プロジェクトマネジメントに必要なスキルとは
プロジェクトマネジメントは、特定の目的を達成するためのプロジェクトを成功に導くために、計画立案や管理を行うことを指します。このプロジェクトマネジメントを行う人を、プロジェクトマネージャー(略称:PM)と呼びます。
プロジェクトマネージャー(PM)の役割には、プロジェクト目標の設定、リソース管理、進捗状況の管理、生じたリスクの特定と対策、プロジェクトメンバーの調整などが含まれます。ビジネスの世界において、PMはプロジェクトの成功を左右する重要な役割を果たし、企業の成長に欠かせない存在です。
この記事では、プロジェクトマネジメントを学び、プロジェクトマネージャーを目指す方に向けて、必要なスキルは何か、PMを目指すにはどのような準備が求められるのかについて、詳しく解説していきます。
プロジェクトマネージャーの役割と責任
プロジェクトマネージャー(PM)は、プロジェクトを成功に導く責任者です。スケジュールや予算、リソースの最適化を管理し、チームをリードして目標を達成します。また、利害関係者(ステークホルダー)との調整も重要な役割の一部です。
ここで理解しておかなくてはならないのは、プロジェクトマネジメントはプロジェクトマネージャーだけの責任ではないということです。プロジェクトメンバー全員がプロジェクトマネジメントの知識を持って理解し、協力することでプロジェクトは目標実現に向けて円滑に進捗します。
ぜひ『マイナビIT エージェント』をご活用ください!
プロジェクトマネジメントとは
プロジェクトマネジメントとは、特定の目標達成のために、プロジェクトを計画、実行、管理する一連の活動のことです。新製品の開発、システムの導入、イベントの開催など、様々な場面でプロジェクトマネジメントは活用されます。
プロジェクトマネジメントの目的
プロジェクトマネジメントはプロジェクト成功のために欠かせませんが、その目的は何にあるのでしょうか?ここでは、プロジェクトマネジメントの目的について確認しておきましょう。
■ QCDの達成 プロジェクトには品質、コスト、納期の目標達成が求められます。すなわち、品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery time)の3つの制約を満たしながら、プロジェクトを成功させることが達成すべき目的の1つです。
■ リスクの最小化 プロジェクトに関わるすべてのステークホルダー(顧客、開発者、経営層など)の期待に応え、満足度を高めることです。
■ 関係者の満足度向上 プロジェクトにはメンバー以外に様々なステークホルダー(顧客、開発者、経営層など)が関わります。このすべてのステークホルダーの期待に応え、満足度を高めることもプロジェクトの成功に欠かせません。
プロジェクトマネジメントの手法
プロジェクトマネジメント手法は様々あり、すべての手法を取り入れるのではなく、プロジェクトの種類や性格に合わせて適切な手法を選択し、必要に応じて組み合わせることが求められます。
■ PMBOK PMBOK(Project Management Body of Knowledge)はプロジェクトマネジメントの知識体系のことで、プロジェクトマネジメントに関するベストプラクティスが体系化されています。
プロジェクトマネジメントの標準的な手法で幅広い範囲をカバーしており、プロジェクトの計画、実行、管理、モニタリング、コントロールなど、プロジェクトの全ライフサイクルを通じて活用されます。
■ WBS WBS(Work Breakdown Structure)はプロジェクトを小さなタスクに分割し、階層構造で表現する手法です。プロジェクトの全体像を可視化し、タスクの進捗状況を把握しやすく、プロジェクトの計画段階で、プロジェクトの範囲を明確にするために利用されます。
■ ガントチャート ガントチャートは、プロジェクトのスケジュールを視覚的に表す手法です。タスクの開始日、終了日、期間などを棒グラフで表示することで、プロジェクトの進捗状況を把握しやすくなります。プロジェクトの計画、実行、モニタリングの段階で利用されます。
