Pythonは独学で習得できる?
Pythonは数あるプログラミング言語の中でも人気が高く、国内外で使用例の多い言語です。需要が高いため、エンジニア初心者の中でもPythonを学んでPythonエンジニアを目指そうという人は多いのではないでしょうか。
実は、Pythonはプログラミング初心者にもおすすめできる言語です。なぜなら文法がシンプルで分かりやすいうえに、人気言語なだけあって良質な参考書も多く販売されているためです。学習コンテンツが多く、独学にも向いている言語と言えるでしょう。
また、Pythonは将来性も高いと言われているため、今のうちに習得することで市場価値の高いエンジニアを目指すことができます。
そもそもPythonとは?
Pythonはプログラミング言語の1つです。プログラミング言語のなかでも汎用性の高さやソースコードの可読性の高さから人気が高いことが特徴です。
Pythonは特に以下の3つの分野でよく使われています。Pythonの特徴の1つとして数学や統計が得意であることが挙げられますが、データサイエンスやAIの開発ではその特徴が活かされています。
・データサイエンス ・AIの開発 ・Webアプリケーションの開発
Pythonはこれらの分野以外でも、スマホ向けアプリの開発やブロックチェーン技術の開発などさまざまな分野で使われています。
Pythonエンジニアの年収
Pythonはさまざまな分野で使用されているプログラミング言語であるため、Pythonを扱うエンジニアの年収を割り出すのは難しいです。そこで今回は、Pythonエンジニアを含むシステムエンジニアの年収を参考にします。
システムエンジニアの年収は「マイナビITエージェント 職種図鑑」での平均年収は431万円(※2024年2月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(顧客向けシステムの開発・実装)を参考にすると、平均年収593万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、システムエンジニアは一般平均年収と同等かやや高めであることが分かります。
Pythonが得意とするデータサイエンスやAIの分野はIT業界の中でも特に発展が目覚ましく、社会からの期待も大きいです。そのため、このような需要や将来性が高い分野で活躍するPythonエンジニアは、ここで紹介する平均年収よりもさらに高い年収を得ている人も多くいると予想されます。
【参考】:マイナビITエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
Pythonのおすすめ独学方法
ここでは、Pyhtonのおすすめの独学方法について解説します。プログラミングは他人に教えてもらう方が途中で挫折することなく続けやすいと言われますが、身近に教えてくれる人がいない方も多いでしょう。その場合、次の2つの方法で独学するのがおすすめです。
学習サイトを使う
1つ目は学習サイトを使う方法です。学習サイトは月額1,000円程度で利用できることが多く、プログラミングスクールに入会するよりも学習費用をおさえられます。また、教材も初心者向けに分かりやすくまとめられていることが多いです。
さらに、練習問題も掲載されていることがほとんどであるため、実際に手を動かしながらPythonの習熟度を高めていくことができます。
参考書を購入して学習する
2つ目は参考書を購入して学習する方法です。Pythonは人気言語のため初心者向けの参考書も多く販売されています。
また、参考書は学習サイトよりも一歩踏み込んだところまで解説していることが多く、1冊でPythonの基礎を一通りおさえることも可能です。後ほど、おすすめの参考書として10冊紹介しますので、ぜひチェックしてみましょう。
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Pythonの独学ロードマップ
ここでは、Pythonの独学ロードマップをまとめました。プログラミング初心者の方はこのロードマップに従って学習を進めていけば、ひとまず業務で必要とされる最低限のレベルにまでPythonスキルを高めることが可能です。
学習の目的を決める
まずは、Pythonで何を作りたいかを決めることが大切です。たとえばWebアプリを作りたい、データ分析に活用したい、Pythonで業務効率化を実現したいなどです。
