製造しているコンピューターメーカーから独立した会社のことを「メーカー系SIer」と言います。富士通系では富士通エフサス、日立系の日立ソリューションズ、NEC系のNECシステムテクノロジーなどに代表されます。SIerには他に、金融や保険、商社、流通系などのユーザー系SIer、親会社を持たない独立系SIerなどがあります。

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メーカー系SIerの特徴

メーカー系SIerは親会社の下請け的なイメージがあります。以前は実際に親会社がコンピューター機器と抱き合わせで受注した案件をこなすケースが多くありました。自社のハードやパッケージ、各種サービスが揃っており、親会社が獲得している取引先も豊富にあって、販売先に困ることはあまりありませんでした。

また多業種の顧客を相手に、SEは幅広い経験を積むことが可能な環境にあります。一方で、近年にはAWSやAzureといったクラウドサービス事業者が台頭し、メーカー系SIerのテリトリーがかなり侵食されています。

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メーカー系SIerの仕事

ある大手企業(仮にA企業とします)で、情報システム再構築のプランがあるとしましょう。このA企業は富士通・日立・NECのコンピューター機器やパッケージを利用していることから、この3社に提案要請書(RFP)を発出しました。この3社はともにSIer企業を傘下に抱えており、それぞれのSIer企業に提案書の作成を指示します。その提案書を精査、検討した結果、富士通と日立が受注することになりました。

大規模システムの構築となり、端末系は富士通エフサス、サーバー系は日立ソリューションズが担当することになりました。しかし、2社の上に立ってプロジェクトをコントロールするには、A企業が行うのは無理があるとの判断から、A企業はPM(プロジェクトマネジメント)を付き合いのあるNTTデータに委託することにしました。

こうして、3社混成のプロジェクトがスタートしたのです。しかし実際には、メーカーの下請けとなった日立ソリューションズ、富士通エフサスもプログラミングはさらに孫請けに委託をしました。そのため、実際には何社ものエンジニアが入り混じって共同作業を行うこととなったのです。

このように、大きなプロジェクトになるとメーカーが何社も関わり、しかも多重下請けという形で何層もの下請け構造になるケースがあります。SIerはシステム・インテグレーターなので、本来であればシステムの開発から導入まで全てを請け負いますが、実際にはこのような分業構造となっている場合が多いのです。

 

メーカー系SIerのメリットとは?

メリット

メーカー系SIerへの転職を検討されている方がいるかと思いますが、ここでメーカー系SIerで働くメリットについて述べておきましょう。

比較的安定している

日立や富士通、NECの系列企業ということで、経営基盤はしっかりしており、経営も比較的安定しているといえます。とはいえ、親会社の影響が悪い方向に向かうこともあり得ます。親会社の経営不振による事業再編、人員整理などの影響を受ける場合があります。

日立、富士通、NECなどは国策企業ともいえる超大企業で、倒産することは考えにくいですが、経営不振が深刻になれば、子会社の整理、売却なども可能性はゼロとは言えませんので、仮に職を失ってもすぐに他で活躍できるだけのスキルは身に着けておくことをおすすめします。

待遇が良い

大手企業グループの直系子会社の人事制度や福利厚生は親会社に準じているの一般的です。特に親会社からの出向者が多い子会社は、大きな賃金格差や待遇格差を招かないよう配慮されています。そうした事もあり、給与は親会社とそれほど差がありません。業績の良い子会社が、親会社の給与を上回ることもあり得ます。

日立・富士通・NECなどはメーカー系としても高収入の企業ですので、子会社にもその恩恵があります。福利厚生面でも、保養所やレクレーション施設などはグループ全体で設けられていますので、子会社の社員も親会社の社員と同等に利用することが可能です。

後ほど詳しく触れますが、大手SIerは教育制度・資格制度が整っており、自己啓発・自己研鑽に前向きな人には良い環境が用意されていますので、積極的な利用をおすすめします。

様々な業界、業種の経験を積める

メーカー系SIerは親会社の取引先をほぼカバーしています。金融・商社・保険・流通・不動産などあらゆる業種に関わっていることから、エンジニアとしてもさまざまな業界を相手にして活躍することが可能です。熱心なエンジニアは、自分が担当する企業を事前に徹底研究しています。

たとえば、自社がある飲食業のシステム構築を担当することになれば、その飲食店を何度も訪れ、現状の問題点把握に努め、これをシステム提案に生かすのです。こうして、さまざまな業界のノウハウを身に着けると、スキルアップを図れて、自己の成長にもつなげていけるのです。

