プロジェクトマネージャ試験対策には参考書を活用しよう

プロジェクトマネージャ試験は、IPA(情報処理推進機構)が行う情報処理技術者試験の1つです。情報処理技術者試験にはいくつか試験の種類がありますが、プロジェクトマネージャ試験は、特にプロジェクトマネージャーを目指す人を対象とした資格試験です。
プロジェクトマネージャ試験に合格するためには、プロジェクトマネジメントの業務やシステムに関する知識習得が欠かせません。これらを効果的に習得する勉強方法として、参考書の活用がおすすめです。
しかし、受験を検討している方の中には、どの参考書を使うべきか迷う方も多いでしょう。本記事では、プロジェクトマネージャ試験の学習におすすめの参考書10選や、プロジェクトマネージャ試験を受験するメリットを紹介します。


プロジェクトマネージャ試験とは
IPA(情報処理推進機構)が提供する情報処理技術者試験の中でも、プロジェクトマネージャ試験(PM)は1〜4まであるスキルレベルの4に該当します。データベーススペシャリスト試験や情報処理安全確保支援士試験と並び、難易度の高い試験として位置付けられています。
試験日程は筆記形式で秋期(10月)の年1回実施され、受験料は7,500円(税込)です。
【参考】:プロジェクトマネージャ試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構




プロジェクトマネージャー試験の試験構成
プロジェクトマネージャ試験は午前と午後に分かれており、さらにそれぞれ2部制に分けられています。午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱの4構成で実施されます。各試験の時間・出題形式・出題数は以下の通りです。
【午前Ⅰ】 ・試験時間:9:30~10:20(50分) ・出題形式:多肢選択式(四肢択一) ・出題数・解答数:出題数30問、解答数30問
【午前Ⅱ】 ・試験時間:10:50~11:30(40分) ・出題形式:多肢選択式(四肢択一) ・出題数・解答数:出題数25問、解答数25問
【午後Ⅰ】 ・試験時間:12:30~14:00(90分) ・出題形式:記述式 ・出題数・解答数:出題数3問、解答数2問
【午後Ⅱ】 ・試験時間:14:30~16:30(120分) ・出題形式:論述式 ・出題数・解答数:出題数2問、解答数1問
午前試験は、基本情報技術者試験の科目Aや応用情報技術者試験、その他の高度試験と同様の出題範囲であり、大きく分けてテクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系に分類されます。
午後試験は、プロジェクトの立ち上げや実行・管理、終結に関する問題が出題されます。出題範囲の詳細については公式サイトから確認しましょう。
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱
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プロジェクトマネージャ試験対策におすすめの参考書10選

