機械学習エンジニアの将来性は?必要なスキル・資格や年収なども解説
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機械学習エンジニアの将来性は?必要なスキル・資格や年収なども解説
アンドエンジニア編集部
2023.06.12
この記事でわかること
機械学習エンジニアは、人工知能における機械学習分野を活用したシステムを担当するエンジニアを指す
機械学習はコンピュータによる認識・分析・対処の適応分類で活用が進んでおり、さらに市場拡大が見込まれる
人工知能・機械学習の利用拡大により機械学習エンジニアの需要拡大が期待できる

機械学習エンジニアとは?

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機械学習エンジニアは、人工知能(AI)の領域でシステムを設計・開発・構築するITエンジニアのことです。特に機械学習(Machine Learning)のシステム実装や開発を担当するエンジニアを指し、英語の頭文字を取って「MLエンジニア」とも言います。

ここでは、関連する他の職種との違いや仕事内容について解説します。

機械学習エンジニアとは?仕事の内容や将来性について解説!

人工知能と機械学習はどう違う?

人工知能とは、人間が備えている知的な行為や能力をコンピュータの手続き・アルゴリズムに基づき、所定のデータを与えることで機械的に実行することを研究する領域です。

機械学習は人工知能の一種で、学習方法を定義し機械的に学習させるために過去の蓄積データから将来を予測するための技法を指します。

機械学習エンジニアとAIエンジニアの違い

AIエンジニアは、AI(人工知能)の開発に関連する技術職全般を指します。機械学習エンジニアは、AIの中でも特に機械学習の分野を担うエンジニアです。つまり、機械学習エンジニアはAIエンジニアの1種と言うことができます。

機械学習エンジニアとデータサイエンティストの違い

機械学習エンジニアと対比する職種でデータサイエンティストがあります。機械学習エンジニアは機械学習アルゴリズムを設計・実装する技術者のことで、ITエンジニアの一種です。データサイエンティストとは機械学習アルゴリズムを使うシステム利用者で、データ分析者・統計の専門家を指します。

つまり、機械学習エンジニアはITエンジニアであり、データサイエンティストはシステム利用者という違いがあります。

データサイエンティストを目指すエンジニアがまず取得したい資格7選!

機械学習エンジニアの仕事内容

機械学習エンジニアが行う主な仕事は、機械学習モデルの構築、機械学習サービスの設計や開発、機械学習基盤の構築・運用・保守などがあります。また、AI技術は日々進化しているため、最新技術の研究や論文の調査といったことも機械学習エンジニアには欠かせない業務の1つです。

さらに、機械学習のアルゴリズムは「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3つに分類されます。

「教師あり学習」は特定のデータをどう処理するのか教える学習方法です。「教師なし学習」は、正解タグのないデータを与えてコンピュータ自身にデータの特徴・パターンなどを分析させます。「強化学習」は、今あるデータだけでなく自ら必要なデータの収集・分析を行うことで知能向上を図る方法です。

「教師あり学習」「教師なし学習」の2つに関しては、事前にデータを用意する必要があるため、機械学習エンジニアにはこれらのデータ収集や加工作業の仕事も伴います。

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機械学習エンジニアの将来性

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機械学習エンジニアは人工知能の領域で機械学習を担当するITエンジニアです。ここでは機械学習エンジニアの将来性を考える上で、人工知能や機械学習が将来どのように活用されるかを解説します。

機械学習エンジニアが担当する機械学習の適応領域は?

人工知能の中の機械学習の適応領域は大まかに「コンピュータ認識の領域」「コンピュータ分析・予測の領域」「コンピュータ対処応答の領域」の3つに大別され、それぞれ適応が拡大しています。

具体的には、コンピュータ認識の領域では、画像認識(顔認証や監視等)、音声認識(音声入力や応対等)、文章解析・文章認識(不正検知や検索等)、異常検知(故障や異常行動等)等に適応が拡大しています。

同様にコンピュータ分析・予測の領域では、数値の予測(売上や株価等)、イベント発生の予測(購買予測等)等に活用されています。

続いてコンピュータ対処応答の領域では、行動の最適化(出店や在庫最適化等)、作業の最適化(自動運転や自動応答等)、表現の生成(翻訳や要約等)等に活用されています。この適応領域は今後さらに増えると見込まれています。

内閣府の「AI戦略」とは

内閣府において、イノベーション政策強化推進のための有識者会議「AI戦略」(AI戦略実行会議)が行われており、今後におけるAI活用の推進と必要な人材育成が議論されています。

主なAI適応領域として各産業界、特に健康・医療・介護・福祉の分野が期待され、同様にデジタル社会の安全性を高めるためにセキュリティへの対応に注力しています。

そのため、大学・高専・専門学校での人材育成のカリキュラムもデータサイエンティスト・AI人材を担うための内容が検討されています。また、デジタルトランスフォーメーションで活用されるICTは環境整備・技術蓄積が検討されており、AI関連のスキル学習でeラーニングの機会が今後増えると予測されます。

【参考】:内閣府 AI戦略

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「機械学習エンジニアはやめとけ」は本当?