場合によっては、Pythonよりも他のプログラミング言語を使った方が良い場合もあります。たとえば、スマホアプリを作りたい場合はPythonではなくJavaなどを学んだ方が良いです。
自分が本当にPythonから学ぶべきなのかも判断するためにも、まずは学習の目的を決めましょう。
学習環境を整える
続いて、Pythonの学習環境を整える必要があります。Pythonの公式サイトからPythonの実行環境をインストールする必要があります。また、Pythonのソースコードを記述するためのテキストエディタも用意しましょう。
Pythonの独学に使うパソコンは基本的には何でも問題ありません。ただし、機械学習やデータ分析を本格的に行う際は、ハイスペックなパソコンが必要になります。
【参考】:Python.org
Pythonの文法を覚える
学習環境を整えたら、学習サイトや参考書などを活用してPythonの文法を覚えていきます。文法は1つずつ丁寧に覚えることが肝心です。途中で単元を飛ばすなどすると分からなくなりがちなので、基礎の基礎から順番に行いましょう。
Pythonの練習問題を解く
ある程度Pythonの基礎文法をおさえたら、Pythonの練習問題を解いてみることをおすすめします。練習問題を解くことで、自分がどの程度文法を理解しているか確かめることができます。
練習問題は学習サイトにも掲載されていますし、「Python 3 エンジニア認定基礎試験」の対策本を購入するのも良いでしょう。
【参考】:Python試験(Python資格)
学びたい分野に特化した参考書を購入する
ここまでくれば、Pythonの基礎はある程度固まっています。次は学びたい分野に特化した参考書を購入して勉強します。
たとえば人工知能開発を行いたいなら、機械学習ライブラリの使い方を解説した参考書などを選択しましょう。分からない点はネットで検索したり質問サイトで質問したりして解決します。
アプリやシステムを実際に開発する
最後に仕上げとして、アプリやシステムを実際に開発します。1からアプリやシステムを開発することで、設計書作成やテストなど実践的なPythonスキルを身につけることが可能です。簡単な掲示板などを開発できるレベルになれば、業務レベルには到達していると言って良いでしょう。
また、アプリやシステムを開発すればポートフォリオに制作物として掲載することができ、Pythonエンジニアに転職する際も役立ちます。さらに転職エージェントでサポートを受ければ、ポートフォリオをより効果的に活用できるでしょう。
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Python初心者の独学におすすめ本10選
Pythonの独学におすすめの入門書をまとめました。これらの本は要点がわかりやすくまとめられているうえに、イラストや図も多く、本を読むのが苦手な方も抵抗なく読み進めることができます。参考書の選択に迷ったら、これらから選ぶことをおすすめします。
確かな力が身につくPython「超」入門 第2版 確かな力が身につく「超」入門
本書は画面に打ち込む最初の1文字から丁寧に解説している入門書です。サンプルコードも数多く掲載されており、実際に手を動かしながら学ぶことができます。Pythonの文法を学べるだけでなく、Webスクレイピングやアプリ作成まで習得できるため、何か実用的なものを作ってみたい方にもおすすめです。
▪著者:鎌田 正浩 ▪ページ数:336ページ ▪出版社:SBクリエイティブ ▪発売日:2022/03/08
【参考】:確かな力が身につくPython「超」入門 第2版 確かな力が身につく「超」入門
いちばんやさしい Python入門教室 改訂第2版
本書は、オールカラーのイラストを用いたPythonの解説本であり、読み進めることでプログラミングの基礎知識を理解できるようになります。未経験者から「経験者」になるためのメソッドが詰まっており、単に学習目的だけではなく、プログラミングの楽しさも同時に伝えることを目的としています。
▪著者:大澤 文孝 ▪ページ数:288ページ ▪出版社:ソーテック ▪発売日:2023/09/28
【参考】:いちばんやさしい Python入門教室 改訂第2版
スッキリわかるPython入門 第2版