ここからは、プロジェクトマネージャ試験の対策におすすめの参考書10選を紹介します。参考書の中には出題範囲を限定していたり、問題がついていたりする参考書もあります。ぜひ、自分の目的に沿った参考書を選びましょう。
情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2024年版
この参考書は試験合格のための知識を整理し、さらに過去問題の解説をまとめた本です。22年分の過去問を解説しているため数多くの問題を解くことができます。プロジェクトマネージャ試験の問題を解きながら、理解を深めたい人におすすめの参考書です。
▪著者:ITのプロ46、三好 康之 ▪出版社:翔永社 ▪ページ数:744ページ ▪出版日:2024年3月22日
【参考】:情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2024年版
プロジェクトマネージャ ALL IN ONEパーフェクトマスター 2024年版
こちらの参考書は、プロジェクトマネージャ試験の午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの試験対策を解説した本です。知識編と演習編に分かれており、インプットとアウトプットをバランスよくしながら学習を進められます。また、記述でのテクニックなども紹介されていますので、記述問題に苦手意識がある方には特におすすめの参考書です。
▪著者:TAC株式会社 ▪出版社:TAC株式会社 ▪ページ数:504ページ ▪出版日:2024年2月
【参考】:プロジェクトマネージャ ALL IN ONEパーフェクトマスター 2024年版
TACの情報処理技術者試験対策シリーズ 2024年度版 プロジェクトマネージャ 午後I 最速の記述対策
この本はプロジェクトマネージャ試験の午後Ⅰの記述試験に特化した参考書です。出題の意図を読みとる方法などが詳しく解説されています。また、付録として過去3年の試験問題と解答例、採点講評がついています。この1冊で午後Ⅰ試験の解き方を理解しながら記述の実力を身につけることができるでしょう。
▪著者:三好 隆宏 ▪出版社:TAC出版 ▪ページ数:160ページ ▪ 出版日:2024年2月20日
【参考】:TACの情報処理技術者試験対策シリーズ 2024年度版 プロジェクトマネージャ 午後I 最速の記述対策
TACの情報処理技術者試験対策シリーズ 2024年度版 プロジェクトマネージャ 午後II 最速の論述対策
こちらの参考書は、プロジェクトマネージャ試験の午後Ⅱ試験に特化した参考書です。答案の作り方を詳しく解説しており、ダメな回答パターンも紹介してくれています。さらに、試験に使えるフレーズ集などもまとめられています。記述試験の解答方法が分からない方には、特におすすめの本です。
▪著者:三好 隆宏 ▪出版社:TAC出版 ▪ページ数:168ページ ▪出版日:2024年2月20日
【参考】:TACの情報処理技術者試験対策シリーズ 2024年度版 プロジェクトマネージャ 午後II 最速の論述対策
2024-2025 プロジェクトマネージャ 総仕上げ問題集
この参考書では学習を3ステップに分けており、知識量を確認するパート、本試験問題の解説パート、実力診断テストのパートがあります。
また、書籍の付録としてWeb上で確認テストを受けられたり、解答シートのダウンロードも可能できたりします。問題を解くのが中心の参考書ですので、ある程度基本的な知識が身についたらチャレンジしてみましょう。
▪著者:アイテックIT人材教育研究部 ▪出版社:アイテックIT人材教育研究部 ▪ページ数:508ページ ▪出版日:2024年3月29日
2023-2024 プロジェクトマネージャ「専門知識+午後問題」の重点対策
本書では効率のよい学習ができるように、どの範囲を重点的に学習すべきかなどのアドバイスをしてくれます。また、購入特典で学習スケジュールのシートなどを無料ダウンロードできますので、モチベーションを維持しながら学習することができます。
▪著者:庄司 敏浩 ▪出版社:アイテックIT人材教育研究部 ▪ページ数:631ページ ▪出版日:2023年5月2日
【参考】:2023-2024 プロジェクトマネージャ「専門知識+午後問題」の重点対策
情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ 2025年版
この参考書は全高度試験の午前Ⅰと午前Ⅱの試験範囲を網羅しています。そのため、プロジェクトマネージャ試験の他にIPAの高度試験の受験も検討している場合、特におすすめの参考書です。読者特典にはWebアプリが用意されており、書籍内にある500問もの問題を解くことができます。
▪著者:松原 敬二 ▪出版社:翔永社 ▪ページ数:680ページ ▪出版日:2024年09月25日
2025 高度午前Ⅰ・応用情報 午前試験対策書
この参考書は、広範囲から出題される高度試験に対応しており、効率的な学習の手助けをしてくれます。受験者がよく苦手とする分野の出題ポイントなど、合格のために重視すべきポイントをまとめています。また、学習前診断テストがあるため、自分の得意、不得意な範囲を事前に知ることも可能です。
▪著者:アイテックIT人材教育研究部 ▪出版社:アイテックIT人材教育研究部 ▪ページ数:707ページ ▪出版日:2024年9月18日
プロジェクトマネージャ試験 午後I記述・午後II論述の徹底対策 2024年版
この参考書は、プロジェクトマネージャ試験午後Ⅰの記述試験の対策に特化した本です。問題文の読み込みから、分析、解答作成の方法まで、記述試験で受験者が悩むであろうポイントを丁寧に解説します。過去問題の解法例も紹介されていますので、記述試験に苦手意識のある方にはおすすめの参考書です。
▪著者:広田 航二 ▪出版社:マイナビ出版 ▪ページ数:946ページ ▪出版日:2024年04月22日
【参考】:プロジェクトマネージャ試験 午後I記述・午後II論述の徹底対策 2024年版
図解まるわかり PMO・PMのきほん
まずプロジェクトマネージャーとはどのような職種か、といった基本的なところから学びたい方は、本書のような解説書もおすすめです。
本書では、DXとITプロジェクトの観点からPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)やPM(プロジェクトマネージャー)の役割について解説されています。図解とセットになっているので、初心者でも学びやすいです。
▪著者:西村 泰洋、相川 正昭 ▪出版社:翔泳社 ▪ページ数:224ページ ▪出版日:2024年9月9日
【参考】:図解まるわかり PMO・PMのきほん
プロジェクトマネージャ試験に向けた参考書の選び方