■ アジャイル アジャイルは、計画よりも変化に対応することを重視する開発手法です。短いサイクルで開発を行い、顧客からのフィードバックを迅速に反映させることを特徴としており、ソフトウェア開発を中心に利用されています。
プロジェクトマネジメントに必要なスキル
プロジェクトマネジメントを円滑に行うには、どのようなスキルが求められるのでしょうか?ここでは、技術的なスキル、対人関係スキル、その他の3つのスキルセットに分けて、プロジェクトマネジメントスキルについて紹介します。
以下に挙げたスキルをスキルマップにして、スキルマップを作成し、自分にi何が足りていないのか、伸ばすべきスキルは何か、について把握して、日頃からスキルの向上を目指しましょう。
技術的なスキル
プロジェクトマネージャーは単なる管理者ではなく、プロジェクトを成功に導くためのリーダーです。以下のような技術的なスキルは、プロジェクトを深く理解し、チームを率いる上で不可欠な要素です。
■ プロジェクト管理手法の知識 プロジェクトマネジメントには、様々な手法が存在します。代表的なものとして、PMBOKに基づく伝統的な手法や、近年注目されているアジャイル手法などが挙げられます。これらの中からプロジェクトに最適な手法を選択、組み合わせるスキルが必要です。
■ ツール活用能力 プロジェクト管理ツールは、プロジェクトの計画、実行、管理を効率的に行うためのツールです。ガントチャート、タスク管理ツール、コミュニケーションツールなどがあり、それらを使いこなせる知識やスキルが求められます。
■ ITスキル プロジェクトの規模や内容によっては、ITスキルが求められる場合があります。特に、IT系のプロジェクトでは、システム開発に関する知識や、データベースの操作スキルなどが不可欠になります。
対人関係スキル
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの成功のために様々な人と関わり合いながら仕事を進めていく必要があります。そのため、以下のような対人関係スキルは、プロジェクトマネージャーにとって非常に重要な要素と言えるでしょう。
■ コミュニケーション能力 プロジェクトマネージャーは、様々なステークホルダー(クライアント、チームメンバー、経営層など)とコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めていく必要があります。そのため、明確でわかりやすい言葉で情報を伝え、相手の意見に耳を傾ける能力が求められます。
■ リーダーシップ プロジェクトマネージャーはチームをまとめ、目標達成に向けて導くリーダーシップを発揮することが求められます。プロジェクトマネジメント力はリーダーシップと同義であり、重要な要素と言えます。
■ 交渉力 プロジェクトを進める上で、様々な関係者との交渉は避けられません。交渉力とは、相手の意見を尊重しながら自分の意見を効果的に伝え、合意に達する能力です。
その他のスキル
プロジェクトマネージャーに必要なスキルとして、技術的なスキルや対人関係スキルを挙げましたが、他にも以下のように必要なスキルが4つあります。
■ 問題解決能力 プロジェクトを進める上で、様々な問題が発生することは避けられません。問題解決能力はこれらの問題を迅速かつ適切に解決し、プロジェクトの遅延を防ぎ、目標達成に貢献する上で不可欠です。
■ リスク管理能力 プロジェクトには、常に様々なリスクが潜んでいます。リスク管理能力はこれらのリスクを事前に予測し、その影響を最小限に抑えるために必要なスキルです。
■ 計画能力 プロジェクトを成功させるためには、綿密な計画が不可欠です。計画能力は、プロジェクトの目標を達成するために必要な資源、スケジュール、タスクなどを明確にし、計画を実行に移す能力です。
■ 柔軟性 プロジェクトは常に変化する環境の中で進行します。柔軟性は、予期せぬ事態が発生した場合でも計画を修正し、プロジェクトを円滑に進めるために必要な能力です。
エンジニア転職のご相談はぜひ
『マイナビIT エージェント』へ!
プロジェクトマネージャーの年収
プロジェクトマネジメントに関するスキルを身に着けた、プロジェクトマネージャーの年収はどれくらいなのでしょうか?
