初心者におすすめの言語、JavaScriptとは?
今人気のプログラミング言語の中で、JavaScriptは初心者の方にもおすすめしたい言語の1つです。ここでは、JavaScriptの特徴やできること、学習していく上で参考になる事柄を解説します。
JavaScriptとは
Web全盛の時代、JavaScriptを知らないエンジニアはいないでしょう。JavaScriptは動きのあるWebページの開発に使用される言語です。Webでよく目にする動きのあるバナー広告や、写真がスライドするページなどはJavaScriptで作成されています。
JavaScriptが登場する前のHTMLで作成されたWebページには動きがなく、静的画面が当たり前でしたが、JavaScriptの登場でWebページの概念が大きく変わりました。
JavaScriptは、単にWebに動きをつけるだけのプログラミング言語というイメージが強いですが、実際にはさまざまな分野で利用されています。この記事では、JavaScriptの特徴に加え、活用範囲や将来性などについても解説します。
JavaScriptは人気のプログラミング言語
ソフトウェアの品質評価や追跡を行っているオランダの「TIOBE Software」の2024年3月版「TIOBEインデックス」では、プログラミング言語の検索数ランキングでJavaScriptは6位を獲得しています。U/Iが重視される今、JavaScriptの必要性がさらに高まっています。
【参考】:TIOBE Index
JavaScriptとJavaとの違い
JavaScriptとJavaを混同する人もおり、両者は同じ系統のプログラミング言語と思われがちですが、それぞれは全く別ものです。JavaScriptは主にWebページに動きを与えるためのプログラミング言語ですが、Javaはあらゆるマシンで動く汎用言語です。
Javaは主にサーバーサイドで使われるプログラミング言語ですが、JavaScriptは主にクライアント側(端末側)で動くという点でも異なります。ネーミングが似ていますが、混同しないようにしましょう。
JavaScriptを初心者におすすめする理由
JavaScritは特別理解しやすい言語というわけではありませんが、初心者の方に習得をおすすめしたい言語の1つです。以下にその理由をまとめました。
インストール不要で特に準備するものがない
プログラミングを学ぶ際に、準備すべきものが多いとスタートのハードルが上がってしまいますが、JavaScriptは学習スタート時に環境構築が不要の言語です。普段使っているPCがあればすぐにスタートできます。
JavaScriptはブラウザ上で動くスクリプト言語のため、インストールの必要がありません。PC以外に必要なものは、普段利用しているEdgeやChromeなどのブラウザと、メモ帳などのテキストエディタだけで、改めて環境を作る必要がない点は初心者におすすめです。
プログラムの結果が目で見て分かる
JavaScriptは、自分でコーディングしたプログラムの動作をすぐに確認できます。「結果がすぐに分かる」というのは仕事や学習のモチベーションに必要です。後ほど実際に演習で確認できますが、視覚的に動作をすぐに確認できる点は、初心者におすすめできるポイントと言えます。
用途が広い
JavaScriptは静的なWebページを動的なページに変える役割がメインですが、実はそれ以外にもさまざまなことができます。用途が広いということは、多様な仕事で利用できるということです。その汎用性もおすすめできる点です。
ぜひ『マイナビIT エージェント』をご活用ください!
JavaScriptエンジニアの年収
JavaScriptはWeb開発のフロントエンドで使われることが多いので、今回はフロントエンドエンジニアの年収を参考にします。
フロントエンドエンジニアの年収は「マイナビエージェント職業別年収ランキング」での平均年収は385万円(※2024年3月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種の「SE・プログラマ(顧客向けシステムの開発・実装)」を参考にすると、平均年収593万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、年代や調査媒体によって年収にバラつきがあります。
近年需要が高まっているJavaScriptのスキル次第では高年収も望めます。初心者の頃は年収が高くなくても、キャリアアップによって年収が大幅に上がる可能性もあります。
また、マイナビの調査では転職によって収入がアップしたフロントエンドエンジニアも多いです。ある程度スキルアップや経験を積んだら、より良い環境を求めて転職するというのも1つの方法でしょう。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング ※【平均年収 調査対象者】 2015年〜2016年末までの間にマイナビエージェントにご登録頂いた20代・30代の方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
JavaScriptで作れるもの
ここまでJavaScriptの概要や特徴について述べてきました。続いて、JavaScriptを使うと何ができるのかを見ていきましょう。JavaScriptの作品例には、Webサイトの他、スマホアプリやゲームアプリなどさまざまなものがあります。
初心者でも作れるものとしてデジタル時計のサンプルコードも用意したので、ぜひやってみましょう。
