プロジェクトマネジメントの資格一覧!難易度や年収について解説
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プロジェクトマネジメントの資格一覧!難易度や年収について解説
アンドエンジニア編集部
2023.08.23
この記事でわかること
プロジェクトマネジメント資格の種類は、海外のものを合わせると10種類以上ある
プロジェクトマネジメント資格には経済的価値があり、PMは比較的高収入が目指せる
おすすめのプロジェクトマネジメント資格は、PMP・PM試験・P2Mの3つである

プロジェクトマネジメント資格とは

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プロジェクトマネジメントとは、目標や期間が定められたプロジェクトにおいて、プロジェクトが最高のパフォーマンスを発揮し、納期までに目標を達成させるためのマネジメント手法です。

このマネジメントを行う最高責任者がプロジェクトマネージャー(以下PM)ですが、単に経験を積み、実力があるだけではPMになるのは難しいでしょう。しかしPMとしてアピールできる資格(スキル証明)があれば、PMになれる確率は一気に上がります。

ただし、プロジェクトマネジメントに関する資格は数多くあり、どの資格試験を選択すれば良いのか迷う方も多いでしょう。ここでは、プロジェクトマネジメント資格の種類と、おすすめの資格について解説をしていきます。PMを目指す皆さんはぜひ最後までお付き合いください。

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プロジェクトマネジメントの資格の種類と選択肢

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プロジェクトマネジメント関連の資格は、海外のメジャーな資格を含めると10種類以上あります。それらをプロジェクトマネジメント関連資格一覧にしたので、検討の際の参考にしてください。

11種類の資格一覧

以下の一覧は、主要な認定団体を軸に各資格を並べています。海外の資格試験も全て、日本語試験を選択できるため、語学が苦手な方でも安心して受験できます。

認定団体      試験の種類   試験実施   受験料

▪PMI(米国)     PMP                      随時    405ドル~555ドル

   〃      CAPM                  随時    225ドル~300ドル

▪PRINCE2(英国)  Foundation            随時            63,800円(税込)

   〃      Practitioner           随時     60,830円(税込)

▪CompTIA(米国) CompTIA Project+  随時    46,284円(税込)

▪IPA(日本)            PM試験         10月      7,500円(税込)

▪PMAJ(日本)  P2M-PMC(基礎) 年6回    17,000円(税込) 

   〃        P2M-PMS(中級) 年3回     39,200円(税込) 

   〃        P2M-PMR(上級) 年1回    220,000円(税込)

▪PMO協会(日本) PJM-A                   随時      14,300円(税込)

   〃        PMO-S                  随時   13,200円(税込)

【参考】:PMI 【参考】:PRINCE2 【参考】:CompTIA Project+ 【参考】:プロジェクトマネージャ試験 【参考】:PMAJ 【参考】:日本PMO協会認定資格制度

資格の難易度

先述したようなプロジェクトマネジメント資格ですが、難易度については参考としてIPAの「プロジェクトマネージャ試験」を例にしてみましょう。IPAが公表している「統計資料」によると、令和3年度秋期におけるプロジェクトマネージャ試験の合格率は14.4%でした。

【参考】:IPA:情報処理技術者試験 統計資料

この数字から見ると、決して合格が容易な試験ではないことが分かります。受験の際には実務経験が求められたり、専門的な知識が求められるため他のIT資格と比較すると難易度は高めであるといえます。

どの資格試験を選択すればいい?

海外の取引先がある、海外で仕事をしたい方は、米国や英国の資格試験を受験すると良いでしょう。どの資格も認知度は高く、自身のスキル証明には十分です。選択時の目安として、自身の所属企業、もしくは転職希望先企業にその資格に対する手当や報奨金があるか否かを確認しておいた方が良いでしょう。

プロジェクトマネジメント資格の価値

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プロジェクトマネジメント資格を取得するにあたって、勉強コスト・受験コストを考えた場合、本当に資格取得がそれに見合うのかどうかが気になります。

確かに資格の価値が低ければ、勉強に見合うメリットが得られません。そこで、プロジェクトマネジメント資格がどの程度の価値があるのか、年収や手当で比較しました。

プロジェクトマネジメント資格の資格手当

プロジェクトマネジメント資格としては、IPAの「プロジェクトマネージャ試験 (PM)」がよく知られています。求人情報などでは同資格の取得に対し、資格手当や報奨金を支給している企業が散見されます。資格手当を支給している例では、月1〜2万円が平均的な金額です。

また、資格取得報奨金は10万円〜20万円まであり、手当か報奨金のいずれか支給という形が一般的です。仮に、月2万円の資格手当が支給されると、単純計算で年収が24万円アップします。ここまで手当が支給されるのであれば、資格取得に対するモチベーションがアップします。

プロジェクトマネージャーの年収

プロジェクトマネジメント資格を取得する代表的な職種として、プロジェクトマネージャーが挙げられます。ここでは、プロジェクトマネージャーの年収について紹介します。

プロジェクトマネージャーの年収は、「マイナビエージェント年収ランキング」での平均年収は670万円(※2023年3月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近いプロジェクトマネージャを参考にすると、平均年収892万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、プロジェクトマネージャーは一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。

IT業界におけるプロジェクトマネージャーは、エンジニアとしてのスキルはもちろん、マネジメント能力も求められるため、高収入が期待できます。

【参考】:マイナビエージェント 職種別平均年収ランキング ※【平均年収 調査対象者】2019年12月~2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

プロジェクトマネージャーの年収・向いている人・資格・将来性を解説

プロジェクトマネジメント資格を取得するメリット

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ここでは、プロジェクトマネジメント資格を取得する上で得られるメリットをまとめました。「知識や適性があることを証明できる」「年収アップにつながる」「他の高度試験や支援士試験が一部免除される」の3つについて解説します。

知識や適性があることを証明できる

プロジェクトマネジメント資格を取得することで、知識の習得やプロジェクトマネージャーとしてのスキルがあることを証明できます。プロジェクトマネジメント資格を取得する上で、マネジメントスキル・管理スキル・問題解決や分析のスキルなどが身につくので、プロジェクトマネージャーとしての適性をアピールできます。

また、難易度の高い試験に合格できる優秀なIT人材として、自身の市場価値を高めることが可能です。

年収アップにつながる

前述の通り、プロジェクトマネージャーの年収は高い傾向にあります。資格を保有していることで資格手当や報奨金を貰えることもあるので、資格があるだけで収入アップが期待できます。また、大規模プロジェクトに任命されたり、実際にプロジェクトマネージャーとして出世できたり、ステップアップに繋がります。

さらに、資格があることで他業種へ好条件で転職できる、といったメリットもあるので努力が反映されやすい資格の1つです。

他の高度試験や支援士試験が一部免除される

IPAのプロジェクトマネージャ試験に合格すると、2年間は情報処理技術者試験の高度試験や情報処理安全確保支援士試験の一部(午前Ⅰ試験)が免除されます。これらの試験において受験申し込み時に申請すれば、午前Ⅱ試験からの受験が可能なので、受験者の負担がかなり軽減されます。

また、2年間であれば何度でも一部免除を申請することが可能です。期間の目安として、例えば春期の場合は2年後の春期、秋期の場合は2年後の秋期、といった同時期試験での申請が対象となります。

【参考】:情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の一部(午前Ⅰ試験)免除制度

情報処理安全確保支援士とは?将来性・難易度・勉強時間などを解説!

取得をおすすめしたい資格3選

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ここでは、前述したプロジェクトマネジメントの資格一覧の中から取得をおすすめするものを紹介します。先ほど紹介した資格一覧はどれも役立つ資格ですので、自身に合った資格試験を選択してください。世界に通用する資格・日本で最も価値ある資格・IT業界以外でも活用されている資格の3つに絞って紹介します。

プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル (PMP)

PMP(Project Management Professional)資格は、米国のPMIによって運営されています。PMPはプロジェクトマネジメントの世界標準と言われる知識体系の「PMBOK」に基づいている国際資格です。

日本ではIPAのプロジェクトマネージャ試験の方が認知度は高いですが、世界に目を向けるとPMPの認知度や評価は非常に高いものがあります。米国ではMBAよりもPMP資格の方が価値があるとさえ言われているほどです。

ただしPMP資格には受験資格があり、大学卒業資格では「36カ月間のプロジェクトマネジメント経験と4,500時間のプロジェクト指揮の経験」が求められます。ちなみに高校卒業資格の場合は、60カ月のプロジェクトマネジメント経験、7,500時間の実務経験が求められ、非常に実務経験を重視した試験である点が特徴です。

合格率については公表されていませんが、高い実務経験が求められることから、決して難易度の低い試験ではありません。PMとして世界を股にかけて活躍したい人におすすめの資格です。

【参考】: プロジェクトマネジメントプロフェッショナル(PMP)

PMPとは?資格取得の意味は年収アップ?受験資格や難易度も解説

プロジェクトマネージャ試験 (PM)

プロジェクトマネージャ試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)認定の国家資格「情報処理技術者試験」の1つで、プロジェクト責任者に必要なスキルや知識が求められる資格です。

プロジェクト計画の立案・予算や品質の管理・リソースの確保と整備・リスクマネジメント・進捗管理・組織運営・経営に関する問題など、幅広く出題されます。

IPA主催の情報処理技術者試験の中では、最高難度4のスキルレベルで、プロジェクトマネジメント資格としては最高位にあります。この資格は国家資格として、企業などでの評価は大変高く、就職や転職時には非常に有利な資格です。

受験資格は特に設けられていませんが、目安としては「エンジニアとしての実務経験が10年程度、かつプロジェクトの管理に関与した経験がある人」が対象ですので、実務経験の面からもハードルの高い資格試験です。

プロジェクトマネージャ試験の合格率については、前述の通り14%前後とかなり狭き門です。

【参考】:プロジェクトマネージャ試験(PM)

P2M資格試験

P2M資格試験は、PMAJ(日本プロジェクトマネジメント協会)主催のプロジェクトマネジメント資格試験です。試験は同協会作成のP2M標準ガイドブックに準拠し、出題されます。

P2MはPMBOKでまとめられた「プロジェクトマネジメント」に「プログラムマネジメント」を加えた日本発の手法で、複数プロジェクトにまたがる統合管理を特徴としています。

PM2の考え方はIT企業だけにとどまらず、多業種に適用できるため、IT以外の製造業や建設業においても活用されており、さまざまな業界から部門責任者やマネージャーが受験している点が他の資格試験と異なる点です。

PM2の試験区分としては、PMC(基礎)・PMS(中級)・PMSプログラム(中級)・PMR(上級)がありますので、自身のレベルに応じて受験できますが、試験によっては受験資格が設けられていますので注意が必要です。

PMAJ公式サイトには各試験の合格率が公表されており、PMCは60%前後、PMSは40%前後です。基礎からしっかりステップアップをしていきたい人、IT分野にこだわらず広くプロジェクトマネジメントを学びたい人におすすめの資格です。

【参考】:P2M概要・試験・資格制度

PMBOKとは?第7版でPMBOKの内容が劇的に変更された理由

プロジェクトマネジメント資格に必要な経験とは?

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プロジェクトマネジメント資格には、受験に際して求められる条件や経験などはあるのでしょうか。ここでは、PMPを例に挙げてどういった経験が必要なのかを紹介します。

学歴と実務経験が求められる

PMPなどのプロジェクトマネジメント資格を受験するには、特別な資格は必要ありませんが、一定の学歴と実務経験がある方を対象としていることが多いです。

PMPを例にすると、高校(大学)卒業あるいはそれに相当する資格を保有し、直近3〜5年以上かつ4,500〜7,500時間以上のプロジェクトマネジメントの経験があることを条件に挙げています。さらに、認定研修を受講して修了証明書を提出する必要があるなど、受験に到るまでにはいくつかの条件が必要です。

プロジェクトマネージャーという重要なポジションを担うからこそ、求められる条件は厳しめに設定されています。

資格学習におすすめの本3選

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ここでは、プロジェクトマネジメントの資格取得におすすめの本を3つご紹介します。それぞれの特徴をまとめたので、書籍を選ぶ参考にしてください。

情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2023年版

本書は、最新試験の傾向に対応したプロジェクトマネージャ試験の対策本です。合格するための知識・テクニック・学習方法などが丁寧に解説されています。過去21年分の試験問題を詳しく解説しており、出題傾向が分かります。

これまで本書によって数多くの合格者を輩出しており、読者による体験記も多数記載されています。

▪著者:三好 康之 ▪ページ数:763ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:202303/20

【参考】:情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2023年版

PMP(R)試験 合格虎の巻 新試験対応

PMP®試験対策の必携本として長年愛用され続けている参考書が、新試験対応版として出版されているのが本書です。実際の試験を想定した模擬試験が430問も解説付きで用意されており、本格的な実力アップが図れます。

また、特典として用語集が収録されているので、本書だけでなくPCやスマートフォンでも学習が可能です。

▪著者:庄司敏浩/落合和雄 ▪ページ数:461ページ ▪出版社:アイテック ▪発売日:2020/12/03

【参考】:PMP(R)試験 合格虎の巻 新試験対応

ポイント図解 プロジェクトマネジメントの基本が面白いほど身につく本

本書は、プロジェクトマネジメントにおける知識・技術・思考などについて、84のテーマに絞って分かりやすく解説しています。また、プロジェクト進行に必要なリーダーシップなどの人間力の身につけ方についても触れているため、スピーディーに企業が求める人材を目指すことができます。

プロジェクト計画書の策定やWBSを用いたQCD管理など、プロジェクト立ち上げから完了に至るまでの必要な項目が全て盛り込まれています。

▪著者:伊藤 大輔 ▪ページ数:192ページ ▪出版社:KADOKAWA ▪発売日:2021/08/16

【参考】:ポイント図解 プロジェクトマネジメントの基本が面白いほど身につく本

プロジェクトマネジメント資格は有効だが実践も重視される

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ここまでプロジェクトマネジメント資格について解説しました。資格を取得するよりも実践が大事という方もいますが、理論に裏付けられた実践に勝るものはありません。また、ご紹介した資格はいずれも実践力を磨くことに重きを置いています。

この記事では紹介しきれませんでしたが、プロジェクトマネジメントには理論と実践に加え、ヒューマンスキルが求められます。自己に厳しく、自己研鑽を続けられる人でなければプロジェクトマネジメントを担うのは難しいでしょう。

ぜひ自己研鑽に励み、資格を取得して名実ともに優れたプロジェクトマネージャーを目指してください。

この記事を読んで
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