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ネット上などでは「機械学習エンジニアはやめとけ」といった意見もありますが、その理由としてまず考えられるのは、求められる専門知識やスキルの高さです。

プログラミングスキルなどITエンジニアとしての基本的なスキルに加え、統計などの数学的知識も必要になるため、機械学習エンジニアとして十分な知識やスキルを身に付けるのはハードルが高いと感じる人が多いようです。

さらに、AIの分野は急速に発展しているため、最新の情報も常にチェックしておかなければなりません。

機械学習エンジニアの将来性への懸念からネガティブな意見が出ることもありますが、機械学習エンジニアの需要そのものがなくなる可能性は低いと考えられるため、トレンドなど市場の変化に合わせて自身のスキルを高めていく必要があります。

そのため、単に「需要が高く収入が見込めるから」「流行りの分野だから」といった理由で機械学習エンジニアを目指すと、挫折してしまう可能性もあります。

とはいえ、機械学習エンジニアは需要も高い魅力的な仕事です。数学的知識が既に備わっていることや、AI関連の分野に強い興味があり意欲的に学習が続けられることなどが、機械学習エンジニアに向いている人の特徴と言えるでしょう。

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また、企業選びも重要なポイントになってきます。同じ機械学習エンジニアでも、働く環境は企業によって異なるからです。未経験の方には教育制度が充実している企業もおすすめです。転職エージェントを活用して自身とマッチした企業を選びましょう。

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機械学習エンジニアに必要なスキルや資格

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機械学習エンジニアには、どのようなスキルや資格が必要なのでしょうか?ここでは、求められるスキルやおすすめの資格について解説します。

求められるスキル

機械学習エンジニアは、プログラム開発や学習アルゴリズム設計の知識が求められます。プログラム開発に必要な言語は、主にPython・C・C++です。アルゴリズム設計にはプログラミング言語の他に高度な数学や統計理論を多用するため、一定の経験が求められるでしょう。

同様に収集したデータを格納するために、HadoopやSQL等のデータベースを理解する必要があります。

過去の蓄積データを活用するためには、ビッグデータの理解も必要です。次に、関連する要素としてシステムインフラの技術が求められます。特に最適化には、ハードウェアの知識に基づきシステムメモリーの利用や計算手法を最適化するため、OSとハードウェアの知識が求められるでしょう。

【参考】:Apache Hadoop 【参考】:MySQL

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おすすめの資格

機械学習エンジニアにおすすめの資格を3つ紹介します。

【G検定】 日本ディープラーニング協会によるこの資格は、機械学習エンジニアに必要とされる能力を証明するための検定です。G検定はジェネラリスト向けの検定で、E資格はエンジニア向けです。資格取得により、人工知能・機械学習の専門知識力が証明されます。

【参考】:一般社団法人 日本ディープラーニング協会のG検定、E資格

【統計検定】 統計質保証推進協会によるこの資格は、統計自体の能力を証明するための検定です。資格の取得により、データに基づいて客観的に判断し、科学的に問題を解決する統計能力を証明できるでしょう。この資格は、人工知能のシステム利用者であるデータサイエンティストにもおすすめできます。

【参考】:一般財団法人 統計質保証推進協会の統計検定

【データベーススペシャリスト試験】 この資格は情報処理技術者試験の1つで、データベースの設計監理者や管理責任者が対象です。高度なIT人材として専門的な知識や技術を証明し、情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守の役割を果たすために役立ちます。

【参考】:データベーススペシャリスト試験(DB) ~ ビッグデータ時代に求められる、データ志向の担い手 ~

機械学習エンジニアになるための勉強方法

機械学習エンジニアになるためには、資格取得に向けた勉強がおすすめです。参考書・学習サイトの活用や、資格取得のためのスクールなどが有効です。勉強時間を確保するのが難しい方は、隙間時間に動画配信などを行っている学習サイトや動画配信サイトを活用して勉強を進めましょう。

機械学習エンジニアの年収やキャリアパス

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機械学習エンジニアは、人工知能の領域の経験や数学や統計の専門知識が求められます。そのため、専門性を高めるのは簡単なことではありません。ここでは、知識向上の先にあるキャリアの選択肢や年収について説明します。

機械学習エンジニアの年収

マイナビエージェントでは職種別の年収ランキングを公開しています。そのランキングによると、機械学習エンジニアを含むシステムエンジニア・プログラマの平均年収は443万円(※2023年2月執筆時点)です。これはあくまで平均であり、業種・業界によっては平均年収がさらに高い可能性もあります。

【参考】:職種別平均年収ランキング|求人・転職エージェントはマイナビエージェント 【参考】:機械学習エンジニアの求人|求人・転職エージェントはマイナビエージェント

機械学習エンジニアのキャリアパス

機械学習エンジニアとしてのキャリアアップを目指すには、ITエンジニアで求められる共通知識を吸収し、経験を積むのがベストです。その後、機械学習エンジニアとして必要な統計や分析のスキルを高めます。専門性を高めることで、より高度なプログラミングや設計が可能となり、自身のスキルアップにつながるでしょう。

また、マネジメントスキルやコミュニケーションスキルを身に付けることで、プロジェクトマネージャーやSEといった開発の上流工程を担当する職種へのキャリアアップも可能です。

【参考】:機械学習エンジニアの求人|求人・転職エージェントはマイナビエージェント

ITエンジニア転職のメリット・デメリットと気を付けるべきこと

機械学習エンジニアとして活躍するには

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人工知能の市場は予測を上回るペースで拡大し、適応領域が拡大しています。そのため機械学習エンジニアとしてスキルアップを図ることで、人工知能システムの設計・開発・構築を主導するITエンジニアとして活躍が期待できます。

また、あらゆる業界でIT人材が不足していることもあり、専門的な知識とスキルを持つ機械学習エンジニアは特に重宝されるでしょう。機械学習エンジニアを目指す際は、自身のスキルを証明する資格の取得もおすすめです。

しかし、機械学習エンジニアに転職しようと思っても、未経験者の皆さんは企業選びや選考などをどのようにアプローチをすれば良いのか、分かりづらいと思います。

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