ITコンサルタントの仕事は激務...
ITコンサルタントの仕事は激務?人気の職種なのはなぜ?
アンドエンジニア編集部
2021.01.14
この記事でわかること
ITコンサルタントの仕事が激務だと言われる理由
ITコンサルタントの中にも様々な職種がある
激務だと言われるITコンサルタントを目指す人が多い理由は何か

ITコンサルタントの仕事は本当に激務?

ITコンサルタントは激務との噂がありますが、実際のところはどうなのでしょう。実体験を交えながら、激務と言われる理由を探ってみましょう。

ITコンサルタントにはブルーカラーの時代があった

かつてITは人間の作業をコンピューターにやらせること、すなわち機械化による省力化が主な目的でした。現在のITはビジネスを支える基盤の一つとなり、経営の4大資源(人・モノ・金・IT)の一つに加えられました。こうしてITの位置づけが変わったこともあってITコンサルタントという職種が生まれました。

以前はITコンサルタントの領域をSE(システムエンジニア)が担っており、現状調査・分析から概要設計、基本設計、最終の稼働テストまですべてSEが行っていました。納期最優先で、スケジュールに遅れが生じると徹夜するのが当たり前でした。何日もコンピータールームの床に転がって仮眠を取るようなこともあり、IT土方(どかた)と呼ばれていた時期もあります。

企業にコンプライアンス(法令順守)が求められはじめ、労働者保護の観点からそのような事態は激減しましたが、今でも徹夜で提案書や報告書作成に励むITコンサルタントは少なくありません。そのあたりも激務と噂される理由だと考えられます。

ITコンサルタントは技術だけでは食べていけない

プログラマーやエンジニアは身に付けた技術やスキルで食べていけますが、ITコンサルタントはそうは参りません。社会は大きく変化し、企業のビジネススタイルも時代とともに変わります。もちろん、IT技術も日進月歩の勢いで進化しています。こうした変化や進化に対応できなければITコンサルタントは務まらないのです。

そのため多くのITコンサルタントは寸暇を惜しんで勉強に励みます。学生時代よりも遥かに勉強の時間が増えたと言うITコンサルタントの声を聞きます。常に忙しそうに見えることも激務と言われる要因なのかもしれません。

ITコンサルタントは残業が多い?

IT土方から典型的なホワイトカラーとなったITコンサルタントですが、実は圧倒的に残業が多い職種なのです。ITコンサル系の人気企業、アビームコンサルティングやアクセンチュア、日本アイ・ビー・エムの平均残業時間は40時間程度です。

一般企業が20時間程度なのに比べると倍の残業時間です。これは管理部門や営業部門を含めた全体平均で、ITコンサルタントはプロジェクトが稼働すると月間70~80時間程度の残業が当たり前になることもあります。これではほぼ毎日終電で帰宅するような生活ですね。

ちなみにIT総合情報ポータル「ITmedia」の※記事によるとITコンサルタントは残業が多い職種ランキングの5位にあげられていました。

『「残業が多い職種」ランキング、ITコンサルタントなど上位に 1位は……?』

ITコンサルタントにも業務領域がある

ここで視点を変えて、ITコンサルタントの職種領域に少し踏み込んでみましょう。一口にITコンサルタントと言っても、職種を更に細分化すると幾つかの専門職種に分かれます。ITコンサルタントを目指す方は、ご自身がどの職種を目指したいのか、イメージを持っておかれるとよいでしょう。

IT戦略コンサルタント

仕事の領域が多いITコンサルタントのなかでは「IT戦略コンサルティング」がもっとも一般的な職種です。企業の経営方針にもとづいてIT戦略を立案したり、IT戦略に従ってシステムの開発を提案したり、あるいはシステムの最適化や経営改善を行うのが主な役割です。

しかもIT戦略コンサルティングの仕事は一人で行うわけではなく、ITエンジニアを中心にプロジェクトを組み、システムの稼働までのマネジメントも行います。以下にご紹介する専門領域についても IT戦略コンサルタントが担当することが多いと考えてください。

ERPコンサルタント

ERP(Enterprise Resource Planning)は「経営資源計画」を意味し、ERPコンサルタントは主にITを活用した業務の効率化や最適化の実現を主な仕事としています。具体的には顧客管理、財務会計、営業支援、マーケティングなどの分野を担当します。

 

SCMコンサルタント

 SCM(Supply Chain Management)は、原材料の調達から製造、物流、販売、サービスに至る一連の業務プロセスをそれぞれの業者の繋がり(サプライチェーン)で連携させ、全体最適を図っていく方法です。SCMコンサルタントはサプライチェーン全体の連携をITを用いてさらに効率化するために、SCM戦略の立案、プランニング、プロセスの改革、IT構想立案、導入支援などを担当します。

CRMコンサルタント

CRM(Customer Relationship Management)は販売側と顧客の関係を密にするマネジメント手法です。CRMコンサルタントは、顧客との関係強化を図るための業務上の課題を整理・体系化し、業務の見直しや効率化を図る仕組みの提案、課題の解決を行います。

CRMはクラウドやスマホの活用が主流になっており、それらに対応したパッケージが多く提供されています。現場業務への深い理解と、クラウドコンピューティングやスマホアプリなどに関する知識や経験が求められます。

セキュリティコンサルタント

最近のITでは、サイバーセキュリティの強化が大きな課題になっています。セキュリティコンサルタントは、企業が抱えるサイバーセキュリティのリスクを明らかにし、具体的なセキュリティ対策を講じることを役割としています。

