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WBSとガンチャートの違いは?メリットや活用法、作成時のポイント
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WBSとガンチャートの違いは?メリットや活用法、作成時のポイント

アンドエンジニア編集部
2022.03.01
この記事でわかること
WBSは作業項目を洗い出したもの、ガントチャートはそれをグラフにしたもの
WBSはプロジェクト全体の作業を漏れなく洗い出して整理することが目的で、ガントチャートはスケジュール管理が目的
WBSとガントチャートは、Excelやフリーツールで作成できる

WBSとガントチャート

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プロジェクト管理において、「ガントチャート」や「WBS」がよく使われていますが、それらを用いる目的やメリット、それぞれの違いなどを理解せずに利用している方が多いかもしれません。今さら人に聞けない「ガントチャート」と「WBS」について徹底解説していきます。 

WBSとは

WBSとは「Work Breakdown Structure」の略語で、「作業分解構成図」とも呼ばれる手法で、プロジェクト管理の基本としてよく利用されています。このWBSでは、まずプロジェクトの全体作業を洗い出した上で、それらを大きな括りのタスクとして列挙していきます。

さらに、タスクをさらに細分化し、それを実施する順番で上から下に揃えながらツリー構造にするのです。タスクを大きなものから小さなものへと細分化するため、重要なタスクが抜け落ちてしまうことを防げます。

WBSの作り方は、「作業の洗い出し」→「作業の順番設定」→「作業を構造化する」の順番に行います。作業効率化を図るならExcelやウェブツールを活用した方法がおすすめです。テンプレートが充実しているフリーツールやフリートライアルがあるものを選ぶと安価に作成できます。

ガントチャートとは

ガントチャートとは、米国のガント(Henry Gantt)が考案したプロジェクト進捗管理のためのスケジュール表のことです。主にシステム開発プロジェクトなどで利用されています。

縦軸に「作業項目(タスク)」と「担当メンバー」を、横軸には「時間軸」を棒グラフで表し、プロジェクトの全体像とその進捗状況が直感的に把握できるようになっています。ガントチャートを利用すると、プロジェクト全体が視覚的に見えるだけではなく、プロジェクトのタスク・タスクに要する時間・タスクの進捗状況が把握できます。

ガントチャートの作り方は主にExcelを使用しますが、その際「手書き(セルの塗潰し・図形描画)」「条件付き書式」「関数」「グラフ」といった方法があります。他にもVBAを活用した方法もありますが、時間をかけずに作成するならExcelが使いやすいでしょう。

WBSとガントチャートの違い

ガントチャートは「プロジェクトの進捗管理するためのスケジュール表」で、一目見ただけで全体像がつかめるのが特徴です。

一方、WBSは「プロジェクトのタスクを細分化した一覧表」です。WBSでプロジェクトのタスクと納期は把握できますが、ガントチャートと違って時間軸がグラフではないため「分かりやすさ」という点ではガントチャートより劣ります。

まとめると、「WBSは作業項目を洗い出したもの」「ガントチャートはそれをグラフにしたもの」という関係です。ガントチャートを作成するためにはWBSの作成が必要となるため、両者はセットであると言ってもよいでしょう。

WBSとガントチャートの目的

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WBSとガントチャートの違いはおおよそ分かりましたが、それぞれの作成する目的を確認しましょう。 

WBSの目的

WBSを作成する目的は、一言で言えば「プロジェクト全体の全ての作業を漏れなく洗い出して整理すること」です。

WBSを作成することで個々のタスクが明確化され、プロジェクト全体の作業を把握できます。さらに、スケジュールを策定し作業について役割分担をすることで、見積もりの精度を上げることができます。また、タスクの工数とスケジュールを管理することで、遅延を防ぐことが可能です。

ガントチャートの目的

ガントチャートは「スケジュール表」と呼ばれることがあるように、主としてスケジュール管理を目的に利用されます。スケジュールを各工程ごとにグラフにして一覧化することで全体の計画が一目で分かるため、現在の工程をチームメンバーで共有する際にも便利です。

WBSとガントチャートのメリット・デメリット

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WBSやガントチャートはプロジェクト管理には欠かせないツールですが、多くのメリットがある反面、デメリットもあります。このメリット・デメリットをよく理解した上で活用することが必要です。また、デメリットに関してはその軽減策や回避策をよく練った上で実際に利用しましょう。

WBSのメリット

WBSのメリットは作成する目的とほぼイコールですが、メリットについて改めて整理します。以下に、メリットについてまとめました。

1.プロジェクトのタスクが明らかになる 2.効率的なスケジュールを組みやすくなる 3.各担当者の分担が明確になる 4.工数の見積もりがしやすくなる 5.プロジェクトの遅れがタスクレベルで分かるため進捗管理がしやすい 6.チームメンバーや関係者で共有しやすい

WBSのデメリット

WBSには上記のような多くのメリットがある反面、次のようなデメリットもあります。デメリットの回避策・軽減策を講じた上で作成するようにしましょう。

1.各タスク間の依存関係が分かりづらいため、タスク間の進捗管理をマメに行う必要がある 2.階層構造でタスクを全て洗い出すため、作成するのに手間が掛かる 3.WBSは従来型のウォーターフォール開発に向いており、最近流行りのアジャイル開発には不向き

ガントチャートのメリット

ガントチャートは主に以下のような3つのメリットがあります。

1.作業ごとのスケジュールを棒グラフで表すため、プロジェクトの工程全体を見える化できる 2.全体のスケジュールと他のメンバーの進捗状況を共有できるため、チームワークを発揮しやすくなる 3.ガントチャートは構造が非常にシンプルで、誰でも作成できる

ガントチャートのデメリット

ガントチャートにはメリットがある一方、運用面でデメリットもあります。以下のようなデメリットがあるという前提で、回避策やデメリットの軽減策を考えておくとよいでしょう。

1.ガントチャートは進捗管理表としては優れている反面、工数が把握しにくい 2.ガントチャートは作業スケジュール共有が目的で、タスク同士の関係性が見えにくい(相互関係を把握するためにはPERT図の併用が望ましい) 3.ガントチャートはウォーターフォール型開発とは相性がよいが、アジャイル型開発手法には向かない

WBSを作成する際のポイント

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ここでは、有効なWBSの作り方や作成する上で留意すべきポイントを解説します。

1.タスクを分解する

タスクを分解して作業を洗い出せたら、次に作業の順番を決めます。その際、作業ごとの依存関係を明らかにしましょう。「Aタスクが終了したらBタスクに着手」「CタスクとDタスクは同時並行で進める」といったタスク間の関係を確認し設定します。

また、併せてクリティカルパスを設定します。例えば、ある作業が遅延した場合には直ちにプロジェクト全体が遅れるといった作業があると、それ自体がクリティカルパスになります。クリティカルパスは関係者全員が分かるように表記しておきます。

2.作業の依存関係を考えて順番を設定する

WBSを作成するまでは、プロジェクトに必要なタスクが漠然としたままです。この漠然としたものを、それぞれの作業工数が明確になるまで分解すると、作業内容や作業の範囲がより明確になります。

最初に全体予算ありきで全体工数を決めてしまい、これをタスクに分解していくような方法だと必ずギャップが生まれます。手間は掛かりますが、タスクを可視化できるまで分解し、分解したものについて関係者のコンセンサスを得ることが必要です。

3.レベルを意識して作業を構造化する

順番を設定した作業をまとめて、親・子・孫レベルに構造化していきます。各作業のレベルを合わせておくことも必要です。例えば「A工程は非常に細かく細分化され、B工程は大まか」というように、作業ごとに粒度が異なると漏れや抜けが生じやすくなります。構造化する際の粒度は合わせる工夫をしてください。

4.作業の時間を見積もる

WBSを作成する上で、作業時間の見積もりという重要な要件があります。見積もり方法には決まった算式はありませんので、経験値から算出する、チームメンバーの意見を聞く・有識者に相談する・経験者複数人で見積もり加重平均を取るなどの方法などを試してください。

ガントチャートを作成する際のポイント

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ここでは、有効なガンチャートを作成する上で留意すべきポイントを解説します。上記に挙げたWBS作成時のポイントも踏まえて、的確なWBSやガントチャートを作成し、ぜひプロジェクトの成功に結び付けてください。

1.WBSを作成して作業分割をする

まずWBSを作成し、プロジェクトのプロセスをすべて洗い出し細分化します。WBSは作成に手間がかかるために敬遠される傾向がありますが、プロジェクトの全体を把握する上で欠かせない手順です。またWBSを実施しておくことで後が楽になるので、省略せずに必ず行いましょう。

2.スケジュールや工数に無理がないか確認をする

スケジュールができたら、スケジュールや工数に無理がないか、矛盾点はないかなどをチームメンバー間で確認をします。後で抜けや漏れが発見されると、1度作成したチャートを全面的に作り直すことになります。必ず完成する前にチームメンバー全員で情報を共有し、想定されるリスク・各メンバーのスキル・想定工数などについて確認を行います。

3.マイルストーンも設定する

ガントチャートにはグラフ以外に、マイルストーンや区切りなどを設けるとよいでしょう。マイルストーンは進捗確認のチェックポイントを意味します。マイルストーンを設定し、チームメンバーで共有することで目標通りにスケジュールが進捗しているか否かが、明確になります。

またクリティカルパス・ポイントを設定しておくと他への影響が大きく、キーとなるタスクが明らかになるでしょう。

4.修正の可能性を考慮しておく

1度作成したチャートが、仕様変更やスケジュール変更が発生しても、すぐに修正できるようにしておくことが求められます。最初から凝ったものを作らず、シンプルなものにしておくことも1つの方法ですが、Excelなどを利用してデジタルで作図しておくと修正が楽でしょう。

また、チャートは個人PCのローカル上ではなく共有サーバーなどクラウド上で管理しておくと、全員が集まった場で修正が即時に行えて共有もできます。例えば、WBS作成ツールでWBSを修正すると自動的にガントチャートも作成・修正できるような専用ツールを利用すると効率的です。

WBSとガントチャートを作成してプロジェクトを成功させよう

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WBSは作業項目を洗い出し、タスクを徐々に小さく細分化することで重要なタスクの抜け落ちを防ぐ目的があります。ガントチャートはプロジェクト進捗管理のためのスケジュール表をグラフ化し、プロジェクト全体を視覚的に捉え、プロジェクトのタスクやタスクにおける時間・進捗状況を把握できます。

どちらもプロジェクトを円滑に進行させるのには欠かせないため、ぜひツールを活用しながらプロジェクトを成功させてください。

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