社内SEとは?仕事内容や必要なスキル、メリット・デメリットを解説
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社内SEとは?仕事内容や必要なスキル、メリット・デメリットを解説
アンドエンジニア編集部
2023.06.01
この記事でわかること
社内SEの仕事内容は企業によって異なり、内容は多岐にわたる
社内SEには幅広いIT知識とセキュリティスキル・コミュニケーションスキルなどが求められる
社内SEを目指すには必要なスキル・知識を身に付けることが大切

そもそも社内SEとは

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社内SEとは、自社における社内システムの企画や、社員が安定的にシステムを利用できるようにする業務を担う職業です。中には、社員が利用しているパソコンの故障に対応することもあります。

社内SEは幅広い業務を行うため、専門的なスキルのみが要求されている職業ではありません。なお、顧客が求めるシステムを開発するような仕事を行う「システムエンジニア」と社内のIT職である社内SEは、名前が似ていることから同等に思われることがあります。

しかし、求められる仕事・業務内容・働き方が異なるため、違う職種であると認識する必要があります。

社内SEの仕事内容

社内SEの仕事内容は幅広く、所属する会社によって仕事内容、業務範囲が違う傾向があります。社内SEを目指し就職や転職を考えている人は、自分の希望している仕事内容と一致するかどうか判断する必要があります。

ここでは、社内SEの仕事内容について代表的なものを4つ紹介します。ほかにもさまざまな仕事がありますので、参考程度にしてください。

1.社内システムの企画・予算作成・管理 社内SEは、自社の経営における課題を解決するためのシステムの導入について、経営やIT戦略などに基づいて企画を行います。さらに、自社の情報システム部門における予算の作成やその管理も行います。

一般的に社内システムを開発する場合は、年間または期末ごとに予算を作成することが多いでしょう。まず、業務の分析を行い、システム化する範囲を明確化し、スケジュール、予算などを算出した上で提案します。

社内SEの仕事の目的は自社の利益拡大です。社内システムを開発する際は、自社の利益に繋がると期待される効果を明確にする必要があります。

2.社内システムの開発・運用・保守 システム導入が決定したら、社内SEはシステムの開発および運用・保守も担当します。社内システムを開発する場合、「SIer」と呼ばれるIT企業と同様の流れで行います。情報システム部門の人員が少ない場合は、システム開発を外注することも多いです。

外注する場合の社内SEの業務は、システム開発の進捗状況の管理や品質の管理です。ベンダーマネジメント業務の部分を担当することになるでしょう。

また、社内のシステムがトラブルなく持続的に稼働することができるように、保守・運用も行います。サーバ、ネットワークの監視を行い、障害が発生した場合は迅速な対応が求められます。

社員からシステムの改変要望がある場合は、システムの改善業務といった保守作業も行います。

【保守・運用】仕事内容や将来性、必要なスキルについて徹底解説!
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3.問い合わせ対応 社内システム、Office製品、プリンターの使い方など、自社の社員からの問い合わせにも対応することもあります。 コンピュータのセットアップやOS・ソフトウェアのインストール、メールの設定など、社員が快適に社内システムを利用できるようにサポートします。

4.セキュリティ対策 社内システムには、社員の個人情報など厳密に管理すべき重要な情報が保管されています。そのため、セキュリティ対策が必要です。セキュリティソフトの導入やパスワードの管理、セキュリティ診断を定期的に利用するなど、社内のセキュリティを保護することが求められます。

社内SEとSIer企業に所属するSEの違い

ここまで社内SEの仕事内容について記載しましたが、社内SEと「SIerに所属するSE」の違いについて疑問をもたれる方も多いかと思います。以下で、両者の違いを2点紹介します。

1.業務範囲の違い 社内SEは、社内のシステム開発から社員の問い合わせ対応など多くの業務を兼任することが多いです。一方、SIer企業に所属するSEはプロジェクト案件が定まっているため、業務範囲が決まっていることが多いです。