セキュリティコンサルタントの領域には従来のハードやソフトウエアのセキュリティ対策以外にも人的セキュリティへの対応も含まれ、経営的視点でのリスクマネジメントに関する専門知識や経験が求められます。

デジタルコンサルタント

デジタルコンサルタントは、デジタル化による業務改善やコスト削減、新たな事業創出の推進を図るコンサルタントです。最近は経済産業省が(DX:DigITal Transformation)の推進を提唱して注目が集まっています。DXは単なるIT化ではなく、ITを用いてビジネス変革から従業員の行動変容までの実現を意味しており、これからの日本経済の行く末を左右する大きな課題になっています。

デジタルコンサルタントに主に求められているのは、このDXの推進エンジンになることです。コロナ対策としてテレワークが推奨されていますが、これもDXの一部と言えます。デジタルコンサルタントに対する期待と需要はこれから益々高まっていくでしょう。

ITコンサルタントを辞めたくなる瞬間

世の中の期待も大きく、今や花形の職種でもあるITコンサルタントですが、華やかさの裏にはうかがい知れない苦労や悩みがあります。実はこうしたこともITコンサルタントが激務だと言われる所以なのかもしれませんね。

年収1千万円を稼ぐITコンサルタントですが、彼らがその1千万円の年収を投げ出してでも辞めたくなる瞬間があります。それがどのようなものなのか、ケースごとに見ていきましょう。

苦労した提案が採用されず失注した瞬間

ITコンサルンタントの仕事でのプレッシャーは並大抵ではありません。プロジェクトの受注は競争入札になることが少なくありません。失注すれば1カ月も要した予備調査や現状分析、提案書作成の苦労が一瞬にして水泡に帰すことがあります。

また採用が決まっても、プロジェクトの規模が想定以上に膨らみ、提案当初に想定した利益が全く取れないケースも起こります。こうした責任を一手に引き受けるのがプロジェクトの総責任者でもあるITコンサルタントの役目です。失注が重なるとITコンサルタントは自信を失い、仕事を辞めたくなることすらあります。 

プロジェクトメンバーの離反に遭い、納期を守れなくなった瞬間

苦労の末やっと受注した仕事ですが、プロジェクトを編成し、実際の業務に着手した後にメンバーの離反を招くことがあります。スケジュールに無理があり、また度重なる仕様変更で、SEやプログラマーに多大な負担を強いた結果、メンバーの不満が鬱積し、爆発することがあります。

プロジェクトリーダーが過労で倒れ、SEがメンタル的に参ってしまい、結果プログラマーにもしわ寄せがいき、メンバーが次々離脱、離反していくといった事態もあり、そうなるとプロジェクトそのものが成り立たなくなります。当然納期遅れが生じ、顧客からも厳しい叱責を受け、ペナルティを要求されます。こんな時のITコンサルタントは四面楚歌状態で、全てを投げ出して逃避したくなることすらあります。

せっかく稼働したシステムが大トラブルで顧客に迷惑を掛けた瞬間

苦労を重ねながらも何とかシステムのカットオーバーを迎えたものの、構築したシステムが仕様のミスやバグによって、正常に動かないケースがあります。顧客への謝罪、社内への顛末報告、疲弊したメンバーたちをかき集め、トラブル対策に追われる日々はまさに修羅場です。

プロジェクトにはこうしたリスクが付き物ですが、これを乗り越えるのもITコンサルタントの役目です。ITコンサルタントの資質として、心身ともにタフであることが求められるのは、こうした事態に対応するためでもあるのです。

それでもITコンサルタントになりたい

ここまで述べてきたようなリスクやプレッシャーがあるにもかかわらず、ITコンサルタントを目指す方が少なくないのは、何故でしょう。その主な理由をあげてみましょう。

やりがいがある

人が仕事を続けていく上で重要な要素は「やりがい」です。自分の仕事が評価され、より大きな仕事を任されることで「やりがい」を感じることができます。ITコンサルタントは億単位の仕事を受注することが珍しくありません。

中には予算が数十億、数百億円に達するビッグプロジェクトもあります。このプロジェクトを成功させ、顧客の企業の業績向上に貢献したり、顧客から謝意を受けたり、あるいはプロジェクトがメディアに採り上げられた時には、この上ない「やりがい」を感じることができます。

自己研鑽ができる

ITコンサルタントにはルーティンワークはありません。常に経済、社会、経営に関する勉強をしなければなりません。時代の潮流に乗り遅れることなく、さらに未来を見据えていかなくてはなりません。業務知識も求められます。

次に担当する企業が決まると、その企業に関する経営状態、会社の方針、事業内容、業務について研究が始まります。ITコンサルタントは日々自己研鑽が求められます。このことが自らを成長させ、進歩させるのです。これがITコンサルタントのモチベーションを高める糧なのです。

いざとなれば高年収転職も可能

そんなITコンサルタントにも、さまざまな壁があります。会社とそりが合わない、職場の空気が合わない、人間関係で行き詰った... さまざまな理由から転職を余儀なくされることがあります。しかし、ITコンサルタントは引く手あまたです。

同業への高年収転職も可能ですし、一般企業の顧問、社内コンサルタント、CIOとして迎え入れられるケースもあります。これまで関わった企業から直接声が掛かることも少なくありません。

いざとなれば、いつでも良い条件で転職できるバックボーンがあれば、それが仕事の余裕に繋がります。こうしたこともITコンサルタントのメリットの一つです。

ITコンサルタントは実際のところ苦労の絶えない大変な職種です。それでも、仕事のやりがい、ステイタス、高年収が苦労を癒してくれるのです。ITコンサルタントの職業に興味を持たれた方は、是非目指してみてください。

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