ここまでプロジェクトマネージャ試験対策におすすめの参考書を10冊紹介しましたが、それぞれに特徴が異なります。自分に合う参考書を選ぶには、学習スタイルや学習レベルを考慮しましょう。
参考書によって、文字中心のもの、図解が豊富なもの、オーディオコンテンツをダウンロードできるものなど、学習方法の特徴があります。また、初心者向けなのか、ある程度知識がある人向けなのかなど、それぞれ想定している読者像もあるので、自身の学習スタイル・学習レベルに合った参考書を選ぶことが重要です。
ネットでレビューや口コミを見たり、書店に行って実際に複数の参考書を見比べてみたりするのもおすすめです。
プロジェクトマネージャ試験を受験するメリット

プロジェクトマネージャ試験を受験し、合格することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。これからプロジェクトマネージャ試験を受験する方は、ぜひ参考にしてください。

社内での評価を得られる
プロジェクトマネージャ試験の勉強をすることで、社内での評価を得ることができます。マネージメントに関する知識を持っていることを周囲にアピールできれば、プロジェクトマネージャーとして抜擢される可能性も高まるでしょう。


スキルアップに対して意識が高いとアピールできる
プロジェクトマネージャ試験は、IPAの設定する試験レベルでもっとも難しいレベル4の試験であり、令和5年度秋期の合格率は13.5%と公表されています。つまり、それだけ難易度の高い試験だと言えます。
そのような高難易度の試験に合格することができれば、スキルアップに対して非常に高い意識を持っていることを証明できます。
プロジェクトマネージャーとして活躍したいものの、周囲とどう差をつけるか悩んでいる方は、この機会に資格取得を目指すのもおすすめです。
【参考】:統計情報(応用情報技術者試験、高度試験、情報処理安全確保支援士試験) | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱



年収アップの可能性がある
プロジェクトマネージャ試験に合格することで、年収アップを目指せます。例えば、IT系の企業ではプロジェクトマネージャ試験などの資格を取得すると、お祝い金を出す場合があります。
では、実際にプロジェクトマネージャーはどの程度の年収を得られるのでしょうか。以下に一般的なプロジェクトマネージャーの年収例を紹介します。
「マイナビエージェント 職種図鑑」でのプロジェクトマネージャーの平均年収は670万円(※2024年10月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のプロジェクトマネージャを参考にすると、平均年収891万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円であり、プロジェクトマネージャーの年収はやや高めに設定されていることが分かります。さらに資格を持っていれば、より大きなプロジェクトを任されるなどして年収アップも期待できます。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑/プロジェクトマネージャー(オープン・WEB) ※【平均年収 調査対象者】2019年12月~2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
転職において有利になる
プロジェクトマネージャーは、幅広い業界で需要のある職種です。特に近年はDXの影響などもあって、IT分野におけるプロジェクトマネージャーの需要は高まっています。そのため、今よりも良い待遇の企業にプロジェクトマネージャーとして転職することを目指す人もいるでしょう。
資格があれば自身のスキルを客観的に証明できるため、転職においても有利に働きます。他の応募者との差別化も図れ、企業からの評価にプラスに働くでしょう。
加えて転職エージェントを利用すれば、資格を最大限活かせる転職戦略を立てることも可能です。転職を目指している方は利用をおすすめします。
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プロジェクトマネージャ試験に合格してスキルアップしよう

本記事ではプロジェクトマネージャ試験対策におすすめの参考書10選や、受験・合格するメリットを紹介しました。
プロジェクトマネージャ試験は難易度が高い試験ではありますが、スキルアップには非常に役に立つ資格です。プロジェクトマネージャとしてスキルアップしたい方は、この機会にぜひ資格取得に向けて勉強してみましょう。
プロジェクトマネージャの資格は、転職にも活用できます。より好条件の企業に転職したいと考えている場合、1つの武器になるでしょう。
そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
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