サーバーエンジニア、ネットワークエンジニア、テストエンジニアのように職種ごとに業務が割り振られる場合があります。

2.業務に携わる期間の違い 社内SEは自社システムに関わるため、長期的に同じシステムに関わることになります。一方SIer企業に所属するSEは、プロジェクト案件ごとに期間が決まっているため同じシステムに長く関わることが少ないです。しかし、大規模案件の場合は2~3年同じプロジェクトに配属されることもあります。

SIerとSESの違いとは?それぞれの詳細から将来性まで徹底解説

社内SEの年収

社内SEの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」では512万円(※2023年2月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、社内SEは一般平均年収と比較してやや高いことが分かります。

より高い年収を目指すには、幅広いスキルを活かしてプログラマー、システムエンジニアといったほかのITエンジニア職に転職するか、開発の上流工程を担うプロジェクトマネージャーにキャリアアップするなどの方法があります。

【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月から2020年12月の間でマイナビエージェントに登録いただいた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

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社内SEのメリットとデメリット

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自社のITシステムの開発や管理を主な仕事とする社内SEですが、その働き方にはメリットとデメリットがあります。そのため、社内SEには向き不向きがあると考えられます。

社内SEとしてのキャリアをスタートさせる時には、メリット・デメリット双方を理解しておく必要があります。

社内SEのメリット

社内SEのメリットには以下のようなものが挙げられます。

・開発の上流工程に携われる ・自社の経営にも関わる仕事ができる ・業務範囲が広く、幅広い知識が身に付く ・感謝の声が届きやすい

社内SEは自社システムに関わる仕事全般を担うため、システム開発の上流工程である要件定義や設計に携われるチャンスが多いです。エンジニアとして上流工程に関われるのはメリットと言えるでしょう。

業務範囲が広いため、ITの知識や技術のみならず多様な知見を得られるのも特徴です。時には企業の経営をも左右するような大きな仕事をすることもあります。

また、関わったシステムは自社で使われるため、実際にどのように役立っているのかを自分の目で確かめることができます。ほかの社員から直接システムについての意見や感想を聞くことができ、彼らからの感謝の気持ちを実感できる機会も多いです。

社内SEのデメリット

さまざまなメリットがある一方で、「社内SEはやめとけ」「社内SEになって後悔した」などネガティブな声を聞くこともあります。その理由としては以下のようなものが挙げられます。

・環境によっては開発に携われない ・技術的なスキルアップがしにくい

企業の規模によっては、システムの開発をSIerなどに委託する場合もあります。そのような環境だと、社内SEはマネジメント業務を担うことになり、開発業務に直接関われません。自分の手で開発を行いたい人はもどかしく感じるでしょう。

また、社内SEは、雑用と思われるような仕事をしなければならないこともあります。社内からの問い合わせには、PCやシステムについての初歩的なものもあるでしょう。このようなことに1つ1つ対応するのは、予想以上に大変な場合もあります。

このような社内SE特有の事情により、技術的なスキルアップが望めない環境があることも事実です。企業によって事情は異なるため、その企業の社内SEはどのような業務を行っているのか、よく確認する必要があります。

社内SEの将来性

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ここまでは、社内SEの概要、仕事内容について紹介してきました。ここからは、社内SEの需要性や将来性について解説します。

社内SEの需要性

社内SEは社内のインフラとなるネットワークやサーバの保守・運用に関わる業務のため、業務が急激に衰える可能性は低いでしょう。なお、最近はクラウド化、仮想化、AI、セキュリティ技術などの最先端の技術が発展しており、社内SEは最新技術も求められます。

最先端の技術を自社システムに活用できるような人材であれば、企業からさらに重宝されるでしょう。時代が求める知識やスキルを身に付けることで、会社にとって重要な存在となりさらなる活躍が期待できます。

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社内SEのキャリアプラン

ここでは、社内SEのキャリアプランについて3種類紹介します。

1.社内SEとして他の企業に転職する 今の会社の仕事内容・社風・人間関係などが自分と合っていないと感じたら、社内SEとして他の企業に転職することも可能です。同じ社内SEでも企業によって仕事内容やスキル、年収などが異なります。

