SIerの種類とは?それぞれの違いやメリット・デメリットを解説
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SIerの種類とは?それぞれの違いやメリット・デメリットを解説
アンドエンジニア編集部
2024.02.02
この記事でわかること
SIerとは、システムインテグレーター(System Integrator)の略称で大別して5種類ある
SIerに転職するには、 ITに関する基礎知識やスキル、スキル証明となる資格が必要
SIerを選ぶ際には、人材育成に熱心な企業、活躍の機会を得られる企業を選ぶと良い

SIerの種類とは

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SIer(エスアイアー)とは、ITシステムの企画や開発、運用、保守などを行う会社のことです。SIerは、IT業界の中でも大きな存在感を持ち、多くのプロジェクトを手がけています。しかし、SIerにも様々な種類があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。

この記事では、SIerとは何か、SIerの種類と特徴や強みについて、SIer転職からITコンサルタントになる方法などを解説します。SIerへの転職を検討している方、ITエンジニアやITコンサルタントを目標にしている方はぜひ参考にしてください。

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SIerとは何か?

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SIerとは、システムインテグレーター(System Integrator)の略称で、主にITシステムの企画や開発、運用や保守などを行う会社の総称です。SIerは、クライアントの要望や課題をヒアリングし、それらの実現や解決に向けて、最適なITシステムを提案し、提案に基づいてシステムを構築します。

さらに、構築したシステムの運用を通じて改善を続けることで、クライアントのビジネスを支えます。次にSIerの業務について見ていきましょう。

SIerの主な業務

SIerの主な業務は「ITコンサルティング」、「ITシステムの構築」、「システムの運用・保守」、「システムインテグレーション」があります。それぞれの内容について見ていきます。

  • ITコンサルティング

クライアントのビジネスや業務を分析してニーズや課題をヒアリングし、ITシステムの導入や改善の必要性や方針を提案する業務です。主にITコンサルタントやシステムアナリスト、上級システムエンジニアが担当します。

  • ITシステムの構築

クライアントの要件に基づいて、ITシステムの設計やプログラミング、テスト、デバッグなどを行う業務です。主にシステムエンジニアやプログラマーが担当します。

  • システムの運用・保守

ITシステムの稼働状況を監視し、障害や不具合が発生した場合に対応したり、定期的にバックアップやアップデートを行ったりする業務です。主にインフラエンジニアが担当します。

  • システムインテグレーション

既存システムの統廃合や再構築によって、より高度な機能や効率を実現する業務です。前記のITコンサルティングからシステムの運用・保守までをすべて請け負います。

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SIerの主な業務で求められるスキルや資質

SIerの業務は、ITシステムのライフサイクル全てに関わるため、幅広い知識やスキルが求められます。また、クライアントとのコミュニケーションやチームワークも重要です。SIerはIT業界の中でも高い需要があり、安定した収入やキャリアアップの機会があります。

そんなSIerには様々な種類があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。次に、SIerの種類について見ていきましょう。

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SIerの種類と特徴

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SIerは大手から中小まで様々な規模や特色を持つ会社がありますが、一般的にSIerは「ユーザー系」「メーカー系」「独立系」「コンサル系」「外資系」の5つに分類されます。それぞれのSIerについて、特徴を一覧で見ていきましょう。

ユーザー系SIer

一般企業の情報システム部門から独立して生まれたSIerで、親会社やグループ企業のシステム開発を主に行う会社です

ユーザー系SIerの特徴は以下の通りです。

  1. 親会社やグループ企業の業界や業務に精通しているため、ニーズに応えやすい
  1. 親会社やグループ企業のシステム開発がメインであるため、安定した取引源がある
  1. 親会社やグループ企業のシステム開発以外にも、外販(他社へのシステム提供)を行うこともある

  

ユーザー系SIerとは?メリット・デメリットから年収までくわしく解説!

メーカー系SIer

大手電機メーカーや通信キャリアなどのグループ企業で、大規模なプロジェクトを多く手がける会社です。メーカー系SIerの特徴は以下の通りです。

  1. システム開発よりもシステムコンサルティングがメインであるため、経営や業務に関する知識や分析力が必要
  1. システム開発は基本的に外部に委託することが多いため、プログラミングやテストなどの技術的なスキルはあまり必要ではない
  1. システムコンサルティングのみならず、経営コンサルティングや業務コンサルティングなどの幅広いサービスを提供することがある

 

メーカー系SIerとは?その特徴やメリット・デメリットを解説

独立系SIer

特定の親会社を持たず、外部企業のシステム開発を主に行う会社です。独立系SIerの特徴は以下の通りです。

  1. 親会社やグループ企業に依存しないため、自由度や創造性が高い傾向にある
  1. 外部企業のシステム開発がメインであるため、幅広い業界や業務の経験ができる
  1. 自社製品やサービスの開発も行うことがある

 

独立系SIerの特徴とは?仕事内容やメリット・デメリットを解説!

