クラウドエンジニアの年収は?求められるスキルや資格を解説!
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クラウドエンジニアの年収は?求められるスキルや資格を解説!
アンドエンジニア編集部
2021.07.10
この記事でわかること
クラウドエンジニアは、クラウドサービスを利用してシステムを設計・開発・構築・運用を担当します
クラウド基盤を利用するビッグデータ・IoT・人工知能の市場拡大が継続し、クラウドエンジニアの需要が高まっています
主要クラウドサービス事業者の認定資格取得により、キャリア達成の可能性が高まります

クラウドエンジニアとは?

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クラウドエンジニアとはITエンジニアの一種で、クラウドシステムで用いるITインフラ基盤を担当します。クラウドエンジニアは、インターネット網を介して提供されるクラウドサービスについて構成要素となるネットワークやコンピュータの知識横断的に活用し、適切に利用できるようにシステム化を行い運用監視を行っていきます。

クラウドエンジニアの仕事の内容は?

クラウドエンジニアはIT技術全般を横断的に担当しますから、より経験が求められるとともに実務戦力として期待されています。そのため、クラウドで利用されるシステムの設計・構築から保守・運用に至るまでの一連のライフサイクルを意識した検討および実装が期待されています。

また、近年は主要なクラウドサービス事業者の提供サービスを活用することが増えていますので、従来型ITシステムに比較して利用者側の運用監視の作業比率が増えてきています。クラウドサービス事業者のサービスを利用するに当たり、クラウドエンジニアはコンピュータを資源として取扱い、仮想化技術とネットワーク技術を用いて資源の割り当てや監視等を行っていきますので、より広範囲な知識が求められます。

担当するクラウドシステムの利用拡大の背景は?

現在、多種多様な業務をITで活用するにあたり、初期費用を低減する目的で月額課金モデルを採用することがあります。これを利用型モデルと言い、クラウドシステムが代表的な適用例となります。クラウドシステムは通常クラウドサービス事業者によりサービス提供される利用形態を取っています。サービス提供のため資産計上されず、かつ早期立ち上げが可能であるため利用が急増しています。

クラウドサービスで管理する項目は、仮想化されたシステム資源となります。そのため、従来型システムの置換えの際にもこれまでのITスキルではカバーされずクラウドエンジニアのサポートが必要です。知識レベルもシステムの構成要素であるコンピュータとネットワークを横断的に検討するスキルが必要とされます。

クラウドエンジニアの市場性は?

IT専門調査会社 IDC Japanでは、「国内パブリッククラウドサービス市場予測」を発表しました。2020年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は、前年比19.5%増の1兆654億円となり、2025年の年間平均成長率(CAGR)は19.4%で推移すると予測されています。その結果、2025年の市場規模2020年比2.4倍の、2兆5,866億円となる見込みです。 参考:IDC Japan 国内パブリッククラウドサービス市場予測

クラウド利用のためのアプリケーションは、クラウド動作を最適化するクラウドネイティブ化の対策が求められます。一方、従来型アプリケーションはクラウド対応していないものが多く、クラウド向けシステム移行に向けたクラウドネイティブ化対策の要求が高まります。そのため、クラウドエンジニアが一層クラウド市場に求められる存在になるでしょう。

クラウドエンジニアの年収は?

expected income

クラウドサービスの利用用途が拡大するにつれて、クラウトシステムを設計・構築・保守・運用できるエンジニアへの期待が高まっています。ここでは、気になる年収やキャリアパスについて触れていきます。

クラウドエンジニアの年収は、求人サイトではおよそ400万円700万円が相場で、平均590万円前後です。同様に、ITエンジニアではおよそ400万円600万円が相場で、平均500万円前後です。そのため、クラウドエンジニアの水準はITエンジニアと比べて概ね高めの年収設定となっていることが分かります。また、クラウドエンジニアの求人は首都圏ほど多い状況となっており、需要に多い首都圏と地方都市では約100万円の求人年収の開きが見られます。

経済産業省では将来必要とされる人材を「デジタル時代の人材」としていかに育成するか検討を始めています。経済産業省の「デジタル時代の人材政策に関する検討会」の参考資料「我が国におけるIT人材の動向」によると、日本のIT人材の平均年収は20代で413万円30代で526万円40代で646万円50代で754万円となります。 参考:経済産業省 我が国におけるIT人材の動向

人材育成検討の成長領域となるビッグデータ・IoT・人工知能のサービスプラットフォームはクラウド基盤が活用されることが多くなっています。そのためクラウド基盤を支えるクラウドエンジニアはその年収水準を上回る需要が見込まれるでしょう。

クラウドエンジニアの年収アップに求められるスキルは?