本書は、Pythonのコツや仕組みをわかりやすく解説している人気シリーズ本です。多くのプログラミング初心者が最初に手に取る参考書として、長く信頼されています。Pythonの基礎である変数やデータ型、コンテナ、関数など、1つ1つを段階的に理解できる構成が特徴的です。
また、この第2版からは、「dokopy(ドコパイ)」というオリジナルサービスを用いて手軽にプログラミングができるようになり、従来に比べてさらに学習しやすくなっています。
▪著者:国本 大悟、須藤 秋良、(監修)株式会社フレアリンク ▪ページ数:416ページ ▪出版社:インプレスブックス ▪発売日:2023/11/06
【参考】:スッキリわかるPython入門 第2版
Pythonプログラミングパーフェクトマスター[最新Visual Studio Code対応 第4版]
Python解説本として定番化されている本書は、プログラミング初心者向けに、開発環境であるVisual Studio Codeのインストールや初期設定、Pythonの基礎知識などを解説しています。
人工知能や機械学習など、AIの基礎知識なども順序立てて解説されており、本書を読むことでAIチャットボットの開発を体験しながら学ぶことができます。
▪著者:金城 俊哉 ▪ページ数:716ページ ▪出版社:秀和システム ▪発売日:2023/10/24
【参考】:Pythonプログラミングパーフェクトマスター[最新Visual Studio Code対応 第4版]
Pythonでデスクトップアプリを作ろう
本書は、Pythonを活用してデスクトップアプリを開発するためのノウハウが詰まっている参考書です。Pythonでデスクトップアプリを作成する方法はいくつかありますが、本書ではPythonに標準装備されているGUIライブラリの「Tkinter」を活用した方法を採用しています。
また、データベース管理システムの「SQLite3」についても触れているため、この1冊でPython・Tkinter・SQLite3について学ぶことができます。ぜひ本書を参考に本格的なアプリを作成してみましょう。
▪著者:中島 省吾 ▪ページ数:288ページ ▪出版社:日経BP ▪発売日:2023/11/17
【参考】:Pythonでデスクトップアプリを作ろう
Pythonでできる! 株価データ分析
本書は、データの収集や株式の売買ルールまで、すでにあるPythonの知識を活かして株価分析に活用するための参考書です。株価データの収集やチャートの表示、指標を使った分析、売買ルールのテストなど、これらの株価分析に必要な一連の流れをPythonで行えます。
Pythonエンジニアや株に興味がある方、自動売買システム作りのために知識を増やしたい方などにおすすめです。
▪著者:片渕 彼富、山田 祥寛(監修) ▪ページ数:ページ ▪出版社:森北出版 ▪発売日:2023/01/21
【参考】:Pythonでできる! 株価データ分析
Pythonデータサイエンスハンドブック 第2版
本書は、Pythonのデータサイエンス用のツールを使いこなすための知識や情報を解説している参考書です。IPythonやJupyter、NumPy、pandas、Matplotlib、scikit-learnによって、データの操作や可視化、統計分析、機械学習など、幅広い分野について取り扱っています。
Pythonでデータ処理を担当する方は、ぜひ1度読んでおくことで知識を役立てられるでしょう。
▪著者:Jake VanderPlas、菊池 彰(訳) ▪ページ数:576ページ ▪出版社:オライリー・ジャパン ▪発売日:2024/02/17
Python×APIで動かして学ぶ AI活用プログラミング
本書は、データサイエンティストやマーケッターに欠かせないAI技術について、物体探知アプリや骨格顔推定アプリ、画像変換アプリを作成できるようになる参考書です。無料で環境構築が容易に行えるGoogle Colaboratoryと、Pythonライブラリであるstreamlitを活用して最新のAI技術を体験できます。
AIを活用したサービスやアプリは、今後よりクオリティの高いものやその数も増えていくはずです。時代に対応できるように、本書でさまざまな種類のAIアプリを作りながら覚えることで、高度なアプリ制作にチャレンジしてみましょう。
▪著者:下山 輝昌、黒木 賢一、宮澤 慎太郎 ▪ページ数:340ページ ▪出版社:秀和システム ▪発売日:2023/10/27