コンサル系SIer

企業の経営戦略や課題解決のため、主にシステム企画・提案といったシステム開発工程の最上流工程を行う会社です。コンサル系SIerの主な特徴は以下の通りです。

  1. システム開発よりもシステムコンサルティングがメインであるため、経営や業務に関する知識や分析力が必要
  1. システム開発は基本的に外部に委託することが多いため、プログラミングやテストなどの技術的なスキルはあまり必要ない
  1. システムコンサルティングのみならず、経営コンサルティングや業務コンサルティングなどの幅広いサービスを提供している

外資系SIer

外国のIT企業やコンサルティングファームなどの日本法人で、グローバルなプロジェクトを多く手がける会社です。外資系SIerの特徴は以下の通りです。

  1. グローバルなプロジェクトを手がけることが多く、海外赴任や出張の機会が多くある
  1. 成果主義や能力主義が強く、実力があれば早く昇進や昇給ができる
  1. 英語力などの語学力が求められる

 

SIerに勤務する人の年収

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SIerの業務として、ITコンサルティングがあります。そこで、ITコンサルタントの年収を見てみましょう。

ITコンサルタントの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」では512万円(※2024年1月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のIT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))を参考にすると、平均年収758万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、ITコンサルタント一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。

ITコンサルタントは高いスキルや豊富な経験を有し、高収入を期待できる職種です。しかも独立や転職しやすい職種でもあり、自由な働き方が選択でき、より多くの報酬を得ることが可能です。

【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

ITコンサルタントは激務で大変?後悔しないポイントや向いている人を解説

未経験からSIerでITコンサルタントになるには

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前述でITコンサルタントの年収を紹介しましたが、広範な知識と経験が求められるITコンサルタントは一足飛びでなれる職種ではありません。プログラマーや運用を経験した後に、IT関連の資格を取得し、システムエンジニアとしての経験を積んだ上でITコンサルタントを目指すのが一般的です。

また、ITコンサルタントとして転職するには、転職先にアピールができるだけのスキルが必要です。特にIT関連資格の取得は必須と考えましょう。以下の3つの条件を満たすことが求められます。

ITに関する基礎知識やスキルを身につける

ITに関する基礎知識やスキルとは、例えば以下のようなものです。これらの知識やスキルは、書籍やオンライン教材、スクールなどで学ぶことができます。また、実際にITの仕事に携わることで、より深く理解することができます。

そのため、ITエンジニアやIT系の営業職など、ITに関連する職種で次のような経験や知識を積むことをおすすめします。

  • プログラミング言語や開発ツールの使い方
  • データベースやネットワークの仕組みや設計方法
  • システム開発のプロセスや手法
  • ITの最新の技術やトレンド
  • ITのビジネスや法律の知識

ITコンサルタントに役立つ資格の取得や経験を積む

ITコンサルタントになるには、ITに関する基礎知識やスキルだけでは不十分で、スキル証明となるようなIT関連資格や経験が求められます。なかでも強くアピールできるレベルのITに関する資格や経験を保有していると、転職や仕事の受注に有利です。

  • ITストラテジストやプロジェクトマネージャなどのIT関連資格を取得する

以下に挙げる資格試験は知名度・難易度ともに高く、スキル証明としては十分な資格といえます。積極的な取得をおすすめします。

【参考】:ITストラテジスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 【参考】:プロジェクトマネージャ試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

ITストラテジスト試験とは?資格の概要や取得メリットを解説
プロジェクトマネージャ試験の難易度は?合格率やメリットも解説
  • 中小企業診断士などの国家資格を取得する

中小企業診断士や公認会計士の資格は、その資格を有するだけでも独立することが可能ですが、これらの資格を取得しておくと、ITコンサルタントとしても大変有利に働きます。

【参考】:中小企業診断士資格|中小企業診断協会 【参考】:公認会計士・監査審査会/公認会計士試験

  • SAPやSalesforceなどのパッケージソフトウェアの資格を取得する

ERPとして著名なSAPや、CRMの代表的パッケージであるSalesforceはSIerが手掛ける案件として多くありますので、これらのパッケージに関する資格はSIerへの転職では有利に働きます。

【参考】:SAP認定コンサルタント資格|EducationJapan Top 【参考】:Salesforce 資格一覧 | Salesforce

  • TOEICやTOEFLなどの英語や他の言語の資格

外資系のSIerへの転職を希望する方は、TOEICやTOEFLの資格を取得しておくと有利です。特に、グローバルに活躍したい方はぜひ取得しておきましょう。

【参考】:【公式】TOEIC Program|IIBC 【参考】:TOEFLテスト 国際基準の英語能力測定試験 | TOEFLテスト日本事務局

ITコンサルタントの求人に応募する

ITコンサルタントになるには、最終的にSIerなどITコンサルタント企業の求人に応募する必要があります。ただし、ITコンサルタントの求人は競争倍率や難易度が高いため、事前の周到な準備が必要です。初めて転職する方は有力な転職エージェントの手を借りるとよいでしょう。

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SIerに転職するデメリットとメリット

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SIerには大きく分けて、ユーザー系、メーカー系、独立系、コンサル系、外資系の5種類がありますが、転職する際にはどの系統のSIerを選択すればいいのでしょうか?

それぞれ一長一短がありますので、何に重きを置いて転職したいのか、自分自身の希望やキャリアパス、適性などを勘案して対象を絞ることが大切です。各SIerの種類別に、転職先としてのデメリットとメリットを1つずつ挙げていきますので、判断の材料にしましょう。

各SIerのデメリット

まずはじめに、5種類のSIerのそれぞれのデメリットについて確認してみましょう。

  • ユーザー系SIer

親会社やグループ企業のシステム開発が中心となっているため、親会社やグループへの依存度が高い場合には、親会社の経営状況の影響を受けやすいというリスクがあります。

  • メーカー系SIer

親会社がメーカーであることから、自社製品への依存度が高く、自由度や創造性に欠ける場合があります。

  • 独立系SIer

特定の親会社を持っていないことから、経営基盤が不安定であったり、信頼性に欠けたりする場合があります。

  • コンサル系SIer

コンサルティングが中心となるため、エンジニアとしてスキルを磨きたい人には向いていません。

  • 外資系SIer

日系企業よりも評価制度が厳しく、成果主義の企業が多いため、成績次第では解雇されるリスクがあります。また英語力が問われる場合もあります。

各SIerのメリット

各SIerのデメリットに続き、5種類のSIerのメリットについて、それぞれ確認してみましょう。

  • ユーザー系SIer

親会社やグループ企業からの注文があるため、安定的に仕事が入る可能性があります。

  • メーカー系SIer

比較的大規模な案件が多く、技術力のアップやスキルアップのチャンスが多いと考えられます。

  • 独立系SIer

比較的自由度が高く、様々な業種を経験できるため、スキルアップをしやすいと考えられます。

  • コンサル系SIer

高料金のコンサルティング業務が中心のため、高額の報酬やインセティブを得られる可能性があります。

  • 外資系SIer

仕事は厳しいものの、高い年収やインセティブを得られる可能性があります。また実力次第ではグローバルな活躍の機会を得られます。

未経験者が優良企業を選ぶには

ここまで、各SIerの主なデメリットとメリットを挙げてきました。未経験者の場合、転職の不安は非常に大きいと思います。いくつか候補先が見つかって選択に迷ったら、人材育成に熱心な企業、活躍機会を得られる企業を選ぶといいでしょう。

未経験者を積極的に採用して自社で育成を目指す企業や、従業員の資格取得を後押ししているような企業がおすすめです。転職の際はこのような企業を積極的に探してみましょう。

SIerへの転職で夢を叶えるには

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ここまで、SIerへの未経験者の転職について、SIerの概要や種類、特徴、年収などについて解説しました。IT業界未経験者にとって、SIer業界への転職は不安だらけでしょう。

転職では自分にとって相性が良く、能力を最大限に生かせる企業との出会いが成功の鍵です。キャリアプランを実現させてくれる企業や、未経験者でも可能性を見出して積極採用し、ITコンサルタントまで育成してくれる企業が理想です。

しかし膨大な求人の中から、優良企業を見つけるのは至難の業でしょう。

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