「マイナビエージェント 職種図鑑」でのプロジェクトマネージャーの平均年収は670万円(※2024年11月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」からプロジェクトマネージャーを参考にすると、平均年収891万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円ですので、プロジェクトマネージャーの年収は平均より高い傾向があります。
プロジェクトマネージャーの年収は、様々な優れたスキルへの報酬以外に、その責任の重さに対する対価の意味合いもあります。プロジェクトマネージャーに求められるスキルは前述の、技術的スキルや対人スキルに加え、柔軟性やストレス耐性などの様々な資質も求められます。
プロジェクトマネージャーへの道のりは簡単ではありませんが、スキルアップ、キャリアアップを目指してみましょう。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2019年12月~2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
プロジェクトマネジメント関係の資格
プロジェクトマネージャーを目指す上で、関連資格を取得することは客観的なスキル証明となり、キャリアアップに繋がる有効な手段です。ここでは、代表的なプロジェクトマネジメント資格について3つ紹介します。
PMP(Project Management Professional)
PMP資格は、プロジェクトマネジメントの国際的なプロフェッショナル資格です。プロジェクトマネジメントに関する知識や経験を証明するもので、世界中で広く認められています。世界中で通用する資格のため、海外での活躍も視野に入ります。
【参考】:プロジェクトマネジメントプロフェッショナル(PMP)
プロジェクトマネージャ試験
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施するプロジェクトマネージャ試験は、日本のIT業界において、プロジェクトマネジメントの能力を証明する重要な資格の1つです。
この試験の難易度はITスキル標準レベル4です。合格率は12〜15%と低く、難易度は高いですが、特に日本の企業にアピールできるおすすめの資格です。
【参考】:プロジェクトマネージャ試験 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
P2M試験
P2M試験は、特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が主催する民間資格試験で、プログラムマネジメントやプロジェクトマネジメントに関する知識やスキルを評価します。この資格は、経済産業省の委託事業として策定された「P2M標準ガイドブック」がテキスト本となっています。
【参考】:P2M(概要・試験・資格制度) 【参考】:改訂4版 P2Mプログラム&プロジェクトマネジメント標準ガイドブック
プロジェクトマネジメントに求められる資質
プロジェクトマネジメントには、プロジェクト管理手法に関する知識と経験や、コミュニケーション能力など様々なスキルが求められますが、プロジェクトの成功を左右する重要な要素としては、柔軟性、ストレス耐性、客観性、学習意欲といった資質が求められます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
柔軟性
プロジェクトは常に変化するものです。当初の計画通りに進まないことも多く、予期せぬ事態が発生することがあります。このような状況下で、臨機応変に対応し、計画を修正できる柔軟性が求められます。
例えば、市場の変化やクライアントの要望の変化に対応するためには、柔軟な思考と行動が不可欠です。
ストレス耐性
プロジェクトマネジメントは、常に締め切りや目標達成へのプレッシャーにさらされる仕事です。そのため、ストレス耐性は必須の資質と言えるでしょう。ストレス耐性があることで困難な状況でも冷静さを保ち、問題解決に取り組むことができます。
客観性
プロジェクトを成功させるためには、主観にこだわることなく、客観的な視点で状況を把握し、適切な判断を下すことが重要です。どのような場面でも感情に左右されず、事実を基に冷静な判断をする能力が求められます。
学習意欲
プロジェクトマネジメントの分野は常に変化しています。新しい技術や手法が生まれ、プロジェクトマネジメントの手法も進化し続けています。そのため、常に新しい知識やスキルを習得しようとする学習意欲が不可欠です。
プロジェクトマネジメントスキルを身につけて理想の企業で働こう
ここまで、プロジェクトマネジメントとは何か、プロジェクトマネージャーを目指す上で必要なスキルや資質、資格について解説しました。
プロジェクトマネジメントは技術的スキル、対人関係スキルなどが必要であり、また柔軟性やストレス耐性などの資質が重要です。さらに、スキル証明となる関連資格の取得も必要です。
このように、プロジェクトマネージャーを目指すのは簡単ではなく、苦労してマネジメントスキルを身に着けても、そのスキルや資質を発揮できる場がなければ宝の持ち腐れになりかねません。活躍の場や成長機会を与えてくれる理想の企業との出会いが重要ですが、独力で見つけるのは至難の業でしょう。
そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
マイナビIT エージェントは、IT・Webエンジニア向けの無料の転職⽀援サービスです。
IT・Webエンジニアの転職事情に詳しいキャリアアドバイザーが、あなたのご経験やスキルをお伺いし、転職活動のプランをご提案致します。
アドバイザーは企業側の人事担当者と直接連携を取れますので、求人票に載っていない企業情報も確認することができます。残業時間や給与面など、働き方などをしっかり確認の上で応募企業を選んでいくのが良いでしょう。
・スキルやプログラミングの勉強をしているけれど、企業が求めるレベルに達しているのかわからない ・スキルアップをして市場価値を上げていける企業の選び方を知りたい ・数多くあるITエンジニアの職種の中で、自分に向いている仕事は何か知りたい
こうした悩みを抱えていらっしゃる方は、まずは無料登録でキャリアカウンセリングをおすすめ致します。
マイナビエージェントに無料登録して
転職サポートを受ける
編集部オススメコンテンツ
アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから