ChatGPT Plusの最新情報
ChatGPT Plusは、「GPTs」リリースに伴う利用者急増により新規登録を一時停止するなど非常に注目度が上がっています。ここでは、2023年末から2024年にかけて発表されたニュースリリースより、最新情報をピックアップして紹介していきます。
【参考】:Introducing ChatGPT Plus | OpenAI
「GPTs」とは
2023年11月6日にリリースされた「GPTs」は、ChatGPTをノーコードでカスタマイズできる機能です。「GPTs」は、「ChatGPT Plus」で利用できる機能で専門スキルを持たずにチャットボットを開発することができます。
【参考】:Introducing GPTs | OpenAI
「GPT Store」のリリース
「GPTs」リリース後2カ月が経過したことで、すでに300万以上のカスタムバージョンのChatGPTが作成されています。「GPT Store」では、そのカスタマイズしたGPTが共有されており、活用することができます。提供者は、GPTの利用に応じて収入を得ることができます。
【参考】:Introducing the GPT Store | OpenAI
「ChatGPT Team」のリリース
「ChatGPT Team」は、「ChatGPT Enterprise」向けのセルフサービスプランです。GPT-4やDALL-E 3などのモデルや、高度なデータ分析などのツールを提供します。ビジネスデータのトレーニングは不要で、安全に管理しながらカスタムGPTを利用することができます。
【参考】:Introducing ChatGPT Team | OpenAI
新しいモデルのリリースと価格改定
GPT-4 TurboプレビューモデルとGPT-3.5 Turboモデル、テキスト・モデレーション・モデルの更新版をリリースします。低価格のエンベッディングモデルとして、小型のtext-embedding-3-smallモデルと大型のtext-embedding-3-largeモデルをリリースします。
エンベッディングでは、クラスタリングや検索のようなタスクを実行しやすくします。
gpt-3.5-turbo-0125では、価格引き下げによりユーザーに利用しやすくしています。
【参考】:New embedding models and API updates | OpenAI
ChatGPT Plusとは
ChatGPT Plus(チャットジーピーティー・プラス )は、米国OpenAI社が2022年11月30日に公開したチャットボットChatGPTをベースに、さらに快適かつ先行的に新しい体験ができる有料プランとして登場しました。
ChatGPT Plusは、これまでChatGPTに搭載されていた「GPT-3.5」に加え、3月14日に次世代大規模言語モデルとして公開された「GPT-4」が利用できる点が特徴です。
ChatGPTは2023年1月末時点で1億人近いユーザが登録しており、サーバ負荷が高くなったことから、レスポンス面で問題が生じています。ChatGPT Plusではこういった面でも改善が見られます。
今回は、GPT-4を利用できる有料プランであるChatGPT Plusの登場により何が改善されたのか、機能面の違いや課金方法・利用方法などについて紹介していきます。
【参考】:Introducing ChatGPT Plus | OpenAI
ChatGPT Plusの通常版との違い
無料サービスとして提供されているChatGPTと、今回新たに有料サービスとして登場したChatGPT Plusとの大きな違いはどこにあるのか確認しておきましょう。
【参考】:GPT-4 | OpenAI
有料プランとして提供
ChatGPTは無料プランとして提供されていますが、ChatGPT Plusは月額20ドル(約2,700円)の有料プランです。
新たな技術を先行利用できる
ChatGPTではAIチャットボットであるGPT-3.5が利用できますが、ChatGPT Plusでは強化されたGPT-3.5に加えて、新たな技術であるGPT-4の利用が可能です。
サーバが混雑していても優先的に利用できる
ChatGPTでは利用者の急増により、アクセス制限がかかって利用できないケースがありましたが、ChatGPT Plusでは優先的なアクセスが提供され、アクセスが集中する時間でもスムーズに利用ができるようになっています。
サポートが充実している
ChatGPT Plusの加入者は優先的なサポートを受けられ、問題や懸念事項に対する迅速かつ適切な対応を期待できます。
GPT-3.5とGPT-4の違い