資格の取得がしやすい

SIerは社員の対外的な信用や評価がより求められます。エンジニアは名刺に取得資格を入れることが多く、会社から資格取得を推奨されます。たとえば、プロジェクトマネジメント資格、ITストラテジストといった資格が社内外の評価を得る1つの指標になるのです。

実際にSEを提案、紹介する際には経歴書にこうした資格を明記します。そのため、SIer企業の多くは資格取得に掛かる費用を会社が全額負担したり、資格手当を付けたりして、社員の資格取得意欲を高めています。これは逆に言えば、自らのスキルアップを会社が援助してくれているわけですから、こんなありがたい話はありません。

技術力を付けられる

メーカー系SIerは自社ハードを取り扱うケースが多く、またパッケージ開発に力を入れている企業も少なくありません。また研究開発部門などもあり、他のSIer以上に技術力が重視されるため、技術を磨きたい方にとっては絶好の環境にあるともいえます。

 

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メーカー系SIer企業のデメリットとは?

デメリット

以上、メーカー系SIerのメリットについて述べてきましたが、もちんデメリットもありますので、こちらについても触れておきましょう。

客先常駐が多い

これをメリットととらえる方もいるかもしれませんが、客先常駐をデメリットと感じる方も少なくありません。まず、長期プロジェクトとなると、客先常駐が半年以上に及ぶことがあります。環境のよい客先であれば良いのですが、時には劣悪な環境に置かれることもあります

「自分の部屋や机がない、パソコン1台持って、共同机を転々とする」といった環境におかれたとか、「通勤に片道2時間掛かった」とか、「残業が異常に増えた」といった話も聞きます。

一方では「人間関係に恵まれた」「社員食堂が安くて美味しかった」というメリットを口にするエンジニアもおり、客先常駐は必ずしもデメリットばかりではありません。中には客先にスカウトされ、転職したという方もいます。

出世しにくい

これはユーザー系SIerとも共通するのですが、幹部職の多く、特に部長職以上を親会社からの出向者が占めるという企業が少なくありません。そのため、昇進したくともポストが無いというケースがあります。専門職制度がある企業では、専門職としてスキルを磨くという手もありますが、上昇志向の強い方は直接親会社への転職を目指した方がよいかもしれません。

 

SIerはなくなる?

衰退

エンジニアの皆さんは、「SIerは終わった」というような噂を一度くらいは耳にしたことがあるのではないでしょうか?実際のところ、日本のSIerは海外からの攻勢に遭っており、逆に海外展開が思うように進んでいません。また、クラウド化の波にさらされ守勢に立たされています。

開発手法も、従来のウォーターフォール型からアジャイル型開発にシフトし、従来のような自社のコンピューターと組み合わせた重厚長大型の開発が尻すぼみになりつつあります。有能な人材がベンチャー系に引き抜かれ、人材不足という問題に直面しているSIerもあります。

こうしたことから、「SIerは無くなる」という噂につながったと思われますが、一方でアウトソーシング化の流れは変わりませんし、DXブームでSIer活躍の場が広がっていることから、SIerが無くなるということは想定しづらい状況です。

メーカー系SIerの将来性

DX対応は特にスピードが求められます。その点、アジャイル型開発が有利ですが、一方でメーカー系SIerはアプリケーション・パッケージを多く持っていますユーザー側の業務をパッケージに合わせる方式が採用できると、工数の圧倒的短縮が可能です。

またメーカー系SIerは親会社の経営基盤がしっかりしており、倒産リスクが低いことから、思い切った策を講じることができます。現在抱える問題、弱点をしっかりカバーできるだけの転換策を講じれば、逆にメーカー系SIerにも成長の余地はまだまだあると言えます。

メーカー系SIerに転職するには

メーカー系SIerはメーカーと一体で動ける関係から、最先端技術の研究開発に注力することができます。逆に言えば、最先端技術を武器にして次代を勝ち抜いていくことが求められています。

メーカー系SIerは次代を担う先端IT人材の獲得に活路を見出そうとするでしょう。AI技術を駆使して自動化やIOTも成長分野です。メーカー系SIerを目指すのなら、メーカー系SIerに求められる人材になることです。最先端IT人材を目指して、スキルアップに努めることが有利な転職の条件になります。

まずはDX時代に対応できるDXエンジニア像を明確に描き、自らのスキルや知識に足りないものを身に付けられるよう、自己研鑽に励んでください。

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