2.管理職を目指す 社内SEは幅広い業務を担当するため、開発の上流工程と言われる要件のヒアリング・システム企画などのスキルも身に付きます。そのため、プロジェクトマネージャーといった職種を目指すことも可能です。また、社内SEとしてスキルアップし管理職を目指すのも良いでしょう。

3.他のITエンジニア職に転職する 社内SEが幅広い知識とスキルを求められるのに対して、SIer企業に所属するITエンジニア職では専門知識に特化したスキルが求められることが多いです。SIer企業に転職して社内SEとして磨いたスキルを活かし、専門スキルを高めるといったキャリアプランも考えられるでしょう。

例えば、プログラマー・システムエンジニア・カスタマーサポートなどがあります。

【参考】:社内SE(社内情報システム)の求人・転職・中途採用|求人・転職エージェントはマイナビエージェント

ITスペシャリストとは?仕事内容や将来性、おすすめの資格を紹介

社内SEになるためには?

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ここでは、社内SEに必要とされるスキル・おすすめの資格について紹介します。社内SEを目指している方は参考にしてください。

社内SEに必要なスキル3つ

社内SEの業務内容は幅広いため、必要とされるスキルもさまざまです。ここでは、必要とされるスキルを3つ抜粋して紹介します。

1.システムエンジニアとしての体系的知識 社内SEになるためには、IT基礎、ネットワーク、サーバの基本的な知識やスキルが必要です。さらに、一般的なシステム開発における作業工程の知識や、社内システムの障害が起きたときの障害対応のスキルなどがあるとさらに重宝されるでしょう。

システムエンジニア(SE)とは?仕事内容や年収、必要スキルを解説!

2.セキュリティに関する深い知識・スキル 社内SEは、自社の情報資産を守るのも大切な仕事です。そのため、セキュリティに関する知識・技術をもっている人材は社内SEとして活躍できるでしょう。セキュリティに関する技術・知識は時代とともに変化するため、日々学ぶ必要があります。

3.コミュニケーション能力 社内SEは自社の社員、外注先、チームメンバーとコミュニケーションを取ることが多いため、コミュニケーションスキルも求められます。コミュニケーション能力があるとプロジェクトや社員のトラブル対応をスムーズに進めることもできるでしょう。

社内SEにおすすめの資格2つ

社内SEは幅広い業務に触れるため、取得すると役に立つ資格は比較的多いでしょう。ここでは、社内SEとして働くためにおすすめの資格を2つ紹介します。

1.基本情報技術者試験 社内SEには、IT基礎、ネットワーク、サーバのような技術に関する基礎的な知識や、プロジェクト管理・セキュリティ知識などが求められます。このようなスキルに関して、体系的に出題される試験が基本情報技術者試験です。

ITに関する基礎的な内容となっているため、社内SEに限らずIT系職種には有効的な資格と言えるでしょう。

【参考】:基本情報技術者試験

基本情報技術者試験とは?資格のメリットや学習方法を解説!

2.ネットワークスペシャリスト試験 社内SEは、ネットワークに関する深い知識を持っている人材が重宝される傾向にあります。ネットワークスペシャリスト試験は、情報処理技術者試験の中でも高度な知識・技能が必要とされる試験です。試験には記述式の問題もあるため、ネットワークへの知識の理解力が高いことが求められるでしょう。

【参考】:ネットワークスペシャリスト試験

「オワコン」と言われるネットワークエンジニアの将来性を徹底解説

幅広いIT知識を持つ社内SEを目指すには

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社内SEが担当する業務はさまざまで、幅広いITスキルと技術が求められます。また、社内SEとしてキャリアアップするには、時代とともに変化する知識やスキルに対応することも求められます。

なお、社内SEは企業によって業務範囲が異なります。そのため、自分に合った仕事内容かどうか確認することが大切です。しかし、数多くの求人から自分に合った仕事内容・条件を探すのは大変でしょう。

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