クラウドエンジニアに求められるスキルは、概ね以下の様に分類できます。

ITスキル  ITスキルとしては、サーバーやネットワークの知識が横断的に求められます。同様に、クラウドで提供されるデータベースの知識も必要です。ミドルウェアについては、業務アプリケーションに必要なソフトウェアに加えて、クラウドサービス監視に必要な運用監視ツールや提供サービスの知識が求められます。

クラウドスキル  クラウドスキルとしては、クラウド全般の知識としてリソース割当対象となるコンピュータ資源に関して、ネットワーク技術や仮想化技術も必要とされます。さらに、開発・構築・デプロイから運用までの一連のクラウドサービスの流れを理解する必要があります。

コミュニケーションスキル  クラウドサービスでは多くのサービスコンポーネントを併用する必要があり、設計・開発・構築・デプロイ・サービス監視等多くの工程があります。そのため、実現するシステムの要件を設計に反映するコミュニケーションスキルが求められます。

ITスキル並びにクラウドスキルは、認定試験による資格取得で能力が証明されます。コミュニケーションスキルは実践経験を積みながら実績を高めていくのが良いでしょう。

クラウドエンジニアの年収アップに有利な資格は?

ITスキルレベルを客観的に証明するために、情報処理推進機構(IPA)による情報処理技術者試験があります。基本情報技術者試験(FE)やその上位試験となる応用情報技術者試験(AP)は、ITスキルの基準となる技術レベルですので取得を目指しましょう。 参考:情報処理推進機構(IPA)基本情報技術者試験(FE) 参考:情報処理推進機構(IPA)応用情報技術者試験(AP)

標準的なITスキルに加えて、クラウドの技能を証明するためには主要なパブリッククラウドの認定試験を取得することがステップアップにつながります。そのため対象システムでの利用クラウドサービスに応じて、クラウドサービス事業者が提供している各認定試験取得を目指しましょう。以下に、認定試験の情報サイトを記載しておきます。

AWS 認定資格 AWSは市場で最も利用されているクラウドサービスです。上位資格となる「AWS 認定ソリューションアーキテクト ー プロフェッショナル」や「AWS 認定 DevOpsエンジニア ー プロフェッショナル」の取得により、2年以上の実務経験を持つ認定技術者として能力が証明されます。 参考:AWS 認定

Microsoft Azure 認定試験 Microsoft Azure 認定試験は、初級・中級・上級に分かれています。最上位となる「Azure Solutions Architect Expert」および「Azure DevOps Engineer Expert」は、AWSの上位資格に相当します。 参考:Microsoft 認定資格および試験

Google Cloud 認定資格 Google Cloud 認定資格も、初級・中級・上級に分かれています。最上位となる「Google Cloud Professional Cloud Architect」および「Google Cloud Professional Cloud DevOps Engineer」が、AWSの上位資格に相当します。 参考:Google Cloud 認定資格

その他に、クラウドのセキュリティ認定としてCertified Cloud Security Professional(CCSP)があります。セキュリティエンジニアとして活動する場合は取得を検討するのが良いでしょう。 参考:ISC2 CCSP紹介

先に挙げた主要クラウドサービス事業者の認定資格取得者の求人は、職種に応じておよそ900万円2,000万円高額で提示されています。自身の職種に応じて資格取得に挑戦しましょう。

クラウドエンジニアの年収アップのためのキャリアパスは?

クラウドエンジニアのキャリアパスは、ITエンジニアとしての経験を積むことがベース部分として求められます。加えて、パブリッククラウドの資格取得と並行し、クラウドに関連した実務経験を重ねていくのが良いでしょう。

お話しした通り、今後もクラウドサービス市場高い成長率が維持されます。パブリッククラウドを活用するクラウド利用者側の業務では運用監視の比率が高まっていますので、パブリッククラウドの運用監視の経験を積んでいけば将来の選択肢が広がるでしょう。

加えて、「デジタル時代の人材」として注目されるビッグデータ・IoT・人工知能の知識が備わるとさらにキャリア選択肢が広がります。同様に、AWSの他Microsoft AzureやGoogle Cloud等複数のクラウドサービスの経験がある場合は、マルチクラウド運用利用方法の最適化に対してアドバイスをするクラウドコンサルタントとしての選択肢も見えてきます。

クラウドエンジニアとして求めるキャリア達成に向けて準備を進めよう

future success

デジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、今後も様々なアプリケーションのクラウドサービス化がさらに進んでいくと予測されています。特に、ビッグデータ・IoT・人工知能の領域でのデータ格納先としてクラウドの利用が増えるでしょう。クラウドサービスの利用拡大に伴い、期待されるクラウドエンジニアとしてキャリアアップの準備を進めましょう。

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