動的なWebサイトを作れる
これは最大の特徴とも言えますが、JavaScriptは世に知られた言語の中で唯一Webサイトに動きを付けることができます。静的なWebサイトを作るだけならHTMLとCSSで作れますが、動きのあるWebサイトを作るにはJavaScriptが欠かせません。また、裏側でデータの処理などを行う場合には「PHP」などが必要です。
練習問題(デジタル時計)
ではここで、試しにJavaScriptを使って、簡単なプログラムで動きのあるWebページを作ってみましょう。
初心者でも簡単に作れるものとしてデジタル時計を選んでみました。JavaScriptを多少かじった経験のある方は、まず回答を見ずに自身で現在時刻を表示するWebページを作ってみましょう。初めての方は、JavaScriptの簡便さを体験するために、以下の手順を試してください。
HTMLファイルからJavaScriptファイルを呼び出す「外部スクリプト」という方式で行っています。
①以下のコードをメモ帳にコピペし、demo.htmlのファイル名で任意のフォルダに保存します。
<!DOCTYPE html><html lang="ja"><head> <meta charset="UTF-8"> <title>Document</title> <style> div { text-align: center; } </style></head><body> <div> <p id="showTime"></p> </div></body><script src="demo.js"></script></html>
②続いて、JavaScriptファイルを作成します。
次のコードをメモ帳にコピペし、ファイル名をdemo.jsにして先ほどのHTMLファイルと同じフォルダに保存します。
let ret; if (num < 10) { ret = 0 + num; } else { ret = num; } return ret;}function showClock() { const nowTime = new Date(); const nowHour = set2(nowTime.getHours()); const nowMin = set2(nowTime.getMinutes()); const nowSec = set2(nowTime.getSeconds()); const msg = 現在時刻は、 + nowHour + : + nowMin + : + nowSec + です。; document.getElementById(showTime).innerHTML = msg;}setInterval('showClock()', 1000);
③demo.htmlファイルをダブルクリックします。
現在時刻をリアルタイムで表示するWebページが表示されるのを確認できればOKです。
イベント処理を作れる
イベント処理とは、何らかの動作:「○○ボタンをクリックする」に対するアクション:「〇〇を実行する」の一連の流れのことです。
JavaScriptを用いると、たとえばユーザアカウントを新規に登録する画面で、「そのアカウントはすでに使われています」といったイベントの表示をすることが可能です。これにより、あたかも人とコンピュータが対話しているような場面を作ることができます。
スマホアプリも作れる
JavaScriptはWebページに動きを付けたり、双方向のWebサービスを作ったりする際に利用されますが、それ以外にもスマホアプリやゲームを作ることができます。
しかも、HTML5や新たなプラットフォームの出現によって、JavaScriptはAndroid、iPhoneを問わずスマホアプリの開発ができるようになりました。これらのアプリは「ハイブリッドアプリ」とも呼ばれています。
JavaScriptのデメリット
JavaScriptはその汎用性から、Webページに動きを付ける目的以外にもさまざまな分野で利用されていますが、苦手なこともあります。JavaScriptエンジニアを目指す皆さんは、この弱点についても理解しておきましょう。
ブラウザによって動作が変わる
Javascriptはブラウザ上で動くため、「Safari」「Microsoft Edge」「GoogleChrome」などのブラウザで挙動が違うことがあります。あるブラウザでは正しく動作していても、他のブラウザでは動かないということも起こり得ます。
そのため、主要なブラウザで正しく動作するかをあらかじめ確かめる必要があります。開発者にとっては、この確認作業が大きな負担になります。
ページの読み込み速度が遅い
JavaScriptはあらかじめコンパイル(機械語への翻訳)を必要としないスクリプト型言語です。実行の都度コンパイルが行われるため、コンパイル型言語と比べて処理速度が遅くなります。
JavaScriptで書かれたWebページはどうしても読み込みが遅くなる傾向があり、レスポンスの遅さがユーザの不満を招く要因になり得ます。
Javascriptの学習ロードマップ
ここでは、初心者の方がこれからJavaScriptをどういった手順で学んでいけばいいのか、学習ロードマップを紹介します。1つずつこなしていくことで知識やスキル習得につながるでしょう。
HTML・CSSを学ぶ
JavaScriptを学ぶ前に前提として学んでおく必要があるのが、HTML・CSSです。そもそもWebページを作成するにはHTML・CSSの知識が欠かせません。JavaScriptはあくまで動的なサイト作りに活用されるため、まずはHTML・CSSで静的なサイト作りの基本を学びましょう。