ChatGPT Plusで先行利用可能となっているGPT-4はGPT3.5と比べて何が違うのでしょうか?ここからは、GPT-4で強化された機能について見ていきましょう。
【参考】:GPT-4 | OpenAI
回答の正確性向上
司法試験の模擬問題をそれぞれ解かせたところ、GPT-3.5ではテスト受験者の下位10%程度のスコアでしたが、GPT-4では上位10%のスコアを出し、回答の精度が飛躍的に高まったとされています。
これまでGPT-3.5では、質問に対して的はずれな回答をしたり、誤った回答を行ったりするケースが報告されていましたが、GPT-4ではより回答の正確性が高まっています。
フィードバックの反映
GPT-3.5でも利用者からのフィードバックを採り入れ、回答内容の修正は行えましたが、GPT-4ではそれがさらに改善されており、利用者が得たい情報が正確かつ短時間で得られるようになりました。
回答の安全性向上
GPT-3.5では弱点として倫理面の弱さがあるとされ、人を傷つけたり、犯罪に利用されたりするリスクが指摘されていました。一方、GPT-4ではアルゴリズムの改良によって、ルールベースの判別機能が強化され、回答の安全性が高まっています。
例えば、危険な化学物質の合成方法や爆弾製造方法に関するリクエストを拒否する機能が強化されています。
入力の自由度改善
GPT-3.5では入力はテキストに限られていましたが、GPT-4からは「画像」での入力が可能となりました。例えば、手書きのWebデザインを写真で画像データにし、GPT-4に読み込ませると、HTMLコードに変換して出力することができます。
また、関連する画像データを読み込ませ、「その画像のどこが面白いのかを説明して」といった質問にも、的確に答えることが可能です。2023年9月25日に、ChatGPTの最新モデルとして画像解析機能が追加された「GPT-4V」が発表されています。
【参考】:GPT-4V(ision) system card
GPT-4に残された課題
GPT-4はGPT-3.5のGPT3.5と比較して、前述の通り機能面での改善が見られる一方、GPT-3.5が抱えていた課題をそのまま引き継いでいる点が2つあります。
■ 最新のデータに更新されていない GPT-3.5では、これまで学習済みのデータが2021年9月までだったため、例えば2022年以降に起きた出来事や新しい情報に関する質問に答えられないという問題がありました。
この点はGPT-4でも未だ改善されていませんが、その後GPT-3.5は2022年1月まで収集データを拡大し、GPT-4は2023年4月まで情報が更新されています。(2024年2月時点)
この更新によりGPT-4では、情報や出来事の正確性が高まっているため実用上の不都合はよほどでない限り感じないでしょう。
■ 正しくない文章を生成することがある 回答の不正確性はGPT-3.5の課題として指摘されており、GPT-4では40%改善されたとしています。しかし、一見正しそうに見えて、検証をしてみると正しくない情報、すなわち幻覚(hallucination)のような文章を生成してしまう傾向は依然として残されています。
ChatGPT Plusの課金方法・利用方法
ChaGPT Plusを日本でいち早く利用するためには、Waitlistへの登録が必要とされていましたが、現在は、ChatGPTの画面の「Upgrade plan」から有料プランへのアップグレードが可能です。ここでは、ChatGPT Plusの課金方法・利用方法について解説します。
【参考】:How can I access GPT-4? | OpenAI]
ChatGPT Plusの支払い(課金)方法
ChatGPT Plusの支払い方法は、クレジットカードのみです。2024年2月時点でのサブスクリプション価格は月額20US$です。ここからはChatGPT Plusの登録方法、利用料金の支払い方法、解約方法について解説します。
ChatGPT Plusの登録方法
ChatGPT Plusへの登録を行うには、最初にChatGPTにログインし、表示された左側のメニューから「Upgrade to Plus」をクリックします。
次の図のように、ChatGPTのページの「Try on web」あるいはURLを指定してログイン画面に移動します(①②)。アカウントを作成していない場合は、ここで「Sign up」を選択してアカウントを作成し、ログインします。
ログインできると以下の図のように、ChatGPTの画面が表示されAIチャットを利用することができます(①②)。
次の図をご覧ください。ログイン後のサイドバー下部に「Upgrade to Plus」が表示されます。クリックすると、自身のプランの表示と、ChatGPT Plusへの変更ボタンが表示されます(①②)。
続いて次の図のように、「Upgrade plan」を選択すると、支払方法の画面が表示されますので、カード情報・カード所有者名・請求書の住所などのクレジットカード情報を入力し、「申し込む」をクリックします(①②③④)。
確認画面では「Continue」をクリックすると、次の図のように「ChatGPT Plus」の画面に遷移します(①②)。
まだChatGPTのアカウントを持っていない方は、一旦、ChatGPTに登録してからChatGPT Plusにアップグレードしてください。
【参考】:ChatGPT | OpenAI
ChatGPT Plusの解約方法
ChatGPT Plusを試した後に、解約をする場合の手順について紹介します。
次の図をご覧ください。ChatGPT Plusにアップグレードすると、サイドバー下部の「・・・」から表示されるメニューに「My Plan」が追加されていることが分かります(①②③)。なお、メニューの表示名称はバージョンアップによって、変更されることもありますので、お使いの環境でご確認ください。
ChatGPT Plusの解約は、以下の手順に従って解約できます。
1. ChatGPT Plusのサブスクリプションを管理しているサイトにログインします。サブスクリプションの管理画面は、ChatGPT Pluの左メニューにある「・・・」→「My Plan」を選択してアクセスできます。 2.アカウント設定ページに移動してサブスクリプションの管理オプションを見つけ、サブスクリプションのキャンセルを行います。 3.サブスクリプションのキャンセル理由を選択し、必要な情報を入力します。
続いてキャンセルボタンをクリックすると、サブスクリプションはキャンセルされます。
なお、サブスクリプションのキャンセルを行っても、次の契約更新日まではChatGPT Plusのサービスが利用可能です。
GPT-4の活用例
ChatGPT Plusで先行利用できるGPT-4は、様々な分野での活用が期待されており、既に一部では既存サービスとの連携が始まっています。ここでは、GPT-4の活用例について見ていきましょう。
新しいBingサービス
米Microsoftは社2023年3月14日(現地時間)に、米OpenAIの「GPT-4」発表を受けて、Microsoftが2月から提供してきたチャットbotサービスの「新しいBing」は検索用にカスタマイズされたGPT-4がエンジンであることを公式ブログで公表しました。
現在は無料で提供されているBingサービスですが、関連APIなどが5月から大幅に値上げされる見込みです。
【参考】:新しい Bing が OpenAI の GPT-4 上で稼働 【参考】:Attention! Bing Search API pricing skyrockets by up to 1000% - gHacks Tech News
Microsoft 365 Copilot
米Microsoft社は2023年3月16日(現地時間)に、「Microsoft 365」の新機能として「Microsoft 365 Copilot」を発表しました。Microsoft 365 Copilotを利用することで、チャットで指示を出すだけで「Word」や「Excel」の作業をサポートしてくれます。
CopilotはGPT-4と各アプリを仲介する「Microsoft Graph」によって構成されており、Microsoft Officeのアプリに対して、言葉によって作業指示を出せる点が最大の特徴です。このCopilotの登場により、日本のDX化が一気に加速する可能性も期待できます。
【参考】:Microsoft 365 Copilot を発表 – 仕事の副操縦士 - News Center Japan
ChatGPT PlusによってAI活用がさらに進む
ここまで、ChatGPT Plusの概要・従来のChatGPTとの違い、ChatGPT Plusから新たに先行利用可能となるGPT-4とGPT3.5との機能面の違い、利用方法・活用法などについて解説しました。
ChatGPT Plusは、これまでよりも快適かつ先行的に新しい体験ができる有料ブランで、従来のGPT-3.5に加えて、進化版のGPT-4の利用が可能な有料サービスです。
GPT-4は単独でも優れた機能を発揮しますが、他のアプリと連携することで、様々なサービスに適用することが可能です。IT分野以外でも、これまでの仕事の常識を覆すポテンシャルを持ったGPT-4を利用できるChatGPT Plusを試してみることをおすすめします。
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