【参考】:Python×APIで動かして学ぶ AI活用プログラミング
現場ですぐに使える! 最新Pythonプログラミング逆引き大全450の極意
本書は、プログラミング初心者におすすめな、Pythonの基礎知識や外部ライブラリの活用方法、開発に役立てられるテクニックなどが満載の参考書です。第1章のPythonのダウンロードとインストールからはじめ、章ごとに学習ポイントを分けているため、辞書感覚で利用できます。
「初心者だけど、現場で活かせる知識やテクニックを効率的に学習したい」という方におすすめです。
▪著者:金城 俊哉 ▪ページ数:902ページ ▪出版社:秀和システム ▪発売日:2023/12/09
【参考】:現場ですぐに使える! 最新Pythonプログラミング逆引き大全450の極意
エラーで学ぶPython 間違いを見つけながらプログラミングを身につけよう
本書は、Pythonプログラミングの際によく起こるエラーを紹介し、その原因や修正方法などから実践力の強化を目指す参考書です。「真似る」「変える」「創る」の3段階構成により、初心者でも理解しやすい解説が特徴です。
紹介されるエラーは基礎レベルから徐々に難易度を上げたものになるため、学習が進むにつれて知識やスキルもアップしていけるでしょう。
▪著者:中野 博幸、稲垣 俊介(解説)、堀田 龍也 (監) ▪ページ数:192ページ ▪出版社:日経BP ▪発売日:2024/01/22
【参考】:エラーで学ぶPython 間違いを見つけながらプログラミングを身につけよう
Pythonの独学で挫折しないためのポイント
最後に、Pythonの独学で挫折しないためのポイントをまとめました。プログラミング学習は挫折率が高いと言われていますが、これら3つのポイントを意識することで、最後まで勉強を続けやすくなります。
分からなくなったら前の単元に戻る
Pythonを勉強している間に分からない点が出てきたら、無理して先へ進もうとせず前の単元を復習することをおすすめします。
なぜなら、プログラミングは1つ分からないことがあると、次々と分からないところが増えていきがちだからです。たとえば、if文の書き方が分からないと三項演算子の書き方なども理解することができないでしょう。
インプットだけでなくアウトプットも行う
Pythonを学ぶ際はインプットだけでなく、アウトプットも平行して行うことを意識しましょう。たとえば、参考書をただ読み進めるだけの学習方法は効率が悪いです。それよりも、参考書に記載されたサンプルコードを実際に自分の環境で実行し、結果がどうなるか確認してみる方が学習効果が高まります。
インプットだけでなくアウトプットも行うことで、Pythonの文法などが記憶に定着しやすくなります。
エラーの解決方法はノートにまとめておく
Pythonを学ぶうえでもっとも難しいのがエラーが発生した場合の対処です。プログラミングのソースコードは1行でも不備があると、エラー文が出力されてしまいます。
上級者ならエラー文を読めばエラー箇所をすぐに特定できますが、初心者はエラー解決に1時間以上費やすことも多くあります。なかなかエラーが解決できないと、Pythonの独学が途中で嫌になってしまいがちです。
そこで、1度発生したエラーとその解決方法はノートにまとめておくという方法を取ります。同じエラーが発生した場合に、ノートを見返せばすぐに解決できる状態にしておきましょう。こうすることでPythonの学習効率が上がり、独学を途中で挫折する確率が低くなります。
Pythonは正しい手順で学習を進めていくことが大切
本記事ではPythonの独学方法について解説しました。どのような点に気をつけてPythonスキルを高めていくべきなのかお分かりいただけたかと思います。
プログラミングは正しい手順で学習を進めていくことが大切です。いきなりWebアプリ開発に挑むなど難しいことに挑戦すると、分からないことが多すぎて挫折してしまいがちです。まずは学習サイトや参考書でPythonの文法をマスターすることから始めましょう。
1歩ずつ確実にスキルを身に付ければ、独学でもPythonエンジニアとして活躍できるレベルに達することができます。しかし、Pythonエンジニアとしてスタートを切る際には自分のスキルレベルと企業が求めるレベルとの比較が難しいこともあるでしょう。
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