難易度も他のプログラミング言語やJavaScriptと比較すると高くなく、WebデザイナーやWebクリエイターなどの非エンジニアでも習得は難しくありません。
学習方法としては、参考書や学習サイト、動画サイトなどを参考にコードを書くことで体系的な学習ができます。目安としては、1ヶ月程度の学習期間を設けましょう。
文法やライブラリ・フレームワークを学ぶ
JavaScriptを学習するには、文法やライブラリ・フレームワークについても理解しておく必要があります。
まずは、JavaScriptの基本文法として以下のような知識を習得しましょう。
- コメントの書き方
- JavaScriptの実行方法
- 演算子
- データ型
- リテラル
- 変数
続いて、おすすめのライブラリ・フレームワークは以下の通りです。
- React(UI構築がメインでソースの可読性が高い)
- Angular(フロントエンド開発に必要な機能が揃ったフルスタックライブラリ)
- Vue.js(Angularを元に作られ、学習コストが低く、小規模開発に向いている)
- jQuery(JavaScriptコードを簡素化でき、開発効率をアップさせる)
【参考】:React 【参考】:Angular 【参考】:Vue.js 【参考】:jQuery
JavaScript習得に役立つ本・資格
Webシステムの開発において、特にフロントエンドでJavaScriptはHTMLやCSSと並ぶ必須のスキルとなりました。ここでは、JavaScriptを学ぶ上で役立つ入門本、JavaScript関連の資格試験について解説します。
JavaScript習得におすすめの入門本
ここでは、JavaScript学習におすすめの参考書を2冊紹介します。
「実践JavaScript!プログラミングを楽しみながらしっかり身につける」
本書は、プログラミングの基本的な概念の解説から始まり、豊富な練習問題を解いていくことでJavaScriptの習得を目指す本です。関数や変数、演算子、配列、デバッグなど、JavaScriptの基礎知識をわかりやすく解説し、最後の章までいくと小さなWebサイトを作れるようになります。
▪著者:武舎 広幸 ▪ページ数:344ページ ▪出版社:オーム社 ▪発売日:2024年3月19日
【参考】:実践JavaScript!プログラミングを楽しみながらしっかり身につける
「リバーシを作りながら学ぶJavaScript AIの基本 対戦プログラムの開発に挑戦!」
本書は、JavaScriptによってWebブラウザー上で遊べる「リバーシ」というゲームを作りながら、プログラミングについて理解を深めることができます。JavaScriptでゲームを作ってみたい初心者向けの本です。
▪著者:クロノス・クラウン 柳井政和 ▪ページ数:304ページ ▪出版社:秀和システム ▪発売日:2024年02月20日
【参考】:リバーシを作りながら学ぶJavaScript AIの基本 対戦プログラムの開発に挑戦!
JavaScript関連の資格
JavaScriptエンジニアとして活躍する上で、資格取得は大きな強みとなるでしょう。JavaScriptに関係する資格試験としては、よく知られたものとして以下の2つの資格試験があります。資格取得に向けた学習は目標が明確になり、効果的な勉強方法としてもおすすめします。
1.『CIW JavaScript Specialist』
JavaScriptに関する世界的な資格で、海外でも通用するため、外資系のIT企業などへの就職には有利でしょう。
【参考】:CIW JavaScript Specialist
2.『HTML5プロフェッショナル認定試験』
JavaScriptは必ずHTMLやCSSと組み合わせて利用するため、JavaScriptエンジニアにはHTMLのスキルが必要です。この認定試験ではHTML5の知識に加え、JavaScriptに関する知識が問われます。レベル1から2までありますので、初心者の方はレベル1から挑戦してみましょう。
資格は転職の際にも自身のスキルを証明・アピールできるもので、転職活動を有利に進める材料となります。その効果を最大限活かすなら、スキルや経験に合った企業選びをサポートする転職エージェントの利用がおすすめです。
【参考】:HTML5プロフェッショナル認定試験
エンジニア転職のご相談はぜひ
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JavaScriptエンジニアを目指そう
フロントエンドエンジニアは、昨今のWebアプリケーションの旺盛な開発需要により、引き続き高年収が期待できます。フロントエンドエンジニアを目指す方はHTMLとCSSに加え、JavaScriptの習得が必須です。AIやDXの進展により、Webの重要性が再認識され、フロントエンドエンジニアに対する期待と需要がさらに高まっていくことでしょう。
ユーザとの主要な接点となるWebシステムはこれからもさらに利用がすすめられ、さまざまなプロジェクトでJavascriptが使用されることが想定されるため、JavaScriptエンジニアの将来性は高いと考えられます。
この記事でJavaScriptに興味を抱いた方は、ぜひJavaScriptの習得をおすすめします。JavaScriptを扱えるようになれば、将来のキャリアの選択肢も広がることでしょう。
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